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▼2010年3月18日、江西省景徳鎮市において初飛行を行うAC313。


2009年7月、中航工業集団直昇機公司はZ-8輸送ヘリコプターを全面的に再設計した13トン級民用ヘリコプター「AC313」を自主開発している事を明らかにした[3]。AC313の名称の「313」は「3発エンジンの13トン級ヘリコプター」を表わしているとされる[1]。AC313の開発は、中航工業集団公司参加の複数の企業(昌河飛機工業集団公司、中国航空直昇機研究所(第602研究所)、中国航空機発動機公司など)によって行われている[2]。機体・アビオニクス・各種機材の設計には、成熟した先端技術が採用[2]。設計では輸送ヘリコプターの規格であるCCAR-29R1(運輸類旋翼航空器適航標準)を参照して、安全性や信頼性、人間工学面への配慮が行われている[2]。

AC313の基本的な構造はZ-8F輸送ヘリコプターを踏襲しており、エンジンもZ-8Fと同じP&Wカナダ製PT6B-67Aが搭載されているが、各部の設計は全面的な見直しが行われている[1][2][4]。ローターは複合材製で、機体の広範な部分に複合材が使用されている[2]。操縦席はグラスコクピット化されており、液晶パネルに飛行データが表示され、パイロットが認識しやすいようになっている[1]。AC313には統合型アビオニクスが採用されており、ローターやエンジンの制御にはデジタル制御システムが取り入れられた。設計では整備性、機体寿命、安全性、乗り心地に対する配慮がなされると共に、ライフサイクルコストの低減においても従来の機体よりも大きな進歩が見られている[2][6]。

AC313は、最大離陸重量13.8トン、乗員27名もしくは負傷者15名の輸送が可能。最大輸送能力は機内4,000kg、機外吊り下げで5,000kg。最大航続距離は900km。人員・物資輸送、捜索救助・災害救助・、森林や都市部での消火活動、対テロ・治安任務、近海における石油・天然ガス採掘支援、遊覧飛行や定期便など幅広い任務に対応できるとしている[2][6]。従来の中国のヘリコプターが苦手とした高地での運用能力も有しているとされる[5]。

AC313の初飛行は、江西省景徳鎮市において2010年3月18日に実施された[2]。その記念式典において中国航空国際租賃有限公司と中国飛龍専業航空公司が5機のAC313を購入することも発表され、2011年の引渡しが予定されている[2]。中航工業集団直昇機公司の王斌社長によるとAC313の価格は8000万人民元を予定しているが、これは同クラスの外国製ヘリコプターよりも15%程低価格であるとしている[5]。生産は江西省景徳鎮市所在の昌河飛機工業集団公司が担当し、計画では年産20機を予定しているとの事[5]。

AC313の実用化は、中国における大型民用ヘリコプターの空白を補う物であり、ヘリコプターの開発能力を向上させる重要な契機となるとされている[2][4]。AC313は、中国での実用化後は、ヨーロッパやアメリカでも型式証明を取得して国際市場での販売を目指すとしている[4]。同機の機体規模はアグスタ・ウエストランドEH101やシコスルキーS-92、ミルMi-38やMi-17に相当するが、これら先行するライバルに対しては低コストと積極的な先進技術の採用を梃子にして、国内外の大型ヘリコプター市場での採用を目指していく方針[2][4]。

【参考資料】
[1]百度空間 智者必懐仁「AC313直昇機」
[2]空軍世界「AC313中型多用途直昇機」
[3]空軍世界「直-8多用途直昇機〜AC313型13噸民用直昇機」
[4]Flightglobal「PICTURES China's AC313 helicopter has first flight and secures launch customer」(Leithen Francis/2010年3月23日)
[5]淘宝網「国産AC313直昇機単価8千万元計画年産20架」(2010年3月19日)
[6]人民網日本語版「国産の大型民用ヘリコプター、初飛行に成功」(2010年3月19日)

Z-8輸送ヘリコプター(直昇8/SA-321Ja)(陸軍)
Z-8輸送ヘリコプター(直昇8/SA-321Ja)(空軍)
Z-8ヘリコプター(直昇8/SA-321Ja)(海軍)
中国陸軍

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