日本の周辺国が装備する兵器のデータベース


59式戦車の火力強化型としては、上記の120mm滑腔砲搭載型だけではなく125mm滑腔砲を搭載した車両の開発も行われている。59式の125mm滑腔砲搭載型は、これまでに5種類が確認されている。

59改/G式戦車(125mm滑腔砲搭載型)/「59-125」式戦車

▼125mm滑腔砲を搭載し、砲塔全周を追加装甲で覆った近代化改装が施されたパキスタン軍の59式(「アル・ザラール」試製一型)。59-125式も同様の改装を行っているものと思われる。


NORINCOは外国の59式戦車運用国向けに、59式のアップグレード案を何種類も提案しているが、59改式/59G式戦車(125mm滑腔砲搭載型)、別名「59-125」式戦車もその提案の1つ。

59-125の最大の特徴は、ソ連の125mm滑腔砲を元に開発された中国製125mm滑腔砲を搭載した点である。125mm砲の搭載に合わせて、射撃統制装置もアップグレードされ、命中精度が大幅に向上すると共に、行進間射撃も可能となった。砲弾の装填方式については不明。防御力改善のため砲塔を包み込むように付加装甲が装着され外観を一変させている。付加装甲の詳細については不明。さらに付加装甲の上に爆発反応装甲を装着する事で一層の防御力強化を行うことも可能。改装による重量増加に対処するため、原型の12150L ディーゼルエンジン(520hp)は730hpもしくは800hpの新型エンジンに換装されており、走行性能は重量増加にも拘らずむしろ向上しているとの事。

NORINCOは、59-125を59式やT-54/55戦車を運用している国々に提案している。パキスタンは、NORINCOの技術支援を受けて、59-125の改装内容と共通する点が多い59式の大規模なアップグレード型である「アル・ザラール」戦車を開発している。

59/69式中戦車125mm滑腔砲アップグレード型

▼低反動型125mm滑腔砲を搭載した69式中戦車。この改造は59式にも適応可能。


NORINCOでは1999年に外国の59/69式戦車運用国向けに59/69式共通の近代化改修パッケージを提案している。

この改修では、主砲を軽量125亞蟾佶い亡港、射撃統制装置や暗視装置も近代化される。ただし車体のスペースの関係からか、自動装填装置は装備されず装弾は装填手によって行われる。そのため乗員は4名のまま。なお、装弾作業を支援するために、装弾補助装置が搭載される。射撃速度は4〜6発/分。軽量型125亞蟾佶い砲話羚饑修APFSDS弾(距離2,000mで均質鋼板600mm貫通)、HEAT弾などが用意されているが、ソ連/ロシア系の各種125mm戦車砲弾を使用することも可能。砲口には反動減少のため多孔式マズルブレーキが装備されている。同砲の諸元は以下の通り。砲身長6,000mm、砲重量2,650kg、最大後座力400KN、1000mでの命中精度はAPFSDS弾で0.28m×0.28m、HEAT/HE弾で0.30m×0.30m。砲の俯仰角度-5〜18度で全周射撃が可能。砲弾搭載数は30発。

戦闘重量は36.8tで、防御性能や機動力に関しては原型のままであるが、これらの面についても運用国の予算や要求に応じた能力向上が可能である。

59式中戦車アップグレード型(96G式戦車砲塔搭載)

▼IDEX2007兵器ショーで展示された96G式戦車の砲塔を搭載した59式戦車の模型。


2007年にアラブ首長国連邦で開催されたIDEX2007兵器ショーで、59P式戦車と共に展示された車両。これは、59式を生産したNORINCOではなく解放軍系の輸出企業である中国保利(Poli)集団公司が提案した近代化改装案である。

上記の改良型が100mmライフル砲を125mm滑腔砲に換装する手法をとっていたのに対して、この戦車は96G式主力戦車の砲塔を59式のシャーシに搭載するという大掛かりな改造が行われていた。砲塔には99G式戦車と類似した中国第二世代の爆発反応装甲が装着されている。車体正面にも爆発反応装甲が装着されているが、こちらは形状を見る限り59P式戦車と同じ第一世代の爆発反応装甲である反応1型(FY-1)と思われる。さらに、砲塔後部の装具ラック側面や車体側面のサイドスカート部にも爆発反応装甲が装備されており、これらの合計重量は2トンに達する。暗視装置は中国第2世代の熱線映像式に換装され、それによって砲手用サイトも大型化している。

48口径125mm滑腔砲は分離装薬型で、中国製のAPFSDS弾、HEAT弾、HE-FRAG弾、そしてソ連/ロシア製の各種125mm砲弾の発射が可能。1990年代後半にはウクライナからレーザー誘導式の砲発射ミサイルが導入された。125mm砲弾の搭載数については不明。ただし、96G式に比べて車内容積が狭いことから砲弾搭載数は96G式の42発にくらべてかなり少なくなっている物と推測される。副武装は85式12.7mm(W-85)重機関銃と86式7.62mm機関銃が各1挺ずつ搭載された。

