不機嫌な彼女2話目
窓の外からヒグラシの鳴く声が遠く聞こえる。
部屋の中では俺と皐月の息遣いと、衣擦れの音しか聞こえない。
相変わらず貪るように唇を合わせたまま、俺の右手が皐月の胸のふくらみに触れる。
制服の半袖ブラウスの上から手のひらを這わせると、俺の手の動きにあわせて皐月の身体が小さく震えた。
触れ合っていた唇をゆっくり離す。皐月は新鮮な空気を求めるように大きく息を吸い込んだ。
俺の手の下で皐月の胸がゆるやかに上下する。
「……嫌なら嫌って、ちゃんと言えよ。じゃなきゃ、やめねぇからな」
皐月の顔をまっすぐ見据えてそう告げても皐月は黙ったまま何も答えず、俺から顔を背けて、すん、と小さく鼻を啜っただけだった。
俺の指は皐月の胸元で、ブラウスのボタンを外しにかかる。
焦りのせいか、子供みたいに指がもつれて、上手にボタンが外れない。
上から4つ、外したところで面倒になって、限界まで力まかせにブラウスをはだけた。
淡い水色のブラジャーに包まれた小ぶりの胸があらわになる。
息がかかるほどその肌に顔を近づけながら皐月の横顔を盗み見ると、耳まで真っ赤に染めながら、懸命に唇を噛んでいた。
一瞬、迷いが生じたが、皐月の肌から立ち昇ってくる甘い匂いに理性が負けた。
皐月の胸のふくらみの、申し訳程度の谷間に舌を這わせてみる。甘い汗の味がした。
「……ひぁ……っ……」
皐月の肌の味をもっと味わいたくて、何度も何度も舌を動かす。皐月の呼吸が浅く早くなってきているのが、その胸の上下でわかる。
もっと、もっと皐月の声が聞きたい。俺は皐月の肩を押さえていた手を外し、両手で皐月のブラジャーを下から上に押し上げた。
初めて目にする白いふくらみと、その先端の淡い桜色の突起。俺は思わず上体を起こして、皐月の上に馬乗りになった姿勢で
皐月のその姿を見下ろした。
皐月は恥ずかしいのか、俺のその様子をちらりと見ても、すぐに視線を背けてしまう。
乱れた制服に包まれて、触れてもいないのに全身の肌をこまかく震わせている皐月の姿は、とても扇情的で、とても可愛かった。
皐月の胸の先端に、ちゅ、と口づける。ひくん、とその背がしなる瞬間、浮いた腰の下に片手を回して抱き寄せる。
唇で乳首を挟んでくにゅくにゅと捏ねまわしてから、硬さを増してきたそこを、今度は舌で何度も舐めあげる。
反対の胸には空いた手を廻し、指先で押しつぶすように乳首を刺激した。
「……ぅ、ん、……っ……ぁ、はぁ……っ……」
皐月の唇が徐々に緩んで、吐息のような切ない声が漏れる頻度も増してくる。
試すように皐月の両脚の間に膝を押し込んでみると、思っていたよりずっと簡単に、俺の膝は皐月の脚の間に滑り込んだ。
「……嫌、なら、言えよ……?」
少し前に告げたものと同じ言葉を繰り返してから、俺は胸を弄っていた手を皐月の下半身へと滑らせる。
その手で短めのプリーツスカートを腰までたくし上げ、小さなショーツを皐月の太ももの途中まで引きおろした。
「…………っ……!!」
皐月の身体がひときわ大きく震えて、全身を緊張させるのがわかる。
「ん……、このままじゃ、よく見えない…………」
俺は熱に浮かされたように呟いて、皐月から一度身体を離す。
皐月は逃げることもなく、ぐったりと横たわったままだ。
剥き出しになった皐月の下半身に目をやると、柔らかそうな茂みの中心が、露に濡れたように微かに光っていた。
俺は皐月の両膝を抱え上げると、そのまま膝の裏を押して、皐月の身体を半分に折りたたむように足をあげさせた。
皐月の腿の裏を掴むように押さえ、身体の外側へ割り開く。
「……ぁ、や……っ、いや……ぁ……」
皐月の脚の間に顔を埋めようとしていた俺の動きが、ぴたりと止まる。
初めてはっきりと、皐月の拒絶の言葉が聞こえた。
けれど。確かに初めは、何でもいいから、皐月の言葉を聞きたくて始めたことだったけれど。
もう、止まらなかった。
止められるわけがない。俺はかまわずに、皐月の股間に顔を埋めた。甘酸っぱい匂いが俺の鼻腔をくすぐる。
