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この温もりをただ抱きしめたくて番外編2

741 名前:アクエリアス[sage] 投稿日:2008/03/29(土) 14:32:26 ID:tIsRW2us
了承を得たのでこっそりいきます|ω・)コソーリ

フェイなのパラレル小説の番外編です。
CPはフェイト×なのはです。
なんだか、ギャグ+シリアス+甘甘=カオスな内容になっていますorzご注意下さい。
なんていうか……題名で察してくれるとありがたいです(*´∀`)トオイメ
その関係でちょっと某アニメをパロっていますが、気にするほどではないです。
あ、あと、かなり長いので規制かかる可能性大です。スミマセンorz

742 名前:この温もりをただ抱きしめたくて[sage] 投稿日:2008/03/29(土) 14:37:38 ID:tIsRW2us
誰が想像しただろうか。

今現在の状況を。

きっと誰もが思っているだろう。

本当にこれが現実なのかと。



番外編2 新婚とバンパイア



「なのはぁ〜、ホントにごめん!!」

そう言って美しい金色の長髪を振り乱して平謝りするその人。
だが、謝られている桔梗色の瞳を持ったその人は、それを完全に無視して朝食を取りに行っていた。



一人のエクソシストと、一人のバンパイア。

その二人は偶然出会い、そして、いつの間にか恋に落ちました。

そこには深い溝があったけど、二人はそれを乗り越え、いつのまにやらゴールイン。

今では子供までいます。

そして、さっきの二人の会話はこの第六教会で週に二回は見られる(日曜、祝日は除く)光景。

すでに日常化しているため、その場にいるものは慣れたものだが、たまに外部から来ている人から見れば、

「…なにこれ?」

と、素に戻ってしまうような状況だ。

「どないしたんですか?」

そこの総司教であるはやてが、来客のマリエルに声をかける。

「あの人…」

「ああ…あれですか?あれはこの教会の執務官ですけど?」

「そうじゃなくて…バンパイア、だよね?」

「まぁ、そうなっとります」

未だかつてあんなに情けない顔をしているバンパイアを見た者がいただろうか?
っていうか頭なんかペコペコ下げちゃって、どこの尻に敷かれてる夫ですか?

「なのはぁ〜、どうしたら許してくれるの?」

「うるさいなぁ!もう今日は絶対許さない!!」

食事をしている二人の間から、そんな会話が聞こえてきた。

743 名前:この温もりをただ抱きしめたくて[sage] 投稿日:2008/03/29(土) 14:40:22 ID:tIsRW2us
「あ〜、あれは気にせんでええですよ。いつものことやし」

「いつもあんななの!?」

「一ヶ月前に結婚したくらいからあんなんです」

「へぇ、結婚かぁ…って、えぇえ〜!?」

大丈夫、これが普通の反応ですよね。
そう思いながら、フォワード陣は、なのはが何故か来なかった朝練後の空腹の胃に、朝食を放り込んでいた。

「あ、そういえば、今日はデバイスのメンテナンス来てくださったんやよね?」

「あ、え、うん。そうだよ?」

「頼みたいのは隊長陣のやつなんよ。やから、あの人のもです」

「えっ!?」

「なのは隊長!!フェイト隊長!!ちょおこっち来て〜!」

ちょっと待ってと答える前に、その人は席を立ってこちらにやってきた。

「あ、おはようございます。マリーさん」

「おはよう、なのはちゃん」

先程の表情と打って変わって、なのはは愛想良く微笑んだ。

「初めまして、フェイト・T・ハラオウンと申します」

「あ、は、初めまして、マリエル・アテンザです」

こちらも先程の情けない顔はどこへやら、バンパイアらしい不敵な笑みを浮かべていた。

「今日のデバイスメンテナンス頼んだんよ。バンパイアのデバイスまでメンテ出来る人はそないにいないからなぁ」

「あ、え〜っとその前に、データを取りたいんだけど…」

気にするなと言われた手前、本人の前で聞くわけにもいかず、マリエルは当たり障りのない言葉を選んだ。
実際、なのはとはやてのデバイス情報はあるが、フェイトのバルディッシュは全くデータがない。

