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たまには困らせたくて

937 名前: 名無しさん@ローカルルール変更議論中 [sage] 投稿日: 2009/02/21(土) 23:14:03 ID:EFeMCMnh

人が居たのか、ありがとう。なのはとフェイトで、フェイトそんヘタレへの自覚
※はやての一人称がうちなのはスルーして、なのはがツンデレに見えるのは気のせいだと思う
では、5レスほどお借りします



938 名前: たまには困らせたくて [sage] 投稿日: 2009/02/21(土) 23:14:41 ID:EFeMCMnh


組み敷かれて、不安になるべきは、なのはのはずだ。それなのに――
下から見つめてくる蒼い瞳は、少しも揺らぐことはなく、どこか余裕気にも見える。
なんだか、面白くない。

困らせるつもりなど、全くなかったが……、気が変わった

二人は黙ったまま動かずにいた。お互いがじっと相手の動きを待っている。
聞こえてくるのは微かな息遣いと、アナログ時計の秒針だけで。部屋の中はしんと静まり返っていた。
なのはの視線は相変わらずまっすぐで、受けるフェイトが痛いと思うほど。
フェイトも負けじと睨み返す。
逸らしたりはしなかった。そうすることが、負けを認めることになると思ったから。
二人の間に言葉はないが、なのはの瞳が「フェイトには出来ない」、そう雄弁に語っているようで。
それがまた、フェイトには面白くなかった。

私は出来ないのではない。あえて、しないだけだ。
フェイトはそんなことを考えていた。

なのはは、私が優しすぎる人間だと思っているようだが、私は優しいばかりの人間ではない。
もちろん、なのはから優しいと思われることはやぶさかではない。
私は、私のもてる精一杯の優しさで、彼女に優しくしようと思い、またそのように行動しているつもりだ。
それは、私が彼女を愛しているからで、同じように愛してもらいたいと思っているから。
私の中では、いつもなのはへの愛が溢れている。その愛ゆえに、私はしないのだ。
私は既に何もしらない純粋な子供などではなく、必要であれば涙など流さず、何の感情も持たずに卑劣なことだって出来る。
それが、いいとか、悪いとか、そんなことを考えている暇などない世界にいるからだ。

困らせることも、傷つけることも、本当は簡単に出来るんだよ?

つまり、何が言いたいのかというと。
なのはを困らせるのは嫌だけれど、たまには困った顔を見てみたい。
そういうことなんだ。



939 名前: たまには困らせたくて [sage] 投稿日: 2009/02/21(土) 23:15:21 ID:EFeMCMnh


フェイトは考えを中断して、意識をなのはへと戻した。
真下からぶつかってくる鋭い視線がゆるむことはない。いまだ、挑むようにこちらに向けられていた。
いつものフェイトなら、こんな風に彼女に睨まれるだけで、例え自分に否がなかったとしても思わず謝っていただろう。
今だって、結構ちくちくと神経が刺激されていた。気を張っていなければ、平静を装っていられそうにもない。
そんな自分に、やれやれとため息をつきそうになる。

なのはには敵わない。自分が一番よくわかっている。
どう足掻いたとしても、フェイトがなのはに敵う事はないのだ。彼女の前では、いつだって無条件降伏をしてしまう。
それは、なのはが怖いからではない。可愛いからだ。
なのはが、可愛くてしかたがないのだ。

フェイトが苦笑すると、それを降参だと受け取ったのか、
一文字に美しく結ばれていたなのはの口角がゆっくりと上がってゆく。
唇がきれいな曲線を描き終わると、なのはが穏やかな口調でこう言った。
「やっぱり、フェイトちゃんには無理だよ」
微笑みをたたえた顔は、組み敷く前と変わらず、自信たっぷりで。とても魅力的に見える。

私も最初は無理だと思っていたけれど
だけど、気が変わったから
――ごめん

フェイトは、なのはに微笑み返しながら心の中でそっと謝る。これは、自分に与えられた「チャンス」。
そんな風にフェイトは思った。
私が、いつもなのはの思惑通りに行動するわけではないことを、なのはに解かってもらうためのチャンスだ。
私の所為で慌てるなのはを見たいと思うのは、たまにはぐらいだったら、許されてもいいだろう。
だけど、やっぱり心苦しくもあるから。最後に、言い訳をさせてもらいたい。

最初は、なのはを困らせる気なんて全然なかったんだよ?

