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2003年から就役を開始した戦車揚陸艦。NATOコードネームは「Yuting II class」。072A型は、2002年まで建造が行われていた072-III型戦車揚陸艦(ユティンI型/玉亭I型)の改良型であり、基本的な艦の構造、主要性能や輸送能力(戦車10輌と揚陸部隊250名)は大きな変化は無いが、艦橋構造物が拡大されるなど各部に設計変更が施されている[2]。072-III型は上海の中華造船廠(現在の滬東中華造船集団有限公司)が単独で建造を請け負っていたが、072A型では滬東中華造船公司に加えて大連紅旗造船廠も建造に参加している[3]。072A型は2003年から2005年までの短期間で9隻(10隻という説もある[4])が就役している事から、二ヶ所の造船所で建造が行われたのは調達ペースを早めるための措置と思われる。072A型は2隻(911〜912)が北海艦隊、1隻(913)は東海艦隊、6隻(992〜997)は南海艦隊所属と、中国海軍の3艦隊全てに配備されている[2]。

9番艦「雲霧山」の就役から10年を経た2015年3月になって、072A型の第二次建造艦が武漢の武昌造船廠で建造されているのが確認された[7]。2016年3月現在で少なくとも6隻が建造されており、急ピッチで調達が進められていることが伺える[9][10][11]。

【性能】
072A型のスペックは以下の通り[1][2]。基準排水量3,770t、満載排水量4,800t、全長120.0m、全幅16.4m。主機は12PA6V-280MPCディーゼル(9,600馬力)2基、推進軸は2軸で最高速力は資料[2]だと17〜18kts、資料[3]だと21kts。航続距離は3,000nm/14kts。艦固有の乗員は120名。尚[3]では満載排水量5,000トン以上、全長130m、全幅16mというデータを提示している。艦幅は072-III型戦車揚陸艦より0.4m拡大され、主船体の乾舷も高められていると見られる[4]。艦後部のヘリコプター発着甲板は上甲板と同じ高さとされ、相互に行来が出来る様に艦橋構造物中央にトンネルが設けられている[5]。艦橋構造物自体も大型化しており、舷側一杯に拡大されて船体と一体化した船楼を形成している[5]。艦首には観音開き式のバウ・ドアが設置され、その内側に水密構造を兼ねた折畳み式ランプが設けられている。艦尾にもランプを有しており、艦内の車輌甲板は全通していると見られる[4]。揚陸の際には海岸にビーチングした上でランプを展開、車輌や部隊を上陸させる。また、海上でランプを展開して水陸両用戦車や上陸用舟艇を発進させる事も可能。

輸送能力については、揚陸作戦での搭載量は500t[6]。タイプシップと同じくビーチングを考慮しない輸送任務の場合は最大2,000トンの積載能力を有するものと思われる。部隊の搭載数も072-II型と同じく歩兵250名、63A式水陸両用戦車を最大10輌搭載。車輌甲板には人員輸送用の724型エアクッション揚陸艇を最大2隻格納出来る。この他、小型揚陸艇LCVPを最大4隻搭載出来るが、通常は2隻を艦橋構造物後部両舷のダビットに格納している[1]。艦尾のヘリコプター発着甲板はZ-8クラスの大型ヘリコプターの着艦が可能。ただし、ヘリコプター格納庫は備えていないため、艦固有の艦載ヘリを搭載する事は出来ないのはタイプシップと共通。

兵装については、072-III型の後期建造艦では自衛用火器として76F式37mm連装機関砲3基を装備していたが、本級では艦首楼上部に76F式37mm連装機関砲1基を搭載するのみ。対空戦闘においては乗員による携行式SAMの使用も行われる。

【第二次建造艦について】
072A型第二次建造艦の判明済みの設計変更箇所は下記の通り。
満載排水量の増加4,800tから5,008tに増加[12](資料[3]だと排水量は元から5,008tなので変化無しとなる)。
兵装の変更艦首部の37mm連装機関砲をH/PJ-17型30mm単装機関砲に変更[8]。
クレーン搭載艦橋直前に物資積載用のクレーン2基を搭載。
舷側窓の数・位置の変化-
速力最高速力は20ktsとされる[12]。