「それやったら、模擬戦せなあかんかな?」

「一番データ取りやすいのは確かだけど…予定とかは大丈夫なんですか?」

「大丈夫ですよ」

フェイトはそう答えた。

「じゃあ、なのはちゃんとやってみる?」

「「えっ!?」」

だが、その問いには同じ答えが返ってきた。

「なんや?何か不都合あるん?なのはちゃんも今日は急ぎの仕事はないやろ?」


744 名前:この温もりをただ抱きしめたくて[sage] 投稿日:2008/03/29(土) 14:42:38 ID:tIsRW2us
「えと…その…もうフェイトとは戦いたくないし…」

「私も嫌だな…」

「なんや〜、つれないなぁ」

はやては一度考えるように首を傾げると、何かを思いついたのか、目を輝かせた。

「せやったら、賞品つけようやない」

「へ?」

なのはが首を傾げた。

「一週間勝った方の言うこと聞かなあかん、っていうのはどうやろ?」

「やろう!!」

フェイトが速攻で食いついてきた。

「え!?や、やだよ!!」

フェイトの勢いに気圧されながらも、なのははやはり否定を表した。

「何で?勝ったらフェイトにお仕置きできるんやない?」

はやては面白そうになのはに向かってそう言った。

「そ…れは……そうだね……」

なのはの意志が少し揺らいできた。

「それに、教え子達に高度な模擬戦見せてあげられるやん。たまにはそういう刺激を与えたげるのもいいんちゃう?」

はやてはたたみ掛けるように言葉を続けた。

「そうだね…」

「それじゃあ、ええな?」

「…うん」

上手く丸め込まれた気がしないでもないが、なのははやっと首を縦に振った。



************




745 名前:この温もりをただ抱きしめたくて[sage] 投稿日:2008/03/29(土) 14:44:21 ID:tIsRW2us
「それでは、これより高町なのは一等空尉、フェイト・T・ハラオウン執務官、両名の公開模擬戦を行います!!」

はやての宣言に辺りから割れんばかりの歓声が聞こえる。

何でこんなに大事に…。

なのはは教会のほぼ全員が集まったと思われる周りのギャラリーにため息をついた。
中にはその場にいれないからと、通信で見ている人も。
そして、前方にはやる気満々で目を光らせているフェイト。

ここまで来たらやるしかない。

それによく考えたら久しぶりに全力全開で戦える相手だ。
これを逃すのは勿体ない。

「では、よ〜い…」

すでにバリアジャケットを装着した二人は、デバイスを強く握った。

「スタート!!」

ビュンっと風を切る音がして、一気に上空飛び立つ。
陸戦用空間シミュレータのある訓練スペースは今は新地になっているので、地上からは二人の姿がはっきりと確認できた。

「アクセルシューター!!」

「フォトンランサー!!」

二つの力がぶつかり、爆発が起きて、二人の姿が見えなくなる。
だが、その中でも戦いは激化していた。

打ち落としきれなかったアクセルシューターを躱して、フェイトはなのはの懐に飛び込んだ。

《Protection》

フェイトが振りかぶったアサルトモードのバルディッシュを、なのはは既のところで防ぐ。
そこでやっと煙が晴れた。

フェイトに向かって残ったアクセルシューターが飛び込む。
だが、それが着弾したと思われたその時、フェイトの姿は無数の蝙蝠に分かれて消えていった。

「やっぱり強いね。なのはは」

「フェイトちゃんも」

見えないフェイトに、なのはは話しかける。
高揚感がなのはを包み込む。フェイトもきっとそれと同じものを感じているだろう。
そして、それを見ている人達も。

「バンパイアの定石やな。姿を見せんことで、相手の恐怖や焦燥感を煽るんや」

はやてが分かりやすいように、見学している皆に説明する。
なのはが詠唱を開始する。なのはの周りを球形に包んだ桃色の膜はそれが、詠唱終了と同時に大きく広がっていく。


747 名前:この温もりをただ抱きしめたくて[sage] 投稿日:2008/03/29(土) 14:46:02 ID:tIsRW2us
「ワイドエリアサーチやな。
 これもエクソシストとして姿を隠されたときの定石やけど…普通は自分の周りだけを固めて飛んで探すんや。
 あんなに大きく広げるにはけっこうな聖力使うからやらへん。
 でも、なのはちゃんはほとんど遠距離型やから…相手がいる範囲にはいると逆に防ぎ切れへんし攻撃も出来へん。
 しかも相手は近距離・中距離型のフェイトやからな」

