日本の周辺国が装備する兵器のデータベース




性能緒元
発射機全長 971mm
発射機全備重量 7.5〜7.6kg
ロケット直径 80mm
ロケット弾全長 428mm
ロケット弾重量 1.65kg
初速 172m/s
最大射程 300m
注:ロケット弾全長/重量には推進装置部分やカウンターマス部分の長さ/重量は含まない。

08式80mm多用途ロケットランチャー(DZJ-08)は、主に市街戦で建物やトーチカなどの目標に対して使用することを想定して開発された歩兵用多用途ロケットランチャーである[1]。最大の特徴はロケット発射時にカウンターマスを後方に飛ばすことで反動を抑える方法を採用、密閉空間からの発射を可能とし市街戦において有用な歩兵用携行火器となっている点である。これまでの中国軍の歩兵用ロケットランチャーは反動打消しに後方噴流を利用していたため開放空間でのみ発射が可能で、室内など閉所での運用は不可であったことが、DZJ-08の開発のきっかけとなっている。2005年5月に開発に着手、2008年に「DZJ08式単兵多用途攻堅弾武器系統」として制式化された[1]。

【構造】
DZJ-08は、ロケット弾本体、カウンターマス、使い捨てのロケットランチャー、光学照準器、そして携行用の索具等から構成される。ランチャーはグラスファイバー製で軽量かつ防水防塵効果に優れている。発射時に左手を添えるランチャー先端部と、肩に触れるランチャー中央部は断熱処理が施されており、ロケット発射時の熱が歩兵に直接伝わらないようにされている。ランチャーの前後はアルミ合金製の覆蓋で塞がれているが、発射の際に蓋を取り外す必要は無い。ランチャー中央左側に装着されている簡易照準装置は光学照準式で、発射後はロケットランチャーと共に廃棄される[1]。

ロケット弾本体の構造は、前方から弾頭部、推進装置、プラスチック製カウンターマスで構成されている。弾頭部はタンデム式弾頭を採用している。最初の弾頭は成型炸薬弾で、建物の壁やコンクリート、もしくは装甲板を貫通、直後に二つ目の弾頭の炸薬が爆発して貫通孔を拡大させる。DZJ-08はレンガ造りの壁に直径50cmの穴を穿つことが出来るので、兵員が建物に突入する際の入り口を造るのにも使用される[1]。

弾頭部とカウンターマス部分の間に配置されているのが推進装置。目標に照準を合わせて引き金を引くと推進装置の火薬に点火。火薬の燃焼に伴いされランチャー内部で高温高圧のガスが発生、圧力が一定の値に達すると、弾頭部とカウンターマスの連結が切り離され、弾頭部は前方に、カウンターマスは後方に押しやられる。弾頭部はそのまま目標に向けて打ち出され、同時にカウンターマスが後方に射出される。前述したように、DZJ-08はカウンターマス方式の採用により、後方への燃焼ガスの放出が限定され室内からの発射を可能となっている。さらに推進装置の火薬の燃焼がランチャー内部で行われるため、発射音や火炎の発生も抑えることが出来、ロケットを発射した際に敵に発見され難くなるメリットがある。開発当初は装薬の量を増して膛圧をさらに高くすることが検討されたが、それにはランチャーの構造強化やカウンターマスの重量増加が必要であり、重量の更なる増加が必至であったことから装薬の増加は放棄された。その後、試験と検証を重ねて既存の重量の範囲内で、弾道性能を確保できる適当な膛圧を設定している[1]。

カウンターマス部分はプラスチック製で、弾頭部と同じ重量を有している。開発当初はカウンターマスに液体を使用することが検討されていた。これはプラスチック製カウンターマスよりも製造が楽で、後方に飛び散るのも液体なので危険性がさらに少なく出来るなどの利点があった。しかし、膛圧がかかった場合に固体のカウンターマスとは反応が異なることから命中精度が低下する懸念があった。さらに、液体を封入した容器が劣化しやすいことや、容器が破損した際には発射不可能になるなどの欠点も指摘され、最終的に液体カウンターマスの使用は放棄された[1]。

中国軍の標準的な携行式ロケットランチャーである89式80mm対戦車ロケットランチャー(PF-89)と比較すると、DZJ-08の発射音は20デシベル近く低く、9mm拳銃の発射音と同程度に抑えられており、射手は耳を保護するカバーをつける必要が無くなった。ただし、PF-89には無いカウンターマス部分やランチャーの重量増(内部で発生する燃焼ガスに耐えるため構造を強化する必要があった)に伴い、全備重量はPF-89(3.7kg)の倍以上の7.6kgに達しており[1]、ランチャーを携行する歩兵の負担はその分増えることになっている。

【運用】
DZJ-08は、主に市街戦において歩兵分隊の支援火器として運用される。カウンターマス方式の採用により、塹壕やトーチカ、建物などの非開放空間からの発射が可能となっており、運用面での柔軟性が向上している。主に、射程200m以内のトーチカや建物への攻撃、壁に穴を開けて歩兵部隊の突入経路を確保するなどの用途に用いられる[1]。このほかに、射程200m以内の軽装甲車両、射程300m以内の艦艇、揚陸艇、沿岸部の防御拠点などに対する攻撃に使用することも可能[1]。

【今後の展開】
DZJ-08は、中国初のカウンターマス方式を採用した歩兵用ロケットランチャーであり、市街戦における有効な歩兵用支援火器として配備が進められるものと思われる[1]。今後は、DZJ-08をベースとして、対戦車用弾頭、サーモバリック弾頭、煙幕弾など各種の派生型が開発され、兵器システムとしての総合能力を向上させることが推測されている[1]。

【参考資料】
[1]刘铭「攻坚新利器—中国DZJ08式单兵多用途攻坚弹武器系统」(『轻兵器』2010年第20期)

中国陸軍

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