日本の周辺国が装備する兵器のデータベース




性能緒元
口径82mm
全長4,115mm
全幅1,576mm
全高1,180mm
重量600kg
砲弾種類高性能榴弾、煙幕弾、照明弾など。
装填方法手動/自動
最大発射速度160〜170発/分(理論値。現実的には40発/分)
砲口初速272m/秒
最大射程4,270m
最小射程800m
上下射角-1〜85度
左右射角各30度
要員4〜5名

99式82mm速射迫撃砲(W-99)は、1971年にソ連軍への配備が開始された2B9「ワシリョーク(Василек。ロシア語でヤグルマギクの意)」82mm自動迫撃砲(正確にはその改良型である2B9M)を、北方工業集団公司(NORINCO)が国産化したもの[1][3]で、その存在は2001年に公開された[1]。国産化の経緯については、正式に生産技術をライセンス購入したという説[6]がある一方で、旧ソ連軍の2B9をリバースエンジニアリングしたという説[5]もあり、ライセンスの有無を含めて開発の経緯については不明な点が多い。

【2B9について】
通常の迫撃砲は砲の反動を接地した底盤により地面に逃がすのに対して、2B9は駐退復座機・平衡機・閉鎖機を採用し、これらを砲架に搭載する榴弾砲のような構造を備えている[5]。これにより、構造が複雑化し重量も増加するが、曲射射撃だけでなく目標に対する直接照準射撃能力も兼ね備えるようになった[5]。2B9は、HEAT弾を使うことによりAFVとの交戦も行い得る[2][3]。射程は、曲射照準射撃の場合で800〜4570m、直接照準射撃では最大射程1000mとされているが有効射程は400m程度[5]。

給弾方法は後装式を採用し、砲弾は4発入りの弾薬クリップに装填され砲の機関部右側に装填される。最大で、4つの弾薬クリップの装填が可能。射撃モードは単発と連発を選択でき、連射の場合は最初の一発を発射すると、次弾以降は発射の反動を利用して次々に発射される。一クリップをわずか2秒で斉射できるため、クリップの装填を続ければ理論上の発射速度は毎分120発となるが、現実的な発射速度は40発/分とされる。しかし、それでも通常の82mm迫撃砲(20発/分)の倍の投射弾量を実現している。高い発射速度による砲身加熱に対応するため、2B9は砲身ジャケットに冷却水を封入しており、持続射撃能力は30分で300発(毎分10発)とされる。改良型の2B9Mでは冷却方式を空冷式に変更し、それに伴い砲身ジャケットは廃止され、替わりに砲身を増厚・砲身表面に排熱襞を採用した[5]。構造の簡略化には成功したが、冷却効率は落ちるため持続射撃能力は30分で200発と2B9の三分の二に低下している。

2B9は、ソ連の機械化歩兵部隊の支援火器である120mm迫撃砲M1934の更新を目指して開発された。2B9は、通常の迫撃砲の枠に収まらない高い投射弾量と曲射/平射の双方が可能な戦術的柔軟性を兼ね備えた兵器となったが、一方でその特性に起因する問題点も抱えていた。

高い発射速度を可能とする反動抑制システムと砲架の採用は、必然的に重量(と生産コスト)の増大を招いた。2B9の重量は632kgと、120mm迫撃砲の三倍、通常の82mm迫撃砲の15倍に達するため、歩兵による運搬は困難で車両輸送が標準となった[5]。驚異的な発射速度により、時間当たりの投射量では1ランク上の120mm迫撃砲を上回っていたが、砲弾一発当たりの重量は2B9の3.2kgに対して13.8〜16.5kgと比較にならないほどの差があり、強化陣地や塹壕、建造物への打撃力では120mm迫撃砲が圧倒的優位に立っていた。そして、2B9の特性である高い発射速度は、命中率という点では悪影響をもたらすもので、最大射程での命中精度は従来型の迫撃砲の三分の二というものだった。威力や命中精度の低さを投射弾量で補うという方法は、砲弾の使用数を急増させ兵站に負担をかけることも懸念される所であった。また、装薬量の差から、最大射程では120mm迫撃砲の6,000〜9,000mに対して、2B9は4,570mに留まっているため、仮想敵が120mm迫撃砲を使用した場合は、アウトレンジ攻撃を受ける危険性も存在した[5]。

上記の理由から、ソ連地上軍では120mm迫撃砲を2B9によって更新するというプランは放棄され、120mm迫撃砲2B11が開発され2B9/2B9Mと並行配備されることになり、冷戦終結後は2B9はロシア軍での運用数を次第に減らしているとされる[5]。

