日本の周辺国が装備する兵器のデータベース


▼105mmライフル砲を搭載したパキスタンの59式改装型。

▼「アル・ザラール」試製一型。(爆発反応装甲未装着)。

▼「アル・ザラール」試製一型。(爆発反応装甲装着)。

▼「アル・ザラール」試製三型。


▼「アル・ザラール」戦車量産型(爆発反応装甲未装着)。

▼「アル・ザラール」戦車量産型(爆発反応装甲装着)。


▼「アル・ハーリド」(手前)と「アル・ザラール」(奥)。

▼2009年5月にタリバン勢力との交戦中に損傷(その後火災で全損)した「アル・ザラール」(爆発反応装甲未装着型)。付加装甲の一部が外されているので、元の鋳造砲塔を見る事が出来る。


▼2008年にパキスタンのカラチで開催された国際兵器博覧会「IDEAS 2008」で展示走行を実施した「アル・ザラール」の動画(YouTube)


■"性能緒元"
全備重量40トン
全長
車体長
車体長
全幅
全高
エンジン12150ZLBW 水冷スーパーチャージド・ディーゼル 730 hp
最高速度55km/h
航続距離400km
渡渉深度1.4m
武装125mm滑腔砲×1(35発)
 54式12.7mm重機関銃×1(500発)
 59式7.62mm機関銃×1(3,000発)
戦車砲俯仰角-4〜+17度
装甲溶接+鋳造装甲、付加装甲+爆発反応装甲
乗員4名

パキスタンの戦車自給体制構築過程
59式中戦車の項でも記述したが、パキスタンは現在1,200両の59式中戦車を運用する中国以外では最大の59式保有国である。

パキスタンは、冷戦時代は西側陣営に参加していたことから、アメリカやフランス、イギリスからの軍事支援や兵器供給を受けていたが、1960年代に入ると中印国境紛争以降インドと対立するようになった中国との関係を急速に深めていくことになる。インドを共通の仮想敵国とするパキスタンと中国は、インドに対抗するという利害の一致から極めて親密な軍事的・政治的関係を築いていくこととなった。アメリカとの関係がしばしば悪化したのに対して、常に安定した協力関係を継続したため中パ両国の関係は「全天候的友好関係」と表現されることもある

中国はパキスタンに対して、59式中戦車やF-6戦闘機(MiG-19)などの装備を供給。国家の財政・経済・人口規模においてインドに劣るパキスタンにとって、兵器供給が政治情勢に左右されず比較的安価な中国製兵器は、軍の装備を整える上で、無くてはならない存在を占めるようになった。

パキスタンは、外国からの兵器供給に依存し続けることは、安全保障面から問題があることを認識しており、1970年代頃から長期的な兵器自給体制の構築に向けた諸政策を実施するようになる。パキスタンの兵器自給体制の構築に対して、中国は兵器の供給国から一歩進んでパキスタンの兵器産業の育成にも協力するようになった。以下では、パキスタンの戦車の自給体制に向けた段階的施策について簡単に触れる。

重化学工業の基盤が十分ではなかったパキスタンにとって、一足飛びに戦車国産化を実現するのは無理があり、パキスタンもそのことを理解していた。パキスタンが最初に実施したのは、現在保有する戦車の整備・補修を自国内で完結する体制の構築であった。パキスタンは、中国の支援の下、タキシラ(Taxila)に19425平方メートルの面積をもつ「重車両再生工廠(Heavy Rebuild Factory:HRF)」を建設。この工場の建設によって、パキスタンは、戦車の整備・補修に必要な光学装置・電気系統・エンジンなど各種コンポーネントの整備・再生能力を保有することを目指した。タキシラで最初に稼動したのは、エンジンの再生工場で、続いて車体の整備・再生工場が完成、1979年から80年には工場は完全に稼動を開始するに至った。工場は1年間で、約100両の59式中戦車と同戦車の12150Lディーゼルエンジン250台を整備・再生する能力を有していた。

HRFでは、戦車の整備・再生体制の確立に続いて、輸入に頼っていた各種部品の国産化に取り組むようになった。この施策によって、59式の約11,000品目に登るコンポーネントの内、約8,000品目の国産化に成功した。これを契機に、HRFの名称は「重車両再生工廠」から「タキシラ重車両生産工廠(Heavy Industries Taxila facility:HIT)」に改められた。

HITでは、59式の修理・再生に続いて、アメリカ製M47、M48戦車のオーバーホール体制の構築、M109自走砲やM113装甲兵員輸送車のライセンス生産を開始するなど、次第に兵器の自給レベルを向上させていった。そして、1980年代後半には、本格的な戦車の国産化に向けた計画を立案できるまでになった。

