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それぞれの優しさ3



643 名前: それぞれの優しさ [sage] 投稿日: 2008/10/06(月) 16:18:38 ID:1I2qfo7T

「なのは、ヴィヴィオ、次の任務が決まったよ、明後日には出発する」

ティアナの気持ちに気づいてしまってから2週間ほどした日
仕事から帰ってきたフェイトちゃんが夕食の席で報告してきた。

「フェイトママ、また出張〜!?」
「うん、ヴィヴィオ、私がいなくてもなのはママの言うことを聞いて
 いい子にしてるんだよ?」
「はい!フェイトママの留守中はヴィヴィオがこの家を守るであります!」
「了解!任務遂行に向けて全力で挑むように!!」
「「あははっ!」」

部隊ごっこをしてはしゃいでる二人を横目に
わたしは少しだけ憂鬱な気分になる。







644 名前: それぞれの優しさ [sage] 投稿日: 2008/10/06(月) 16:19:39 ID:1I2qfo7T

「フェイトちゃん、今回の任務はどれくらい?」
「うん、極秘任務だから内容は言えないんだけど
今回はちょっと長くなりそうなんだ……2ヵ月くらい…………」
「2ヵ月……ティアナも一緒だよね?」
「それは、私の補佐官だからね当たり前だよ。どうしたの今さらそんなこと?」
「ううん、別に……
 長い任務だから、やっぱりシャーリーとかティアナがいてくれると
 安心だな〜って、ただそれだけ」
「うん、そうだね
 特に最近はティアナがすごくよく頑張ってくれてるんだ
 やっぱり捜査官的な動きが出来る副官がいてくれるってすごく心強いよ」
「そっか、そうだよね、やっぱりティアナは優秀なんだね」
「うん、なのはの訓練のたまものだね、戦闘でも後ろを任せられるし
 すごく成長してる、頼りにしてるんだ」

「それだけ……?」

「え?何?ごめんよく聞こえなかったよ?」
「ううん、早くティアナも立派な執務官になってひとり立ちできるといいね、って」
「うん、そうだね!でもティアナならすぐだよ
 でもそうなっちゃうとちょっと寂しいけどね」
「……だめだよフェイトちゃん!ちゃんと早く一人前になれるように応援しなきゃ!」
「え?それはもちろんだよ、今のは冗談で……どうしたのなのは?変だよ?疲れてる?」
「そんなんじゃないよ、長期出張でフェイトちゃんいないんだって思ったら
 ちょっと寂しくなっただけ」
「そっか、ごめんね寂しい思いさせて……なるべく早く任務完了させてくるから」

「フェイトママー!ヴィヴィオも寂しいよー!」
「うん、そうだね、ごめんねヴィヴィオ
 フェイトママもヴィヴィオの学校生活が見れなくて寂しいよ」
「えーフェイトママ、それはいいよー恥ずかしいから」
「ふふ、帰ってきたらすぐに見学に行っちゃおうかなー」
「だめー!!」


――ああ、この愛しい光景をずっと見続けていたい……。








645 名前: それぞれの優しさ [sage] 投稿日: 2008/10/06(月) 16:21:25 ID:1I2qfo7T

3人でお風呂に入り、ヴィヴィオを寝かしつけた後の寝室。
ミッドの地上に引っ越してきてからは、ヴィヴィオには自分の部屋をもたせた。
なので今はフェイトちゃんと二人だけの時間。


「フェイトちゃん……寝ちゃった?」
「ん?まだだよ」


2人一緒のベッドは相変わらずなので、フェイトちゃんの体温を感じられる距離。
なのに、フェイトちゃんがすごく遠く感じて……。
ごそごそとフェイトちゃんの身体に寄り添う。


「どうしたの?まだ寂しい?」
フェイトちゃんが右腕をわたしの首の下に入れてきて、腕枕をしてくれる。
それでも足りなくてフェイトちゃんの肩と首に頭をすり寄せる。
「ごめんね、寂しい思いをさせて……」
夕食のときと同じ言葉をつぶやいて、左腕がわたしの背中に回されて抱き寄せられて
優しく額にキスをされる。
「なのは、最近ずっと新型装備のテストで疲れてるのに
 ヴィヴィオの世話も任せっきりで長期任務に出ちゃって……
 ごめんね、ありがとう」
「ううん、いいよそんなこと」


――むしろそれはわたしにしか出来ない幸せなんだから







646 名前: それぞれの優しさ [sage] 投稿日: 2008/10/06(月) 16:24:03 ID:1I2qfo7T

眠りについてしまいそうなフェイトちゃんに、しがみつきながらねだった。

「ねえ、フェイトちゃん……抱いて?」

一瞬目を見開いたフェイトちゃん。
そうだよね、わたしからこんなこと言い出したの、初めてだもんね。
でも、すぐに優しく目を細めて、触れるだけの口付けをくれる。
「なのは、疲れてるのに大丈夫?」
「ん、大丈夫だから、だからお願い」
そんな気づかいはいらない、壊れるくらいに強く抱いて欲しい。