【W-99の性能】
W-99の砲システムは、基本的に2B9Mを踏襲しており、砲身、駐退装置、車輪付砲架、ターンテーブル式砲床、照準器、弾道計算機などで構成されている[1][4]。砲の全備重量は650kg。砲架は開脚式で砲架前部にはターンテーブル式砲床を配置しており、射撃時には車輪を跳ね上げて砲床を接地させる[1]。砲の俯仰角は-1〜85度で、左右各30度までの射撃を行い得る[1]。弾薬クリップは砲機関部右側に装填する。W-99は、四輪駆動車や野戦トラックによる牽引、トラック荷台にそのまま搭載するなどの方法で輸送される。

射撃モードは単射と連射を選択可能だが、連射の場合は4発入り弾薬クリップは2B9よりやや早い1.5秒で全弾発射される。最高で4つの弾薬クリップを装填でき、クリップの装填を続ければ発射速度は理論上160〜170発/分に達する[4][6]。ただし、原型の2B9/2B9Mでは、弾薬クリップの連即装填に要する手間や連続射撃による砲身加熱などの問題から現実的な発射速度は40発/分となっており、基本的な構造を引き継いでいるW-99の実用発射速度も同レベルであると考えられる[3]。W-99用に開発された82mm高性能榴弾の場合、砲口速度は272m/秒で、射程は曲射射撃の場合800〜4270m[1][4]。なお、W-99は通常の迫撃砲と同じく砲口から給弾する前装式装填も可能であり、既存の82mm迫撃砲弾も使用できる[4]。W-99の操砲要員は4〜5名[1][4]。

【配備状況と派生型】
W-99は、まずNORINCOの輸出向け装備としてその存在が公にされた。中国軍で最初にW-99を配備したのは、成都軍区の陸軍149師特戦営(大隊に相当)で、ヘリボーン輸送されるため軽量な四輪駆動車を中心装備とする同部隊の火力支援車両としてW-99を「鉄鷹」四輪駆動車に搭載した自走迫撃砲が装備された[5]。牽引式のW-99については内モンゴルやチベットの辺防団(連隊相当)の砲兵連(中隊相当)へ配備されたのが確認されている[5][7][8]。これまでの配備状況を見ると、一般の部隊ではなく、ヘリボーン輸送のため重装備に制限のある特殊部隊や主に国境警備を主任務とする辺防部隊といった軽装備部隊向けに、火力不足を補う支援火器として調達が実施されている傾向が伺える。

【派生型】
これまでに判明しているW-99の派生型は下記の通りである。
名称型式番号
99式82mm速射迫撃砲W-99基本型。2001年に存在が公にされる。中国軍辺防部隊に配備
輸出向け81mm速射迫撃砲W-99の口径を西側基準の81mmに変更したもの。輸出向けに開発。
「鉄鷹」特殊車改造装輪自走82mm速射迫撃砲「鉄鷹」四輪駆動車にW-99を搭載。ヘリボーン部隊などに配備。
PCP-001型82mm装輪自走速射迫撃砲PCP-001「猛士」四輪駆動車のシャーシにW-99の改良型を搭載した自走迫撃砲。「鉄鷹」の後継車として開発、配備される。
CS/SM-1型81mm装輪自走速射迫撃砲CS/SM-1PCP-001の口径を西側基準の81mmに変更した輸出向け車両。以前はSM-4と呼ばれていた。

NORINCOではW-99の各派生型の輸出を目指して国際兵器ショーなどの場で宣伝活動を行っている。これまでに、ベネズエラがCS/SM-1型81mm装輪自走速射迫撃砲(資料[9]では以前の型式名である「SM-4」を使用)18両の購入を決めている[9]。

【参考資料】
[1]Army Guide「Type W99」
[2]ZW-OBSERVER「82-мм автоматический миномет 2Б9 "Василек"」
[3]Искусство войны「Автоматический миномет 2Б9-82-мм автоматический миномет 2Б9 «Василек»」
[4]中国武器大全「w99式82毫米速射迫击炮」
[5]世界王牌「失败的返祖:82毫米速射迫击炮是一种落后火炮」(网易军事/2010年8月5日)
[6]sxw0007「空降作战的火力中坚――国产新型PCP001型82毫米车载速射迫击炮装备我空降兵」
[7]飛揚軍事「西藏军区边防团炮兵分队99式82速射迫击炮火力强悍,边境对面的阿三边防军又要向老毛」(2010年9月6日)
[8]軍区網-内蒙古「007兄弟 正文(2)」
[9]World Defense News「Venezuela would like to purchase more military equipment and weapons from Russia and China」(2015年4月6日)

【関連事項】
「鉄鷹」特殊車
中国陸軍
中国空軍

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