「二機ともすごいですね!!いいデータがとれますよ!!」

マリエルは目をらんらんと輝かせてそう言う。
いや、そっちかよ、とかいうツッコミをする程、皆野暮ではなかった。否、その戦いに熱中していた。

その膜の直径がなのは自身の10倍近くなったとき、反応を示した。

「くっ…!」

フェイトが少し焦りながらもなのはの死角から姿を現す。

「見つけた!」

なのはがレイジングハートを構えると、聖力を収束しはじめた。

「ディバイン…バスタァアア!!」

聖力の柱が、フェイトに向かっていく。
フェイトは避けきれないと悟ったのか、動かない。
だが、口元が動いているのが、はやてはほんの一瞬見えたような気がした。

その柱があとを引きながら消滅していく中、黒い塊が落ちていく。
なのはは慌ててそれを追いかけた。

「あれ!?なのはさん勝ちました!?」

スバルが昂ぶった声を上げる。

「さあ…どうやろな?」

はやては視線を逸らさずに、その白いマントを棚引かせるそれを見つめ続ける。
スバルはその様子に首を傾げながらも、はやての見ている先に目を移した。

落ちていくその背中にかなり接近した瞬間、なのはは気づいた。

《Round Shield》

《Riot Blade》

高密度の魔法刃をもったライオットブレードの両方をシールドに叩き込まれる。
高い防御力を持っているなのはだが、即席で作った防御聖円は支えきれず、吹き飛ばされてしまった。

「あぁっ…!」

その痛みになのはが声をあげた。だが、顔を顰めながらも、なのはの瞳はフェイトを捕らえたままだ。

「引っかけるなんてずるいよ!!」

「ずるくないよ!!戦略だから!!」


748 名前:この温もりをただ抱きしめたくて[sage] 投稿日:2008/03/29(土) 14:48:22 ID:tIsRW2us
なのはが頬を膨らますのを見て、フェイトは自慢げに口角を上げた。
なのはの砲撃を受ける際、ライオットブレードを盾にしてほとんどを受け流したのだ。
高密度の魔法刃なので、シールドを張るよりかなりましな防御になる。

《Flash Move》

なのはの靴から羽根が伸び、フェイトから距離を取るように羽ばたいた。

「逃がさない…!」

《Sonic Move》

フェイトは負けじとそれを追いかける。
こちらの攻撃が当たらない範囲に行かれたら、負けは確定だ。

「ザンバー!!」

二本の刀を合わせて、一つの剣にする。

「エクセリオン……」

なのははすでにチャージを開始していた。

フェイトがなのはに追いつくか、その前になのはが砲撃を放つか。

だが、フェイトが間合いに入る直前、何故か動きが鈍くなる。

「バスター!!!」

その間に、なのはの声と、溜まった聖力が放たれる爆音が聞こえた。

「あ〜、痛そうやな」

はやてはまさに他人事のようにそれを見て言った。
まあ、誰もがあんなのに撃たれたくないと思っているだろう。
そして、砲撃の残り火の中に、フェイトがかろうじで飛んでいるのを確認すると、一歩前に出た。

「勝者!!高町なのは!!!」

ワァァアア、と再び歓声。
なのはとフェイトは再び元の位置に降り立った。
遠目で分からなかったが、二人のバリアジャケットはかなりボロボロだった。
そこにマリエルが、目を光らせたまま飛び込むように向かってくる。

「ありがとうございます!!では、デバイス預からせて貰ってよろしいでしょうか?」

「あ、はい」

二人はバリアジャケットを解除して、それぞれのデバイスを渡す。
それを受け取るやいなや、マリエルは隊舎に向かって一直線に行ってしまった。

「ちょっ…!!私のもなんやけど…!!」

はやてが呼びかけるが既に遅し。
全く聞こえていないようだった。仕方がないとリイン自身にシュベルトクロイツを預けて隊舎に向かわせた。

はやてはフェイトとなのはの方へ向き直った。
すると、なのはが喜んでいるのを尻目に、フェイトは悔しいのかなんなのか、不思議な表情をしてそれを見ていた。


749 名前:この温もりをただ抱きしめたくて[sage] 投稿日:2008/03/29(土) 14:52:43 ID:tIsRW2us
「フェイト隊長、何であの時躊躇したん?」