1980年代から90年代にかけてのパキスタン軍の戦車部隊は中国製59式(1,200両)、ソ連製T-54/55(40〜50両)、アメリカ製M47(50両)、M48A5(345両)等で構成されていた。しかし、これらの戦車はいずれも戦後第一世代に属する戦車であった。隣国インドはパキスタン軍に倍する数の戦車を保有し、さらに125mm滑腔砲を搭載するT-72主力戦車が2,000両近く配備されつつあり、パキスタン軍の戦車戦力は質量ともにインドに対して劣位にあった。パキスタンは状況打開のため、中国の協力を受けて戦車戦力近代化と戦車自給体制構築のための技術移転・共同出資比率・行動計画等に関する総合的計画の実行を計画・立案した。中パ両国の契約調印は1990年に行われた。

この計画は4つの段階で構成されていた。

戦車国産化計画の第一段階は既存の59式中戦車に対して三段階に及ぶ近代化改装を施すことであった。戦車の生産体制が完全に構築されるまでには、10年程度の時間を要することが見込まれており、一方で戦車戦力の中核となっている59式の旧式化は誰の目にも明らかであった。戦車の生産体制が構築されるまでの間、戦車戦力のギャップを少しでも補うために、これらの59式に対する近代化は不可欠であると見なされた。この近代化については、戦車の自給体制の構築によって得られた自国生産コンポーネントが流用されることも決定された。

戦車生産への第二段階では、中国の69-IIMP式戦車のノックダウン生産が計画された。69-IIMP式の生産では、50%の部品は既に生産中の59式の部品を流用し、残り50%をパキスタンで新たに生産することが定められた。

ノックダウン生産により戦車組み立てのノウハウを身に着けた次の第三段階では、中国・パキスタン共同開発の第二世代戦車(後の85-IIAP式戦車)のライセンス生産を実施することとされた。85-IIAP式の生産では、59式の部品20%、69-IIMP式の部品30%を流用し、新規生産部品は50%とすることが定められた。

ライセンス生産で戦車製造の経験を積んだ次の最終段階では、新規開発の第三世代戦車(後の90-II式戦車(MBT-2000/アル・ハーリド)をHITで国産化する計画であった。新戦車では、59式の部品10%、69-IIMP式の部品15%、85-IIAP式の部品20%が流用され、残りは新規生産されることとされた。

既存の戦車のコンポーネントの流用を行っているのは、コンポーネントの生産数を増やすことで調達価格の低減化を実現し、戦車同士の部品共通性を確保することで整備面での有利を確保し、さらに軍の既存の戦車関連のインフラを活用することを可能とする等の目的があった。この計画の特徴は、戦車生産の経験のないパキスタンで直ちに戦車を国産化するのは困難であるため、段階的に戦車の開発・生産に関するノウハウを蓄積して最終的に完全な国産化を実現するという方法が採用された点である。ただし、自給体制の確立までには10年程度の時間を要することは明らかであり、1995年にはインドがロシアからT-90主力戦車を調達するとの報を受けて、戦車戦力のギャップを補うためウクライナから320両のT-80UD主力戦車を調達することでこれに対抗することになった。

戦車自給計画の第一段階である59式戦車の近代化については、1993年に具体的な計画内容が決定された。以下の項では、パキスタンが実施する59式の近代化改修について扱う。

パキスタンの59式近代化改修型について〜T-59M11から「アル・ザラール」まで〜

1993年からの59式の近代化改装に先立って、パキスタンでは59式戦車のアップグレード型の開発を行っていた。その改良型には「T-59M11」の名称が与えられていた。

T-59M11は、59式の59式100mm58口径ライフル砲を西側の標準的戦車砲であった105mm51口径ライフル砲に換装し、砲安定装置も新型の二軸安定式に変更された。砲の換装に合わせて、統合化された射撃統制システムが装備され命中精度は大幅に向上した。エンジン出力は580hpに強化され、操縦系統には操縦手の負担軽減のため油気圧式パワーステアリングとクラッチ補助操作装置が取り付けられた。防御面の改善としては、59式の難点であった被弾時の二次爆発対策のため、発火探知装置と自動消火システムが新たに付け加えられた。ほかには、GPS航法装置が装備され、戦場での航法や位置特定が極めて用意となった。これらの改造により、T-59M11の総重量は原型の59式より1トン増の37トンとなったが、エンジン出力を強化したため最高速度は59式と同じ50km/hを維持した。航続距離は増加燃料タンク搭載時で580km。T-59M11は、中国の59-II/59-IIA式戦車(59B式/WZ-120B)に相当する性能の戦車であった。

