日本の周辺国が装備する兵器のデータベース




性能緒元
総重量3,100kg(牽引状態)
全長6.205m(牽引状態)
全幅1,816m(牽引状態)
全高2.280m(牽引状態)
口径37mm
砲身長2.739m(74口径)
銃身数2門
砲弾重量1.416kg(榴弾)/1.455kg(徹甲弾)
初速866m/秒(榴弾)/868m/秒(徹甲弾)
発射速度440〜480発/分(二門合計)
最大射程8,500m
有効射程3,500m
有効射高3,000m
直射距離940m
俯仰範囲-10〜+87度
旋回範囲360度
射撃統制装置光学式
牽引速度25〜50km/h
要員7〜9名(砲1門あたり)

74式37mm連装機関砲(中国語では74式37毫米双管高射炮、もしくは74式双管37m牽引式軽型高炮)は、1960年代から大量生産が行われていた65式37mm連装機関砲の改良型65-I式をベースとして開発が行われ、1974年に制式化され配備が開始された。

74式は基本コンポーネントの多くを65-I式から引き継いでおり、使用弾薬も65式と共通。ただし、全備重量は原型の65式に比べて約500kgの増加を見ている。これは砲架の駆動用モーターなどを搭載したことによると見られる。65-I式ではレーダーや射撃統制装置と連動した自動化の推進や全天候性能の実現が行われていたが、74式ではこの分野で更なる技術向上が図られた[1]。

74式対空機関砲中隊は、機関砲六門、光学測距儀、方位盤、火器管制装置、捜索レーダー、ディーゼル発電機、各種装備の牽引・輸送車輌などで構成される。

射撃に際しては、以下の4つの射撃モードが用意されている[1]。
手動方式操砲員が左右の旋回と俯仰操作を手動で行い、個別の砲側照準装置による射撃を行う。主に緊急時に行われる方式。
半手動方式高射砲の駆動モーターの補助を受けて、操砲員がハンドルを旋回させて砲を動かす。発電装置からの電力供給が可能な場合に行われる。
半自動方式光学測距儀からの目標情報を受けて方位盤が射撃諸元を算定、これに基づいて中隊の砲を中央統制する。各砲は、諸元どおりに照準射撃を行う。各砲の操作員は給弾作業のみを担当。
全自動方式レーダーと方位盤による完全自動制御。全天候射撃が可能となる。砲員は給弾作業のみを担当。

74式は最高速度300m/秒までの経空目標に対する攻撃が可能。砲一門あたり、7〜8名の操作要員が配属されている。

【射撃統制システム】
上述の通り、74式の射撃統制システムは光学測距儀、方位盤、火器管制装置、捜索レーダーなどによって構成される。74式の実用化から程なくして関係改善を行った西側諸国から新技術の導入が可能となったことで、74式の射撃統制システムもさまざまな改良が加えられるようになり、豊富なバリエーションを備えるに至った。下記では、その一部を紹介する。

【311型射撃統制レーダー】[2]
311A型(311甲型)射撃統制レーダーは、4輪式牽引トレーラーにI/Jバンドレーダーと操作要員が搭乗する制御室を搭載している。レーダーは事前にセットした3つの周波数を自動的に選択可能。速度550m/sで飛行する戦闘機大の目標に対して500mから30,000mの範囲内で探知可能な能力を有している。レーダー搭載トレーラーの重量は4tで、牽引には8tトラック一輌が必要。このトラックは予備部品や発電機も輸送する。311A型レーダーは、37mm機関砲だけではなく59式57mm高射砲(S-60)の捜索用レーダーとしても使用されている。331A型の発展型として、最大探知距離を35,000mに延伸し、敵味方識別装置を導入した311B型(311乙型)、最大探知距離を40,000mに延伸した311C型(311丙型)が開発されている。

【80式兵器システム】[2]
80式は、6門の74式37mm連装機関砲と、それをケーブルで連結した射撃制御装置、発電装置、702型射撃統制用レーダーから構成されている。射程3,500mまでの経空脅威との戦闘を前提として開発されているが、地上目標や水上目標との交戦も可能。

80式兵器システムの中核を占める702型射撃統制用レーダーは、牽引式トレーラーに射撃統制用レーダー、射撃統制用デジタル計算機、テレビモニター、主電源装置と補助電源装置などで構成されている。レーダーの最大探知距離と最大目標追尾距離はそれぞれ40km。600m/秒までの速度の経空目標の追尾が可能。デジタル計算機はインテル8086を使用している。702型レーダーは、目標を捜索、追尾して射撃に必要な諸元計算を行う。次に射撃諸元を各機関砲に伝達してどの時点で発砲すべきかを指令する。

同システムは、手動方式、半手動方式、半自動制御、完全自動制御の4つの射撃モードが用意されている。

【80式防空ネットワーク】[2]
80式防空ネットワークは、74式37mm連装機関砲6門を装備した3個機関砲中隊、801型射撃方位盤、702型射撃統制レーダー、703型大隊用C3Iシステムから構成される。

801型射撃方位盤は、光学照準装置、レーザー測遠器、レーザー情報処理機、制御追尾装置、マイクロコンピュータ、電源装置などから構成されており、牽引式の4輪トレーラーに搭載される。

光学照準装置は最大15kmの探知距離、10倍の解像度を有している。レーザー測遠器は5m〜7,000mの範囲で使用する事が可能。システム制御には、インテル8086が使用されている。

