日本の周辺国が装備する兵器のデータベース


▼70式の射撃姿勢。構えているのは武装警察隊員


性能緒元
発射機全長(携行時)738
発射機全長(発射時)1,200
発射機重量0.428kg
全備重量2.48kg
弾頭部直径62mm
弾頭重量1.18kg
最大速度126m/秒
貫通力100(65度傾斜鋼板)
有効射程60m(直射)
最大射程180m

56式40mm対戦車ロケットランチャー(RPG-2)、69式40mm対戦車ロケットランチャー(RPG-7)と、ソ連のRPGの国産化に終始してきた中国が独自に開発した歩兵用対戦車ロケットが70式62mm対戦車ロケットランチャーである。70式は1966年に開発が開始され、1970年に「70式62毫米単兵反坦克火箭筒」として制式化された。この時期は文化大革命の最中であり、70式も文革中の軍事ドクトリンである人民戦争論に基づき、軽量小型で歩兵1人での携行が可能で簡単な訓練で運用可能とするなど、ゲリラ戦に適した装備として設計された。なお、70式の開発の背景には、アメリカ軍がヴェトナム戦争に投入したM72軽対戦車火器(LAW)の影響があるものと推測される

70式は56式、69式とは異なり発射筒が弾薬ケースを兼ねる方式を採用した。56式、69式は発射筒と弾薬ケースが分離していたため、それぞれを携行する兵員が必要だったが、70式は全備重量2.48kgと軽量であり歩兵1人での携行が可能となった。56式、69式の弾頭は発射時には暴露状態になるため、衝撃などで破損し易く温度などの影響を受けやすかったが、70式のロケット弾は発射までランチャー内で保護されるため破損の危険性が減少し、整備の省力化にも成功した。69式は発射筒から射出された後にロケットモーターに点火する方式を採用したが、70式はロケットモーターを作動させてロケット弾を打ち出す方式を採っており、69式が対戦車擲弾発射機(RPG)であるのに対して70式は純粋なロケットランチャーであるといえる。70式は、射手がロケットの火炎により負傷しない様、発射筒内でロケットモーターの燃焼をほぼ終了する仕組みを採用している。ロケット弾は発射後折りたたみ式の安定翼を展開する。安定翼の効果と発射直後に最大速度に達することで70式は横風の影響を受けにくくなっており、かなりの強風の中でも射程距離内での命中精度は低下しないようになっている。ランチャーの前後は蓋で覆われており、発射前に取り外して使用する。蓋が外れなければロケットは点火されない仕組みになっており、暴発を防ぐ安全装置になっている。ランチャーは発射後再使用が可能。70式は軽量小型化に重点を置いて設計されたため、全備重量は2.48kgと69式より2kg以上軽量化された。ただし軽量化は性能にも悪影響を及ぼし、有効射程は60m、貫通力は約100mm(65度傾斜鋼板)とスペックでも69式に及ばない性能に留まってしまった。照準装置については一般人民でも簡単に扱える様に簡易なアイアンサイトが採用され、69式が装備していた遠距離照準が可能だが操作に熟練を要する光学照準装置は搭載されなかった。そのため数値上の最大射程は180mになるものの、有効射程は60mに留まることになった。

70式は、小型軽量で運搬が容易、一般人民でも簡単な訓練で運用が可能という、人民戦争論に沿った「全人民による対戦車戦闘」を実現するための兵器としての要求を達成することに成功したといえる。しかし、70式はその要求によって対戦車兵器としての性能を低下させることになってしまった。1969年の中ソ国境紛争で登場したソ連のT-62戦車に対して70式は充分な貫通力を持たないことは明白であった。中国軍はこれを受けて70式の第一線部隊への大量配備を中断し、少数の部隊や民兵部隊への配備、そして輸出向け兵器としての生産に留める事を決定した。70式のロケットモーターはレアメタルを使用した超合金で製造されており、文革中の物資不足とモーターの信頼性の問題も大量生産を見送った原因となった。その後、70式の軽量・運用の容易さ、戦車以外の装甲車両や対陣地攻撃であれば充分な能力を有することが再評価され、1974年には改良型の70-I式62毫米単兵反坦克火箭筒が開発され、1980年代まで量産が行われた。また70式の弾頭を対人攻撃用榴弾に換装したタイプが1980年代に開発され、殺傷範囲は20mで最大射程は1,000mの性能だったが試作に終わった。現在、70式は中国軍の第一線部隊からはほとんど引退し、一部が民兵部隊などの二線級部隊や武装警察で運用されるに留まっている。ただし、70式を連装化し改良を加えた多用途支援ロケットである84式62mm連装ロケットランチャー(FHJ-84)が開発されており、空挺部隊や対NBC戦部隊などでの運用が行われている。
70式基本型。少数生産に留まる
70-I式改良型。改良の詳細は不明。1974年に制式化され、1980年代まで生産される
84式62mm連装ロケットランチャー(FHJ-84)70式をベースに発射機を連装化。多用途支援火器として開発され、HEAT弾の運用は想定していない

【参考資料】
現代兵器 2006年6月号「地火流星-中国歩兵反坦克火箭発展歴程」
中華網「中国軍隊火箭筒集(図)」

【関連項目】
84式62mm連装ロケットランチャー(FHJ-84)

中国陸軍

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