日本の周辺国が装備する兵器のデータベース


▼CM31をベースに製作されたテストベッド車両。車体後部には水上航行用のスクリューが見える。CM32では、車体重量増加により水上航行は断念され、スクリューは廃止された。

▼「P0」試製車。CM32の試製一号車。主に走行状態の確認や車体、駆動系統、サスペンションなどの試験に用いられた。細部の作りは試製2号車「P1」以降の車輌とはかなり異なっている。

▼「P2」IFV試製車。TIFV(台湾歩兵戦闘車)の名称が付与されている。

▼手前から「P3」試製車、CM32突撃砲型の技術実証車(「P1」試製車を改造)、「P2」試製車。

▼IFV型試製車の車内写真。搭乗歩兵は向かい合わせ式に着座する。車体奥に見えるのは砲塔バスケット。

▼装甲兵員輸送車(APC)型

▼CM32の足回りと動力部。

▼CM32のファミリー化の概念図 (C)中華民國陸軍


IFV型性能緒元
重量22トン(量産型では0.5t程度の軽量化を予定)
全長7.0m
全幅2.7m
全高 
エンジンCaterpillar C12ディーゼル 450hp
最高速度105km/h
航続距離800km(路上)、450km(野外)
武装(試作型)M242 25mm81口径機関砲×1。量産型ではT75 20mm機関砲×1
 T74b 7.62mm機関銃×2
 T85 6連装煙幕発射筒×2
装甲溶接鋼板+付加装甲
乗員3+搭乗歩兵6〜7名

CM32「雲豹Yunpao」は、装軌式装甲車のM113装甲兵員輸送車とCM21装甲兵員輸送車、4×4装輪式装甲車のV150装輪装甲車の代替として開発された装輪装甲車。CM32は開発当初からファミリー化を意図した設計が施されており、兵員輸送車型を基本として、歩兵戦闘車型、指揮車型、防空型(「天剣1型」SAM搭載)、突撃砲型(105mm砲搭載)、回収車型、装甲救護車型、自走迫撃砲などさまざまな派生型の生産が計画されている。本稿では、CM32の開発の経緯と、基本型である装輪装甲車型と歩兵戦闘車型について記述を行い、その他の派生型については別項にて紹介する。

【開発経過】
1990年代末、台湾軍では、M113装甲兵員輸送車やV-150装輪装甲車などの後継となる次世代の装甲車として、装輪式と装軌式のどちらを選択するのか長らく論議の的となっていた。最終的には、この論争は装輪式を選択する流れが主流となった。次の論争は、開発する装輪装甲車を6輪装甲車にするのか、それともより大型の8輪装甲車にするのか検討された結果、接地圧が低く走行性能が良好で、将来の発展性の余地の大きい8×8式装輪装甲車を開発する事が決定された。

約1,000両が生産される見込みであった新型8×8装輪装甲車は、兵器メーカーにとっては魅力的な市場であり、アメリカのGDLS社を初めとする各国の防衛企業が自社の製品の売込みを図った。台湾軍では、各社の案を比較検討した結果、以前に開発した6×6型のCM31装輪装甲車をベースにして8輪装甲車を独自に開発することを決定した。開発作業ではCM31の開発に協力したアイルランドのTTL社(Timoney Technology Limited of Ireland)が再び技術支援を行うことも決められ、同社が提供した設計を基礎として新型装輪装甲車が開発される事とされた。TTLは、オーストラリアやシンガポールの装輪装甲車の開発に関しても技術支援を行っており、装輪装甲車に関するノウハウを豊富に有しており、台湾側のこの朱の車両の開発経験の不足を補う役割を果たす事となった。

新型装輪装甲車の開発は、2001年に開始された。この車両にはCM31の発展型としてCM32の制式名が与えられ、車両の綽名として台湾に生息する肉食獣に由来する「雲豹」の名が冠せられた。CM32の開発は、大別すると5つの部門に分類することが出来た。各部門の担当と開発内容は以下の通り。
聯勤(聯合後勤司令部)202廠砲塔と射撃統制システム、消火システム
工研院エンジン、トランスミッション、サスペンション
中山科学研究院装甲板、ケブラー装甲、モジュール装甲
AIDC(Aerospace Industrial Development Corpration)電気系統、ケーブル、管理制御システム
陸軍兵器整備センター車体設計、システム統合、砲塔と車体の組み合わせ、試作車の製作

