自分が嫌いな声
自分の声に自信がない
だから誰にも聞かれたくない
小脇に抱えた児童用のお絵かきボードとの付き合いも8年ほどになる。
両親も6年前に説き伏せた。
友達も理解し、優しくしてくれる
ただ、友達は「笑い声はすごく可愛いんだけどなぁ」と言う
そんなはずがない。どうせ口を開けば私の声を笑うつもりだ。
自分が一番知っている。
はずだ。
たぶん。
自分の事が分からないなんて情けない。
そうだ、久々に自分の声を聞いてやろう
今は教室に私一人だから誰にも聞こえないはずだ。
辞書を引く。なんせ、久々だから何か変わった言葉を言ってやろう
短くてあまり言わなくていい言葉。
できるだけ簡単そうな。
あった。
まず喉の用意だ。
「っ!んっん・・・んーーー」
よし。
…緊張する
「……ほ……ほしゅ」
はぁ…
やっぱりあの声だ…
ガタッ
何の音!?扉をみるとクラスの男子が倒れている
聞かれたの?!
「星…さん?」
あぁ私の努力がこんな簡単に…
「…綺麗な声」
え?彼は何を言っているの?
続かない
2011年08月24日(水) 09:36:13 Modified by ID:uSfNTvF4uw