日本の周辺国が装備する兵器のデータベース



▼PF-97の発射訓練(C)CCTV7


▼PF-97の原型、ロシアのRPO-A Schmel 93mm歩兵用火炎放射ロケットランチャー

▼携行状態のRPO-Aとロケット弾本体。携行時にはランチャーを二本束ねて運搬する


性能緒元(PF-97、不明な数値は原型のRPO-Aのもので代用)
発射機全長920mm
全備重量12kg(単装ランチャー)、24kg(連装)
弾頭部直径93mm
弾頭全長約724mm(RPO-A)
最大速度120m/S(RPO-A)
最大射程850m、直射200m
最小射程25m
照準装置光学式照準器
保存期間9年

97式93mm燃料気化弾ロケットランチャー(PF-97)はロシアのRPO-A Schmel(マルハナバチ) 93mm歩兵用火炎放射ロケットランチャーを中国で国産化したものである。

燃料気化(Fuel Air Explosive:FAE、燃料爆薬、気化爆薬)弾は、サーモバリック爆弾(High-Impulse Thermobaric:HIT、熱圧弾頭)とも表記する。従来の火薬による爆発ではなく、霧状に放出された可燃物と空気を適度な比率で混合させて爆発的に燃焼させるものである。酸化剤として空気を利用しているため、通常弾頭と比べて同じ重量なら爆風による破壊力(爆圧は通常の爆薬より低い)が格段に大きくなる。特に強化陣地や地下坑道、建造物等の閉塞された場所への攻撃に高い効果を有する。ロシア軍では1980年代末から燃料気化弾の幅広い運用を開始し、爆弾や砲弾に搭載するだけではなく、対戦車ミサイルや歩兵携帯ロケットランチャー用の燃料気化弾頭も開発して歩兵部隊の支援用火器としての運用を行うようになった。

これら歩兵携行用燃料気化弾兵器の1つが、RPO-A Schmel 93mm歩兵用火炎放射ロケットランチャーである。RPO-Aの開発は1984年に開始され、1988年から部隊での運用が開始された。RPO-Aは個人携行ロケットながらその弾頭威力は122mm榴弾に匹敵するとされる。RPO-Aは携行時にはランチャーを2つ束ねて輸送し、発射の際に分離して使用する。RPO-Aには、最初の生産型である燃料気化弾頭型と、成形炸薬弾頭と燃料気化弾頭を組み合わせた複合弾頭、煙幕弾の三種類の弾頭が存在する。後者は装甲車や強化陣地への攻撃に使用される。最初の成形炸薬弾頭で強化構造物を貫通後、燃料気化弾頭を爆発させることで内部へ爆発を浸透させる構造になっている。RPO-Aはアフガニスタン戦闘やチェチェン戦争に投入され、山岳戦や市街戦において、洞穴陣地や建築物内部の歩兵に対する攻撃に使用され高い制圧効果を挙げた。そのほか、氷結した河川の氷の破砕や予防的に雪崩を発生させる、爆風による消火などの民生利用も可能であるとされる。

中国がRPO-Aの輸入についてロシアに接触を開始したのは1992年である。ロシアのトゥーラKBP機器設計局との交渉により、RPO-A Schmel-2の技術が中国に提供されることになった。中国は1996年からRPO-Aの国産化に関する研究を開始した。開発主任は李光中技師。2000年に制式採用され、PF-97 93mm単兵雲爆弾/単兵雲爆火箭の名称が与えられた。PF-97と原型のRPO-Aの違いは、安全性を高めるため信管の設計を変更している、照準器をPF-89A対戦車ロケットランチャーのものに変更した点などがある。

PF-97は、尾部に折りたたみ式の安定翼の付いた弾体、弾体に装着するロケットモーター、両者を収納する収納筒兼発射筒、照準器、携行用の索具等で構成されている。ランチャーは軽量なグラスファイバー製で収納されたロケットはメンテナンスフリーで、保存期間は9年となっている。ランチャーの重量は12kg。連装型は24kgになる。連装ランチャーの収納箱込みの重量は39kg。PF-97はPF-89対戦車ロケットランチャーと同じく、専属の運用手を置かず、歩兵分隊(9-10名)に数門が配備されて小銃手によって運用される形式となっている。主要な用途は近距離での火力支援であるが、必要な際には命中精度の低下と引き換えにある程度の遠距離目標への射撃も可能である。PF-97の攻撃対象は、トーチカや重陣地、塹壕、堅固な建築物、地下陣地などが第一に挙げられる。その他、装甲車やソフトスキン車両、各種向上や軍事施設(宿舎、橋梁、燃料集積場、弾薬庫、等等)、歩兵部隊への攻撃にも使用される。ロケットの最大射程は850m、直射で200m(目標高3.5m)、最小射程は25m。爆発時の圧力は、爆心地から3mで0.28MPa、爆心地から5mで0.04MPa、90立方メートルの掩体内部で0.4〜0.8MPa。対人攻撃時の殺傷範囲は50平方メートル、-40度から50度の温度で使用可能。使用可能な最高高度は海抜3000m。

PF-97は歩兵分隊用の支援火器として配備が開始されている。現在の中国軍歩兵分隊の火力支援火器は、89式対戦車ロケットランチャーや35mm擲弾発射機等が有るが、PF-97の特火点、塹壕、建築物内の歩兵に対する高い制圧効果は、中国軍の歩兵部隊の攻撃能力を大幅に強化するものになると思われる。

【関連項目】
Jane's Defence Weekly
現代兵器 2006年6月号「地火流星-中国歩兵反坦克火箭発展歴程」
Chinese Defence Today
Terry Gander「RPO-A Shmel rocket infantry flame-thrower」
中国武器大全
中華網「我軍己大量列装97式93mm単兵雲爆火箭」

中国陸軍
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