上記の企業・機関に加えて、台湾の産業界と学術機関の総力を挙げた開発体制がとられた。

まず、8輪装甲車の製造経験を積むために、CM31を8×8式にスケールアップした車輌が製造された。これに続き、CM32の試製1号車の製造が開始され、2002年9月30日に完成し「P0」と命名された。P0試作車は、実用車両の試作型というよりは技術実証車としての位置づけを持つ車両であり、主に走行状態の確認や車体、駆動系統、サスペンションなどの試験に用いられた。試製2号車は実用車両の試作車として製作され2003年12月30日に完成。「P1」と命名された。P1は、開発に必要なデータの取得と評価を目的とし、武器システムや車体性能、各コンポーネントの整合性を確かめるために製作された。P1試作車を使用した試験評価作業は2004年7月15日に完了した。2004年8月30日には試製3号車(実用型試製車両としては2両目)が完成し、「P2」と命名され、部隊での実用評価試験に供された。最後の試作車である試製4号車は2004年末に製造が開始され、2005年初めに完成し、「P3」と命名された。P3は量産を前提とした試作車であり、細部の設計評価、量産工程、整備システムなどを評価するために製造された。P3は、これまでの試作車両が陸軍兵器整備センターで一両ごとに組み立てられたのに対して、P3試作車は量産ラインでの製造が行われている。実用化を前提として人間工学をより配慮した設計が施されて、車両試験で判明した問題点の改善が盛り込まれている。設計変更により、車体重量の軽減と旋回性能の改善が実現された。台湾は、CM32の試製車輌に搭載する兵装ターレットとして、25mmチェーンガンを搭載した米デルコ社製2人乗り砲塔を7億3千万新台湾圓で三基購入し、P1、P2、P3に搭載している。

CM32の開発は、ベースとなるCM31が存在したこともあって3年という比較的短期間で完了した。開発期間の短縮には、CADなどの電子設計システムの採用、民間技術の流用なども功を上げている。CM32の正式公開は2005年1月11日。P0、P1、P2の3両の試製車両が南投の陸軍兵整センターで報道陣に公開され、式典に参加した陳水扁総統(当時)がこの車両に正式にCM32「雲豹」の名称を与えることを宣言した。

【CM32の性能】

車体構造
CM32は技術的にはCM31をベースとしているが、各部の設計はCM31に比べより洗練された合理的なものになっている。CM32のサイズは、重量22トン、全長7.0m、全幅2.7mと、アメリカのストライカー装甲車や日本の96式装輪装甲車よりも大形で、フィンランドのパトリアAMVやオーストリアのパンドゥールII 8×8型などと同クラスの車輌となっている。これは、台湾軍ではCM32にC-130輸送機による空中空輸性能を要求せず、重量軽減よりも搭載能力や防御性能の向上を優先させたことによる。車内空間の確保を目的として、避弾経始の点では不利になるが車体側面は垂直にされている。CM31では車体側面に銃眼が設置されていたが、CM32では防御力の強化や工作コストの低減を目的として銃眼は廃止されている。これは、1990年代以降に登場した各国の装甲兵員車の多くと共通している。乗員は、装輪装甲車型の場合、車長、操縦手と、搭乗歩兵8名(最大12名の乗車が可能)が乗車する。歩兵戦闘車型の場合、武装スペースに圧縮され搭乗歩兵は6名となる。従来、台湾軍の歩兵分隊は12名で構成されていたが、部隊のダウンサイジングに伴い分隊も6〜9名に小型化したため、歩兵搭乗能力についてはそれほど高い性能は求められなかった。車内の設計には人間工学への配慮が施され、長時間の乗車でも兵員の疲労を極力抑える事が目指されている。特に、亜熱帯地域である台湾の環境に合わせて、空調装備も標準装備されている。搭乗歩兵は、車体後部の大形ハッチから乗降を行う。前作のCM31では鋼線張力式ハッチを採用し、稼動が遅く壊れやすい事が問題になっていたが、CM32では上記の問題を解決するため油気圧開閉式に変更され良好な成果を得ることが出来た。乗車戦闘を行う場合は、車体後部のハッチにある銃眼を利用するか、車体上面ハッチを展開して射撃を行う。

