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rglc85tj8h 2015年04月21日(火) 00:27:14履歴



▼PCZ-45弾薬運搬車

▼704-1対砲レーダー

▼702-D気象測定車

▼ZCY/ZCL-45砲兵指揮車

▼GCL-45砲兵観測車

■性能緒元
重量 | 33トン |
全長 | 10.52m |
全幅 | 3.30m |
全高 | 2.60m |
エンジン | 液冷ターボチャージド・ディーゼル 525hp |
最高速度 | 56km/h |
航続距離 | 450km |
武装 | 45口径155mm榴弾砲×1(30発) |
12.7mm重機関銃×1(480発) | |
装甲 | |
乗員 | 5名 |
PLZ-45はNORINCO(中国北方工業公司)が開発した輸出用自走砲である。榴弾砲システムは北京大学との共同研究により開発された。1997年、PLZ-45はアメリカやヨーロッパ各国の自走砲を押さえてクウェートの新型自走砲契約を勝ち取り、2個砲兵大隊分の54輌が対砲レーダーや指揮車などの砲撃システム一式とともに輸出された。その後、クウェートは2001年に24輌の追加発注を行なっている。さらに2007年には、サウジアラビアとPLZ-45の購入に関する契約に調印(購入数は1〜2個砲兵大隊分[1])、2010年にはアルジェリアに18両[3]と中東・マグレブ諸国への輸出に成功している。PLZ-45は西側の砲システムに合わせて設計されているため、中国軍には少数のテスト用車輌を除いて配備されていない。
PLZ-45は中国軍が使用しているどの無限軌道車体も使用しておらず、新規設計されたより高性能の車体を装備している。この車体は「第二世代履帯式共通シャーシ(第二代履帯式通用底盤)」と呼ばれるシャーシであり、各種自走砲の共通プラットフォームとして開発された[2]。装備している45口径の155mm榴弾砲は1980年代に、ベルギーのブリュッセルに本社を置くSpace Research Corporation (以下SRC社と表記)の技術協力を受けて開発したもので1986年に北京大学研究所とNORINCOの共同研究により完成した。SRC社は、世界的な弾道学の権威であったジェラルド・ブル(Gerald Vincent Bull)博士が創設した兵器設計コンサルタント会社であり、最長射程の野砲と革新的な長射程用砲弾の技術で知られていた。SRC社は、1970年代に当時の常識を覆す最大射程30kmというGC-45 155mm榴弾砲を開発、射程を延伸しつつ高い命中精度を確保したFRFB(Extend Range Full Bore)弾・ベースブリード弾などの技術と共に世界各国に売込みを行い、オーストリア、南アフリカ共和国、スペイン、タイ、ユーゴスラビア、イラクなどの国々がSRC社の技術の導入を行っていた。
45口径155mm砲は、まず牽引型のPLL-01 155mm榴弾砲(WA-021)が中国軍に試験採用された。1986年からは、自走榴弾砲型である91式155mm自走榴弾砲(PLZ-91)の開発が行われたが、PLZ-91の開発は技術的困難などから中断された。その後、NORINCOでは、PLZ-91の開発で得られたノウハウを基にして国際市場向けの自走榴弾砲の開発を行い、これがPLZ-45として実用化されることになった。
PLZ-45の装填装置は半自動(緊急時手動)で、砲がどんな俯仰角度になっていても砲弾の装填が可能。バースト射撃では毎分4〜5発、通常射撃では毎分2発で砲撃でき、最大射程は榴弾(HE弾)は24km、ERFB弾は30km、ERFBベースブリード弾は39kmとなっている。またロシアからの技術援助でレーザー誘導砲弾の開発にも成功しており、装甲車輌に対する効果的な砲撃も可能。
標準的なPLZ-45自走砲大隊は3個中隊(PLZ-45自走砲とPCZ-45弾薬車を各6輌、GCL-45前進観測車3輌、ZCL-45砲兵指揮車1輌)と本部中隊(702-D気象測定車、704-1対砲レーダー車、装甲回収車、射撃統制車など)から成る。
【注】
[1]サウジアラビアの購入数に関しては、「漢和防務評論」2008年8月号では1個大隊分27輌としており、Chinese Defence Todayでは2個大隊分54輌としている。
[2]中国武器大全「中国新型双35毫米自行高射炮」
[3]SIPRI Arms Transfers Database
【参考資料】
戦車名鑑-現用編-(後藤仁、伊吹竜太郎、真出好一/株式会社コーエー)
Zafar Hasan「中国向沙烏地阿拉伯出口 - PLZ45 155毫米自走炮」『漢和防務評論』2008年8月号
Chinese Defence Today
中国陸軍