性能緒元
基準排水量3,770t(第一次建造艦)
満載排水量4,800t(第一次建造艦)/5,008t(第二次建造艦)
全長120.0m
全幅16.4m
主機12PA6V-280MPCディーゼル(9,600馬力)2基、2軸
速力17〜18kts(資料[2])/21kts(資料[3])
航続距離3,000nm/14kts
乗員120名

【搭載能力】
搭載機なしヘリ1機発着可
揚陸艇724型エアクッション揚陸艇2隻
 小型揚陸艇2〜4隻
物資搭載量500t(揚陸作戦)
戦車63A式水陸両用戦車10輌
揚陸兵員1個中隊250名

【兵装】
近接防御76F式37mm連装機関砲1基(第一次建造艦)
近接防御H/PJ-17型30mm単装機関砲1基(第二次建造艦)

【電子装備】
レーダー対水上レーダー1基
753型航海レーダー2基
JPT-4G型火器管制レーダー1基

同型艦
【第一次建造艦】
1番艦913八仙山Baxianshan2003年10月就役東海艦隊所属
2番艦911天柱山Tianzhushan2003年就役北海艦隊所属
3番艦992華頂山Huadingshan2003年就役南海艦隊所属
4番艦993羅霄山Luoxiaoshan2003年1月就役南海艦隊所属
5番艦912大青山Daqingshan2004年就役北海艦隊所属
6番艦994戴雲山Daiyunshan2004年就役南海艦隊所属
7番艦995万羊山Wanyangshan2004年就役南海艦隊所属
8番艦996老鉄山Laotieshan2005年就役南海艦隊所属
9番艦997雲霧山Yunwushan2005年就役南海艦隊所属
【第二次建造艦】
10番艦981大別山Dabieshan武昌造船廠で建造。2015年就役東海艦隊所属
11番艦982太行山Tàihángshān武昌造船廠で建造。2015年10月21日就役[9]東海艦隊所属
12番艦914武夷山Wǔyí shān2016年3月7日就役[12][13]。東海艦隊所属
13番艦915徂徠山Cúlàishān2016年3月7日就役[12][13]。東海艦隊所属
14番艦916天目山Tiānmùshān2016年1月12日就役[10]。東海艦隊所属
15番艦917五台山Wǔtáishān2016年3月7日就役[12][13]。東海艦隊所属

▼艦後部にヘリコプター発着甲板はあるが格納庫は無い。煙突両脇に1隻ずつ小型揚陸艇を搭載している

▼艦尾のランプを開き水陸両用車輌を発進させる072A型(手前2隻)

▼ビーチング後、艦首のバウ・ドアを展開して90式装輪装甲車(WZ-551)を上陸させる#913「八仙山」

▼072A型の車輌搭載区画。63A式水陸両用戦車(WZ-213)を2列で搭載している。後方に見えるのは艦尾ランプの開口部


【参考資料】
[1]Jane's Fighting Ships 2006-2007(Jane's Information Group)142頁
[2]Chinese Defence Today「Type 072-III (Yuting-II) Class Large Landing Ship」
[3]軍武狂人夢「玉亭II級大型戰車登陸艦」
[4]世界の艦船 2008年2月号(海人社)97頁。
[5]世界の艦船1月号増刊 世界の揚陸艦(2009.1/NO.701)(2009年1月/海人社)92頁
[6]世界の艦船1月号増刊 世界の揚陸艦(2009.1/NO.701)(2009年1月/海人社)94頁
[7]China Defense Blog「PLAN commission of the day: LST 981 Dabieshan」(2015年5月25日)
[8]滑停 撮影「新入列的”大別山”号両棲登陸艦」(『現代艦船』2015−21(11A)号/《現代艦船》雑誌社)巻末写真
[9]「海军太行山舰入列」(当代海军杂志社)
[10]「国产新型坦克登陆舰天目山舰入列」(2016年1月15日/新浪網-新聞中心)
[11]『現代艦船』2016-07(04A)号(現代艦船雑誌社) 巻末写真「新艦入列」(昆崙撮影)
[12]Navy Recognition「Three More Type 072A LST Tank Landing Ships Join PLAN's East China Sea Fleet」(2016年3月9日)
[13]腾讯网「海军三艘新型两栖坦克登陆舰同时入列」(2016年3月8日)

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