1993年から開始されたパキスタンの59式戦車の近代化改修は、戦車国産体制の構築計画と同じく段階を踏んで行われることとされた。59式の改修計画についてもも、国産戦車開発計画と同じく中国のNORINCO(North Industries Corporation:北方工業公司)が技術支援を行うこととされた。

第一段階の改装では、T-59M11と同じく、105mm砲への換装と新型射撃統制システムの採用による攻撃力の強化を中心とした28項目に渡る改造が施された。パキスタン軍の59式戦車の4割に当たる約500両がこのアップグレードを受けた。

続く第二段階の改装では、第一段階での改装の内容に加えて夜間戦闘能力の改善も新たな項目として加えられた。第二段階の改装ではパキスタンのAl-Technique Corporation of Pakistan(ATCOP)社が開発したレーザーレンジファインダーと暗視装置が搭載されることとなった。旧来の光学式サイトは、ATCOP製のTR-2/TR-3レーザーレンジファインダーが内蔵されたサイトに変更、砲手用サイトにはGNS-1微光増幅式暗視装置が内蔵され、暗視装置の映像は、車長と砲手の双方が視認することが出来た。操縦席ハッチのサイトにも、夜間操縦用にDNS-3微光増幅式暗視装置が組み込まれた。

59式の第二段階のアップグレードは1998年から開始され、約300両が改装を受けた。これらの車両では上記の改造項目に加えて、エンジン出力の強化や赤外線夜間暗視装置の搭載といった改善も付け加えられた。

第一、第二段階の改装に続く、第三段階のアップグレードは、59式の戦闘力をインドのT-72主力戦車に対抗しうる水準にまで上昇させるという野心的なものであり、この改装型には「Al-Zarrar/アル・ザラール」主力戦車の名が与えられることとなった。(注)パキスタンの59式のアップグレードに関する記述では、一/二/三段階の全ての改修型をアル・ザラールと呼称する場合と、第三段階のみをアル・ザラールと呼ぶ2つの事例が見られる。本稿ではJane's Armour and Artillery 2006-2007 (Jane's Information Group)P78の記述に従って、第三段階の改修型のみをアル・ザラールと表記する事にする。

第三段階のアップグレードでは、先の要求を満たすために、125mm滑腔砲の搭載、新型付加装甲の装備、エンジン出力の更なる強化といった改装を行うこととされたが、そのような大規模な改修を59式に施すことが可能なのかを検証するために、3種類の試作車両を製作して、その評価を基にして実用型を製作するという方針が定められた。アル・ザラールの試作車両の製作については、これまで技術支援を行ってきた中国のNORINCOだけではなく、1995年のT-80UDの輸出により新たに関係を構築したウクライナのモロゾフ設計局も新たに技術支援やコンポーネントの提供を行うこととなった。

試製一型は、ウクライナ製エンジンを搭載した車両である。動力部は、ウクライナ製の5TDF対向エンジン(出力700馬力)のパワーパックに換装された。このエンジンは、既にパキスタンが採用しているT-80UDの6TD-1対向エンジンと多くの部品を共用しており、整備の観点からも有利であった。車重の増加に対処するため、トーションバーは懸架能力の高いものに換装され、履帯の飛跳ねと脱落防止用に足回りの左右にそれぞれ小型の上部転輪2基が取り付けられた。足回りの改善と合わせて、履帯も原型のシングルピン・シングルブロック形式からゴムパット付のダブルピン・ダブルブロック式に変更された。

100mmライフル砲は125mm滑腔砲に換装され、それに合わせて新型の射撃統制システムと照準装置が組み込まれた。防御能力行上のため、砲塔の全周にはパッシブ式付加装甲(おそらくHEAT弾対策を狙った中空装甲)が取り付けられ、さらにその上から爆発反応装甲が装着された。砲塔正面左側の直接照準口は、付加装甲に覆われたため廃止された(砲塔正面右部の同軸機関銃は残された)。爆発反応装甲は、砲塔の他、車体正面と車体側面のサイドスカート前半部、フェンダー部にも装着された(量産型ではフェンダー部の爆発反応装甲は撤去された)。この爆発反応装甲については、中国NORINCO製のものと、パキスタンのNDC(the National Development Complex)研究所製が開発したAORAK Mk1爆発反応装甲のいずれかが搭載されている。砲塔後半部は付加装甲の上に装具入れを兼ねたスラットアーマーがHEAT弾対策として装着された。