【「天盾=Sky Shield」短距離光学射撃統制システム】[2]
中国北方工業公司(NORINCO)は、74式の大隊向け射撃統制システムとして「天盾=Sky Shield」短距離光学射撃統制システムを開発している。スカイシールドシステムは、捜索用レーダー、光学測距儀、方位盤、火器管制装置、弾道計算機、赤外線暗視装置などをセットにしており、74式やより新型の37mm機関砲とPL-9C/D地対空ミサイル、もしくは新型の90式35mm連装機関砲など組み合わせて要地防空を行うための装置である[2]。有効射程3,000m前後の対空機関砲と有効射程10,000m前後のPL-9C/Dを組み合わせているのは、経空脅威に対する対応能力を向上させる狙いがある。
スカイシールドシステムは以下の様な兵器の組み合わせが想定されている[2]。
1型新型37mm連装機関砲×3門+PL-9C/D地対空ミサイル発射機×1基
2型90式35mm連装機関砲×2門+PL-9C/D地対空ミサイル発射機×1基
3型(広域対応型)74式37mm連装機関砲×6門+新型37mm連装機関砲×3門+PL-9C/D地対空ミサイル発射機×1基
4型(広域対応型)74式37mm連装機関砲×6門+90式35mm連装機関砲×2門+PL-9C/D地対空ミサイル発射機×1基

【旅団(連隊)レベル390型統合ガン・ミサイル防空システム】[2][6]
中国北方工業公司(NORINCO)は、90式37mm/35mm連装機関砲(74式の発展型)とPL-9地対空ミサイル、防空レーダー、式管制装置をセットにした野戦防空システム「旅団(連隊)レベル390型統合ガン・ミサイル防空システム」を輸出向けに提案している。

390型防空システムの構成は、広域監視レーダー×1基、FLAD指揮統制通信・情報(C3I)、IBIS低高度捜索レーダー×8基、702型射撃指揮システム(照準レーダー)×24基、赤外線レーザー・レーダー×24基、90式37mm/35mm連装機関砲×48門、PL-9地対空ミサイル四連装発射機×24基から成る。

一個射撃中隊はIBIS低高度捜索レーダー×1、702型射撃指揮システム×3、赤外線レーザー・レーダー×3、90式37mm機関砲×6、PL-9ミサイル発射機×3から構成。システムの指揮管制を掌るFLADは、コンピュータ、通信・情報システムと旅団(連隊)指揮所×1、大隊指揮所×8、射撃中隊指揮・統制所×24から構成される。探知レーダーは低高度の探知能力と電子妨害に対する強い抗堪性を備えているとされる。赤外線レーザー・レーダーは、第三世代の画像赤外線シーカーと探知用TV、TV自動追跡装置、レーザー距離測遠装置を組み合わせた物で、機関砲とミサイルにより80%以上の撃墜率を有するとされる。探知距離10kmで全天候性能を有する。レーダーと赤外線/光学センサーの組み合わせは電子妨害下の状況においても強い抗堪性を備えている。

NORINCOによると、同システムは3000平方キロメートルの防空域を有し、48目標との同時交戦を行い、92%以上の撃破率を備えているとされる。有効射程3,000m前後の対空機関砲と有効射程10,000m前後のPL-9Cを組み合わせているのは、経空脅威に対する対応能力を向上させる狙いがある。

390型防空システムは、パキスタン軍に導入されているとの事。

【総括】
74式は65-I式に換わって大量生産が行われ、中国軍への配備が行われる共に外国への輸出が進められた。さらに74式の改良型や各種派生型が登場する事となった。改良型や派生型については別項の74式37mm連装機関砲の派生型を参照されたし。

65/65-I式とその改良型74式37mm連装機関砲は、中国の対空機関砲の中では最多生産数を誇っており、中低空域での防空戦力の基幹部分を構成していた。しかし旧式化に伴い、現役の防空部隊からは次第に除籍され地対空ミサイルや自走対空砲に置き換えられつつある。退役した65/74式は、都市防空にあたる予備役部隊の高射砲部隊に転用されているが、その多くが実際には保管状態に置かれるようになった[4]。

ただし、中国軍では多数の在庫がある65/74式などの旧式対空火器も、新型の射撃統制システムと組み合わせ、データリンク機能を取り入れるなどの近代化を施せば、現代戦においても一定の戦力となると見ている。特に、低高度から飛来する巡航ミサイルに対してこれらの近代化された旧式対空砲が有効であると評価されているとの事[5]。

【参考資料】
[1]中国武器大全「74式双管37mm牽引式軽型高炮」
[2]Jane's Land-Based Air Defence 2006-2007「NORINCO 37 mm anti-aircraft guns (Types 55, 65, 74, 74SD and P793)」(Jane's Information Group)
[3]中国武器大全「74SD式37mm双管牽引式軽型高炮」
[4]Chinese Defence Today「Bluffer’s Guide Fortress China, Air Defenses - 3. Tactical Systems」
[5]中華網「中国高炮団列装反巡航導団雷達」(2007年10月12日)
[6]軍事研究1996年12月号「世界兵器展示会に見る2000年先進兵装-Wepon Upgrade発展型航空ウエポン 第4回」142-143頁(軍事情報研究会/螢献礇僖鵝Ε潺螢織蝓次Ε譽咼紂次

74式37mm連装機関砲の派生型
中国陸軍

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