日本の周辺国が装備する兵器のデータベース





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PLT-02性能緒元
重量19トン
全長8.30m
全幅2.86m
全高 
エンジンBF8L413Fターボ・チャージド空冷ディーゼル 343hp
最高速度85km/h
航続距離600km
武装100mm滑腔砲×1(24発)
 GP-2砲発射式対戦車ミサイル(6発)
 12.7mm重機関銃×1(400発)
 7.62mm機関銃×1(800発)
 84式76.2mm発煙弾発射機×8
装甲
乗員4名

中国軍は、1980年代後半から87式100mm装輪自走対戦車砲(PTL-87)87式105mm装輪自走対戦車砲の2種類の装輪式対戦車自走砲を開発したが、いずれも十分な性能を得ることは出来ず、本格的な実用化は見送られた。

1990年代後半にはいると、中国軍は軍の近代化と即応性の向上を目的として軽機械化歩兵師/旅団(緊急展開部隊)の編成を行った。軽機械化歩兵師団は通常の部隊よりも練度が高く優先的に新型装備の配備を受けており、装輪装甲車を優先的に配備される等、特に機動性を重視しているのが特徴である。通常の歩兵師団では対戦車兵器として86式100mm対戦車砲等の牽引式対戦車砲が配備されているが、機動力を重視した軽機械化歩兵師団では牽引式対戦車砲は即応性・機動性に欠けると見なされ、より機動性の高い自走対戦車砲の配備が求められた。

NORINCOがこの要求に応じて開発したのが、PTL-87の改良型である02式100mm自走対戦車砲(PTL-02)である(開発時の名称は「100毫米輪式自走突撃炮」)。砲兵科と第247廠から提出された要求仕様に基づいて、最初の試製車輌が1996年12月に射撃試験を実施し、6×6装輪装甲車に100mm滑腔砲を搭載した自走対戦車砲の実用性に関する実証試験が行われた[4]。1997年3月、開発計画は総参謀部の承認を受けて、4月からは野外走行時の安定性やスタビライザーに関する試験が実施され、いずれも良好な成果を得た。1997年11月には、開発計画が設計審査会の審査を通過、実用化を前提とした本格的な実地試験が開始。砲や射撃システムについては2000年6月に、シャーシは1999年7月に試験に合格し、システム全体としては翌年6月に試験を完了した[4]。

PTL-02の基本構造はPTL-87を踏襲しているが、最も大きな変化は、ベース車体を90式装輪装甲車(WZ-551)の改良型である92式装輪装甲車(WZ-551A/ZSL-92)に変更したことである。これによりエンジン出力は、PTL-87の253hpから343hpと40%の向上を達成し、機動力不足に一定の解決を得ることが出来た。なお、重量増加と車体後部に砲塔を搭載したことによる車体重心の変化により水上浮行能力は無くなり、92式装輪装甲車(WZ-551A/ZSL-92)が装備していた車体後部のスクリューは撤去されている。PTL-02の全備重量は19トンで、Y-8輸送機(運輸8/An-12)で一両、IL-76MD輸送機で3両のPTL-02を空輸することが可能。

PTL-02の主砲はPTL-87と同じく86式100mm対戦車砲をベースに開発されている。NORINCOでは105mm砲搭載の87式105mm装輪自走対戦車砲も製作していたが、PTL-02では僅かに威力の劣る100mm滑腔砲を採用した。この選択は、大量生産された86式100mm対戦車砲と弾薬を共有できるのが1つの要因であるとされている。しかし、より大きい要因は、対戦車砲を保有する砲兵科と戦車砲を保有する装甲兵科のセクショナリズム的対立が背景にあると言われている。従来、100mm対戦車砲は砲兵科の所有で、105mmライフル砲は装甲兵科の所有となっており、砲兵科の対戦車自走砲が105mmライフル砲を使用するには装甲兵科の了承を得た上で、新たに105mm砲の運用整備体制を構築する必要があった。これが、PTL-02が100mm滑腔砲を採用した真の要因ではないかと推測されている。両兵科の対立は、PTL-02の名称にも窺うことが出来る。PTL-02は「自走反坦克炮」もしくは「突撃炮」と呼ばれているが、これは砲兵科の所属を表す名称であり、装甲兵科であれば「坦克殲撃車」=駆逐戦車と呼ばれることになる。

PTL-87で指摘された100mm滑腔砲の威力不足を解消するために導入されたのが、砲発射式対戦車ミサイルの導入である。中国は1990年代、ロシアから導入した9K116バスチオン(AT-10 Stabber)砲発射式対戦車ミサイルの技術を元に100mm滑腔砲や105mmライフル砲から発射するGP-2砲発射式対戦車ミサイルを開発した。このミサイルは5,000mの射程を持ち、静止目標に対して90%以上の命中率を得る事が出来るという。また戦車以外にも低空を飛ぶヘリコプターも攻撃する事が可能。原型の9K116の貫通力がRHA値で550〜600mmであることから第三世代戦車の正面装甲に対する貫通力は充分とはいえないが、このミサイルの採用によりPTL-02は第三世代戦車を射程外からアウトレンジ攻撃する能力が付与された。PTL-02はこの対戦車ミサイルを6発搭載している。補助武装は100mm滑腔砲と同軸に7.62mm機関銃が備えられ、また車長ハッチには85式12.7mm(W-85)重機関銃が装備されている。

PTL-87で問題となった防御面については、ベース車体の重量制限から充分な装甲を施すことは出来ず、PTL-87と同じ全周からの7.62mm徹甲弾に耐えられる程度の装甲に留まっている。車内は対NBC防護装置と自動消火装置が完備されている。また、タイヤは損害を被った後でも、30km/hの速度で100km走行を行うことが可能。

PTL-02は、100mm砲のプラットホームとしてはやや過小であり防御能力の不足や射撃の反動を十分に吸収しきれない等の問題点は有るが、機械化歩兵師団にとっては貴重な直射火力/対戦車用車両として運用されている。PTL-02がベース車体に軽機械化歩兵師団の標準装備である90式/92式装輪装甲車を選択したことは、ファミリー化によるコスト低減・整備性向上、部隊全体を装輪化する等のメリットを生んでいる。従来の牽引式対戦車砲と比べると、正面投影面積ではかなり不利であり1ユニット当たりのコストは上昇するが、牽引式から自走化になることで陣地展開の迅速化が図られ戦術的機動性が向上・牽引車両が不要になり、操作要員は8名から5名に減少するため部隊の人員削減が可能である。そして86式100mm対戦車砲とPTL-02は共通の砲弾を使用しており相互運用性の確保に有利という利点もある。

PTL-02は2003年ごろから機械化歩兵師/旅団と軽機械化歩兵師団(緊急展開部隊)用の火力支援車/対戦車火力として配備が開始された。PTL-02は機械化歩兵師団の対戦車営(大隊相当。1個師団につき1〜2個が配置)に配備され、対戦車営は三個連(中隊)から構成されPTL-02を合計18両保有する。現在、PTL-02は少なくとも済南軍区第54軍集団の第127師団を含む3個軽機械化師団に配備されているようだ。

【参考資料】
[1]新浪網「中国陸軍列装新型100毫米輪式突撃砲(組図)」
[2]Chinese Defence Today
[3]中国武器大全
[4]三門新聞網「PTL02式100毫米輪式突撃炮」(原『坦克装甲車両』2009年第12期(総第298期)22頁掲載)

【関連項目】
90式/92式装輪装甲車(WZ-551/WZ-551A)
90式/92式装輪装甲車の派生型

中国陸軍

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