日本周辺国の軍事兵器 - その他の支援艦艇

航洋曳船

南拖181級

全長80.0m、全幅14.0m、喫水6.8m
2000年代初めに建造が決定された中国第3世代の航洋曳船。正式な名称は「9000馬力多功能遠洋拖船」。南京緑洲機器廠が2004年に開発した1,000kN曳航用ウインチを搭載しているが、これは中国国内で製造された最も強力な曳航用ウインチとの事。これまでに3隻が建造されている。
■北海艦隊:北拖721
■南海艦隊:南拖181、南拖189

東拖837級(フージウ型/滬救型)

満載排水量1,470t、全長60.2m、全幅11.6m、喫水4.4m。LVPディーゼル(1,800hp)2基2軸、速力15kts、航続距離7,200nm/14kts、乗員60名
NATOコードはHujiu class。一番艦就役は1984年、以後10隻が建造された。
■北海艦隊:北拖622、北拖711、北拖717
■東海艦隊:東拖837、東拖842、東拖843、東拖875、東拖877
■南海艦隊:南拖147、南拖155、南拖175

718型(トゥーチョン型/拖中型)

排水量3,600t、全長84.9m、艦幅、14.0m、喫水5.5m。10ESDZ 43/82Bディーゼルエンジン(8,600馬力)2基2軸。速力18.5kts、武装は未搭載(艦の前後に37mm機関砲搭載可能)、乘員120人
NATOコードはTuzhong class。1970年代に上海の中華造船廠で4隻が建造された航洋曳船。1990年代には改良型(DAOZHA class)1隻が建造された。南拖154、北拖710、東拖830の3隻は2012年に海軍を退役、国家海洋局の海洋監視船に転用された。
■北海艦隊:北拖710→海監110
■東海艦隊:東拖830→海監137、東拖890
■南海艦隊:南拖154→海監167
▽海軍籍時の「北拖710」

曳船

東拖852級(ROSLAVL型)

排水量670t、全長45.7m、ディーゼル2基1軸、速力12kts、航続距離6,000nm/11kts、乗員28名
1960年代に19隻が建造された中型曳船。ほとんど退役しているが、一部の船が現役で活動している
■北海艦隊:北拖618、北拖630、北拖631、北拖651、北拖704、北拖707、北拖716、北拖721

東拖880級

主に港湾内で使用される小型曳船。消火用の放水銃も装備している
■北海艦隊:北拖626、北拖627、北拖632、北拖633、北拖659、北拖699、北拖718、北拖719、北拖720、北拖769
■東海艦隊:東拖832

救助艦

917型救助船

2012年に就役した高速救助船。トリマラン(3胴船)型を採用しており高速性を維持しつつ甲板面積を広く取っている。推進装置として主船体の艦尾に二基のウォータージェットを備えている。艦橋前に遠隔操作式30mm機関砲1基を装備
■北海艦隊:北救143
■東海艦隊:東救335
■南海艦隊:南救511

砕氷船

新型砕氷船

排水量8000t級。中国で建造中の中国国家海洋局2隻目の極地調査用大型砕氷船。設計にはフィンランドの企業が協力しており、2014年就役の予定[18]。厚さ1.5メートルの氷を連続して砕氷する能力を有する。

砕氷船「雪龍」

排水量11,400t(満載21,025t)、全長167m、速力18kts
中国国家海洋局の極地調査用大型砕氷船。元々は北極圏で運用される多用途輸送船としてウクライナのへルソン造船所で建造された[17]。0.5Ktsの速力で厚さ1.5mの氷を連続して砕氷する能力を有する。中国が極地調査船として導入を決定し、所定の改造を施して1993年3月に竣工。南極圏や北極圏で様々なデータ・サンプル収集と科学調査を行っている。

272型砕氷船

排水量4,860t、全長103.1m、全幅18.4m、速度18kts、航続距離7000海里
海氷723(ヤンビン型)の後継として建造された砕氷船。現在、二隻の建造が確認されている。一番艦「海氷722」は2013年11月起工、2015年3月進水、2016年北海艦隊に配属された。開発に当たっては、砕氷能力の向上、高い情報化が要求された。艦後部のヘリコプター甲板はZ-8汎用ヘリコプターの着艦が可能。ヘリコプター格納庫は備えておらず、必要に応じて陸上基地や他の艦艇から派遣される運用形式を採る。主な任務としては、流氷観測、砕氷作業、救難任務などが想定されている[13]。

海氷723(ヤンビン型)

