日本の周辺国が装備する兵器のデータベース


▼瀋陽軍区の陸軍艦艇部隊に所属する271-III型揚陸艇(艦番号S2226。Sは瀋陽Shěnyángの略称)


271-III型汎用揚陸艇は1970〜80年代初に建造された271-I/271-II型汎用揚陸艇の拡大改良型[1]。設計作業は1985年に完了し1987年3月には長沙造船廠で一番艇が竣工、1989年12月に陸軍艦艇部隊に引き渡された[1][2]。

271-III型は271-I/II型の発展型とされているが、設計変更により艦様は一新されている。船体は271-I/II型の平底船体を速度発揮に有利なV字型船体に変更[2]、艦首扉は門扉式から緩やかなV字を描く観音開き式にされたが、これも艦首の水抵抗を減ずる措置[2]。これらの抵抗減少を目的とした改良により、エンジン出力は271-I/II型と同じ1,200馬力ながら最高速度は2kts増えた16ktsを得ている[2]。271-III型の主なスペックは以下の通り。基準排水量613.7トン、満載排水量634トン、全長58.4m、全幅10.4m、喫水2.28m[2]。主機は271-I/II型の6300ZCディーゼル2基(合計出力1,200馬力)からMAN 8L20/27ディーゼル2基(合計出力1,200馬力)に換装。最高速度16kts、航続距離1,000海里/10kts[2]。近海での活動を前提とした艦艇ではあるが、一定程度の長期活動も考慮しており連続15日間の航海が可能[2]。風速18m/秒までの荒天下での活動が保証されている[2]。艦固有の乗員は25名[2]。

車輌甲板は艦首から艦橋構造物までの間。物資搭載能力は最大150トン[2]。車輌搭載能力は59式戦車3輌(+増強1個歩兵小隊70名)、62式軽戦車であれば7輌、63式水陸両用戦車の場合は6輌、野砲の場合は56式85mm野砲3門と牽引車輌3輌の搭載が可能。人員輸送の場合は完全武装の歩兵200名を搭載する能力を有する[2][4]。上陸に際しては艦首扉を開閉後にランプを展開し車輌や兵員、物資を陸揚げする。

【総括】
271-III型は前級の271-I/II型と同じく小型汎用揚陸艇としては搭載力が高く、比較的長い航続距離と荒天下での活動能力を有していることが評価されている[2]。1980年代以降、中国海軍では072型戦車揚陸艦(ユカン型/玉坎型)の戦力化を進めるなど揚陸艦の大型化、高速化を推進する様になった。そして数百隻が配備されていた排水量500トン以下の小型揚陸艇戦力については基本的に陸軍船舶部隊が運用する方針が採用された。多くの揚陸艇が陸軍に移管され、海軍籍に残されたものも多くは予備艦艇として保存される事になった[2]。

271型シリーズは陸軍艦艇部隊の保有する揚陸艇としては最も大型の部類に属しており、主に港湾施設の整備されていない沿岸部や島嶼部の陸軍守備隊への車輌や資材などの輸送任務に従事しているが、当然有事の際には兵員や戦闘車両を搭載しての着上陸作戦や橋頭堡への物資輸送任務に従事する[2]。

271-III型は旧式化が進む271-I/II型を更新するために1990年代を通じて建造が行われたとの事[1]。ただし、正確な建造数については確実な情報が得られていない。

性能緒元
基準排水量613.7トン
満載排水量634トン
全長58.4m
全幅10.4m
喫水2.28m
主機MAN 8L20/27ディーゼル2基(合計1,200馬力)
速力16kts
航続距離1,000海里/10kts
乗員25名

【搭載能力】
戦車59式戦車3輌(+増強一個歩兵小隊70名)
 62式軽戦車7輌
 63式水陸両用戦車6輌
野砲56式85mm野砲3門(+牽引車輌3輌)
人員歩兵200名
物資150トン

【武装】
近接防御61式25mm連装機関砲2基
69式14.5mm連装機関砲2基



【参考資料】
[1]Chinese Defence Today「Type 271-II/III Utility Landing Craft」
[2]中国武器大全「217系列登陸艇」
[3]「世界の艦船 2009年1月号増刊 世界の揚陸艦」(海人社)143頁
[4]中国武器大全「中国海军早期坦克登陆艇的发展」

【関連項目】
271-I/271-II型汎用揚陸艇
中国陸軍
中国海軍

amazon

▼特集:自衛隊機vs中国機▼


▼特集:中国の海軍力▼


▼特集:中国海軍▼


▼中国巡航ミサイル▼


























































メンバーのみ編集できます