操縦手用ハッチには3つのペリスコープが装備されており、その内1つは夜間機動用の赤外線暗視装置を装備している。CM32に搭載されているADICが開発したデジタル式管理制御システムは、GPS位置特定装置、ナビゲーションシステム、車輌の現状と走行状態を確認する探知装置などから構成されている。この装置は、部隊間の情報伝達機能も有しており、各種情報を迅速に部隊間で共有する事が可能となっている。この機能は、軍の情報化が重視される昨今の情勢に合わせた装備である。

防御能力
CM32の車体は溶接鋼板により製造されている。全方位からの7.62mmスチール弾のゼロ距離射撃に抗堪し、車体正面は200mからの12.7mm徹甲弾の射撃に対する防御能力を有している。ただし、中山科学研究院が製造した最初の試製装甲板は上記の目標性能に到達せず、やむなく装甲厚を10mm以上増加することになった。これは車体重量の増大を引き起こす事になるため、実用車輌では装甲材料の見直しにより、防御能力を維持したまま0.5t程度の軽量化を行う事が目指されている。車内の重要部分には車体装甲から少し離して厚さ20mmのケブラー装甲が装備されている。これにより、被弾時に車内に破片が四散することを防ぐ狙いがある。CM32では、この基本装甲に加えて最近の装甲戦闘車両開発の流行となっている付加装甲も採用している。付加装甲は、鋼板とセラミックから構成される装甲プレートで、車体各部にボルト止めで装着され、破損した場合は即座に換装が可能。付加装甲を装着することで、車体側・後面は全方位からの155mm榴弾砲の弾片や距離200mから発射された12.7mm重機関銃弾に対する抗堪性を確保し、車体正面は距離1,000mから発射された25mm機関砲弾に対する防護能力を確保する。また脅威度の高い地域では、防護レベルの高い付加装甲を換装する事で抗堪性を強化する事が可能。車体底部は、地雷の爆風を避けるためV字型に成型されており、TNT火薬12kgの炸裂に対する防護能力を有している。走行系統は全て車内に収納され地雷による破損への備えとしている。間接的な防御システムとしては、自動消火装置、NBC防護装置が搭載されている。

機動力
CM32は、車体前方左側にパワーパックを収納している。エンジンは、試作車輌P0とP1はアメリカ製キャタピラーC9直立6気筒ディーゼルエンジン(400hp)、トランスミッションは同じくアメリカのアリソンMD 456P自動変速機(前進6、後進1)を搭載した。キャタピラーC9は、民生品として開発されたエンジンであるが、耐久性に優れ、シンガポールのTerrex装輪装甲車でも採用されている。エンジンや排気口の騒音を極力抑える設計が採用されており、200mの距離まで近づいても駆動・排気音が聞こえないとしている。試製車輌P2以降は、出力強化型のキャタピラーC12(450hp)を搭載し、量産型でもC12エンジンを採用する事とされた。CM32は、450馬力の出力を持つエンジンを搭載しているので、22tの重量でも出力/重量比は21.4hp/トンと良好な数値を確保しており、高い機動性を有している。また、十分な余剰出力は、各種のファミリー化にも有利に働くという効果もある。最高速度は路上で105km/h、静止状態から32km/hまで加速するのに要する時間は8秒。70km/hの速度から35mで停車が可能。角度60度までの坂を登板し、2mまでの塹壕、0.7mまでの垂直障害物を越える能力を有している。路上だけでなく、砂地や砂礫地、水田などでの機動性も良好であるとされる。CM32は、水上航行性能は有していないが、車内には排水装置が設けられており、水深1m程度の深さの河であれば渡河する事ができる。

足回りは独立懸架方式が採用されており、ブレーキ時のタイヤの滑りを防止するABS(Antilock Brake System)も導入されている。走行システムはコンピュータによる自動制御を採用しており、走行状況に応じて各車輪の駆動力を自動調整する。車輪は防弾タイヤとなっており、全ての車輪が被弾して空気が抜けても、なお60km走行する能力があるとされる。ただし、開発段階では足回りにさまざまな問題が発生し開発が難航したことが伝えられている。特に転回距離では、西側の同規模の車輌が8〜9mなのに対して、試製車輌では車体長を大きく超える11mを必要とした。転回距離が長くなる事は、迅速な方向転換が困難となるだけでなく、前線における回避行動中により長く敵の攻撃に曝される危険性が生じるなどの問題を有しているため、改善が強く求められた。開発陣では前4輪の旋回角度を増加する事で対応したが、量産型でも転回距離は10mと十分に短縮することはできなかった

