日本の周辺国が装備する兵器のデータベース


▼PF-89の射撃姿勢

▼発射架による射撃


▼基本型のPF-89-80-1

▼多用途型のPF-89A

▼装甲貫通力強化型のPF-89B

▼サーモバリック弾頭型のWPF89-1

▼2003年に制式化されたWPF89-2。弾頭部はHEAT+サーモバリック弾頭のタンデム式

▼武装警察で使用されている壁破壊/進入路確保用ロケットランチャー



PF-89-80-1性能緒元
発射機全長900mm(携行時)/880mm(戦闘時)
発射機重量1.85kg
弾頭部直径80mm
弾頭重量1.85kg
全備重量3.7kg
最大速度
貫通力630mm(垂直鋼板)
 180mm(65度傾斜鋼板)
最大射程200m(直射)
 400m(火力支援用)

PF-89A性能緒元
発射機全長900mm(携行時)/880mm(戦闘時)
発射機重量1.85kg
弾頭部直径80mm
弾頭重量2.35kg
全備重量4.2kg
最大速度
貫通力20mm(65度傾斜鋼板)
 300mm(コンクリート強化陣地)
最大射程180m(直射)
1,000m(火力支援用)

WPF89-2性能緒元
発射機全長900mm
発射機重量1.85kg
弾頭部直径80mm
弾頭部構造タンデム弾頭(HEAT+サーモバリック弾頭)
強燃性薬剤充填量1.8kg
全備重量6.5kg
射程25〜850m

PF-89 89式対戦車ロケットランチャー(PF-89 89式80毫米単兵反坦克火箭筒)は69式40仟仞鐚屮蹈吋奪肇薀鵐船磧の後継となる中国第二世代の歩兵携行型対戦車ロケットランチャー。開発は安徽省にある江北機械廠により行われた[6]。

69式の大量配備によって、歩兵部隊の対戦車戦闘能力の一定の向上に成功した中国軍であったが、ソ連の機甲部隊の急速な近代化を受けて対戦車兵器のより一層の能力向上が求められた。中国軍では当座の対応として69式の貫通力強化の改良を行いつつ、1980年代中期から次世代の個人用対戦車兵器の研究開発の作業を開始。1980年代には、小平によって行われた中国軍の100万人の兵員削減に伴い歩兵小隊も効率的な運用のために編成の見直しが行われた。それによって、69式は2名の専属要員を必要とし、歩兵小隊の火力密度を低下させる要因の1つとなっているとの検討結果が報告された。この報告を受けて次世代個人用対戦車兵器は一人での携行運用を前提とすることが定められた。

PF-89は運用試験を良好な成績で通過し、1989年に89式80毫米単兵反坦克火箭筒(PF-89-80-1)として制式化、1993年から本格生産が開始された。部隊では口径にちなんで「80単兵」の名で呼ばれている。

PF-89は、ロケットランチャー部、再利用可能な光学照準器部分、そして携行用の索具等から構成されている。69式ではロケット弾は弾薬ケースに収納され弾薬運搬員が携行し、発射時にランチャーに装着されていたが、PF-89ではランチャーが弾薬ケースを兼ねる使い捨て方式になり弾薬携行員は廃止された。ランチャーはグラスファイバー製で軽量かつ防水防塵効果に優れている。ランチャーの前後は覆蓋で塞がれているおり、発射の際に前部の蓋を取り外す。蓋が外れていなければロケットは点火されない仕組みになっており、暴発を防ぐ安全装置にもなっている。照準装置は光学式照準装置で倍率2.5倍、最大照準距離は400m、夜間運用能力は付与されていない。発射後ランチャーは廃棄されるが、照準器は取り外されて新しいロケットランチャーに装着される。

PF-89の射撃は右肩にランチャーを載せて行うのが一般的だが、発射架に搭載して射撃を行う場合もある。ロケットの発射方式は従来の電気式から機械作動式に変更され、電池が不要になり静電気による不発や誤作動の可能性を排除し安全性を高めている。ロケット弾はランチャー尾部に設置された発射用炸薬により射出され、ロケットモーターは発射後5〜12秒後に点火する仕組みになっており、射手がロケットモーターの火炎により負傷しない配慮がなされている。弾頭は直径80mmで、対戦車用のHEAT弾頭は約630mmの均質鋼板を貫通(弾頭直径の8倍)する能力を有している。

1991年から1993年にかけてPF-89をベースにした歩兵部隊用の多用途火力支援ロケットが開発された。これが89A式80mm多用途ロケットランチャー(PF-89A/89A式80毫米単兵多用途火箭筒)である。PF-89AのランチャーはPF-89と共通になっているが、射程延長のためロケットモーター部を大型化したため重量はPF-89に比べて重くなっている。射程の延長に伴って照準器も性能の良いものに換装された。PF-89Aの全備重量は4.2kg。水平射撃の最大射程は180m、火力支援時の最大射程は1,000m。着弾時の殺傷範囲は25m。貫通力は20mm/60度の均質鋼板を貫通可能で、鉄筋コンクリート陣地に対しては300mmを貫通可能[6]。PF-89Aは、主に強化陣地、ソフトスキン、軽装甲車両への攻撃に使用される。

さらに近年の戦車の防御力強化に対抗するため、1994年から1998年にかけて装甲貫通能力を強化した89式80毫米単兵火箭1型破甲弾(PF-89B)が開発された。PF-89Bは爆発反応装甲を装着した戦車に対抗するため、タンデム型の成形炸薬弾頭を採用したのが特徴。先端の弾頭で爆発反応装甲を誘爆無力化した後、本弾頭で主装甲を貫通する仕組みになっている。弾頭部の大型化によりロケット本体の重量は2.5kg近い重量になり、全備重量は約4.7kgとなった。ロケットの初速は140m/s。