フェイトが、なのはとの距離を一気に詰めると、それは簡単にゼロになった。
距離がなくなるその瞬間、驚きに見開かれた瞳がうれしくて、フェイトの口許に笑みが零れた。
二人の唇の間から漏れた声は、果たしてどちらのものだったのか。
耳を掠めたそれは、どこか切なく、どこまでも甘い響きを含んでいた。
ゆっくりと目を開くと、全体を捉えられないほど近くに、なのはの端麗な顔があって。
フェイトは予測していたにもかかわらず、その事実に一瞬戸惑い、息が詰まる。
だけど、それもほんの1、2秒のことで、すぐに意識がある場所へと引き戻された。
唇に感じるやわらかな感触。

ここで終わらせてもよかったけれど、それじゃあ面白くないから

紅い瞳が楽しげに細められ、再びゆっくりと閉じられた。




940 名前: たまには困らせたくて [sage] 投稿日: 2009/02/21(土) 23:15:51 ID:EFeMCMnh

*****

「そして、その瞳が再び開くことはなかった。なーんてな」
はやてが軽快に笑う。
なのはは慌ててフェイトを揺さぶった。
「フェイトちゃん? 大丈夫?」
う〜ん、と唸るだけで目は覚ましてくれそうにない。そっと触った後頭部にはこちらが痛くなるほど、
大きなこぶが出来ている。
「そのまま寝かせておけば?」
こうなる原因を作ったアリサがそっけなく言って、教科書をめくった。
「なのはちゃん、とりあえず何か冷やせるもの持ってこよう?」
すずかだけが、倒れたフェイトを心配してくれた。

なのはとフェイトの他に、部屋にはこの面子が居て一緒に勉強をしていたわけで。

「全く…。何やってんのよって話よ」
「いや、うちとしてはあのまま続けてもらってもよかったけどなぁ」
「はやて」
「すいません。なんでもありません」
アリサに低い声で呼ばれ、はやてが真顔で即答した。
「でも、なんでこうなったの?」
すずかのもっともな質問に、びくっとはやてが肩を揺らせる。アリサが、目聡くそれに気づいた。
「はやて」
「いやぁ、なんでやろなぁ。うちにもさっぱり…」
「は・や・て」
はやてがアリサから顔を逸らし、あさっての方向を向いた。
その視線はしばらく部屋の中をさまよっていたが、突き刺さる鋭い眼差しに耐えられなくなったのか、
「あー、なんていうか、その。いや、でも、うちのせいだけやないでっ。それだけは信じてっ!!」
「あんたね…」
「ちょっ、そんな目で睨まんといてぇや。うちか弱いんやし、心臓とまってしま」
もちろん、はやてがフェイト同様に辞書で殴られたのは言うまでもない。

「全く…。もう帰ろうかしら」
「アリサちゃん」
「…何?」
すずかの呼びかけに、アリサは何故か嫌な予感がした。
いつも通りの声質で呼ばれた自分の名前、だがそこにはいつも通りではない何かが含まれていた。
見た目そのままに、温和で、おとなしいすずかだったが、たまにこちらの想像を超えた発言をすることがある。
胸中を渦巻く不安と緊張に、アリサの額に薄っすらと汗がひかる。その態度とは対照的に、穏やかな空気をまとうすずか。
いつの間にか、再び部屋全体が静寂に包まれていた。
すずかがにこりと微笑むと、アリサの喉がごくりと音をたてた。一呼吸置いて、
「わたしも、たまには困ってみたいな」
なんともいえない空気が漂っている部屋の中で、すずかの笑顔だけがきらっきらと輝いていた。

*****



941 名前: たまには困らせたくて [sage] 投稿日: 2009/02/21(土) 23:17:01 ID:EFeMCMnh

続いていたはずの、フェイトそんのターンの妄想
*****

フェイトは少し角度を変えて、まず自分の唇となのはのそれとが、隙間なくぴったりとくっ付くようにした。
彼女のやわらかな唇の感触を放すのが惜しくて、たっぷり一分はそのままで。
それから、自分の唇を少しだけ開き、なのはのそれを優しく食んで。ときおり漏れる甘ったるい吐息がフェイトの耳をくすぐる。
そろり、唇に舌を這わせると、ぴくりとなのはの体が震えたのが分かり、フェイトは薄く目を開いた。
見ると、なのはの形の良い眉が下げられていて、ぎゅっと瞑られた瞼に、思わず笑みが零れる。
唇をぺろりと舐めてから、今度は舌先で小さくノックして、フェイトはその扉を開けてくれるようにお願いをする。
ややあって、薄く開いたそこへするりと舌を差し入れた。
逃げようとする彼女の舌を追いかけて、自分の熱いそれと絡ませて、軽く吸い上げて、甘噛みをして。
フェイトは、自分の身体がだんだんと熱くなっていくのを感じていた。なのはの腕が、首に巻きついてくる。
鼻から抜けるような甘い声が頭の中に響いてくると、たまらず意識が飛ばされそうになり、フェイトはそれをぐっと堪えた。

