日本周辺国の軍事兵器 - 85式23mm連装機関砲

▼85式23mm連装機関砲。

▼85式23mm連装機関砲を使用した「神弓」23mm対空砲防空システム。写真は改良型の「神弓II」。

▼「神弓」システムの指揮管制車。


性能緒元
戦闘重量950kg
全長4.570m(牽引時)
全幅1.830m(牽引時)
全高1.870m(牽引時)
砲身長2.555m
武装23mm機関砲×2(50発×2)
有効射程2,500m
有効射高2,000m
最大発射速度800〜1,000発/m(1門)
実用発射速度200発/m(1門)
初速970m/s
俯仰角-10〜+90
左右射角全周
砲員5名

85式23mm連装機関砲は、ソ連のZU-23-2連装機関砲(2A13)のコピーである。中国北方工業総公司(NORINCO)が輸出向けに開発した牽引式対空機関砲で中国軍では運用されていない。主に中〜低空域の飛行目標の迎撃を任務とする。

85式は、4×4クロスカントリー車や6×6野戦トラックなどの車両により牽引される。また操作要員と共に車両の荷台に搭載して移動することも出来る。後者の場合、荷台に搭載したまま対空射撃を実施することも可能。最大牽引速度は路上100km/h、野外で40km/h。砲架には牽引用に2つの車輪が装備されているが、射撃体勢では車輪は外側に跳ね上げられ砲架は3基の安定脚で支えられる。操作要員は、砲架に座る照準手と操砲手、弾倉を装填する装填手2名、指揮官の5名から構成される。

23mm機関砲の最大発射速度は800〜1,000発/mだが実用的な発射速度は200発/m。それぞれ50発入りの弾倉を装着している。発射可能な砲弾は、WB148P曳光徹鋼燃焼弾(API-T)とWPO44P曳光榴弾(HE-T)。前者は装甲車両の攻撃に用いられる。23mm砲弾の有効射程は2,500m。 砲の俯仰角は-10〜+90度で、全周旋回が可能。目標の照準はWPO-12光学照準装置によって行われる。

85式の派生型としては、85式をWZ-523装輪装甲車に搭載したWZ-554自走対空砲や、85式8門と指揮管制車両、レーダー、訓練装置などをセットにした「神弓」23mm対空砲防空システム(中国語だと「神弓23mm高炮防空武器系統」)が国外市場向けに開発されている。「神弓」システムは、高度1,500m、距離2,500m以下で毎秒250mで低空飛行する目標に対する攻撃能力を持っている。指揮管制車両には射撃統制システム、光学/赤外線照準装置、レーザー照準装置が搭載されており、射撃諸元を各対空砲に送り管制射撃を行う。「神弓」システムは、23mm機関砲以外にも各種口径の対空砲やPL-9短SAMやTY-90短SAMなどと合わせて運用する事が可能。既存の旧式対空砲を近代的な射撃統制システムと組み合わせる事で現代戦に対応可能な能力を与え、さらに対空砲とミサイルを同時に運用する事で、相互に射程をカバーする強固な防空体制を構築する事ができる。

【参考資料】
Chinese Defence Today
中国武器大全
中国北方工業公司(NORINCO)公式サイト
九州万国 「最新神弓II防空系統」
EnemyForces.com "23-mm Twin Anti-Aircraft Artillery Gun ZU - 23 (2A13)"

中国陸軍