否定派の主張

スマイスの都市部の家族調査で使われた調査表では、市民の死亡原因は「事故」「戦争」という区分になっている。これが集計の段階で「軍事行動」「兵士(日本兵)の暴行」にすり替えられた。
家族調査表(市部調査)注釈

*「事故」というのは軍事行動の結果を記録する略語として,「戦争」というのは軍事行動以外の日本兵の暴行をさす略語としてつかわれた。

(『南京大残虐事件資料集 第2巻 英文資料編』p247)

スマイスはこう説明しているが、それなら最初から「軍事行動」「兵士の暴行」と書いておけばよく、「事故」「戦争」という略語を使用する意味はまったくない。日本軍を悪辣に見せるため、調査時と集計時で死因を別物にしたのである。

だいたい死因がこの二択というのがおかしい。それら以外の原因(中国兵の暴行や病気など)で死んだ者もいるはずである。そういったものまで「日本兵の暴行」に計上して日本軍に不当に罪を押し付けているのではないか。

反論

「軍事行動」と「兵士の暴行」という区分は、死亡だけでなく負傷の原因としても使われている。
それはともかく、区分は最初から「軍事行動」と「兵士の暴行」だったのであり、集計時にすり替えられたのではない。日本語訳ではわかりにくいが、これは英語原文の注釈を読めばより正確に事情を理解できる。

*「事故」というのは軍事行動の結果を記録する略語として,「戦争」というのは軍事行動以外の日本兵の暴行をさす略語としてつかわれた。
*"Accident" was used as a code word to record effect of military operations; "warfare" as a code word for violence by Japanese soldiers apart from military operations.

http://www.history.gr.jp/~nanking/LSCSmythe.pdf

双方を読み比べれば、日本語版で「略語」と訳されている言葉が原文では“code word”であることがわかる。略語というと長い言葉を短く略したかのような印象を受けるが、そのようなニュアンスではない。書き手の意図をより正確に汲み取るなら「略語」ではなく「符丁」や「隠語」などと訳したほうが適切だろう。要するに、日本軍の占領下で不要なトラブルを起こさないよう、調査表の上では「事故」や「戦争」という“code word”を使っていたのである。

また、死亡(負傷)原因が実質二択である理由だが、それはスマイスらが二択で充分と判断したからだろう。スマイスに疑惑を抱く立場なら「日本軍への悪意があった」と考えるのかもしれないが、単純に当時の状況下では他の原因を考慮する必要がほとんどなかったと解釈するのが自然である。

もし他の原因による死者(負傷者)が無視できないほどいたなら、調査結果にも反映されただろう。実例として「拉致されたもの」という項目がある。拉致被害の欄は調査表には載っていないが、調査を進める過程でその重大さが確認され、集計時には独立した項目として組み込まれている。したがって調査結果に「軍事行動」や「日本兵の暴行」以外の原因による死傷が存在しないのは、単にその数が極めて少なく、サンプルに出てこなかっただけと考えるべきだろう。
「中国人が別の原因で死んでも日本兵の暴行にされているのではないか」、「実際は日本兵の暴行はずっと少なかったのではないか」といった疑惑は無根拠な想像に過ぎない。

そもそも、スマイスに資料改竄の意思があったという前提に立つのであれば、集計時に数字を自在に捏造することができたはずである。死因をいじってミクロレベルの死者を増やすという非効率的な小細工をわざわざする理由はまったくない。
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