日本の周辺国が装備する兵器のデータベース


▼80式戦車の試作車両と推測される車両(砲塔は122型中戦車)



▼80式戦車


▼80-脅粟鐚(BW122)


▼80-兇亮崑里僕論榾づ磴鯏觝椶靴85式戦車の試作車両



性能緒元
重量38.0トン
全長9.328m
全幅3.372m
全高2.29m
エンジン12150ZL 水冷ディーゼル 730hp
最高速度57km/h
航続距離430km(追加燃料タンク搭載で500km以上)
渡渉深度1.4m
潜水深度5m
武装83式51口径105mmライフル砲×1(44発)
 54式12.7mm重機関銃×1(500発)
 59式7.62mm機関銃×1(2,250発)
装甲砲塔鋳造装甲 車体溶接鋼板
乗員4名

正式名称ZTZ-80 80式主戦坦克(主力戦車)。製品番号はWZ-122。NORINC(中国北方工業公司)が開発した中国第2世代戦車であり、それまでの中戦車(中型坦克)の呼称を止めて主力戦車(主戦担克)というカテゴリーを使った始めての中国戦車である。

80式戦車の開発にいたる道のりは、中ソ対立や文化大革命の混乱もあって紆余曲折を経たものになった。59式中戦車(WZ-120/ZTZ-59/T-54)の生産により戦車の国産化に成功した中国であったが、中ソ対立によりソ連からの戦車供給は途絶えてしまうことになる。中国は中ソ国境紛争で捕獲したT-62戦車より得られた技術を59式にフィードバックした69式戦車を開発するとともに、1967年から完全新設計の次世代中戦車122型戦車の開発に着手する。

122型中戦車は中国国産の120mm腔砲や対戦車ミサイルを搭載し、足回りには油気圧サスペンションを採用するなど西側第2世代戦車やソ連のT-62を上回る性能が求められた。122型中戦車の開発は文化大革命の国際的孤立と混乱の中継続された。しかし各国の第3世代戦車の登場を受けて、1978年4月に開催された党組拡大会議において「レオパルド2の水準を基点とし、T-72に対向できる第2世代戦車」の開発が決定され、122型中戦車の開発は発展的解消されることになった。この決定に基づいて、122型中戦車を基にして1223型、1224型、1226型、1226F2型などの次世代戦車のテストベット(122型戦車の派生型)が開発され各種新技術の実証に用いられた。

この会議では、新世代戦車の研究開発とともに、西側との関係改善に伴って入手可能となった各種新技術を基にして西側第2世代戦車に準じた性能を持つ戦車の開発も決定された。これによって製作されたのが122型中戦車の上部と69式中戦車の車体下部を結合させた1223型試作戦車であり、後の80式主力戦車に発展することになった。この80式主力戦車の命名を行ったのは当時の国防部長であった張愛萍であった。なお、80式主力戦車の製品番号は122型中戦車と同じWZ-122とされた。これは上記の開発経過を踏まえてのことであり、80式戦車が122型中戦車の発展型とみなされたためではないかと思われる。

80式の開発はNORINCOが中心となって行われ、開発主任は方慰先設計士であった。各種部品開発は1974年から開始されていたが、正式な開発は1980年より着手された。1981年に設計案が確定。1981年から1985年にかけて122型中戦車やWZ1224型試作戦車などの開発で得られた技術と西側諸国から導入した技術を基に各種コンポーネントの開発、1985年に最初の試作車両が製作され技術実証試験が開始、その後12両の試作車両が製作された。1987年に開発が完了し翌1988年にZTZ-80 80式主戦坦克(主力戦車)として制式化された。

80式戦車の車体部は全溶接製で、79式戦車よりも車体長、車幅とも拡大されており、足回りも79式中戦車までの大型転輪から片側6個の小型転輪と上部支持輪3個へと変更されている。車体前面は79式よりも傾斜を強めて避弾傾始性を向上させている。79式戦車までは搭載されていた車体機関銃は廃止されたので車体前面の銃口も廃止された。車内配置は従来の中国戦車を踏襲しており、車体前部左部に操縦手、車体中部には砲塔が配置され砲塔左部に砲手と車長、右部に装填手が位置し、車体後部に主機と変速機が配置されている。

砲塔は従来と同じ鋳造製で、兵装は83-擬51口径105mmライフル砲、主砲同軸の59式7.62mm機関銃、そして車長用キューポラに対空用の54式12.7mm関銃が搭載されている。105mm砲にはサーマルスリーブが装着されているが79式戦車のものとは細部が異なる。主砲の俯仰角は−4.5〜+18度。使用可能な砲弾はAPFSDS-T、HEAT-T、HESH、HEである。主砲防盾上にはレーザーレンジファインダーが装備されている。80式戦車は英マルコーニ社の射撃統制システムを国産化したGM-09型簡易型射撃統制システムを搭載し従来の中国戦車よりも命中精度を向上させている。弾道コンピューターとレーザーレンジファインダーを内蔵した2軸安定式光学照準機、2軸砲安定装置、目標位置の仰角と方位角、横風などを計測する環境センサー、暗視装置等で構成され、目標発見からデータの入力を経て射撃開始まで10秒を要する。射撃統制システムは車長用照準機にも連動しており、車長によるオーバーライドが可能となっている。暗視装置は微光増幅式のパッシブ式暗視装置を採用、操縦手のペリスコープもTDPN-2型微光増幅式暗視装置に換装可能。