武装
CM32の試製P0号車は、12.7mm重機関銃一挺をピントルマウント式に搭載したが、これは仮の装備であり、その後試作されたP1、2、3号車は前述の通り、アメリカのデルコ社から購入した2人乗り砲塔を搭載している。この砲塔は、アメリカ海兵隊のLAV-25やカナダのLAV-IIIなどでも使用されている。兵装は、25mmチェーンガン一挺と7.62mm機関銃一挺を同軸装備、砲塔上部に対空/対地兼用の7.62mm機関銃一挺を搭載、ほかに砲塔正面の両側には、それぞれ6連装発煙弾発射機が装着されている。車長が砲塔左側に、砲手が右側に位置する。砲手用ハッチの手前にはレーザー照準装置(有効照準距離200〜10,000m)や赤外線暗視装置を内蔵したペリスコープが配置されている。赤外線暗視装置の映像は、砲手だけでなく車長席のディスプレイにも映し出される。目標の照準は砲手の役割であるが、車長がより優先すべき目標を確認した場合、照準作業を砲手に優先して自ら行うオーバーライド機能が装備されている。

台湾ではこの砲塔のライセンス生産権を獲得し聨勤202工廠での国産化を計画していた。ただし、25mmチェーンガンについては従来の台湾軍の装備体系に無い新規装備となるため、即時の導入は行われず、CM32歩兵戦闘車型の武装については再検討を行う事とされた。最終的に、台湾国防部は2006年末に、CM32の主兵装としてT75 20mm機関砲を採用する事を決定した。同機関砲は、既に台湾陸軍に配備されており台湾での生産体制が整っていたこと、25mmチェーンガンなどに比べて低コストで調達が可能な点が評価されたとの事。軍備局ではT75を搭載した砲塔の開発を計画しており、聯勤工廠では新開発の砲塔はデルコ社製砲塔よりも相当安価で製造する事ができるとした。ただし、陸軍では20mm機関砲では諸外国の歩兵戦闘車に比べて弱武装であると見なしていた。そしてT75は設計年次が古く、整備や補修面で課題が多いこと、弾薬の排煙が多く、下向きに排莢する機構のため砲塔内部に火薬の燃焼ガスが溜まり易い、ガス駆動式のため、不発の際には強制排莢が出来ず、手動で薬莢を排出する必要がある等とT75の導入に反対し、より大口径の25mm〜30mmクラスの機関砲の搭載を最後まで要求していたが、国防部に押し切られる形で20mm機関砲の採用を容認することになった。

T75 20mm機関砲は、アメリカ製Pontiac M39A3 20mmリボルバーカノンをベースにして聯勤205廠で開発された対空機関砲である。1986年から導入が開始され、台湾陸軍、海兵隊、海軍で使用されている。T75の性能諸元は砲重量85kg、砲口初速1,020m/秒、最大発射速度1200発/分、有効射程は2,000mとなっている。発射可能な機関砲弾は焼夷榴弾(275g)、曳光焼夷榴弾(260g)、対装甲・対人両用榴弾(241g)、装弾筒付曳光徹甲弾(257g)、曳光徹甲弾(257g)の5種類。装弾筒付徹甲弾を使用した場合、射距離200mで45mm装甲を貫通する威力を有している。射撃モードは単発、3点バースト射撃、連射(400発/分、800発/分、1,200発/分)から選択可能。

2007年12月11日に公開された20mm機関砲を搭載した試製砲塔は、オーバーヘッド式に20mm機関砲を搭載し、機関砲左部に照準装置を搭載していた。これに続いて2009年8月には、聨勤202工廠により製作された2人用砲塔の試作品が公開された。

▼2009年8月に公開された2人用試製砲塔


「20公厘密閉式砲塔」と命名されたこの砲塔は、砲塔前面の防盾部にT75 20mm機関砲とT74 7.62mm機関銃、光学電子照準装置を同軸で搭載している。この3つの装備は、防盾の俯仰に合わせて連動し、別々に作動させる事はできない。砲塔前面左右には6連装発煙弾発射機×2が設置されている。機関砲全体が防盾部に設置されて砲塔内部の乗員区画とは分離された。これは排出ガスへの対応であるが、機関砲が故障した場合には乗員が外部に出て修理をする必要性が生じる事になった。砲塔は電気駆動式で、二軸スタビライザーにより行進間射撃が可能。砲塔内部には弾道計算機が設置されており、液晶パネルにより射撃諸元の確認や機器の操作を行う。

