日本の周辺国が装備する兵器のデータベース




性能緒元
口径105mm
全長5.991mm(牽引状態)
全幅2.159m(牽引状態)
全高1.524m(牽引状態)
全備重量2,258kg(牽引状態)
砲弾重量14.98kg(榴弾)
砲弾種類高性能榴弾、ロケット補助推進砲弾、榴散弾、対戦者榴弾、粘着榴弾、煙幕弾、照明弾など。
最大発射速度最大10発/分、持続3発/分
砲口初速472.4m/s
最大射程11,270m(7号装薬)、14,600m(ロケット補助推進砲弾)
上下射角-5〜66度
左右射角46度
要員8名

M2A1は米ロックアイランド砲兵工廠製で、1940年にアメリカで制式採用された105mm榴弾砲。アメリカ陸軍及び海兵隊の師団砲兵連隊に配備され、第二次大戦中の標準榴弾砲として各戦線で広く使用された。大戦終結後、命名規則の変更に伴い、M2A1はM101A1に改称された。

M101は、射程は比較的短いものの、堅牢な構造で砲身寿命の長い信頼性の高い野砲であった。重量が2,258kgと軽量であったため、ヘリコプターによる空輸が可能であり、陸路での移動が困難な地点にも迅速に展開して火力支援を与えることが出来る装備として重用された。また、アメリカの同盟/友好国に対して多数が供与され、西側諸国の標準的な中口径野砲の地位を占めることになった。

M101A1の各種数値は、口径105mm(22.5口径)、砲身長3,628mm、全備重量2,258kg(牽引状態)。発射速度を高めるため、砲尾の閉鎖機は水平鎖栓式で、薬莢は射撃後に自動排莢される。砲身の上下には駐退復座機が配置され復座長固定式の油気圧式復座システムを採用している。砲の俯仰角度は-5〜+66度。砲架は開脚式で牽引用に車輪2基が装備されている。砲脚にはスペードが装着されており、射撃時には地面に突き刺して反動を吸収する役割を有する。左右射角は、46度。砲架には防盾を装着することも可能。砲弾は分離装薬方式で、運用期間が長かったこともあり、高性能榴弾、ロケット補助推進砲弾、榴散弾、対戦者榴弾、粘着榴弾、子弾散布弾、照明弾、訓練弾など多様な砲弾が開発されている。最大射程は通常弾で11,270m(7号装薬)、ロケット補助推進砲弾を使用して14,600m。砲弾の発射速度は、最高10発/分、持続射撃では3発/分。砲一門の運用に要する人員は8〜10名。牽引状態から、3分で射撃を開始することが可能。

アメリカは、M101A1を戦時中から中華民国に供与してきたが、中華民国政府の台湾撤退後、1954年に締結された米華共同相互防衛援助協定に基づき、朝鮮戦争終結後にM114A1 155mm榴弾砲と共に多数を供与することになる。M101A1とM1114A1の2つの榴弾砲は、長らく台湾陸軍と海兵隊の主力野砲の地位を占めることになった。

戦後の台湾の防衛体制は、アメリカとの同盟と支援に強く依存してきた。しかし1970年代、中国の西側諸国への接近に伴い台湾は次第に国際的孤立を深めることになり、自力での安全保障体制の構築とそれに必要な兵器の自給を目指すようになった。まず目指されたのが現用兵器の国産化であった。M101A1も、台湾での国産化を行う事が決定された。当時、台湾はM101A1の現物は多数保持していたが、M101A1の設計図や大砲製造に必要な各種の製造機器の類は保有していなかった。陳笏上校(大佐)を開発主任とする研究チームは、そのような状態でM101A1のリバースエンジニアリングの作業を行った。1973(中華民国63)年には最初の試作品が完成。この砲は製作年度から63式105mm榴弾砲と命名された。63式は、M101A1のデッドコピーであったが、軍ではその性能に満足せず、量産には移らなかった。

翌1975年8月、M101A1の謄写設計図の中国への翻訳作業が完了し、それを元にしたM101の国産化が9月から再開された。1974年10月8日には最初の試作砲が完成し、20日には試射に成功した。こちらの砲には63甲式105mm榴弾砲の名称が与えられた。T63Aは、M101A1の後期型で採用されていたM2A2 105mm砲身とM2A2-A5複座システムと改良型防盾を持ったタイプに基づいた設計であり、各種の試験を経た後に1977年から生産を開始し、アメリカ製のM101A1を更新する事になった。なお、63A式は、1983年に国軍研製武器準則に従ってT63 105mm榴弾砲と改称された。

T65は現在でも650門が、陸軍旅団所属の砲兵営(大隊)や海兵隊の砲兵団(連隊)に配備され、台湾軍最多の野砲戦力を形成している。開発から60年を超えるため旧式化は否めないが、後継の検討はされておらず、しばらく運用が継続されると思われる。

【参考資料】
週刊ワールド・ウエポンNo.96 2004年8月(デアゴスティーニ・ジャパン)
『現代兵器』 2005年10月「『精実』復『精進』拒統何太急-台湾陸軍及連兵旅現状」(曽威/中国兵器工業集団公司)
FAS
青葉山軍事図書館
維基百科 T-65 155毫米榴彈砲
大砲と装甲の研究
中国軍網資料庫
中国武器大全

中国陸軍

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