日本の周辺国が装備する兵器のデータベース




▼機首上面の突起物は衛星通信用アンテナ

▼WJ-600の運用概念図

▼2010年の珠海高空ショーで展示されたWJ-600など中国航天科技集団のUAV宣伝映像


性能緒元
最大離陸重量
全長
翼幅
エンジンターボジェットエンジン×1
最高速度720km/h
巡航速度500〜700km/h
航続距離1,500km以上
上昇限度10,000m以上
巡航時間3〜3時間半
ペイロード130kg
兵装KD-2空対地ミサイル×2
TB-1空対地ミサイル×2
ZD-1誘導爆弾×2
CM-502KG空対地ミサイル×2(WJ-600A/D)
空対空ミサイル

WJ-600無人偵察機(WJ-600高空高速無人機)は、中国航天科技集団第三研究院が開発した多用途UAV(unmanned aerial vehicle:無人航空機)で、2010年に開催された珠海航空ショーでその存在が公にされた[1]。2016年には改良型のWJ-600A/Dがトルクメニスタン軍の軍事パレードで公開され、同軍で採用されていることが明らかにされた[12]。

【性能】
WJ-600無人偵察機システムは、WJ-600本体、UAV輸送・発射車輌、カタパルト、指揮車輌、無人機管制制御車輌、情報処理車、機動追随・管制車輌などで構成される。指揮車輌は、部隊の総合的な指揮を担当。UAVの操作は無人機管制制御車輌が担当。無線の届かない遠隔地での作戦では、発射地点から離れた場所に機動追随・管制車輌を展開させてその車輌がUAVの操作を担当することも行われる。

WJ-600は、巡航ミサイルのような外観の胴体に長さ5m程の直線翼を組み合わせた機体形状を有する[1]。ドーム状に成型された機首内部には合成開口レーダーが内蔵されている[1]。主翼は直線翼で翼端にウイングレットが装着される。主翼下部にはそれぞれ兵装パイロン1基を設けており、各種兵装の搭載が可能。胴体後部のインテーク後方垂直尾翼1枚、水平尾翼2枚を装備している。機体後部にターボジェットエンジン1基を搭載。インテークは胴体後部に背負い式に配置されている。

飛行性能は、最高速度720km/h、巡航速度500〜700km/h、航続距離1,500km以上、上昇限度10,000m以上、巡航時間3〜3時間半[2][3]。

WJ-600は、8×8重野戦トラックの荷台に設置されたカタパルトに搭載される。離陸の際には、カタパルトからロケットブースターの力を借りて直接打ち上げられるので、滑走路などは必要とせず、迅速な離陸が可能。着陸時には、胴体に取り付けられたパラシュートを使用して回収されるため滑走路のない状況でも運用できる。

偵察用機材としては合成開口レーダーのほかに電子光学/赤外線センサー、電子情報収集装置などを任務に応じて搭載可能[1]。WJ-600が入手した各種情報は、データリンク機能を用いてリアルタイムで地上に送信することが可能[1]。地上からの無線が届かない遠隔地での作戦の際には、通信衛星を中継するか、別のWJ-600を空中無線局としてリレー通信を行うことで通信範囲を拡大して見越し線外部での運用を可能とする。

WJ-600は、搭載センサーを用いた偵察や情報収集、電子戦任務だけでなく、自ら兵装を搭載して発見した目標に対して直接攻撃を実施する能力を備えている[1][2]。攻撃の際には、地上の管制ステーションでWJ-600から送信された映像を元に目標を確認、攻撃すべきと判断したらWJ-600のレーザー目標指示器で目標を照射、搭載兵器の発射指令を出して目標を攻撃する。WJ-600が搭載可能な兵装はKD-2空対地ミサイル、TB-1空対地ミサイル、ZD-1誘導爆弾などの対地攻撃兵器に加えて、空対空ミサイル(おそらくTY-90赤外線誘導AAMの可能性が高い)を搭載してヘリコプターなどの目標を攻撃することが出来る[1][4]。

2016年の珠海航空ショーでは改良型であるWJ-600A/Dが公開された[10]。WJ-600A/Dが搭載するCM-502KG空対地ミサイルは、射程25kmで弾頭重量は比較的軽量な11kgに抑えられている[11]。これは地上攻撃時に目標以外への付帯的被害を抑制するためのもので、非対称戦闘や対テロ任務に向いた兵器といえる。WJ-600A/Dのレーダー反射断面積は0.1崛宛紊函▲好謄襯控,箸泙任呂い┐覆い比較的低い値になっており、被発見率の低下が意図とされている。

【今後の展望】
メーカーによると、WJ-600は情報戦(Information Warfare)における重要な役割を果たす兵器システムとしており、高い突破能力と敏捷性を兼ね備え、偵察や攻撃以外にも、電子戦任務、中継通信任務、模擬標的機など各種軍用任務に加えて、資源調査など民生分野でも有効に活用できるとしている[1][5][6]。その飛行速度と上昇限度は、現在実用化されている中国のUAVの中でも最も優れたものであるとのこと[2]。

2010年の珠海航空ショーでは、WJ-600を洋上に進出させて空母機動部隊を発見、WJ-600が得た情報はデータリンクを通じて送信され、それを元に航空機や艦艇が対艦巡航ミサイルを発射する運用事例が展示されており、中国軍が目指している米海軍の中国近海への侵入を阻止する接近阻止/領域阻止(Anti-Access/Anti-Denial)戦略において空母機動部隊の探知と目標指示任務に投入される装備の1つにWJ-600が加えられることも考えられる[5][7][8][9]。ただし、WJ-600は長時間の対空性能は有していないので、広域を長時間に渡って監視する任務には向いておらず[1]、艦隊が居る可能性のある海域に迅速に展開して索敵を実施する運用がなされるものと思われる。

WJ-600は軍の要求に応じて開発された機体ではなく、メーカーの側から将来必要とされるUAVの性能実証機として開発されたもので、WJ-600自体が直ちに中国軍に採用されるとは限らない。しかし、中国軍が今後の情報中心戦時代に対応してUAVの開発を重視していることは間違いなく、WJ-600は今後の動向が注目される装備であると見なすことが出来る。

【参考資料】
[1]伊呜「国产新型WJ-600无人机」(『兵工科技 2010 23・24合刊 珠海航展专辑』/兵工科技杂志社)49〜51頁
[2]虎鯨「珠海航展中国无人机作战系统」(『兵器知识』2011 1A/《兵器知识》杂志社)34〜35頁
[3]新华网「50年中国飞航导弹从无到强 飞航人活着干,死了算」(2011年9月11日)
[4]中华网_军事图库「不输美帝:中国无人攻击机作战模式曝光」
[5]新浪网_新浪军事「中国军工展示WJ-660无人机参加反航母作战视频」
[6]新浪网「中国航天科技集团展出WJ-600型无人机等模型_高清图集」
[7]Defense News「Zhuhai Airshow Goes Unmanned」(2011年11月16日)
[8]新浪网_新浪军事「中国军工展示WJ-660无人机参加反航母作战视频」
[9]中华网_军事图库「航展看中国体系作战明显针对美军」
[10]中国新聞網「揭秘WJ-600A/D无人机:隐身性能如小鸟 精确猎杀」(2016年11月01日)
[11]China Indonesia Information「CM-502KG」
[12]bmpd「Военный парад в Туркмении」(2016年10月29日)

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