「20公厘密閉式砲塔」は、まだ試作段階であり今後改良を加えて実用化を目指す事になっている。一方、陸軍内部では、依然として大口径機関砲の必要性を主張する一派が存在し、国産もしくは外国製の30mm機関砲をCM32に搭載することを求めているとの事。

CM32の兵員輸送車型の武装については、聨勤202工廠が開発を担当し2003年に一般公開された。この砲塔は、96式武装站(Remote Weapon Stationの中国語訳)と命名された。旋回と俯仰角は電動式で、砲塔の最上部にオーバーヘッド式に12.7mm重機関砲(発射速度600発/分、有効射程1,500m)、もしくはT91 40mm擲弾発射機(発射速度350発/分、有効射程1,600m)のいずれかを選択する事が可能。その後の改良で、40mm擲弾発射機と同軸でT74b 7.62mm機関銃を同軸搭載する改良が施され、近接火力の強化が行われている。機関砲の下に赤外線暗視装置、CCD撮影機、レーザー照準装置などから構成される光学センサーが配置されている。武装ターレットは二軸安定化が行われており、行進間射撃が可能。砲塔基部左右にはそれぞれ8連装発煙弾発射機が装備されている。無人砲塔の後部には、弾薬の再装填作業などに使用するためのハッチが2基設けられている。40mm擲弾発射機は、砲塔から取り外して三脚に設置して歩兵部隊で使用する事もできる。

【配備計画】
CM32の試製車輌は2006年までに全車が完成し、陸軍での各種試験に供された。この間、台湾立法院がCM32関連の予算を一時凍結するなどのハプニングもあったが、開発に深刻な影響が出る前に予算凍結が解除されたため事なきを得た。

2005年の報道では、陸軍はCM32の歩兵戦闘車型と装輪装甲車型を853両調達、そのほかの派生型を合わせて1,400両以上を要求していると報じられた。歩兵戦闘車型と装輪装甲車型の2/3は、陸軍の3個機械化歩兵旅団に配備され、残りは台北市の装甲憲兵営(大隊)と空軍防警部隊に配備される。まず、老朽化が進んでいるV-150装輪装甲車を優先的に代替する予定。海軍陸戦隊も保有しているM41軽戦車をCM32の突撃砲型100両で代替したい意向。そのほか、有事において政府や軍の首脳やスタッフを戦時司令部に移送するための車輌としても用いられる。これは、開戦冒頭に政府や軍の中央部が奇襲され、軍の指揮命令系統が麻痺する事を避けるための対応策との事。

2007年2月26日、CM32の量産を2007年から開始する事が発表された。初年度の生産台数は14両で、すべて装甲兵員輸送車型。これらの車輌は陸軍第200機械化歩兵旅団に配備され、訓練任務に用いられる。2008年には18両が生産される予定であった。2008年までは陸軍工廠で生産が行われるが、量産は民間企業が担当することとされており入札の結果AIDCが生産を担当することが決定している。国防部の計画では、第一次発注分として625両の量産を行うことを計画しており、その半数が歩兵戦闘車型と装甲兵員輸送車型になる。生産費用は800億台湾圓を越える見込み。2009年度から生産を本格化させ2011年から年産100両を超えるハイペースでの量産を実施、2014年中に全車の納入を終了させる予定とされた。

しかし、生産が本格化し始めた2008年に入って、量産された複数のCM32の車体底板にクラックが発生しているのが発見され、この問題を解決するまで生産は一時停止となっている。軍の発表によると、試製車輌ではこのようなクラックは発生しておらず、量産ラインにおいて何らかの問題が発生したと見なしており、原因究明に努めるとした。クラックの入った車輌については補強溶接を行って、安全確認後に部隊配備を行うとの事[1]。2010年4月26日、台湾立法院の国防委員会の席上において国防部の趙世璋副部長は、中国鉄鋼公司製の鋼板で製造された2輌の試作車ではクラックは発生しておらず、運用試験において問題が生じなければ量産を開始すると述べた[7]。

2011年7月末には、CM32の装輪装甲車型が既に量産段階に入ったことが報じられた[3]。この時点で台湾陸軍が受領したCM32の台数は23両で、内5両が陸軍歩兵学校に、18両が同年9月から陸軍の第200機械化歩兵旅団への配備が開始された[3]。