2002年には、弾頭に強燃焼性薬剤を装填し、着弾後に霧状に放出された可燃物と空気を適度な比率で混合させて爆発的に燃焼させるサーモバリック弾頭を採用した89-1式毫米歩兵雲爆火箭(WPF89-1)が制式化された。サーモバリック弾は通常弾頭と比べて同じ重量なら爆風による破壊力(爆圧は通常の爆薬より低い)が格段に大きくなる。WPF89-1の場合、同量のTNT火薬と比較して2.7〜5.0倍の破壊力を有するとされる[6]。サーモバリック弾は特に強化陣地や地下坑道、建造物等の閉塞された場所への攻撃に高い効果を発揮する。中国軍では既にロシアのRPO-A Schmel(マルハナバチ) 93mm歩兵用火炎放射ロケットランチャーをライセンス生産した97式93mmサーモバリック弾ランチャー(PF-97/RPO-A)を実戦配備していたが、使い捨てランチャーのPF-97とは異なり、WPF89-1はロケットの再装填・発射が可能であり、1つのランチャーで7回までの発射が出来た。しかし、WPF89-1のロケット弾の再装填作業は複雑で時間のかかるもので、装填作業にミスがあった場合は故障が発生しやすいという問題が生じていた。

これを受けて、研究機関では、WPF89-1に代わる歩兵携行用ロケットランチャーの開発を行う事になった。開発陣では、新型ロケットは、PF-89AとWPF89-1をベースとして、成型炸薬弾とサーモバリック弾を組み合わせたタイプの対バンカー攻撃用ロケットとすることを決定。2003年9月には89-2式毫米歩兵攻堅火箭(WPF89-2)として制式化された。WPF89-2は、WPF89-1で問題になったランチャーの反復利用を止めて、使い捨てランチャーに回帰することになった。WPF89-2は目標に命中後、まずHEAT弾が作動して陣地や建物の壁を破壊、直後に遅延信管によりサーモバリック弾を作動させ目標内部に火炎を吹き込ませ目標をより確実に破壊することが可能となった[6]。WPF89-2は、主に強化陣地や建物内部の敵を制圧するために使用されるが、比較的装甲の薄い装甲車両に対しても有効。また、サーモバリック弾の強烈な爆圧を利用して、地雷や機雷を誘爆させるのにも使用可能[8]。

このほかの派生型としては、武装警察で使用されている壁破壊/進入路確保用ロケットランチャーがある(正式名称不明)[3]。これはテロリストが立てこもる陣地や建物への進入路を作るための装備である。開発に際しては、建物の壁を貫通/破壊する充分な爆発力を持ちつつ、(人質となっている)内部の人々を負傷させないことが求められた。この装備は、最大50mの射程を有し、370mmの煉瓦作りの壁を貫通し直径55cm以上の穴を開けることが可能。弾頭はタンデム式になっており、前部弾頭が小さな貫通孔を空けた瞬間に、後部弾頭が爆発しその衝撃波で貫通孔を拡大する仕組みになっている[3]。

【今後の展望】
PF-89は従来の69式対戦車ロケットランチャーと比較すると、装甲貫通力は同等以上で、発射筒・弾頭込みの重量は69式の半分(5.6kg→3.7kg)に軽量化されている。ロケット弾は69式と異なり、発射までランチャー内に収納されているので取扱性や信頼性の向上に繋がっている。照準方式も69式より簡単に習熟可能になっている。また、69式は各歩兵分隊につき2名の対戦車班(射手、弾薬運搬手)により運用されるが、PF-89は専属の対戦車隊で運用するのではなく、歩兵分隊(9-10名)に数門が配備されて小銃手によって運用される形式となっている。もとの69式の射手と弾薬運搬手は小隊の機関銃と擲弾発射機の運用を行うように改編され、残りの6名の小銃手が必要に応じてPF-89を携行することで小隊の火力を大幅に強化することが可能になった。射程距離の短さ(200m)や夜間戦闘力を持たない等の問題点もあるが、安価で簡便な歩兵分隊の主力対戦車/支援火器として今後も改良・運用が行われるものと思われる。
製品番号制式名称詳細
PF-89-80-189式80毫米単兵反坦克火箭筒1989年に制式化。PF-89の基本型。
PF-89A89A式80毫米単兵多用途火箭筒多用途型。対陣地攻撃、軽装甲車、対人攻撃用
PF-89B89式80毫米単兵火箭1型破甲弾タンデム式成形炸薬弾頭を採用。装甲貫通力を強化
WPF89-189-1式毫米歩兵雲爆火箭2002年に制式化されたサーモバリック弾頭型。
WPF89-289-2式毫米歩兵攻堅火箭2003年9月に制式化された対バンカー攻撃型。弾頭部はタンデム式(HEAT+サーモバリック)
武装警察の対テロ部隊で壁破壊/進入路確保用装備として使用される。

【参考資料】
[1]現代兵器 2006年6月号「地火流星-中国歩兵反坦克火箭発展歴程」
[2]Chinese Defence Today
[3]中軍網「軍刊透露我軍新型単兵遠距離破障系統」
[4]槍炮世界「PF89火箭筒」
[5]中国武器大全「PF89式80毫米单兵火箭筒系列」
[6]网易新闻中心「成熟适用的PF89式80毫米系列单兵火箭筒_
[7]軍事新聞網
[8]春意「中国新型8080毫米単兵云爆火箭」(『兵器知识 甦2008 中国兵器专辑[1999-2008]』/《兵器知识》杂志社/42〜44頁)

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