日本の周辺国が装備する兵器のデータベース


▼IDEX2005で展示された模型。ネームプレートには"Assaulter (6x6) Tank Destroyer"と記載されている。

▼IDEX2005で展示された写真。105mm砲から発射されるGP-2砲発射式対戦車ミサイルも示されている。


▼105mm突撃砲と思われる車両。




▼ミャンマー軍に採用された105mm装輪突撃砲


性能緒元
重量19トン
全長8.3t
全幅2.86m
全高 
エンジンBF8L413F ターボ・チャージド空冷ディーゼル 320hp
最高速度90km/h
航続距離600km
武装105mm対戦車砲×1(30発)
 GP-2砲発射式対戦車ミサイル
 12.7mm重機関銃×1(480発)
 7.62mm機関銃×1(800発)
 84式76.2mm発煙弾発射機×8
装甲 
乗員4名+1名

本車は、NORINCOが国外市場向けに開発した自走対戦車砲である。NORINCOの呼称は「105mm突撃砲」、輸出名としてはWMA-301/CARA 105mm装輪自走突撃砲「アサルター」の名称が付与されている[3][4][6]。開発のベースになったのは02式100mm装輪自走対戦車砲(PTL-02)。初期に公表された写真では、PTL-02と見分けが付かないほどよく似ていたが、2005年にアブダビで開催されたIDEX2005に出展された模型では、砲塔前面が楔型になった新型砲塔に変更されているのが確認された。

105mm突撃砲のベース車体はPTL-02と同じ92式装輪装甲車(WZ-551A/ZSL-92)である。全備重量は19トンで、水上浮行能力は有さない。Y-8輸送機(運輸8/An-12)で一両、IL-76MD輸送機で3両を空輸することが可能。近年各国では8輪式装輪装甲車が主流となっているが、あえて6輪シャーシを採用した理由としては、既に量産体制が整っており安価に提供できる事や、車体重量を軽量に纏められるなどの理由で選択されたとのこと。砲塔自体はモジュール化されており、ユーザーの要望によっては、プラットフォームとしての安定性の高い8輪式装輪装甲車、もしくは装軌式シャーシにこの砲塔を搭載して輸出する事も可能。また、外国製シャーシへの搭載も可能とされており、砲塔単体での売却にも応じる事も出来るとしている。

車体や砲塔は防弾鋼板製で、砲塔正面は100mの距離から発射された12.7mm通常弾に、車体正面は100mの距離からの7.62mm徹甲弾に、その他の砲塔の側・後面や車体各部は200mからの7.62mm徹甲弾に、車体と砲塔上面は、7.62mm通常弾に対する抗堪性を有している。

装甲の薄い105mm突撃砲では精度の高い射撃を実施して、高い機動性を活かして退避を行うことで被害を軽減する必要がある。そのため、同車の射撃統制装置は第3世代戦車に相当する高い能力が付与されている。射撃統制装置は、レーザー測距器、弾道計算機、砲スタビライザーなどで構成されており、行進間射撃も可能で高い初弾命中精度を実現している。脅威度の高い目標を車長が発見した際は、その目標へ優先的に照準を指向できるオーバーライド機能を有している。射撃手順は自動化が進められており、乗員の負担が大きく削減されている。これは乗員の訓練が十分でない国への輸出においても導入に有利になる点であると説明されている。

105mm突撃砲は、輸出市場でのセールスポイントを高めるため各国で広く採用されている105mmライフル砲を搭載した。PTL-02が搭載していた100mm滑腔砲は、後座長をわざと長めにすることで後座圧を低減していたが、105mmライフル砲は狭い砲塔で運用される戦車砲であるために、後座長は短くされており、砲の反動を車体重量で抑える手法をとっていた。しかし車体重量が軽い装輪式シャーシではこの手法は使用できなかった。開発陣では後座圧を軽減するために、後座長を伸ばして反動を減少させ、同じく反動軽減に効果のあるマズルブレーキを砲口に装着するなどの改造が施された。これによって軽量な装輪式シャーシからでも360度全周の射撃が可能となった。105mmライフル砲は。砲の俯仰角は-4.5〜18度、全周旋回・射撃が可能。砲発射速度は4〜6発/分。PTL-02の100mm砲に比べて砲弾のサイズが大型化したため、砲弾の搭載方法も変更が加えられた。PTL-02では砲塔後部に即応弾を横に並べて搭載していたが、105mm突撃砲では砲塔後部に縦に砲弾を並べて搭載している。これによって砲弾搭載スペースを効率よく利用してより多くの砲弾を搭載可能となった。105mm突撃砲の搭載砲弾数は、砲塔後部に12発、車体後部に9発の合計30発。砲塔後部には装填作業の負担軽減のため装弾補助装置が装備されている。

