日本の周辺国が装備する兵器のデータベース


▼Z-8A(試作機)。

▼Z-8A(量産型)。



▼済南軍区の陸軍航空隊第7航空連隊で運用されるZ-8A。Z-9やMi-17の姿も確認できる。

▼Z-8F。Z-8Aの性能向上型(写真は試作機)。


性能緒元
Z-8AZ-8F
ローター直径18.9m18.9m
全長(ローター長含む)23.03m23.035m
機体長(ローター長含まず)20.27m18.085m
機体幅(フロート含まず)2,24m2.24m
空虚重量7,031kg7,100kg
通常離陸重量9,000kg
最大離陸重量13,000kg14,500kg
エンジン渦軸6A型(WZ-6A)(最大連続出力:1,370shp)×3プラット&ホイットニー・カナダ社製 PT6B-67A(最大連続出力:1676shp、最大1,940shp)×3
海面最大速度315km/h  
海面巡航速度266km/h255km/h
ホバリング限度1,900m3,000m
上昇限度3,000m5,000m
航続距離830km(フェリー状態)、500km(作戦時)800km(フェリー状態)
武装固定武装なし固定武装なし
乗員2〜3名+兵員27名(最大39名)2〜3名+兵員27名(最大39名)
注:諸元はJane’s All the World’s Aircraft 2007-2008と昌河飛機工業集団公司公式サイト、中華網「中国陸軍未来千里眼:直−8預警直昇機」による。

フランス製ヘリコプターSA-321Jaシュペル・フルロンをリバースエンジニアリングにより国産化したZ-8ヘリコプター(直昇8/SA-321Ja)(海軍)が1994年に制式化されたのを受けて、1990年代中盤から陸軍航空隊向けの戦術汎用輸送型の開発が開始された。

陸軍航空隊向けのZ-8は、海軍向けの艦載輸送機型をベースに開発された。基本的な機体構造や動力部には変更は無いが、陸上型では水上航行の必要性が薄れたため、胴体の水密構造を廃止し重量軽減をおこなっている。これに合わせて水上での安定性確保のための胴体側面フロートも廃止された。これにより、機体重量は7,376kgから7,031kgへと約300kgの軽量化に成功した。また、油気圧式の緊急操縦系統を廃止し、かわりに通常の操縦系統を二重化している。

エンジンはチュルボメカ マキラ2Aターボシャフトエンジンの中国版である渦軸6A型(WZ-6A)に換装され、80shpの出力強化が行われており、これに合わせてギアボックスもチュルボメカ チュルモ ギアボックスに変更された。出力強化により、搭載能力やホバリング性能や飛行能力は向上したが、燃費が悪化したため、航続距離は原型と変わらない。

貨物室後部には積み下ろしランプを兼ねる高さ1.5m×幅1.2mの動力式ドアが設置されており、重量3tまでの貨物や車両を搭載することが可能。胴体左前部にも高さ1.12m×幅0.58mのスライド式ドアがあり、荷物の搬入や緊急時の乗員脱出に使用される。機外吊り下げ能力は最大5t(この場合の飛行距離は50kmになる)。人員輸送任務では通常27名を搭乗する(緊急時には39名までの搭乗が可能)。

1999年2月、Z-8Aの設計案が承認され、試作機2機が運用試験のため陸軍航空隊に引き渡された。しかし、運用試験では、機体各部に不具合が生じ、機体の整備性にも少なからぬ問題があることが判明した。2002年11月には、初度生産型の量産が開始されたが、陸軍航空隊ではZ-8Aの性能に満足しておらず、配備機数は少数に留まっている。量産型では機首に気象レーダーを搭載し、試作機では廃されていた胴体側面のフロートが復活している。

陸軍航空隊ではZ-8の性能不足を受けて、ロシアからMi-17シリーズを多数輸入して事実上の主力汎用ヘリとして運用することになった。生産された8機のZ-8Aは、済南軍区の陸軍航空隊第7航空連隊に集中配備されている。

