日本の周辺国が装備する兵器のデータベース





性能緒元
最大離陸重量1,250kg
全長  
翼幅  
エンジンターボプロップエンジン×1
最大速度
巡航航度150〜180km/h
上昇限度8,000m
巡航高度5,000〜7,000m
巡航飛行時間40時間
ペイロード150kg
離陸距離600m(海抜0m)
離陸距離500m(同上)

BZK-005無人偵察機は哈爾濱航空工業集団公司と北京航空航天大学無人機研究所が共同開発したUAV(unmanned aerial vehicle:無人航空機)[1]。40時間を越える滞空能力を有しており、中高度での長時間の偵察・監視任務に従事する高高度滞空型UAV(HALE-UAV)に分類される[2]。21世紀初頭に開発され、2004年の珠海航空ショーにおいて試作機の映像が公開されたことでその存在が知られるようになった[2][3]。

【性能】
BZK-005は、双胴双尾翼形式で、胴体尾部のエンジンで後ろ向きに置かれたプロペラを回転させる推進式配置を採用している。この配置の利点は、機首部分に偵察用機材を搭載することによりプロペラに邪魔されること無く良好な視界を確保できる点にある。機体構造には複合材が多用されている[3]。胴体と主翼は、なだらかに一体化するブレンディッドウイングボディを採用。垂直尾翼に傾斜角を付けるなど、ある程度のレーダー反射断面積の低減が考慮されていると見られている[3]。エンジンについては、ターボプロップエンジンとの情報があるがエンジンの型式や具体的な出力などについては不明[1][3]。

機体が大型のため、通常の航空機と同じように滑走路を利用して離着陸を行う。そのため、車輌での輸送やカタパルトによる射出が可能な戦術級UAVに比べると運用での柔軟性には欠けるところがあるが、その反面、航続距離では戦術級UAVを凌駕している。離陸距離は600m、着陸距離は500m(海抜0mの場合)[1]。離着陸は完全自動化されているが、必要に応じて地上からの遠隔操作による離着陸を行うことも可能[1]。降着装置は引き込み式。

最大離陸重量は1,250kg、巡航速度150〜180kmで高度5,000〜6,000mの地点に滞空して40時間に及ぶ連続飛行が可能[1][3]。遠距離での偵察任務では、通常の無線通信では遠隔操作が困難な見越し線外での運用を行う必要があるため、通信衛星を利用して情報のやり取りを行うことになる。ドーム状に成型された機首上部には衛星通信用アンテナが内蔵されているものと思われる[3]。機首下部には電子光学/赤外線センサーとレーザー測距/目標指示器を内蔵した旋回式ターレットが装備されている[3]。得られた情報は、データリンク機能を用いて、通信衛星を経由して、地上の管制ステーションや作戦指揮所に送信され、リアルタイムで目標の映像を確認することが出来る。作戦ペイロードは150kgで、任務に応じて各種センサーを搭載する能力を有していると見られる[1]。

【運用状況】
BZK-005は中央軍事委員会隷下の総参謀部直属の無人機部隊に配備され戦略偵察や広域監視任務などに従事している[1][2]。BZK-005は北京近郊の沙河飛行場の無人機基地に配備され、同地ではBZK-005専用の格納庫が建設されているのが撮影されている[1]。

2011年8月22日、河北省邢台県晏家屯鎮で一機のBZK-005が墜落事故を起こしている[4]。

【派生型】
2018年11月に開催された珠海航空ショーではBZK-005の派生型BZK-005CとBZK-005Eの存在が明らかにされた[5]。

BZK-005Cは、BZK-005の使用実績を反映し、性能向上を図ると共に兵器の運用能力を付与したタイプ[5]。BZK-05よりも短距離離陸性能が改善されており、滑走路以外の道路や未舗装地からの離陸も可能となった。これは戦術的柔軟性を向上させるための措置の一つ。発見した目標に対して即時打撃を可能とするため、兵器運用能力を備えたのも特徴。新たに火器管制システムが装備され、最大300kgまでの外部兵装搭載能力が付与された。BZK-05Cは試作機が完成し、実用化に向けた試験段階に入っており、演習に参加して各種兵装を用いた標的撃破にも成功している。

BZK-05Eは、BZK-05をベースとして開発された輸出向けの偵察用UAV[5]。「長鷹E」のニックネームが付与されている。BZK-05Eは、高い信頼性、高度に自動化された飛行制御システム、短距離離陸能力、運用の簡便さと低い維持コストを備えたUAVであるとされている。中国政府は2018年9月にBZK-05Eに輸出許可を交付している。

BZK-05Eは航続距離延伸のため、機体サイズを原形のBZK-05よりも大型化しており、そのサイズは全長10m、翼幅10m、最大離陸重量1,500kgとなっている。40時間以上の連続飛行が可能で、全天候性能を備えた、偵察、監視、国境監視、洋上監視任務に適したUAVであると宣伝がなされている。設計ではモジュール化が全面的に導入され、任務に応じて様々なセンサーを換装・搭載する事が容易。光学センサー、合成開孔レーダー、電子偵察装置、通信中継機器、環境観測センサー、地上測量機器など、軍民の様々な任務に応じた装備を搭載できる柔軟性を備えている。特に、高高度飛行を行い、長時間の滞空能力を備えていることから、海洋監視任務における適合性が高いとされ、既存の有人哨戒機よりも長時間の滞空が可能であり、かつ価格や運用コスト面で有利であると見なされている[5]。

BZK-05C/Eはどちらも北京航空航天大学無人機研究所のプライベートベンチャーとして開発された機体[5]。すでに中国軍で10年以上の運用実績のあるBZK-05をベースとすることで開発費を抑えると共に、運用実績をアピールできる点も輸出には有利に働くとみられる。

【参考資料】
[1]空军世界「BZK-005中国高空大航程涡桨动力无人机」
[2] Richard D. Fisher, Jr.・Alexandria, Va.「China Seeks UAV Capability」(AVIATION WEEK/2011年8月8日)
[3]Chinese Military Aviation「BZK-005 Giant Eagle」
[4]多维新闻网「中国解放军隐形无人机河北坠毁」(宇文/2011年8月24日)
[5]「国产BZK-005C察打一体新型无人机最新发展」『兵工科技』2019.06号(王建平/兵工科技杂志社)76〜78ページ

中国空軍

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