日本の周辺国が装備する兵器のデータベース


▼歩兵戦闘車型。治安部隊向けの塗装が施されている

▼南アフリカ共和国のデネル社製イングウェ対戦車ミサイル4連装発射機を搭載した自走対戦車ミサイル車


性能緒元
重量16トン
全長
全幅
全高
エンジンカミンズ社製ディーゼルエンジン
最高速度100km/h
航続距離970km
装甲均質圧延鋼板
乗員(装甲兵員輸送車)2(車長、操縦手)+10名(搭乗歩兵)

武装
【装甲兵員輸送車型】
 12.7mm重機関銃×1
 ガンポート×7

【歩兵戦闘車型】
 30mm機関砲×1
 7.62mm機関銃×1
 HJ-73対戦車ミサイル(紅箭73)発射機×1
 3連装発煙弾発射機×2
 ガンポート×7

【自走対戦車ミサイル車型】
 イングウェ(INGWE)対戦車ミサイル4連装発射機×1
 ガンポート×7

CS/VN4型装輪装甲車は、解放軍系企業である中国保利集団公司の所属企業の1つ保利科技(Poly Technologies)が南アフリカのデネル社と共同開発した輸出向け6×6装輪装甲車[1]。2012年9月19〜23日に南アフリカのプレトリアで開催されたAAD2012国際兵器博覧会に実車が展示されてその存在が公にされた[1][2]。CS/VN4の開発は完了しており、発注が得られれば即座に生産を開始できるとの事[3]。

【性能】
CS/VN4は6×6式の装輪装甲車で、車内配置は前部左側が操縦手席で、その右側が車長席。車体中央部にエンジンを搭載、車体後部が兵装や兵員搭乗区画となっている。外観は中国北方工業集団公司(NORINCO)の90式/92式装輪装甲車(WZ-551/WZ-551A)に似ているが、まったく別の設計[2][3]。

車長と操縦手は、座席上部に設けられた昇降用ハッチから出入りする。操縦席と車長席には前方に2枚、側面に各一枚の防弾ガラスが嵌め込まれており、良好な視界を有する[3]。防弾ガラスは脅威度が高い際には防弾装甲により塞ぐ事が可能で、その際にはペリスコープにより外部視認を行う。

動力系統は、中国で生産された米カミンズ社製ディーゼルエンジンと手動式変速装置を備えており、最高速度は路上100km/hで970kmの航続距離を有する[1][3]。CS/VN4には水上浮航能力は備わっていない[3]。エンジンは車体中央左側に配置されており、右側には操縦手席と後部兵員室をつなぐ通路が設置されている[3]。排気管は車体右側に配置されており、第一車輪と第二車輪の間にはアクセスハッチが設けられている。

エンジン直後が兵器搭載区画であり、装甲兵員輸送車型では12.7mm重機関銃1挺、歩兵戦闘車型の場合は30mm機関砲を搭載したNORINCO製GCTWM砲塔を、自走対戦車ミサイル車では南アフリカのデネル社製イングウェ対戦車ミサイル4連装発射機を搭載する[1]。南アフリカ製対戦車ミサイルを搭載していることについてメーカーの保利では、アフリカ諸国への売り込みで優位に立つための選択であるとしている[2]。輸出兵器市場ではライバル関係にあるNORINCOのHJ(紅箭)シリーズ対戦車ミサイルをあえて使用しない決定を下したことは、保利とNORINCOの国際兵器市場をめぐる競争の激しさを表す事例と解釈されている[2]。

車体後部は兵員搭乗区画となっている。車体側面にそれぞれ3基、車体後部の昇降用ハッチに1基の外部視認用窓が設置されているが、窓の中央部はガンポートになっており乗車戦闘を行う事ができる。

CS/VN4は、標準装備としてタイヤの空気圧中央制御システム、ランフラットタイヤ、パワーステアリング、後方視認用のリアカメラ、自動消火システムなどを備えている[1][3]。

【参考資料】
[1]Army Recognition「Poly Technologies of China presents CS/VN4 armoured personnel carrier with Ingwe missile turret.」(2012年9月26日)
[2]「保利與南非Denel公司合作推出装甲戦闘車」(『漢和防務評論』2013年1月号)36ページ
[3]Christopher F Foss「Latest vehicle with enhanced awareness」(2012年9月21日/IHS)

中国陸軍

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