「なのはにお願いされて断るわけがないよ」
わたしに覆いかぶさるように体勢を変えたフェイトちゃん。
「なのは……愛してるよ……」

触れるだけのキスを何度も繰り返してわたしに愛の言葉をくれる。

「フェイトちゃん、わたしも愛してる
 だからフェイトちゃんもわたしだけを愛して……」

頬にキスをされ、そのまま唇が耳元に移動してきて
「うん、なのは……なのはだけを愛してる……なのは……」
耳元で優しく囁かれる。
それだけで全身が痺れてくる……耳を甘噛みされ、舌を入れられ
同時にフェイトちゃんの左手がパジャマの上からわたしの胸をなでる。

「あ……んっん……」
我慢しきれず声が漏れてしまう。
ピチャピチャと耳元で音を立てられ、それが情欲をかきたてる。
「はぁ……ぁ……はぁ」
フェイトちゃんの息づかいが荒い。
興奮してくれているのがわかって嬉しい。

「んぅ……ん……」
噛み付くようなキスをされ、舌を入れられる。
お互いの舌が口内で絡みつく。
激しく舌を吸われて……パジャマのボタンをはずすのももどかしげに
上のボタンを二つはずされたところでフェイトちゃんの手が胸元に滑り込んできた。
しばらく会えないことがフェイトちゃんの情欲に火をつけているのだろうか
それとも、初めてわたしから求めたから?
いつもよりも性急で、激しい。

でも、足りないよ、もっと、もっと激しく愛して――






647 名前: それぞれの優しさ [sage] 投稿日: 2008/10/06(月) 16:25:08 ID:1I2qfo7T

―*―*―*―

「あっ……ああっ…………」
フェイトちゃんの指がわたしの中を突き上げる。

「フェイトちゃ……ん……あっ……いいっ」
フェイトちゃんのこと以外何も考えられなくなる。
フェイトちゃんの濡れた瞳を見つめながら
もう、声を抑えることなど、とっくに放棄していた。

でも、まだ、足りない。
「ふっ……ああっ……フェ……イトちゃ……ん
 もっと……もっ……と、してっ!!」

「なのは……なのっはぁ……」
ただ、フェイトちゃんだけでいっぱいになって
その身体の熱を感じながら
フェイトちゃんの背中に爪を立てて

「あっ……ぁあっ……ん……あ……あああぁぁぁっ!!」


わたしは意識を手放した。




――フェイトちゃんの中をわたしでいっぱいにしてください

――他の人など入り込む余地のないくらいに

――離れていても、わたしの熱を忘れないで






652 名前: それぞれの優しさ [sage] 投稿日: 2008/10/06(月) 17:10:32 ID:1I2qfo7T

 ―*―*―*―


「フェイト執務官、今回の任務は少々やっかいだぞ
 君に負担が多くかかると思う、すまないが頼む」

フェイトさんと執務官補佐2人……つまりあたしとシャーリーさん。
3人で艦船の提督室に行き、でクロノ提督と任務前の最終打ち合わせをしていた。

今回の任務は管理外世界でのものだった。
未確認のロストロギアの反応があり、その調査と回収が目的。

管理局は基本的に管理外世界への干渉をあまり好まない。
次元世界や地上世界だけでも、危険なロストロギアの違法捜索や不法所持があるのだ。
管理外世界の、まして未確認のものに対しては手を出したくないのが本音ということ。

「要は、寝た子をわざわざ起こすなということだな」
クロノ提督が言う。
しぶる管理局に無理やり出動許可を取り付けたのは
そのロストロギアが秘匿級のものである可能性があったからだ。
そんなものを技術者型の広域犯罪者が私的利用するようなことがあったら……
JS事件のような危険な事件に発展しかねない。
かの事件に深く関わっているクロノ提督とフェイトさんはそれだけは防ぎたかったのだ。

でも、難色を示していた管理局は人や機材を満足に揃えてはくれなかった。
なので今回の任務に関してはかなりの少数航行になっている。
そのうえほとんどが事務系の局員か陸戦魔導師で
魔導師ランクもBの人たちばかり。
飛行魔法が使えるのはフェイトさんとあたしだけ。
つまりロストロギアの調査といっても
有効な捜査ができるのは実質2人しかいないのだ。
他は人海戦術的な作戦をとるしかない。







653 名前: それぞれの優しさ [sage] 投稿日: 2008/10/06(月) 17:11:23 ID:1I2qfo7T

「僕自身が関われるのも最初の3日だけだ……帰りは迎えに来る。
 ……まったく、クラウディアは送迎タクシーじゃないんだがな。
 でもそれが今回の任務の許可をもらう条件だった……すまない」

