312型遠隔操縦掃海艇（中国名：312型遥控掃雷艇、NATOコード：FUTI class）は1960年代末に開発に着手された中国第1世代の遠隔操縦式掃海ドローンであり、1972年に実用化されアメリカ軍が北ベトナム沿岸に敷設した機雷の掃海任務に投入された[1]。
船体のサイズは基準排水量47t、全長20.9m、全幅3.9m、喫水2.1mと小型で浅喫水であり、通常の掃海艇では掃海困難な浅瀬や河川での運用も可能[1][2]。主に港湾、島嶼部、浅瀬、河川などでの掃海任務を想定して開発された。312型遠隔操縦掃海艇の最大の特徴は、機雷掃海任務における人的被害を無くすため遠隔操作方式を導入した点である。遠隔操縦装置はコンパクトで船舶、ヘリコプター、陸上など任意の場所に配置して、最大6km離れた地点から遠隔操作を行うことが出来る[2]。312型遠隔操縦掃海艇に搭載された掃海装置は150〜200平方メートルの海域に敷設されている音響/水圧/磁気機雷の除去が可能[2]。
312型遠隔操縦掃海艇は合計42隻が建造された。現在運用されているのは2隻のみであるが、多くが予備艇として保管されている[2]。
■性能緒元
| 基準排水量 | 47t |
| 全長 | 20.9m |
| 全幅 | 3.9m |
| 喫水 | 2.1m |
| 主機 | ディーゼル・エレクトリック式 1軸 |
| 12V 150C型ディーゼル 1基（300馬力） | |
| モーター1基 | |
| 速力 | 12kts |
| 航続距離 | 144nm/12kts |
| 乗員 | 3名（無人航行可能） |
【参考資料】
[1]新中国之戦争__我的備忘録「援越抗美中的掃雷英雄——朱重濱」
[2]Jane's Fighting Ships 2009-2010（Stephen Saunders (編) /2009年6月23日 /Janes Information Group）156頁。
中国海軍