新型砲塔と増加装甲による車体重量増加に対応するために、エンジンは730馬力、もしくは800馬力のディーゼルエンジンに換装される。

この近代化改装は、59式の攻撃力や防御力、機動力を一挙に96G式戦車レベルにまで引き上げる大規模な改造である。その反面、改装費用も高騰するのは否めないところであり、費用対効果が顧客にどのように判断されるかが、この改装案が採用されるか否かの決め手となると思われる。

名称不明(125mm砲搭載型)

▼59式の砲塔に大型増加装甲を装着し、主砲を125mm滑腔砲に換装する大掛かりな改造を施した車両、


▼砲塔部の写真。59式の砲塔に溶接鋼板で整形された付加装甲を取り付けているのが見て取れる。砲手用サイトはレーザーレンジファインダー/赤外線暗視装置を内蔵したと思われる大型サイトに換装されている。


最近その存在が確認された59式125mm滑腔砲搭載型の1つ。既存の砲塔に増加装甲を装着し主砲を125mm砲に換装するという「59-125」と同じコンセプトの改造が行われている。溶接鋼板で製作された増加装甲は、砲塔を包み込むように装着されている。増加装甲の具体的な構造については不明。砲塔の側面と後部の増加装甲の上にはHEAT弾対策のスラットアーマーを兼ねた装具入れが装着されている。

車体正面には大型の付加装甲が装着されており、外観は59式とはかなり変化している。また、車体側面のサイドスカートの上にも爆発反応装甲と見られる付加装甲が装着されている。重量増加に対応するため、機関の換装が行われており、車体の左側にあった排気口が右側に移されている。

現状ではこの改造型に関する情報は乏しく、近代化改装の具体的な内容について記載することは出来ないのが正直な所である。

T-59T/T-59G(タンザニア軍59式アップグレード型)



2011年12月9日、タンザニアの独立50周年記念軍事パレードに登場したことでその存在が明らかにされた59式の近代化改修型[4][5]。改修後の名称としてはT-59G、もしくはT-59Tの二種類の型式名が報じられている[4][5][7]。改修作業を担当したのは、解放軍系の中国保利集団公司[7]。

改装の手法は上記125mm滑腔砲搭載型と共通する点が多い。125mm滑腔砲の搭載にあわせて、射撃統制システムも一新されている。なお、車体サイズの制約から自動装填装置は搭載されておらず、給弾作業を補助する装填補助装置が装備されている[7]。

原型の砲塔の周辺に付加装甲を装備して、その上に爆発反応装甲を装着するというパキスタンの「アル・ザラール」戦車と似た手法で砲塔防御力の強化が行われた。爆発反応装甲の装着方法は96G式戦車に準じた手法が採用されており、外観は96G型に良く似たものになっている。爆発反応装甲は、砲塔のほかにも車体前面と車体側面のゴム製サイドスカート上部にも装着されている[4][5]。

新型砲塔と増加装甲による重量増加に対応するために、エンジンは730馬力、もしくは800馬力のディーゼルエンジンに換装[6][7]。これに伴い、エンジン排気口の位置が原型の車体左側から右側に変更されている[6]。

【125mm滑腔砲搭載型派生型一覧】
59改/G式(125mm滑腔砲搭載型)別名59-125。既存の砲塔に増加装甲を装着、新型FCSの搭載や主砲の125mm滑腔砲への換装、エンジン出力強化などを含む大規模な改装を実施。
59/69式 125mm滑腔砲アップグレード型低反動125mm砲搭載。海外の59/69式運用国に対して近代化改装案として提示。
59式(96G式砲塔搭載型)正式な名称は不明。IDEX2007兵器ショーで公開。96G式戦車の砲塔を搭載。
名称不明(125mm砲搭載型)既存の砲塔に大型の増加装甲を装着、主砲を125mm滑腔砲に換装。
T-59T/T-59G(タンザニア軍59式アップグレード型)既存の砲塔に付加装甲を装着し、その上に爆発反応装甲を搭載。主砲を125mm滑腔砲に換装、合わせて射撃統制装置の近代化を実施。

【参考史料】
[1]『火力戦神-THERMODYNAMIC POWER 陸戦編【2】』「中国59式改進型中型坦克」(彭援朝編集/中国文聨出版社/2004年7月)
[2]『漢和防務評論』2007年6月号「保宝利公司推出新型坦克改良計画」
[3]『漢和防務評論』2009年6月号「中国推出T59坦克改型」
[4]Army Recognition「Army of Tanzania is now equipped with a new chinese main battle tank Type 59G」(2011年12月27日)
[5]新浪网「坦桑尼亚举行盛大阅兵式中国59G改进型坦克亮相」
[5]『漢和防務評論』2012年5月号「坦桑尼亞改良T59主戦坦克」28〜31頁
[6]『漢和防務評論』2012年6月号「POLY公司幫助坦桑尼亞改良T59T」

その他の59式戦車近代化改修型
59式戦車120mm滑腔砲搭載型
59DI/59D/59P式戦車(WZ-120C・D/ZTZ-59DI・D/アル・ズバイル2)
「ジャガー」戦車(美洲虎)【米中共同開発・試作のみ】
59-II/59-IIA式戦車(59B式/WZ-120B)
59-I式戦車(59A式/WZ-120A)
59式戦車(WZ-120/ZTZ-59/T-54)
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