あのまま突っ込んでいれば、フェイトが勝っていたはずだ。
しかし、その質問にフェイトは顔をほんのりと赤く染めて、目を逸らした。

「ちょっと戸惑っただけだよ。負けは負け。それでいいんじゃないかな?」

「……ふ〜ん」

はやては品定めするようにフェイトを一度見ると、

「じゃあ、フェイト隊長はなのは隊長の言うこと一週間聞くっちゅうことで」

そう続けた。

「……はい」

その様子はまるで飼い主に構ってもらえない犬のようだった。



************



「ずるいよ…なのは…」

ベッドに三人で入った後、あの模擬戦から寡黙だったフェイトがそう言った。

「ずるくないよ?戦略だから」

自分が言った言葉をそのまま返されて、フェイトは苦虫を噛みつぶしたような顔をした。
フェイトが間合いに入ろうとしたあの時、なのはから思念通話が来たのだ。

(フェイト、愛してる)

(えっ!?)

いつもだったら恥ずかしがって言わないような言葉を言われて、脳が考えることを中止していた。
そうしたら、いつの間にか桃色の光に包まれていたのだ。
だが、あんなことを言ってしまった手前言い返すことが出来ない。
フェイトは不満そうに唇を尖らせて、隣りにいるなのはをむぅ、と睨む。

一週間言うことを聞くという事になっているので、多少無理にでもしてしまおうとかいうことは出来ない。

「フェイト、ここからこっちに来ちゃ駄目だからね!」

更に釘を刺された。

「…はい」

その前に、ヴィヴィオが間にいるので行こうと思っても行けないのだが。
いや、いつもは寝てしまった後に色々したりするので、その釘刺しだろう。

「なのはママ?」

「どうしたの?ヴィヴィオ」


750 名前:この温もりをただ抱きしめたくて[sage] 投稿日:2008/03/29(土) 14:55:07 ID:tIsRW2us
「フェイトママと喧嘩したの?」

いつもと違う様子に、ヴィヴィオは少し不安に思ったのか、なのはにそう聞いてきた。

「ち、違うよ!!えっと……フェイトママがなのはママに悪戯するから、少しお仕置きしてるの」

「いたずら?」

「そうだよ」

「フェイトママ悪い子だ〜!!」

なのはの腕の中でフェイトの方へ振り返ると、メッと叱ってきた。
何だか情けないような気がしながらも、フェイトはヴィヴィオの小さな手が自分の頭をポンポンと叩くのを甘んじて受け入れていた。

それから数分も経つと、既に愛娘は寝息を立てていた。

「可愛いなぁ…」

フェイトは頬をユルユルにしてヴィヴィオの頬に張り付いている髪をそっとどかした。
なのははその様子を、母性に満ちた微笑みで見つめている。
ふと、フェイトの手が止まる。不思議に思い、なのははフェイトの顔に視線を移す。
フェイトがその視線に気づき、顔を上げた。

「…なのは」

「何?」

深刻そうな声色に、なのはも表情を固くする。

「私に抱かれるの…そんなに嫌?」

不安そうな面持ちでそんなことを言ってきた。

「…なんで?」

「だって…ずっと警戒してるし…。はやての言葉に乗せられて模擬戦するほど嫌なのかなって…。
 なのはは一度決めたらほとんど自分の意見を覆さないのに…」

「違うよ…!そうじゃなくて…!!」

声を荒げてしまってからヴィヴィオが寝ているのを思い出し、なのはは慌てて口を押さえた。

「何が違うの…?」

「えと…フェイトに触れられるのは…好きだけど…もう少し自重して欲しいと言いますか…」

なのはの顔色に少し悲しみの色が混じってきた。

「………身体ばっかり求められてるみたいで……」

「…なのは」

フェイトはヴィヴィオを起こさない程度に、なのはに近づき、緩く抱きしめる。

「……ごめん」

そして、そのまま頬に口付けた。


751 名前:この温もりをただ抱きしめたくて[sage] 投稿日:2008/03/29(土) 14:56:34 ID:tIsRW2us
「なのはが、なのはだから大好きなんだよ?私はなのはの心を、愛してるんだ」