ピンク色に染まった襞を舌で押し分け、皐月の内側の蜜を掬うように舐める。
「……ぁ、あぁ……ぁんっ……!」
皐月の身体が跳ねて、悲鳴のような声が聞こえた。
「かわいい声……。……俺、皐月の声、もっと聞きたい」
皐月の腿の裏をしっかりと押さえて逃げられないようにしてから、何度も何度も俺は皐月の秘裂を舐めまわす。
皐月のそこは、皐月自身が溢れさせた淫液と俺の唾液で濡れそぼり、窓から射し込む西日を浴びて淫猥な光をてらてらと放っている。
秘裂の上部で、包皮に隠れていた小さな突起が顔を覗かせていることに気がついた俺は、片脚から手を離し、指先でその包皮をめくりあげる。
剥き出しになった敏感な芽を指の腹でそっと擦ってみると、皐月の全身が波打つように震えた。
「……ゃ、あ、あぁ……っん、…ぁ、はぅん……っ……!」
いつもは無口な皐月の咽喉が、まるで楽器のように、聞いたことのない音をたくさん漏らす。
俺はおもしろくなって、そこをいじる指の動きを早める。
擦り、押し潰し、指で挟んで捏ね回す。皐月は腰を捩って俺の指から逃げようとするが、俺は執拗にその一点を追い掛けて、
苛めるようにしつこくそこを刺激し続けた。徐々に涙まじりになる皐月の声。
指を離して、唇でそれをそっと挟み、ちゅう、と強く吸い上げると――
「……ひ、あ、あぁぁ……ッ……んっ……!!」
皐月は大きな喘ぎ声をあげて背中を弓なりにしならせ、ひくひくと、全身を震わせた。
ひとしきり身体をひくつかせた後で、皐月は肩で大きく息をしながら、俺の顔へと目を向けた。
頬を紅潮させ、うっすらと額に汗を浮かべて、潤んだ瞳で俺を――恨めしげに見ている。
「……や、って、言ったのに…………」
今にも泣き出しそうな声で皐月が呟く。その声音で俺はやっと、自分の行為の暴走ぶりに気がついた。
「……だな。ごめん」
皐月の両脚を押さえつけていた手を離すと、皐月の足はくたりと床の上に投げ出された。
俺は、今にも爆発しそうな下半身を必死に理性で抑え込みながら、皐月の服の乱れを直してやる。
「…………」
皐月は黙ったまま、ずらされた下着を直し、ブラウスのボタンをのろのろと留める。
俺はなんだか皐月のそんな姿を見ていられなくなって、俯いて黙っていた。
「…………あのね」
そんな俺の様子を見兼ねたのか、皐月は呟きながら、ずず、と絨毯の上を膝で滑り、俺との距離を縮めた。
「…………や、だけど、やじゃないの」
秘密を打ち明けるような、少し震えた小さな声。
皐月の言葉の意味がわからなくて、俺は顔をあげて皐月の顔をまじまじと見た。
皐月は顔を真っ赤にして、俺を見つめている。
その目には、怒りの色はなくて、だから俺は余計に、さっきまでの自分がすごく恥ずかしくなった。
「……あのさ。これ――」
俺はポケットに手を突っ込んで、リボンのかけられた小さな箱を取り出す。
本当はこんな風に渡すつもりじゃなかったんだけれど。
だけど今、これを渡す以外の方法で、皐月に対する俺の想いを説明する方法が俺には思いつけない。
きょとんとした顔でその箱を受け取った皐月が器用な手つきでリボンを解くと、
箱の中から、小さな緑色の石がついた銀色のネックレスが現れた。
「誕生日プレゼント。皐月の。ひとりじゃ選べなくて……それで、」
俺と皐月が付き合いだした時、今年の皐月の誕生日はもう過ぎていて、
でも俺は、どうしても何か贈り物をしたかったから、夏休みのバイト代でプレゼントを買うって
皐月に約束をしていた。
おそるおそる皐月の顔を見ると、皐月はなんとも形容しがたい嬉しそうな顔で、
満面の笑みを浮かべていてくれた。
皐月はそれからしばらく、俺の顔とそのネックレスを交互に眺めて笑っているばかりで、
やっぱり特別たくさんの言葉をくれるようなこともなかったけれど。
俺はもう、皐月のその表情と態度ですべてを許してもらえたような気になって、
皐月と同じように笑顔で何も言わずに、彼女のことを飽きもせずに眺めていた。
終
前話
作者 1-32