排水量4,420t、全長102m、速度17kts、37mm連装機関砲4基
1986年就役。NATOコードはYanbing class。砕氷任務だけではなく情報収集や海洋調査任務にも従事する。2012年に国家海洋局に移管され「海監111」として再就役した。移管にあたり37mm機関砲は撤去された模様。
▽海軍在籍時の「海氷723」

海氷722

排水量3,191t、全長84.28m、喫水3.68m、最大速度16.5kts、連続航行30日
厚さ1mの氷を連続砕氷可能な砕氷船

海氷721


潜水艦支援艦

917型魚雷回収船(ダンダオ型)

満載排水量720t、全長63.68m、全幅9.00m、吃水2.80m、ディーゼル2基2軸、速力15kts、乗員40名
魚雷の回収や物資輸送などに従事する多用途支援艦艇。NATOコードはDandao Class。2007年までに少なくとも11隻が就役している。917型は軍用支援艦のテストベッドという性格も有しており、HD5L/Dシリーズ自動操舵装置、機関/操舵の集中制御、中央空調施設などの各種装備が取り入れられている。917型は潜水艦の支援を行う「潜艇基地勤務船大隊」の主力支援艦として運用されている。

東援757級(イェンタイ型/煙台型)

満載排水量3,300t、全長78.0m、全幅11.5m、吃水3.0m、ディーゼル(9,600hp)2基2軸、速力17kts、航続距離3,000nm/16kts、37mm連装機関砲1基、乗員100名
NATOコードはYantai class。1番艦就役は1992年。同形艦3隻(艦番号800、801、938)が建造された。全艦南海艦隊に配属。

648型潜水艦修理船(東修911)

満載排水量1,960、全長83.8m、全幅12.4m、ディーゼル2軸、速力15.1kts、25mm連装機関砲4基
1985年に就役した潜水艦の修理、補給、充電などを行う支援船

燃料運搬船

艦艇に燃料を供給する運搬船。各艦隊に10隻程度が配備されている。大型のタイプは洋上給油(縦曳き)が可能で、25mm機関砲などで武装しているものもある

北油560

東油621


2011年に農業部南海部漁政局に転属し漁業監視船「中国漁政312」として再就役[12]

南油968


水運搬船

艦艇に真水を供給する運搬船。数百トンから数千トンまで様々なタイプがある

北水572

東水647

南水960


運送船

艦艇に食料品や弾薬などのドライカーゴを補給する支援船。大型のデリックを装備しており、港湾や洋上での補給任務にあたる。

北運528

東運757

南運836


消磁船

北勤736級(エンパイ型)

排水量746t、全長65.0m、速度16kts、航続距離800nm(15kts)、37mm連装機関砲2基、25mm連装機関砲2基(兵装未搭載の艦もある)
NATOコードはYen-Pai class。T-43掃海艇を元にして開発された。同形艦9隻

医療救護艇

北医01級

近海での救助任務、負傷者や病人の搬送などに従事する小型艇。艇尾にボートを降ろすためのスロープが設けてある
■北海艦隊:北医01
■東海艦隊:東医12、東医13
■南海艦隊:南医10、南医11

浮きドック

東勤865級


▼注水して艦艇の入渠を可能とした状態


【参考資料】
[1]世界の艦船
[2]Chinese Defence Today
[3]中国武器大全
[4]Jane's Fighting Ships 2009-2010(Stephen Saunders (編) /2009年6月23日 /Janes Information Group)
[5]啄木鸟发现官网−啄木鸟发现论坛−中国军事武器装备知识资料情报网「9000马力多功能远洋拖船|附南拖181号高清照」(剑锋所指/2012年4月8日)
[6]「ニュースフラッシュ−中国新造艦2隻」(『世界の艦船』2012年6月号:NO.761/海人社)134ページ
[7]GlobalSecurity「Tuzhong Class (Auxiliary Ocean Tug)」
[8]鼎盛防务论坛-军事资料库「东拖830远洋救助拖轮(718工程船)」(2007年6月16日投稿)
[9]人民網日本語版「中国海監 3千トン級の海洋監視船2隻が配備」(2012年11月16日)
[10]飞扬军事 骑鲸蹈海「中国海监167&中国海监168&中国海监169」(2012年11月17日投稿)
[11]China Defense Blog「Who are those two new China Marine Surveillance (CMS) ships?」(2012年12月4日)
[12]南海漁業信息網「中国渔政312船接船工作圆满完成」(2011年4月8日)
[13]「新一代破氷船服役」『艦船知識』2016年総第438期(艦船知識雑誌社)16ページ

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