80式戦車のエンジンは12150ZL型V型12気筒液冷ディーゼルであり、出力は730hp。車体重量は従来の戦車より増加したが、エンジン出力が強化されたことで最高速度は57km/hに向上している。エンジン排気は車体後部右部の排気口から排出されたが、これは59式中戦車系列の排気口とは逆側になっており、以後WZ-122系列の戦車に共通して受け継がれた。変速機は従来型の前進5段/後進1段の手動式。80式の動力部はパワーパック化されておらず、エンジン換装にはかなりの時間を要する。これは輸出型の80-II式戦車が中東某国でトライアルを受けた際、競争相手のAMX-32がパワーパックの換装に1時間を要したのに対して、80-II式はエンジンの取り外しに4時間、取り付けに4時間の合計8時間を要する差となって現れた。航続距離は430kmだが、増加燃料タンクを搭載して航続距離が延長が可能。履帯は従来と同じソ連系の、全鋼製シングル・ピン/シングル・ブロック型が採用されているが、ゴム・パッド付きのダブル・ピン/ダブル・ブロック型履帯にも換装できる。潜水渡河能力も向上しており、深度5mで最大600mの距離を渡河することが可能。

装甲は従来型の鋳造装甲、溶接鋼板だが、後付で砲塔や車体前面に増加装甲の装着が可能。HAET弾対策のため砲塔後部に柵状の増加装甲(スラット装甲と装具搭載を兼務)、車体側面にはゴム製サイドスカートの装着が可能。砲塔両側へ四連装の76mm発煙弾発射機×2基が搭載されており、前方120度、距離120〜150mの範囲に2分間煙幕を発生させることが可能。誘爆防止用に車内とエンジン室にそれぞれ自動消化装置を搭載している。NBC防護装置は79式戦車と同様の与圧式NBC防護装置を採用したが、80-II式戦車では個人用NBC防護装置に変更された。

80式戦車は、T-54の派生改良型であったそれ以前の中国戦車とは一線を画する車両となり、西側第2世代戦車に準じた性能を達成することが出来たといえる。しかし、80式戦車自身は中国軍に配備されず、同時開発された改良型の80-I式戦車(WZ-122A)が1988年に88式主戦坦克(ZTZ-88)として採用されることになり、80式戦車は輸出用に回されることになった。その後、射撃統制システムをイスラエル製の37式射撃統制システムに換装した80-I式戦車(前述の80-I式戦車(WZ-122A)とは別車両)、69-II式戦車に代わる中東向け輸出用戦車として80-II式戦車(BW-122)が開発されたがいずれも海外カスタマーを得ることが出来ずに生産されることは無かった。

80式戦車自体は実戦配備されることはなかったが、以後の中国戦車は80式戦車をベースに開発されることになった。80式戦車の改良型である88式、パキスタンとの共同開発車両である85-II式戦車(風暴II型/WZ-1227F2)85-IIM式戦車/85-IIAP式戦車(WZ-1228)、現在も生産が続く96式はいずれも80式戦車を基盤として開発された車両である。80式戦車は、中ソ対立による技術移転中断や文化大革命の混乱による技術的な遅れを取り戻し、次世代戦車開発に繋がる基盤を築いたと評価することが出来るといえよう。

1223型試作戦車?WZ-1223?試作車両。のちの80式戦車の基礎となる
80式戦車WZ-122基本型。制式名称はZTZ-80
80-I式戦車WZ-122A80式の派生方。射撃統制システムの改良、複合装甲の採用を実施。88式主戦坦克(ZTZ-88)として中国軍に採用
80-I式戦車 射撃統制システムをイスラエル製の37式射撃統制システムに換装。37式射撃統制システムの国産化に失敗して未採用となる
80-II式戦車BW-122中東むけ輸出用戦車。砲塔にスラット装甲を装備。車体重量は500kg増加。射撃統制システムの簡易化を実施。未採用
80-II式戦車(溶接砲塔搭載型) 新開発の溶接砲塔を搭載。溶接砲塔の運用試験用であり85式戦車のプロトタイプとなった

【参考資料】
坦克装甲車両 2005年6月号「鉄騎従這里騰飛-首款国産第二代主戦坦克ZTZ80」
月刊グランドパワー 2004年8月号「中国戦車開発史(3)」(古是三春/ガリレオ出版)
Chinese Defence Today
戦車研究所
中国武器大全
坦克與装甲車両
華夏経緯「中国坦克専家談「外貿」坦克発展」

中国陸軍

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