試製二型は、主に新型エンジンの搭載試験に供するために製造された。動力部は、出力690馬力のV46-5M 12気筒水冷式ディーゼルエンジンに換装され、改良されたマニュアル型クラッチが搭載された。他の改造点は少なく、車体と砲塔にはパキスタン製の爆発反応装甲が装着されたが、戦車砲は59式と同じ100mmライフル砲のまま。地雷対策として車体底部に追加装甲が施されている。

試製三型は、これまで国産化に勤めてきた69-IIMP式戦車85-IIAP式戦車などの中国系コンポーネントを使用して製造された車両であった。戦車砲と動力部、射撃統制装置などは、いずれも85-IIAP式のものを流用している。改造による重量増加に対応するためサスペンションの能力が改善されている。防御面での改装に関しては試製一型と同じ内容。

ウクライナのT-80UD、中国の85-IIAP式は、いずれも125mm滑腔砲とセットで自動装填装置を搭載しているが、アル・ザラールは車内容積の狭い59式をベースとしたために、125mm滑腔砲を搭載した試製一型、試製三型はいずれも自動装填装置は搭載しておらず、装填手によって装填作業が行われるようになっていた。パキスタンでは、NORINCOの協力を受けてパキスタン軍需品工場(the Pakistan Ordnance Factories:POF)において各種125mm戦車砲弾と半燃焼式薬莢の国産化に成功していた。副武装は、全ての試作車両で12.7mm重機関銃1挺と主砲同軸の7.62mm機関銃1挺。他に、発煙弾発射装置が砲塔両側面に搭載された。

パキスタンが上記の3種類の試作車両を製作したのは、前述した各コンポーネントの比較試験の他、実はもう1つの理由があった。それは、複数のコンポーネントの搭載実現性を試験しておくことで、ある国からのコンポーネント調達が何らかの理由で滞ったとしても直ちに別の国からの供給に切り替えることを可能とするというものであった。パキスタンは、これまで何度も外国からの兵器供給を打ち切られた苦い経験があり、その経験から部品供給について複数のルートを確保しておくとの方針が採用されるに至ったのである。

上記の三種類の試作車両の生産と試験を経て、アル・ザラールの量産型の使用が決定された。量産型は基本的に試製三型をベースにすることが決定された。試製三型が選択された要因としては、この車両の改装に使用された69式、85-IIAP式戦車などの中国系コンポーネントのほとんどが、既にHITでの国産化を実現しており、戦車部隊の装備共通性を確保できる上、コンポーネントの量産効果により生産コストを抑え得る、などが挙げられる。

この近代化改装により、59式の戦闘力を85-IIAP式戦車の水準に向上させることが可能となっただけではなく、新しいコンポーネントに換装することで装備の信頼性を向上させ整備に必要なマンアワーを減らすことも実現された。

アル・ザラールはさまざまな改修により重量が増加したが、元の59式戦車が小型の戦車であったため、改造後も戦闘重量は40トンと比較的軽量に抑えられた(ただし、これはプラットホームとしての59式の冗長性の不足により、これ以上の重量増加が出来なかったと判断することも可能)。重量増加に対応して、エンジンは730馬力の12150ZLBW 水冷ディーゼルに換装され、エンジン変更に合わせてエンジンの排気口が原型の車体右側から左側に移設された。エンジン出力の強化で、車体重量が4トン増加したにも拘らず最高速度は55km/hと5km/h向上している。航続距離は車内燃料のみで400km、必要に応じて増加燃料タンクを車体後部に装着する。最大傾斜角度60度の坂を登り、0.8mの垂直の壁を越えることが可能。事前の準備作業なしでの最大渡渉深度は1.4m。

主砲は中国系の125mm滑腔砲に換装されたが、試製一・三型と同様に自動装填装置は装備されておらず、装填手が半自動式給弾装置の補助を受けながら装填作業を行う[3]。125mm滑腔砲は、アル・ハーリドや85-IIAP式、T-80UDと弾薬の互換性を有している。発射可能な砲弾はAPFSDS-T弾、HEAT-T弾、HEAT-FRAG弾などであり、この内APFSDS弾では、砲口初速1,730m/秒、最大射程2,500〜3,000m(夜間有効射程は850〜1,300m)、射距離2,000mで460mm厚の均質圧延鋼板(RHA)を貫徹できる。パキスタンに輸出されたAPFSDS-T弾は弾芯のL/D比が20:1のタイプのこと。のちに中パ共同で劣化ウラン弾芯を持つAPFSDS弾が開発され、2,500mにおいて命中角60度で厚さ350〜400mmの均質圧延鋼板(Rolled homogenous armour:RHA)を貫徹する能力を得た。砲弾搭載数は35発。パキスタンは、T-80UDやアル・ハーリド戦車で運用するためウクライナからKomat砲発射式対戦車ミサイル(最大射程5,000m、貫通能力RHA値1,196mm)を輸入しており、アル・ザラールでの運用も可能と推測される。また、ウクライナは100mm砲装備の59式戦車向けに、100mm戦車砲で運用可能なSTUGNA砲発射式対戦車ミサイル(最大射程5,000m、貫通能力RHA値550mm)もパキスタンに輸出しており、戦車砲を125mm滑腔砲に換装しない59式戦車についても遠距離攻撃能力を獲得することになっている[4]。