「大丈夫です、クロノ提督。
 クラウディアは管理局でも主力艦船ですから……
今回のような任務のために長期航行に出られないのはしょうがないです。
 でも今回の航行メンバーはみんなクロノ提督の意思に賛同してくれてる人たちですし
 シャーリーもティアナもいてくれます、2ヵ月なんてかからずに
 すぐに迎えに来てもらえます、きっと」

「そうか、そうだな、とにかく全力を尽くそう……
 シャーリーとティアナもよろしく頼むぞ」

「はい!クロノ提督」
あたしとシャーリーさんは声を揃えて返事をした。
任務を無事に成功させたい、フェイトさんのためにも……。







654 名前: それぞれの優しさ [sage] 投稿日: 2008/10/06(月) 17:13:35 ID:1I2qfo7T

 ―*―*―*―

この世界にきて3日が過ぎたが、捜査には何の進展もなかった。
「フェイト執務官、申し訳ないが僕は先に管理局に戻る。
 現場は離れるが管理局から出来る限りのフォローはするつもりだ。
 こちらの指揮は任せた……すまない、頼むぞフェイト」
「わかってるよ……お兄ちゃん」

艦の出航を見送り、あたしとフェイトさんは捜査本部に戻った。
……本部といっても簡易的な建物。
普段の任務では艦船が本部になるのだが今回はそうもいかない。
十分な機材も無く、さながら戦地のベースキャンプといったところか。
唯一の救いはシャワー設備があることくらいだ。

この世界にも住人はいる。
それなりの街もあるのだが、管理外世界の住人と深く関わることは管理局が
あまり良しとはしてくれないことと、ロストロギア事件の傾向として
都市部よりも郊外や森の中などに拠点を構える犯罪者が多いこともあり
必然的に捜査本部も人の寄り付かないような森の入り口に置かれている。


ただでさえ少ない今回のメンバーのうち3分の1はクロノ提督とともに戻ってしまった。
残されたのは、フェイトさんと私たち副官の2人。
それに陸士たちが6人、事務系の局員が2人……この人数で捜査に当たる。


「私とランスター補佐で森と居住地外をサーチと上空から捜査します。
 陸士の皆さんは街を、その他の局員はサーチ結果の分析と本局報告の情報整理
 シャーリーが全ての管理管制と本局との通信を行うこととします。
 この世界は街もたくさんあるし、森や砂漠などかなりの広さがありますから
 しらみつぶし的な捜査になると考えられますのでかなり忍耐力が必要でしょう。
 ですが、必ず期間中にロストロギアを発見し、犯罪者を確保しましょう!」
「はいっ!了解しました、テスタロッサ・ハラオウン執務官!!」

「もしも被保護者がいた場合、その救出を最優先してください」
一斉に返事をした局員たちにフェイトさんが念を押してミーティングは終了した。







655 名前: それぞれの優しさ [sage] 投稿日: 2008/10/06(月) 17:14:47 ID:1I2qfo7T

―*―*―*―

フェイトさんが指揮をとって捜査を始めてから1ヶ月が過ぎた。
しかし捜査の進展具合は遅々としたものだった。

この世界の住民たちのほとんどには、少しだけ魔力がある。
魔力といっても、火を熾したりかすり傷を治療したりする程度のもので
一般人とほとんど変わりない。

だが、この魔力が捜査を混乱させているというのである。
居住区の捜査をしている陸士たちのサーチ能力はさほど高くない。
そのため、些細な魔力反応が邪魔をしているというのが陸士たちの報告だった。


「でもいくら何でもここまで進展しないのは予想外ですね……」
「うん、居住区外の捜査はある程度終わってきているし、あとは私が一人でやるから
 明日からはティアナも陸士たちのフォローにまわってもらおうかな」
「わかりました、そうします」
最初からそうしていれば良かったのかもしれないが、
なにせ森や砂漠は広大だ……フェイトさん一人でというわけにはいかなかったのだ。
それに、管理局の方針のせいであたし達が大っぴらに居住区を飛んだり
強力な魔法を使ったりはできなかったというのもある。

「ティアナも陸士たちと地上を歩き回るしかないけど……お願いするね」
「はい、任せてください!
 もともと飛行魔法を習得するまでは地上を走り回っていましたから得意分野ですよ」
「ふふ……優秀な補佐官で良かったよティアナ、頼りにしてるよ?」
「ありがとうございます。
少しでも早く解決してミッドに戻りましょう!」

張り切って返事をしたあたしを、フェイトさんがちょっと驚いた顔をしてみつめる。
「……どうかしました?」
「ん?いつものティアナなら照れるとこなのにな〜と思って……
 なんかキリッとしてて見とれちゃってた」
「なっ……どうしていつもそうやってからかうんですかっ」
「あはは、ほんとだよ、ほんと」

