日本の周辺国が装備する兵器のデータベース






性能緒元
重量1,800kg
全長11.97m
全幅10.52m(ローター直径)
全高3.19m
エンジンチュルボメカ・アスタズーX IVM 870hp×1
最大速度310km/h
巡航速度270km/h
航続距離735km
ホバリング限度2,500m
武装HJ-8対戦車ミサイル(紅箭8)
 12.7mm重機関銃ポッド、ロケット弾発射機など
乗員2名

アエロスパシアル(現ユーロコプター)SA-342ガゼルはアウルエットII軽ヘリコプターの後継として開発されたタービン単発の軽ヘリコプターで、1967年の英仏合意に基いて生産される事になった3機種(ガゼル、ピューマ、リンクス)のうちの1機種[1]。試作機SA-340は1967年4月7日に初飛行し、通常のローターシステムを装備していたが、量産型ではメインローターをリジット式に、テイルローターを垂直安定板内にファンを内蔵したフェネストロンに変更した[1]。ガゼルは、フェネストロンを採用した初の量産ヘリコプターである[1]。1969年にSA-341ガゼルの名前が与えられ、エンジンをアスタズーIIIに変更して量産が開始された[1]。SA-342はエンジンをパワーアップしたアスターズX IVに換装した改修型で、M397照準器を装備し機関銃ポッドやロケット弾ポッド、対戦車ミサイル運用能力を有している。

1970年代末の中国軍にとって最大の脅威は、長大な国境を接するソ連地上軍の戦車部隊であり、質量ともに中国戦車部隊を上回る戦力にどのように対処すれば良いのかというのが大きな課題であった[4]。この状況に対して、同時期に関係を改善した西側諸国から対戦車ヘリコプターの有効性に関する情報がもたらされた[4]。ヨーロッパにおいてワルシャワ条約機構軍と対峙する西側諸国にとってもソ連戦車部隊は大きな脅威であり、これに対処する手段の1つとして1970年代末から対戦車ヘリコプターの整備が進められており、この情報が西ヨーロッパ諸国との軍事交流を経て中国に伝来したとの事[4]。

早速、中国でも対戦車ヘリコプターの調達に関する検討が行われ、西側諸国から対戦車攻撃能力を有する武装ヘリコプターを調達する事が決定。候補に挙がったのは、ドイツのMBB社製 BO105、アメリカのヒューズ ディフェンダー500、そして英仏共同開発のアエロスパシアルSA-342L1であった[6]。3機種の性能評価と実際に中国軍の演習に参加させた実施評価試験を経てSA-342L1の採用が決まった。決め手となったのは、SA-342L1の搭載するHOT対戦車ミサイルの威力の高さであったとされる[6]。(注:BO105のドイツ陸軍向けPAH-1もHOTの運用能力を有するが、MBBの中国向け提案にHOTが含まれていたか否かの詳細は不明。)

中国陸軍は1980年代の後半に8機のSA-342L1を購入[1]。アエロスパシアルと中国の合意では当初は24機を調達する予定であったが、1980年代の経済成長優先政策に基づき軍事支出が抑制されたため購入数は8機に留められた[4]。追加購入やライセンス生産の話もあったが、1989年の天安門事件による影響もあって中国はそれ以上の購入を行わなかった[3]。

SA-342L1の主兵装であるHOT対戦車ミサイルについては、購入説[6]と未購入に終わったという説[3]がある。購入できたという説でも、調達数は僅かであり天安門事件以後の武器禁輸措置により追加調達が出来なくなり、数少ない在庫もその大半は演習などで消耗してしまったとされる[6]。HOTを使用出来なくなった事で、対戦車攻撃能力を失ったSA-342L1であったが、その後、中国独自の改良を行ってHJ-8対戦車ミサイル(紅箭8)の運用能力を付与した模様で、中国軍の演習の映像ではHJ-8対戦車ミサイル(紅箭8)や機関銃/ロケット弾ポッドを搭載しているのが確認されている。

SA-342L1は北京軍区の第65集団軍所属の陸軍航空隊第4航空団(連隊に相当)に配備されている[3][5]。陸軍航空隊では、SA-342L1を演習での対抗部隊用ヘリコプターとして運用しているとの事[3]。

【参考資料】
[1]青木謙知『JWings特別編集 戦闘機年鑑2013-2014』(イカロス出版/2013年)244ページ
[2]別冊航空情報 世界航空機年鑑2005(酣燈社)
[3]Chinese Defence Today「SA 342L Gazelle Attack Helicopter」
[4]陸培「曾経歳月 我国武装直昇機的早期探索」(『現代兵器』2011年08月号/中国兵器工業集団公司)10〜12ページ
[5]Yefim Gordon『Chinese Air Power: Current Organisation and Aircraft of all Chinese Air Forces』(Midland Publishing/2010年6月3日)300〜301ページ
[6]『航空知識2006年増刊 旋翼雄風—中国人民解放軍陸軍航空兵装備発展20年』(航空世界雑誌社/2006年)18〜19ページ

中国陸軍

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