青海湖級補給艦（チンハイフー級）
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rglc85tj8h 2013年04月19日(金) 02:26:52履歴
ソブレメンヌイ級や旅滬級などの大型駆逐艦が就役するのに合わせて購入された大型補給艦で、元は旧ソ連海軍向けに建造中であった補給艦「ウラジーミル・ペレグドフ（Vladimir Peregudov）」。同艦は民間用タンカーの「コマンダルム・フェドコ（Komandarn Fedko）」級をタイプシップとして設計された補給艦で、船体を延長してヘリコプターの搭載・運用能力が与えらている[1]。ウクライナのへルソン造船所で建造されていたウラジーミル・ペレグドフであったが、ソビエト連邦の崩壊に伴って、建造途中の同艦は独立ウクライナによって接収され建造は中断された。
この艦に目をつけたのが中国であった。中国はソ連の崩壊後、ウクライナに使節を派遣して建造中のウラジーミル・ベレグドフを調査。船体の状態が良好な事から購入交渉を開始した。1992年11月6日にウクライナとの間で購入契約が調印、1993年に未成状態のウラジーミル・ペレグドフはウクライナから中国へ1,000万ドルで売却された。中国は同艦を回航し大連造船廠で所定の工事を行った上で1996年に「南倉」として就役させた。ただし就役当初は補給装備の搭載工事は完了していなかった。「南倉」は就役翌年の1997年3月に親善艦隊の1隻としてアメリカを訪れており、このスケジュールに間に合わせるため工事未了の状態で就役したものと思われる[2]。当初の艦名は「南倉」だったが、命名規則の変更に伴って「青海湖」と改名した。
「青海湖」は満載排水量37,000tと中国海軍最大級の艦艇である。洋上補給装置は充実しており、ヴァートレップ（ヘリコプターを使用した補給）も考慮されている[3]。艦尾のヘリコプター甲板は着艦スペースを稼ぐため強くオーバーハングしており、独特の外形を構成している。ヘリコプター格納庫はソ連独特の伸縮式。伸縮式格納庫は固定式格納庫に比べて搭載できる装備に制限がありヘリコプターの整備に制約が生じるが、これはヘリコプターの着艦に必要な面積を確保するための止むを得ない措置であった[4]。給油は横曳き・縦曳き給油の双方が可能。甲板上には液体貨物用に2組、ドライカーゴ用に1組、合計3組6基の補給用ステーションが設けられており、同時に3隻の艦艇に補給を行うことが出来る。艦固有の武装は搭載していなかったが、2011年にアデン湾での船団護衛任務に参加する際に、新開発のH/PJ-15型30mm単装機関砲を艦首部分に2基、船体後部に1基設置して、非対称脅威に対する自衛能力を有する様になった[5]。2013年には89式12.7mm重機関銃（QJZ-89）2基をヘリコプター格納庫両脇に設置しているのが確認されている[7]。
「青海湖」は南海艦隊に所属。同型艦は無い。「青海湖」の装備するソ連系の補給設備やその設計技術・思想は、補給艦建造経験に乏しい中国にとっては極めて貴重な技術蓄積となり、その後の中国の補給艦建造に大きな影響を与えたとされる[6]。
■性能緒元
| 満載排水量 | 37,000t |
| 載貨重量トン数 | 28,750dwt |
| 全長 | 178.9m |
| 全幅 | 25.3m |
| 主機 | Burmeister & Wain ディーゼル（11,600馬力）1基 1軸 |
| 速力 | 16kts |
| 搭載量 | 液体貨物9,639t+ドライカーゴ |
| 乗員 | 125名 |
【兵装】
| 近接火器 | H/PJ-15型30mm単装機関砲 | 3門（2011年に追加装備） |
| 89式12.7mm重機関銃（QJZ-89） | 数基（2011年以降に追加装備） | |
| 搭載機 | Z-8輸送ヘリコプター | 1機 |
■同型艦
| 南倉（南運953）→青海湖 | Qinghaihu | 885 | 1989年1月ソ連海軍「ウラジーミル・ペレグドフ」として建造開始、1992年4月進水、1993年中国に売却、1996年6月2日就役、2004年に青海湖と改名 | 南海艦隊所属 |
▼2011年に搭載されたH/PJ-15型30mm単装機関砲（画像左）、煙突直後の赤丸で囲った場所が装備位置（画像右）
【参考資料】
[1]Yahoo!ブログ - Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜「幻のソ連海軍補給艦ウラジーミル・ペレグドフ 」
[2]世界の艦船1999年3月号（NO.549）
[3]世界の艦船別冊 中国/台湾海軍ハンドブック 改定第2版（2003年4月/海人社）94頁
[4]MDC軍武狂人夢「青海湖號油彈補給艦」
[5]新浪博客-007兄弟的BLOG「中国海军最新型国产30毫米单管隐身自动舰炮亮相」（2011年7月4日）
[6]「27年磨一剑 - 我国总合补给舰总师专访 描述：张文徳、708所研究员、我国新型总合补给舰总设计师」（『舰船知识』2009年3月号）
[7]新浪网-军事论坛-三军论坛「中国海军补给舰的美图」（2013年4月14日）
Jane's Fighting Ships 2006-2007（Jane's Information Group）
Chinese Defence Today
中国武器大全
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