Z-8Aの派生型としては、民用型のZ-8Bが開発されている。また、昌河飛機工業集団公司では、Z-8シリーズの性能向上と信頼性の回復を目標にした改良作業を継続し、2002年の珠海航空ショーにおいてZ-8Aの発展型であるZ-8Fを開発中であることを明らかにした。Z-8Fは、エンジンをプラット&ホイットニー・カナダ社製PT6B-67A(最大連続出力:1676shp、最大1,940shp)に換装し、複合材製ローターを採用し、アビオニクスを新型に換装することで、高地飛行性能の向上や信頼性の確保を図った機体である。Z-8Fは、2004年8月28日に初飛行に成功し、2007年に民用機としての証明を得た。昌河では2010年までに中国国内向けに30機のZ-8Fを販売し、2010年には最初の3機を完成させる事を明らかにしている[1]。

Z-8Fは現時点では陸軍航空隊での運用は確認されていないが、空軍ではZ-8K、Z-8KAの名称で捜索救難用ヘリコプターとして採用されており、今後Z-8Aに換わる汎用輸送ヘリコプターとして配備される可能性もあると思われる。

【Z-8A派生型】
Z-8A海軍航空隊向けのZ-8をベースに製作された汎用輸送型。陸軍航空隊で少数が採用される。
Z-8BZ-8Aの民間型。
Z-8FZ-8Aの能力向上型。各種装備を近代化し、エンジンをカナダ製PTB-67Aに換装。高高度性能や信頼性を向上させた。今後陸軍航空隊に採用の可能性もある。
Z-8KZ-8Fの捜索救難型。空軍で採用。海洋迷彩が施されている。
Z-8KAZ-8Fの捜索救難型。空軍で採用。陸上用迷彩が施されている。
Z-8JA物資輸送型。海軍で採用。
Z-8JH2008年に存在が明らかになった救護型。少なくとも4機が確認されている[5]。JHは「救護=jiùhù」の意。
AC313Z-8Fをベースに開発された民用ヘリコプター。機体設計を大幅に見直しており、信頼性向上やライフサイクルコストの低減が意図されている[2]。
Z-8AEW機体後部に引き込み式レーダーアンテナを搭載したZ-8。早期警戒任務もしくは戦場監視任務向けに開発されていると見られるが詳細は不明[3]。
Z-8大改/Z-18開発中のZ-8発展型。機体設計を全面的に見直しており、アビオニクスやエンジンも一新される。エンジンは当初はウクライナ製(VK2500もしくはTVZ-117Vなど)を使用し、後期型は中国製WZ-10に換装される。WZ-10搭載型はZ-18と改称される予定[4]。

【参考史料】
Jane’s All the World’s Aircraft 2007-2008(Jane's Information Group)
航空知識2006年5月号(航空知識雑誌社/2006年)「旋翼之路-試飛編・中国直昇機研制試飛掲秘」(杜韮・威長江)
現代艦船2008-02B(中国船舶重工業集団公司/2008年)「中国海軍航空兵族譜之八-直昇機簡史」(老畢)
航空世界2005年10月号(航空世界雑誌社/2008年)「風虎雲龍-中国大型直昇機之路」

Chinese Defence Today「Zhi-8 Transport / SAR Helicopter」
Chinese Military Aviation「Helicopters〜Z-8/S/J/JH (SA-321Ja) Super Frelon 」[5]
Chinese Military Aviation「Helicopters〜Z-8A/K/KA/KH Super Frelon」
Global Security
中華網「中国陸軍未来千里眼:直−8預警直昇機」
中国航空工業第二集団公司公式サイト
中国武器大全
昌河飛機工業集団公司公式サイト
航空世界
佳工機電網「中航5年内将購売昌飛30架直8F型直昇機」(2008年11月11日)[1]
空軍世界「AC313中型多用途直昇機」[2]
Chinese Military Aviation「Surveillance Aircraft〜Z-8AEW Super Frelon 」[3]
空軍世界「直-8中型多用途直昇機〜直-8大改/直-18」[4]

AC313輸送ヘリコプター
Z-8輸送ヘリコプター(直昇8/SA-321Ja)(空軍)
Z-8ヘリコプター(直昇8/SA-321Ja)(海軍)
中国陸軍

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