部屋の中では俺と皐月の息遣いと、衣擦れの音しか聞こえない。
相変わらず貪るように唇を合わせたまま、俺の右手が皐月の胸のふくらみに触れる。
制服の半袖ブラウスの上から手のひらを這わせると、俺の手の動きにあわせて皐月の身体が小さく震えた。
触れ合っていた唇をゆっくり離す。皐月は新鮮な空気を求めるように大きく息を吸い込んだ。
俺の手の下で皐月の胸がゆるやかに上下する。
「……嫌なら嫌って、ちゃんと言えよ。じゃなきゃ、やめねぇからな」
皐月の顔をまっすぐ見据えてそう告げても皐月は黙ったまま何も答えず、俺から顔を背けて、すん、と小さく鼻を啜っただけだった。
俺の指は皐月の胸元で、ブラウスのボタンを外しにかかる。
焦りのせいか、子供みたいに指がもつれて、上手にボタンが外れない。
上から4つ、外したところで面倒になって、限界まで力まかせにブラウスをはだけた。
淡い水色のブラジャーに包まれた小ぶりの胸があらわになる。
息がかかるほどその肌に顔を近づけながら皐月の横顔を盗み見ると、耳まで真っ赤に染めながら、懸命に唇を噛んでいた。
一瞬、迷いが生じたが、皐月の肌から立ち昇ってくる甘い匂いに理性が負けた。
皐月の胸のふくらみの、申し訳程度の谷間に舌を這わせてみる。甘い汗の味がした。
「……ひぁ……っ……」
皐月の肌の味をもっと味わいたくて、何度も何度も舌を動かす。皐月の呼吸が浅く早くなってきているのが、その胸の上下でわかる。
もっと、もっと皐月の声が聞きたい。俺は皐月の肩を押さえていた手を外し、両手で皐月のブラジャーを下から上に押し上げた。
初めて目にする白いふくらみと、その先端の淡い桜色の突起。俺は思わず上体を起こして、皐月の上に馬乗りになった姿勢で
皐月のその姿を見下ろした。
皐月は恥ずかしいのか、俺のその様子をちらりと見ても、すぐに視線を背けてしまう。
乱れた制服に包まれて、触れてもいないのに全身の肌をこまかく震わせている皐月の姿は、とても扇情的で、とても可愛かった。
皐月の胸の先端に、ちゅ、と口づける。ひくん、とその背がしなる瞬間、浮いた腰の下に片手を回して抱き寄せる。
唇で乳首を挟んでくにゅくにゅと捏ねまわしてから、硬さを増してきたそこを、今度は舌で何度も舐めあげる。
反対の胸には空いた手を廻し、指先で押しつぶすように乳首を刺激した。
「……ぅ、ん、……っ……ぁ、はぁ……っ……」
皐月の唇が徐々に緩んで、吐息のような切ない声が漏れる頻度も増してくる。
試すように皐月の両脚の間に膝を押し込んでみると、思っていたよりずっと簡単に、俺の膝は皐月の脚の間に滑り込んだ。
「……嫌、なら、言えよ……?」
少し前に告げたものと同じ言葉を繰り返してから、俺は胸を弄っていた手を皐月の下半身へと滑らせる。
その手で短めのプリーツスカートを腰までたくし上げ、小さなショーツを皐月の太ももの途中まで引きおろした。
「…………っ……!!」
皐月の身体がひときわ大きく震えて、全身を緊張させるのがわかる。
「ん……、このままじゃ、よく見えない…………」
俺は熱に浮かされたように呟いて、皐月から一度身体を離す。
皐月は逃げることもなく、ぐったりと横たわったままだ。
剥き出しになった皐月の下半身に目をやると、柔らかそうな茂みの中心が、露に濡れたように微かに光っていた。
俺は皐月の両膝を抱え上げると、そのまま膝の裏を押して、皐月の身体を半分に折りたたむように足をあげさせた。
皐月の腿の裏を掴むように押さえ、身体の外側へ割り開く。
「……ぁ、や……っ、いや……ぁ……」
皐月の脚の間に顔を埋めようとしていた俺の動きが、ぴたりと止まる。
初めてはっきりと、皐月の拒絶の言葉が聞こえた。
けれど。確かに初めは、何でもいいから、皐月の言葉を聞きたくて始めたことだったけれど。
もう、止まらなかった。
止められるわけがない。俺はかまわずに、皐月の股間に顔を埋めた。甘酸っぱい匂いが俺の鼻腔をくすぐる。
ピンク色に染まった襞を舌で押し分け、皐月の内側の蜜を掬うように舐める。