射撃統制装置は85-IIAP式戦車と同じイスラエルに起源を持つISFCS-212射撃統制システムを引き続き採用。この射撃統制システムは、レーザーレンジファインダーと弾道コンピュータ、環境センサー、2軸砲安定装置、暗視装置、コントロールパネルなどで構成されている。ISFCS-212のTLR-2型レーザーレンジファインダーは、目標の最大探知距離は6,000m、目標認識距離3,500m、車種判別距離は1,500mとなっており、各センサーによって得られた諸元は自動的に弾道コンピュータに入力・計算される。目標発見から射撃までの所要時間は6秒。システムの自動化が進んだことで行進間射撃(時速25km/h以内)も可能となった。射撃統制システムは車長用照準機にも連動しており、車長によるオーバーライドが可能。

アル・ザラールの最初の改修車両80両は、2004年2月26日からパキスタン軍への引渡しが開始された。合計611両の59式がアル・ザラールにアップグレードされる予定で、2008年末段階で半数近くが改装作業を終えている[1]。

また、パキスタンでは、59式やT-54/55を保有する国々へのアル・ザラールの売り込みも行っている。2006年末から2007年初めにかけて、スリランカに対してアル・ザラールや装甲兵員輸送車、砲弾や雷管、UAVなどの各種装備を1億ドルで輸出すると報じられたが[7][8]、その後の状況は不明。2008年10月21日にパキスタンを訪問したバングラデシュのMoeen U. Ahmed陸軍参謀長は、バングラデシュの保有する59式戦車の近代化についてパキスタンの協力を要請、これに対してパキスタンもアル・ザラールの技術移転を容認することとなった[9]。今後、バングラデシュではパキスタンから移転された技術やノウハウを活かして自国の兵器工廠で59式のアップグレードを実施することになる。

【派生型一覧】
T-59M11パキスタンでの59式の改装型。戦車砲を105mmライフル砲に換装しエンジン出力を580hpに強化。
59式近代化改修(第一段階)T-59M11とほぼ同じ改装。59式500両が改修を受ける
59式近代化改修(第二段階)第一段階の改装に加えて、夜間暗視装置を改善。59式300両が改修を受ける。
59式近代化改修(第三段階)/「アル・ザラール」試製一型ウクライナの支援を受けて製造。5TDF対向エンジンに換装。125mm滑腔砲を搭載し射撃統制装置を改善、付加装甲と爆発反応装甲を装着。
59式近代化改修(第三段階)/「アル・ザラール」試製二型出力690馬力のV46-5Mエンジンを搭載。爆発反応装甲を装着。主砲は100mm砲のまま。
59式近代化改修(第三段階)/「アル・ザラール」試製三型730馬力の12150ZLBWエンジンを搭載。戦車砲や射撃統制装置、増加装甲などについては試製一型と同じ改装内容。
59式近代化改修(第三段階)/「アル・ザラール」量産型試製三型をベースとする。今後、400〜611両の59式がこの改装を受ける予定。

【参考史料】
[1]現代艦船-軍事力量 2005年増刊「戦獅双勇-従85IIAP到MBT-2000」(現代艦船出版社)
[2]Jane's Armour and Artillery 2006-2007 (Jane's Information Group)
[3]軍事研究2007年6月「IDEX2007レポート(中)中国とパキスタンのAFV」(宇垣大成/ジャパン・ミリタリー・レビュー)
[4]漢和防務評論2009年1月号「烏克蘭向巴基斯坦T59主戦坦克推銷制導導弾」

[5]Paul Mulcahy’s Pages
[6]青葉山軍事図書館
[7]Sri Lanka News「Pakistanis allegedly supplying defective arms-report」(2006年12月29日)
[8]Asian Tribune「Pakistan replicating its Baluch experiment in Northern Sri Lanka」(2007年2月27日)
[9]BDMilitary.com「Al Zarrar Main Battle Tank」

59式戦車(WZ-120/ZTZ-59/T-54)
中国陸軍

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