民国102年度(2013年)予算では、CM32の調達経費として総額569億新台湾圓が提示され、2013年中に58億新台湾圓が割り振られた[3]。合わせて憲兵隊へのCM32の配備予算として総額12億5000万新台湾圓が提示され、2013年度中には8100万新台湾圓が割り振られた[3]。CM32の配備完了は当初計画の2014年から、2017年に延期されていたが、2012年12月の報道では量産の遅れから2019年まで配備完了時期を遅らせることが決められたとの事[3][8]。

【派生型一覧】
試製車輌
テストベッド型CM31をスケールアップして製作された。8×8装輪装甲車製造の技術実証が目的。
CM32試作車「P0」CM32の試製一号車。主に走行状態の確認や車体、駆動系統、サスペンションなどの試験に用いられた。武装は車長用キューポラに搭載された12.7mm重機関砲×1のみ。
CM32試作車「P1」実用車両として製造。開発に必要なデータの取得と評価を目的とし、武器システムや車体性能、各コンポーネントの整合性確認の試験を実施。武装は米デルコ社製二人用砲塔(25mm機関砲搭載)を装備。その後、突撃砲型の技術実証車として改造された。
CM32試作車「P2」CM32の3両目の試作車輌。部隊での運用試験用に製造。武装はP1と同じ。P1との外見上の違いは、付加装甲や車体前方のライトなどの形状が変化している点。
CM32試作車「P3」量産を前提とした試作車で、細部の設計評価、量産工程、整備システムなどを評価するために製造。初めて量産ラインで生産された。武装はP1。P2と同じ。車体形状はP2に準じているが、車体上部後端に装具箱を設置したのが外見上の識別点。
突撃砲型(105mm砲搭載)技術実証車P1試作車をベースとして製造された突撃砲型。CM32での105mm戦車砲運用が可能であることを証明するために開発された。車体重量は25.5t。

量産型
歩兵戦闘車型別名TIFV(台湾歩兵戦闘車)。二人用砲塔を搭載。主武装はT75 20mm機関砲。乗員3名+歩兵6名が乗車。
装甲兵員輸送車型一人用砲塔を搭載。12.7mm機関銃もしくは40mm擲弾発射機+7.62mm機関銃を装備。乗員2名+搭乗歩兵8〜12名。
指揮車型通信設備を強化した指揮車両型。
自走地対空ミサイル天剣1型地対空ミサイル四連装発射機を搭載。
自走対空砲型T92 40mm機関砲を搭載した自走対空砲。
突撃砲型(105mm砲搭載)M41軽戦車の後継として開発されている突撃砲型。105mm戦車砲を搭載。車体重心の低化やエンジン出力の強化、砲塔の設計変更などが施されるため、技術実証車とは設計が大幅に変更される。
装甲回収車型クレーンなどを搭載した装甲回収車型。
装甲救護車型負傷兵の治療搬送を担当。
自走迫撃砲型120mm迫撃砲を搭載した自走迫撃砲型。
NBC偵察車型各種センサーを装備したNBC偵察車。

【参考資料】
[1]軍事新聞通訊社「聯勤:雲豹將待陸軍實車驗證後再行撥交」(2008年6月4日)
[2]Jane's Armour and Artillery 2006-2007 (Jane's Information Group)
[3]軍武狂人夢「CM-32雲豹輪型装甲車」
[4]中華民國聯合後勤司令部公式サイト「國造雲豹甲車 性能名列前茅」
[5]中華民國國防部公式サイト
[6]美台灣竸蕷 「-「雲豹甲車」(CM-32裝甲車)綜合性能單元及圖-」
[7]Yahoo!奇摩部落格-中華台灣福爾摩沙國防軍「雲豹甲車已無裂紋 國防部:測試後量產」(2010年5月7日)
[8]聯合新聞網「國軍自產雲豹甲車問題多 量產延5年」(洪哲政/2012年12月23日)

軍事研究
JDW
Kojii.net

CM32装輪装甲車「雲豹」の派生型
台湾陸軍

amazon

▼特集:自衛隊機vs中国機▼


▼特集:中国の海軍力▼


▼特集:中国海軍▼


▼中国巡航ミサイル▼


























































メンバーのみ編集できます