今度はその柔らかな唇にキスを落として、もう一度、愛してるよと囁いた。

「なのはがそんなに気持ちになってたなんて知らなかったよ…本当にごめん。
 これからは…その…自重します」

最後の方の声が小さくなって、なのはは苦笑いした。

「うん!でも、やっぱり約束だからね。一週間の間に襲ったりしたらもう一緒に寝ないからね」

「…うぅ。なのはが可愛すぎるからいけないんだよ」

なのはの背に回した手を戻して、愚痴のようにそう零したフェイトは、なのはが少し赤くなっているのには気づかなかった。

「フェイトの馬鹿…」

「えぇ!?な…「しっー!!」」

ヴィヴィオが唸って身じろぎするのを見て、フェイトは口を噤んだ。
そして、目だけでその続きを訴える。
はっきり言ってとっても情けない顔だが、なのはにはそれさえも愛おしい。

「抱きしめて?」

「へ?」

「抱きしめて、さっきみたいに」

「…いいの?」

「言うこと聞くんでしょ?」

「う、うん」

フェイトはさっきと同じように片腕をなのはの方へ回した。
だが、それだけでは不十分だったのか、フェイトのもう片方の腕をとって自分の頭の下に回した。

「それじゃ、今日はこのままで寝ること。分かった?」

なのはが嬉しそうに微笑んでるのを見て、フェイトも微笑んだ。

「了解しました。我が姫君」

「…もう。フェイトの馬鹿……」

なのはは再びそう呟いた。しかし、先程のようにあたふたすることもなく、不敵に笑みを返した。

「おやすみ、なのは」

「おやすみ、フェイト」

二人は目を閉じてゆっくりとやってくる微睡みに、身を任せた。



************



752 名前:この温もりをただ抱きしめたくて[sage] 投稿日:2008/03/29(土) 14:58:13 ID:tIsRW2us
「なのは」

「フェイト」

「なのは♪」

「フェイト♪」

「なのは♪♪」

「フェイト♪♪」

「…あれは何ですか?」

ピンク色の空気を目の前にして、昨日よりは落ち着いて聞いてくるマリエル。

「昨日みたいんやなかったら大体あんなんです。ほぼ二パターンしかないから流石に慣れてもうたなぁ」

一緒に昼食を取っているはやては淡々と、そしてしみじみ答えた。

「最初はもう口から砂糖吐くかと思うたんですよ。いや、今もそうなんやけど…」

「朝はどうなの?」

「ああいう日は、なのはちゃんは寝坊せえへんので、部屋で三人で食べとるんですよ」

ふ〜ん、と言いながら、スパゲッティにタバスコを入れる。
空気が甘すぎるため、これでも足りないかもしれないと思いながら、それにマリエルは口をつけた。

「ヴィヴィオも〜!!」

二人の間から、そんな声が聞こえた。

「ヴィヴィオ〜♪」

「なのはママ〜♪」

「ヴィヴィオ〜♪」

「フェイトママ〜♪」

「……なんやろな。あの甘甘な家庭。あんなとこいたら糖尿病で死にそうやわ。っていうかいつまで続くんやろ……」

はやてはそう呟きながら、ソーセージにマスタードを塗りたくっていた。



Fin.


753 名前:アクエリアス[sage] 投稿日:2008/03/29(土) 15:01:30 ID:tIsRW2us
ほんのちょっとしたオマケ


「やっぱりあれで終わった方が良いかな?」

「え、あれって…?」

「なのはぁ♪血、ちょうだい?」

「えっ!?ここで!?ちょっとまっ…!!」

「かぷっ、ちゅ〜♪」



終わってください




あとがき
アホな内容でスミマセンorz
でも、普通に新婚甘甘を書くと、バンパイア関係なくね?とか思ってしまったのが運の尽きでしたorz
この二人は永遠に新婚状態だと思います…www
よし!!このバンパイア小説もやっと終わりですね!!
もう番外編もない…はず……。うん。

ではノシ
2009年03月05日(木) 22:55:27 Modified by coyote2000




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