日本の周辺国が装備する兵器のデータベース


▼Mi-17-V5ヘリコプターから降車する8×8全地形車。隣の車両は4輪式の全地形車。


8×8全地形車は、ヘリボーン作戦に従事する中国陸軍特殊部隊や空挺作戦を主任務とする中国空軍空挺部隊向けの兵員輸送車両として21世紀初頭に配備された。「全地形車」や「全地形突撃車」などの名称が使用される[1][2]が、軍の制式名は不明のため、本稿では「8×8全地形車」の名称を使用する。

【性能】
 8×8全地形車は、中央にエンジンを搭載し8×8式の車輪を備えた足回りに船型シャーシを取り付けて製造されている。車体配置は、前方に並列座席、車体中央にエンジンを搭載、その後ろには歩兵4名の乗車が可能。乗員は兵員輸送型で合計6名。操縦は装軌車両によく見られる2本のレバーを使用するものを採用している。フロント部分にはウインチを装備しており、急傾斜地での登坂やスタックした車両の救助などに用いる。8×8全地形車は、不整地での高い走破性が特徴で、幅広のタイヤを八輪装備していることで極めて低い接地圧を実現しており、通常の装輪車両では走行困難な雪原や湿地帯、岩場や山岳地帯での良好な走破能力、さらに、河川や沼沢地での運用を想定して水上航行性能が備わっている。軽量かつオープントップであることから装甲は備わっておらず、車両自体の防御性能は期待されていない。コンパクトな車体を生かして地形を利用して敵から見つからないように機動するなどして、装甲の欠如を補う方向性を採用している[1]。
 8×8全地形車は、Mi-17ヘリコプターへの搭載が可能なコンパクトな車体ながら、車体中央のロールバーに12.7mm重機関銃や35mm擲弾発射機などを装備、車体前方右部には分隊支援用5.8mm軽機関銃の銃架を設置するという重装備を実現している。この重武装は、本車が空中機動を行うため重装備の運用が困難なヘリボーン部隊や空挺部隊に出来る限りの直接支援火力を付与するための措置。
 本車は、基本型である兵員輸送型のほかに、車体後部に担架二基の搭載が可能な救護車型が開発・運用されている[3]。

【本車の運用について】
 山地の多い中国の西南地方では、車両による歩兵の移動が困難なところも多く、しばしば徒歩による展開を余儀なくされていた[1][2]。この問題を解決するため、ヘリコプターによる歩兵輸送を行うことが構想されたが、地上展開後の移動手段の確保が課題となった。ヘリコプターによる空輸が可能で不整地での高い機動性能を備えた8×8全地形車は、山地での兵員輸送車両として特殊部隊によるヘリボーン作戦を行ううえで欠かせない装備と位置づけらることになった[1]。
 前線に空輸された8×8全地形車は特殊部隊隊員を乗せて展開。敵地直前で歩兵を降車させ、必要に応じて12.7mm重機関銃や35mm擲弾発射機による火力支援を行う[1]。山岳地や森林地帯では、道路インフラが十分でないところも多いが、軽量で高い不整地能力を有する8×8全地形車であれば、これらの地形的制限による制約に縛られない運用が可能であった[1]。
 
中国軍では本車の運用を契機として全地形車の有用性が認められた模様で、その後、輸送能力を強化した第二世代の8×8全地形車であるJL1400UB型「山猫」の開発・制式化が行われることになる。

【参考資料】
[1]中华网「中国直升机加全地型突击车组合攻击力强悍[图]」(2006年3月30日)
[2]中华网「官媒:中国直升机运载的突击车先进水平」(2006年8月1日)
[3]MILITARY-TODAY.COM「Chinese 8x8 ATV」

【関連項目】
中国陸軍
中国空軍

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