日本の周辺国が装備する兵器のデータベース


▼VN-4(装甲兵員輸送車型)。

▼公安警察向けの装備を施したVN-4。

▼2009年に北京で開催された北京警用装備展示会に出展されたVN-3装甲車(左)とVN-4装甲車(右)


性能緒元
重量9トン
全長5.4m
全幅2.4m
全高2.05m
エンジンカミンズEQB235-20直列6気筒水冷ターボチャージドディーゼル(235馬力)
最高速度120km/h
浮航速度
航続距離
搭載量1.7トン
武装(I案)12.7mm重機関銃×1、76mm発煙弾発射機×6
(II案)14.5mm重機関銃×1、5.8mm機関銃×1、76mm発煙弾発射機×6
(GCTWM砲塔搭載型)30mm機関砲×1、7.62mm機関銃×1、HJ-73対戦車ミサイル×1
(対戦車ミサイル搭載型)HJ-8対戦車ミサイル発射機
(地対空ミサイル搭載型)QW-2地対空ミサイル発射機
この他、35mm擲弾発射機、放水銃、サーチライトなど多様な装備の搭載が可能
装甲防弾鋼板
搭乗員車長、操縦手+搭乗歩兵8名

VN-4は、中国北方工業公司(NORINCO)傘下の中国北方車輌研究所と重慶鉄馬工業集団有限公司が共同開発した4×4の装輪装甲車。既にNORINCOでは、輸出向け装輪装甲車としてVN-3装輪装甲車を実用化しているが、VN-4はより大型の車輌でありVN-3の上位互換タイプと見なすことが出来る。

VN-4は、装甲兵員輸送車もしくは各種の兵器を搭載するプラットフォームとして使用することが想定されている。開発時からファミリー化を前提とした設計が施されており、ユーザーの要求を想定して多様な派生型が用意されているのが特徴。

【性能】
VN-4の重量は9トン、全長5.4m、全幅2.4m、全高2.05m。四輪駆動車を装甲車化したデザインであり、視界良好な大型防弾ガラスをはめ込まれたフロントミラーを有している。車体前方は動力部であり、操縦手と車長は車体中央部に並列に着座、その後方が武装ターレット搭載区画と兵員室という配置になっている。乗車時の疲労軽減を意図して、車長と操縦手には民間高級車に相当する座席が用意されており、兵員室の座席も良好な乗り心地を確保しているとの事。乗員の体力維持のため、車内には強力な空調装置が装備されており、劣悪な気象条件下での長期の活動を可能としている。兵員の乗降は車体両側面と後部のドア、及び車体上部の3箇所のハッチを使用する。装甲兵員輸送車として運用する場合は、歩兵8名が搭乗する。

エンジンは輸出を考慮して米国カミンズ社製EQB235-20直列6気筒水冷ターボチャージドディーゼル(235馬)を採用。エンジンには補助始動装置が搭載されており、零下35度の状態でもエンジンを正常に作動させることが出来る。エンジンや変速装置は車体前方のフロント部に搭載しておりエンジンマフラーや排気管もここに纏めているが、これは赤外線放出量の削減と騒音の低減が目的。変速装置は6T-80型マニュアル式変速装置を搭載。車輪の空気圧は車内から調整することが可能で、地形に合わせた最適の状態を選択する様になっている。制動性能と制動時の安全性を向上させるため、アンチロックブレーキ制御装置(ABS)とアンチスリップ制御装置(ASR)が標準装備されており、悪天候時においても良好な走行性能を発揮する。

VN-4の出力/重量比は26馬力/トンで、路上最高時速は120km/h。これは中国の装輪装甲車としては最速とされる。最大登坂能力は30度で、0.8mの幅の壕や0.4mの高さの壁を越えることが出来る。水深1mまでの河川の渡河能力を有しており、それ以上の深度であれば水上航行を行う。推進力は車体後部のスクリューによって得ている。

車体は防弾鋼板製で、車体正面は距離100mから発射された7.62mm鋼芯徹甲弾に抗堪し、全周からの7.62mm弾や榴弾の破片、地雷に対する防御能力を有する。必要に応じてモジュール式の付加装甲を装備して対弾性や対地雷抗堪性を向上させる事が可能であり、その際機動性には悪影響を与えないとしている。間接的な防御能力の向上策としては、車体からの赤外線の放射やレーダー波反射性を抑えるステルス性への配慮が取り入れられているほか、NBC防護装置も標準装備されている。

VN-4は各種兵装の搭載が可能であるが、兵員輸送車型では12.7mm重機関銃一挺をピントルマウント式に搭載する。脅威度に応じて、機関銃周囲に銃手の防護用の防弾板を設置する。この他、14.5mm重機関銃と5.8mm機関銃を連装式に搭載した1人用砲塔や30mm機関砲×1、7.62mm機関銃×1、HJ-73対戦車ミサイル×1を備えたGCTWM1人用砲塔を装備する事も出来る。車体側面にはガンポートが左右1基ずつ設けられおり、搭乗歩兵により乗車戦闘を実施する。必要に応じて対戦車ミサイルや対空ミサイル発射機を搭載することも可能。

情報化に対応した装備もVN-4の特徴である。VN-4はGPS装置や先進的な統合型データリンクシステムを装備しており、車長は指揮通信システム操作用端末を使用することで、車両の位置や戦場の状況、他部隊とのデータ交換などを行う。夜間や悪天候時の作戦遂行を実現するため、微光増幅式暗視装置が標準装備されている。

【総括】
VN-4は、国際市場での競争力を高めるため、情報化に対応した装備を施した上でユーザーの様々な要求に対応することが可能な設計を採用しているのが特徴である。

装甲兵員輸送車型以外にも、治安部隊用車輌、国境警備用車輌、対戦車ミサイル搭載型、対空ミサイル搭載型、装甲回収車型、装甲偵察車型、指揮通信車型、装甲救護車型など多様な派生型がラインナップされている。また、車体を延長して車輪を追加する事で、六輪駆動もしくは八輪駆動式の発展型を開発することも考慮されている。

VN-4の中国軍での運用は確認されていないが、NORINCOによりVN-3装輪装甲車と共に各国軍隊や治安機関への売込みが図られている。

【2013年3月22日追記】
2013年3月、中国国内で鉄道輸送中される複数両のVN-4が撮影された[3]。車体は白色に塗装され「GNB」のロゴが施されていた。GNBはベネズエラ国家警備隊(Guardia Nacional Bolivariana)の略称であり、これらのVN-4はベネズエラ向けに生産されたものとされる[3][4]。

【参考資料】
[1]「共和国『軽騎兵』〜中国VN4輪式装甲車」(周喩/『兵器知識』2010・4A)36〜38頁
[2]鍾鳴網「“鉄馬”打造新“鉄騎”中国VN4型装甲車」(原載「坦克装甲車輌」/2010年6月24日)
[3]China Defense Blog「Photo of the day:VN4 4x4 Light Armoured Vehicle for Venezuelan national guard.」(2013年3月5日)
[4]Юрий Лямин「Китайские бронемашины для Венесуэлы」(2013年3月8日)

【関連項目】
VN-3装輪装甲車

中国陸軍

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