105mmライフル砲は、中国製砲弾だけではなく各国で使用されている同系列の砲弾をそのまま使用する事が可能。さらに、ロシアから導入した9K116バスチオン(AT-10 Stabber)砲発射式対戦車ミサイルの技術を元に開発されたGP-2砲発射式対戦車ミサイルを打ち出す事が可能。このミサイルは5,000mの射程を持ち、静止目標に対して90%以上の命中率を得る事が出来るという。また戦車以外にも低空を飛ぶヘリコプターも攻撃する事が可能。NORINCOによると、この対戦車ミサイルは、爆発反応装甲を貫通した後でも、RHA値で650mmの貫通力を有しているとの事。第三世代戦車の正面装甲に対する貫通力は充分とはいえないが、このミサイルの採用により105mm突撃砲は第三世代戦車を射程外からアウトレンジ攻撃する能力が付与された。補助武装は105mm対戦車砲と同軸に7.62mm機関銃が、砲塔上には85式12.7mm(W-85)重機関銃が装備されている。

NORINCOの関係者は、同車がすでに中国軍向けにも生産されているとの発言をしているが、これが同車の事なのか、それともPTL-02を指しているのかについては現在の所不明[3]。

105mm突撃砲は、ミャンマー(100両発注、2014年までに75両引渡し)、チャド(39両)、カメルーンへ(12両)、ジブチ(台数不明)の輸出に成功している[5][6][7][10]。カメルーン輸出型は砲塔形状がPTL-02に類似したタイプ(搭載砲は105mm砲)で、同国陸軍の装甲偵察旅団の三個小隊に配備されている[6]。高い路上走行速度と整備コストの安さを兼ね備えた装輪車輌に105mmライフル砲を搭載した同自走砲は、第三世界の国々にとっては非対称戦闘で有効な直接火力支援車両として運用されている模様で、チャド軍が武装勢力ボコ・ハラムとの戦闘に[8]、ミャンマー軍が北部のコーカン族武装勢力との戦闘に投入している[9]のが確認されている

【参考資料】
[1]兵器-Weapon-2008年第12期「北方風雷疾-采訪国産外貿105毫米突撃炮総師范社衛」(秦朗/中国兵器工業集団公司)
[2]「中国新型105毫米輪式自走突撃砲」(范社衛・劉貴紅)
[3]International Assessment and Strategy Center (2005年6月)“Chinese Notes from AeroIndia and IDEX”(Richard Fisher, Jr.)
[4]NORINCO公式サイト
[5]新浪網-軍事「中国轮式突击炮现身缅甸阅兵式」(2013年3月28日)
[6]Defence & Security Intelligence & Analysis - IHS Jane's 360「Cameroon displays new Chinese armour」(Jeremy Binnie/2014年5月20日)
[7]ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)公式サイト「SIPRI Arms Transfers Database - Trade registers」(2015年5月17日閲覧)
[8]新浪軍事「乍得政府军动用中国造轮式突击炮猛轰恐怖组织」(2015年5月7日)
[9]鳳凰新聞「缅军集结中国造02式突击炮 佤邦南邓或介入战事」(2015年3月23日)
[10]IHS Jane's Defence Weekly"Djibouti parades Chinese tank destroyer"(Jeremy Binnie/2015年6月28日)

02式100mm装輪自走対戦車砲(PTL-02)
中国陸軍

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