また……ほんとこの人はあたしを赤面させるのが上手い。
でも、こんなやりとりがあたしのささやかな幸せなんだ……。






656 名前: それぞれの優しさ [sage] 投稿日: 2008/10/06(月) 17:17:04 ID:1I2qfo7T

「フェイトさん、シャワー空きましたよ」
「あ、ありがとう、私はあと少しだけデータ考察したいから……明日の朝にしようかな。
ティアナは先に休んで?モニターとかちょっとまぶしいかもだけど、ごめんね」
「それは大丈夫ですけど……
あの、フェイトさんあんまり無理しないでくださいね」
「うん、大丈夫だよありがとう、おやすみ」
「はい、おやすみなさい」


本部は簡易的であるゆえかなり手狭になっている。
そのため基本的に2人1部屋で構成されていた。
ただし、フェイトさんは指揮官になるので当然1人部屋だった。
あたしはシャーリーさんと同室ということになっていたのだが
捜査方法の考察や打ち合わせのために
遅くまでフェイトさんの部屋にいることが多かったので、滞在1週間くらいで
フェイトさんの提案であたしがシャーリーさんとの部屋から移ってきたのだ。
普段の任務ではフェイトさんと一緒の部屋になるなんてあり得ない。


……ぶっちゃけ、困る。
いや、嬉しいのだ、現場でも部屋でもフェイトさんと一緒にいられる。
別々なのはトイレとシャワーくらい……
良く考えたらかつてのスバルと同じような状況ではあるのだけど
なにせフェイトさんだ。

好きな人と四六時中一緒なんて……生殺しじゃないか。
いやいや、あたしはフェイトさんと一緒にいられるだけで幸せなので
それ以上どうこうとか考えているわけではない。
でも、やっぱりいろいろと困る。

フェイトさんときたらいろいろ無防備だったり、とにかくあたしを動揺させるのだ。
寝るときはどうにも悩ましげなパジャマ(というか下着!?)だし。
狭い洗面所で「ちょっとごめんね」とか言いながら
あたし越しに歯ブラシを取って……ちょっ背中に当たってますって!とか。
シャワー室からバスタオル1枚で出てきて「替えの下着忘れちゃった〜」とか……
執務官の顔と違いすぎます……どんなドジっ娘ですか…………。

でも何よりも……フェイトさんは朝が弱い。
ときにはあたしが揺り起こさなければならないのが困る。
ただでさえ悩ましい格好なうえに、今までに2回、寝ぼけて抱き寄せられた……。

……本当に勘弁して欲しい。
とにかくいろんなことで動揺し過ぎて神経が持たない。

――なのはさんは、こんなの慣れているんだろうな……






657 名前: それぞれの優しさ [sage] 投稿日: 2008/10/06(月) 17:17:56 ID:1I2qfo7T

この任務中、何度も考えた……なのはさんのこと。

なのはさんならこんなときどうするんだろう?
なのはさんはやはりフェイトさんと一緒のベッドで寝ているんだろうか?
毎晩フェイトさんに抱き寄せられて……キスされるんだろうか?
愛の言葉を囁かれて、優しく抱かれるんだろうか……。


――なにを、ばかなことを考えているんだろう


でも……考えが止まらない。
側にいるだけで幸せだと思いながら、なのはさんを羨ましいと思う自分がいる。


なのはさんは、あたしのことどう思っているんだろう……。
教え子であるし性格や戦術、あたしのことをよく知ってくれている。

でも、そんな自分が、いつもフェイトさんの隣にいることは?
本局勤務のときは家に帰っているけど……今回のような長期任務はよくあること
そんなときは常にあたしが側にいると知っているわけだし。

……やはりいい気持ちはしないのだろうか?
いや、それを言うならシャーリーさんだって同じ……。
やっぱり、特に何も思っていないだろうか。
それとも、もしかしてあたしの気持ちに気づいていたりする?
そんなはずはない、他の誰にだって気づかれていない。

あたしはなのはさんを尊敬している。
フェイトさんと同じくらいに……いやもしかしたらそれ以上に。
六課時代のまだ未熟だったあたしをここまで育ててくれたのはなのはさんだ。
あの人の優しさと厳しさに憧れ、あの人からの信頼に応えたいと思い頑張った。
そして、なのはさんもあたしに出来うる限りの技を伝授してくれている……。

裏切ることは出来ない、あたしの思いは一生胸の中にしまっておかねばならない。

なのはさんが羨ましい、フェイトさんに愛されているなのはさんが。



…………ダメだ、思考が支離滅裂だ、もう、寝てしまおう。
デスクスタンドとモニターの明かりに照らされた横顔をもう一度見つめてから
あたしは瞼を閉じた。



それぞれの優しさ4
2009年08月30日(日) 17:59:27 Modified by coyote2000




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