日本の周辺国が装備する兵器のデータベース


▼右から射撃指揮車、自走ロケット車両(32連装型)、自走ロケット車両(40連装)、4×4野戦輸送車。(C)『現代兵器』

▼後方から見た4×4野戦輸送車と自走ロケット車両


雑誌『現代兵器』で写真のみが紹介されてその存在が公になった自走対空ロケット。この兵器システムに関する情報は乏しく、開発の経緯、中国軍への採用の有無、制式名称などについては不明。そのため、下記の記述は、多くが類推によるものであることを了解いただいた上で見ていただきたい。

同システムは、6×6装輪装甲車に多連装ロケット発射機を搭載した自走ロケット車両(32連装型と40連装型に二種類が確認されている)と、4×4装輪装甲車に光学/電子/赤外線センサーを搭載した射撃指揮車両、4×4野戦輸送車(人員/整備部品輸送?)により構成される。

対空射撃に至る過程は、射撃指揮車両自身で発見、もしくは別部隊からの情報により探知した対空目標に対して、光学/電子/赤外線センサーで照準を行い対空射撃に必要な各種諸元を得て、自走ロケット車両に射撃を指示する手順を取ると思われる。

70mm多連装自走対空ロケットの主兵装である70mmロケット弾に関する情報は乏しく、射程や弾頭・信管の種類については不明であるが、西側の同クラスのハイドラ70mmロケット弾が射程9,000mなので[1]、大体これと同程度の射程はあるものと推測される。近年、アメリカは70mmロケット弾にセミ・アクティブレーザー誘導装置を組み込んで、目標までの誘導を可能としたAPKWS(Advanced Precision Kill Weapon System)を開発したが[1]、70mm多連装自走対空ロケットがその種の誘導方式を採用しているかについても不明。射撃指揮車両や自走ロケット車の外見からは、それほど複雑な電子装備が搭載されていないと思われるため、無誘導ロケットに近接信管を搭載して運用される可能性が高いものと推測される。

70mm多連装自走対空ロケットの防空システムの中における位置づけとしては、対空機関砲と短距離地対空ミサイルの中間に位置する対空兵器であると類推される。対空機関砲よりも射程・威力に優れ、短距離地対空ミサイルには射程や命中精度では及ばないものの、即応性に優れ1発あたりの単価も精密機器を搭載したミサイルよりも安く出来る。また、システムとしての構成が余り複雑でないため、ミサイルよりも電子妨害に対する抗堪性に優れていると思われる。電子妨害に強い光学/電子/赤外線センサーを採用しているのもその表れといえよう。

近年では各国でも余り類を見ない多連装対空ロケットという兵器システムが何故開発されたのか、その経緯については、上述の通り現時点では不明。70mm多連装自走対空ロケットが試作に終わるのか、軍に採用されるのかについては、今後の推移を見る必要がある。

【参考資料】
『ミリタリー選書8-軍用機ウエポン・ハンドブック』(青木謙知/イカロス出版/2005年)[1]

Global Security「Advanced Precision Kill Weapon System(APKWS)」[2]
泡沫倶楽部「現代兵器泄中国古怪武器:国産70毫米口径防空火箭」(2007年4月23日)

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