「……ぁ、あぁ……ぁんっ……!」
皐月の身体が跳ねて、悲鳴のような声が聞こえた。
「かわいい声……。……俺、皐月の声、もっと聞きたい」
皐月の腿の裏をしっかりと押さえて逃げられないようにしてから、何度も何度も俺は皐月の秘裂を舐めまわす。
皐月のそこは、皐月自身が溢れさせた淫液と俺の唾液で濡れそぼり、窓から射し込む西日を浴びて淫猥な光をてらてらと放っている。
秘裂の上部で、包皮に隠れていた小さな突起が顔を覗かせていることに気がついた俺は、片脚から手を離し、指先でその包皮をめくりあげる。
剥き出しになった敏感な芽を指の腹でそっと擦ってみると、皐月の全身が波打つように震えた。
「……ゃ、あ、あぁ……っん、…ぁ、はぅん……っ……!」
いつもは無口な皐月の咽喉が、まるで楽器のように、聞いたことのない音をたくさん漏らす。
俺はおもしろくなって、そこをいじる指の動きを早める。
擦り、押し潰し、指で挟んで捏ね回す。皐月は腰を捩って俺の指から逃げようとするが、俺は執拗にその一点を追い掛けて、
苛めるようにしつこくそこを刺激し続けた。徐々に涙まじりになる皐月の声。
指を離して、唇でそれをそっと挟み、ちゅう、と強く吸い上げると――
「……ひ、あ、あぁぁ……ッ……んっ……!!」
皐月は大きな喘ぎ声をあげて背中を弓なりにしならせ、ひくひくと、全身を震わせた。
ひとしきり身体をひくつかせた後で、皐月は肩で大きく息をしながら、俺の顔へと目を向けた。
頬を紅潮させ、うっすらと額に汗を浮かべて、潤んだ瞳で俺を――恨めしげに見ている。
「……や、って、言ったのに…………」
今にも泣き出しそうな声で皐月が呟く。その声音で俺はやっと、自分の行為の暴走ぶりに気がついた。
「……だな。ごめん」
皐月の両脚を押さえつけていた手を離すと、皐月の足はくたりと床の上に投げ出された。
俺は、今にも爆発しそうな下半身を必死に理性で抑え込みながら、皐月の服の乱れを直してやる。
「…………」
皐月は黙ったまま、ずらされた下着を直し、ブラウスのボタンをのろのろと留める。
俺はなんだか皐月のそんな姿を見ていられなくなって、俯いて黙っていた。
「…………あのね」
そんな俺の様子を見兼ねたのか、皐月は呟きながら、ずず、と絨毯の上を膝で滑り、俺との距離を縮めた。
「…………や、だけど、やじゃないの」
秘密を打ち明けるような、少し震えた小さな声。
皐月の言葉の意味がわからなくて、俺は顔をあげて皐月の顔をまじまじと見た。
皐月は顔を真っ赤にして、俺を見つめている。
その目には、怒りの色はなくて、だから俺は余計に、さっきまでの自分がすごく恥ずかしくなった。
「……あのさ。これ――」
俺はポケットに手を突っ込んで、リボンのかけられた小さな箱を取り出す。
本当はこんな風に渡すつもりじゃなかったんだけれど。
だけど今、これを渡す以外の方法で、皐月に対する俺の想いを説明する方法が俺には思いつけない。
きょとんとした顔でその箱を受け取った皐月が器用な手つきでリボンを解くと、
箱の中から、小さな緑色の石がついた銀色のネックレスが現れた。
「誕生日プレゼント。皐月の。ひとりじゃ選べなくて……それで、」
俺と皐月が付き合いだした時、今年の皐月の誕生日はもう過ぎていて、
でも俺は、どうしても何か贈り物をしたかったから、夏休みのバイト代でプレゼントを買うって
皐月に約束をしていた。
おそるおそる皐月の顔を見ると、皐月はなんとも形容しがたい嬉しそうな顔で、
満面の笑みを浮かべていてくれた。
皐月はそれからしばらく、俺の顔とそのネックレスを交互に眺めて笑っているばかりで、
やっぱり特別たくさんの言葉をくれるようなこともなかったけれど。
俺はもう、皐月のその表情と態度ですべてを許してもらえたような気になって、
皐月と同じように笑顔で何も言わずに、彼女のことを飽きもせずに眺めていた。
終
前話
作者 1-32
2007年12月12日(水) 09:33:55 Modified by n18_168