……本当はやめたくないけれど、

歯の裏を優しくひと撫でし、最後に軽く、口の端にちゅっと音をたてて口付けて。名残惜しそうになのはから離れた。
乱れてしまった呼吸を整えながら、フェイトは愛しいその人の瞳が、早く自分を捕らえないだろうかと待っていた。
長いまつ毛が微かに震え、ゆっくりと瞼が開けられてゆくその様は、息を呑むほどに美しく今更ながら驚いてしまう。
やっと姿を現した瞳は、こちらを向いてはいるものの、焦点を結べないのか、微かに揺らいでいて。
「なのは」
思わずフェイトが呼びかけると、その色が深みを増した。熱の篭もった眼差しと視線が交わる。
なのはの上気した頬がなんとも可愛くて、フェイトは微笑んだ。
「私の勝ち、だよね?」
近づいてわざわざ耳元で囁いてから、フェイトはもとの位置へ戻り、じっとなのはを見つめてみる。
フェイトの言葉がすぐには理解できなかったのか、なのはが、え?と驚いた顔になり、ついで左右に目が泳ぎはじめた。
その様子をただ黙って眺めていたら、しばらくして、観念したのか、その愛らしい口から小さく溜め息が零れた。

私は嬉しくなって彼女の言葉を待つ。




942 名前: たまには困らせたくて [sage] 投稿日: 2009/02/21(土) 23:17:36 ID:EFeMCMnh


「……知らないっ」

ぷいっと顔を背けてしまったなのはに、フェイトは一瞬ぽかんとして。
え?ええっ?
余りと言えばあんまりな、なのはの言葉に抗議しようと口を開きかけて、そして――
何を言うこともなく、それは閉じられた。
フェイトは見てしまったから。
真っ赤になった耳、先ほどよりも赤みを帯びた頬、薄っすらと染まった滑らかな肌を、
フェイトは見てしまったのだ。愛すべきこの姿に、一体何を言えるのだろう。
目の前にいるなのはが、どうしようもないほどに可愛くて、どうしたらいいのか分からずに、
フェイトの眉尻が少しずつ下がっていく。
フェイトは途方にくれてしまった。

なのはが可愛すぎて、困ってしまう……

両腕の力を除々に抜いて、体重をゆっくりと目の前の愛しいその人へと預けると、大好きなにおいがフェイトを包み込む。
なのはの首筋に顔を埋めて、そっと眼を閉じる。一層強くなったそれに、頭がくらくらとした。
フェイトを酔わす、不思議なにおい。
唇から思わずもれた吐息に、なのはの身体がぴくりと震えた。
「…んっ」
その反応に、フェイトはしばらく思案し、今度は意図的に息を吹きかけてみる。
「やっ…、くすぐったいよ」
フェイトに出来るのは、せいぜいこの程度なのだろう。ほんのささやかな、でも精一杯の最後の足掻き。
いつだって、困ってしまうのは私の方で。だけど、それが嫌ではないと思う自分がいるのだ。
だから、きっと、これからも変わることはないのだろう。
フェイトがやれやれとため息をつく。

自分の意思がこんな行動で伝わったかどうかは怪しいが、
なのはが笑いながら身をよじり、可愛い声を聞かせてくれたから。
だから、諦めることにした。しようがない。自分が一番分かっている。

「私の負けでいいよ…」
「もうっ、フェイトちゃんっ!」

ぽつりと呟いた敗北が、なのはの声に紛れて消えた。

※優し過ぎる[優しいばかりの]人というのは、ここではヘタレを意味します




943 名前: 名無しさん@ローカルルール変更議論中 [sage] 投稿日: 2009/02/21(土) 23:18:12 ID:EFeMCMnh

*****
おしまい
ひとつ質問だが、ちゅーって中学生以上ならおKなのか
分からない
2009年09月13日(日) 22:17:27 Modified by coyote2000




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