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てるてるぼうず

36 名前: 名無しさん@秘密の花園 [sage] 投稿日: 2008/04/24(木) 01:10:03 ID:waLy6Sc0

よーし、それではベタ甘を増やすために >>32 に加勢するぜっ

というほど甘味コテコテでもないのですが、4レスほど使って投下させてくださいな

フェイなので、イチャイチャしているだけの話です
とりたててヤマもオチも意味もありません、お気をつけください



37 名前: てるてるぼうず [sage] 投稿日: 2008/04/24(木) 01:12:00 ID:waLy6Sc0


雨の日は嫌い、空が見えない。

しと、しとと、春雨が窓縁を打ち、待ちかねていた休日を黒白に染める。
せっかくフェイトちゃんが休日をあわせてくれたのに、予定が全滅。

墨染めの空は、白黒はっきりつかない曖昧な態度でクラナガンを覆い尽くし、
窓ガラスに映ったサイドポニーの教導官さんの似姿も、すっかりと意気消沈のご様子。

背後で時化っているのは、最愛の執務官さんと、その膝の上で遊ぶ愛娘。

気が付けば会話も無く、酸素と窒素の隙間にゼラチンを流し込んだみたいな、
酷く纏わりつく重たい空気に耐えかねて、振り返ってみれば、伸びていた。

フェイトちゃんがソファーの上で、ヴィヴィオの頬っぺたを摘まんで伸ばしていた。





38 名前: てるてるぼうず [sage] 投稿日: 2008/04/24(木) 01:12:58 ID:waLy6Sc0


 『てるてるぼうず』



何をやっているのかなと、後ろからフェイトちゃんを摘まんでみる。

「にゃ、にゃのは、頬っぺたは摘まむものじゃないんだよ?」
「えーと、そこまで我侭な発言をされてしまうと、いっそ清々しいかな」

伸びる頬っぺたの柔らかさに、何故かしら概視感を覚えながら、指先でふにふにと声を聞く。
そうだ、レモンスライスを用意しよう、頬っぺたに貼り付けてやるの。

踵を返して台所、冷蔵庫からタッパーを取り出して、そのままソファー目掛けて強襲実行。
一枚、二枚とレモンスライスを、フェイトちゃんの頬っぺたに貼り付けていく。

三枚、四枚と貼り付けて、何かこうレモンパックというよりは、怪人レモンスライスといった風情。
そして今、レモンスライスの怨念が産み出した悲劇の怪人風味が、その心のうちを詳らかに語る。

「なのはママは時々、わからない事をするね」
「いまだにヴィヴィオの頬っぺたを離さない人に、言われる筋合いは無いなぁ」

言われて何か、神妙な顔つきで伸びるヴィヴィオを見つめなおした金色の人。

「…はい」

片方を空けてくれた。

「いや、そうじゃなくて」

たしかに、よく伸びて気持ちが良い。

「こんな憂鬱な空模様の日に、何故に娘の頬っぺたを伸ばしているのかと聞きたいのです」
「えー、でも湿気を吸ってよく伸びるよ」

真顔で嘘を言わない、あとレモンスライスを貼り付けたままシリアス顔しない。
それと、ヴィヴィオも嬉しそうに「のびのびー」とか言わない。

反省の色が欠片も見当たらないので、フェイトちゃんの頬っぺたを伸ばす事にする。
唇を寄せて、レモンスライスを捕食してから、空いた頬っぺたを捕獲。

両手に異なる頬っぺたの感触が伝わって、なんというか、これはとても柔らかい。
ヴィヴィオが意外に餅肌、いや、フェイトちゃんがスベスベすぎるのか。

はやてちゃんの、おっぱいにかける情熱を少しだけ理解出来てしまい、不覚。




39 名前: てるてるぼうず [sage] 投稿日: 2008/04/24(木) 01:13:44 ID:waLy6Sc0

されるがままに伸びている二人の緩みきった表情に、体温に、何となく癒された。
そんな新しい世界が開けてしまいそうな予感は置いておいて、ちょっとだけ愚痴ってみる。

「3人でお出かけするの楽しみにしてたんだよ、昨日なんか、なかなか寝付けなかったし」
「うん、いじり甲斐があった」

フェイト執務官、正直なのは感心なの、このままクロノ君の妹をファックしても良いよね。
でもそれをやるとヴィヴィオの情操教育的にピンチなので、眉が下がるまで引っ張る、実行。

それを見たヴィヴィオが、伸び伸びとかせがんできて、あう、何か間違ってたかも私。
だけどヴィヴィオに新しい世界はまだ早いし、兎にも角にも話題を変えて、というか戻そう。

「問題は、今日をどうやって3人で過ごすかという事なのです」
「引っ付いていれば、いいんじゃないかな?」

あっさりと答えられる。

あまりに自然な発言だったから、自然な流れで頷いて、
声の音を受けた耳たぶから、するりと言葉が頭に入り、内容を咀嚼して、理解。

一息に頬が熱くなるのを感じる、きっと今、私の頬っぺたを引っ張られたらすごい事になる。

そうだ、私の頬っぺたは引っ張ってもらっていない、ヴィヴィオはあんなに伸びているのに、
私の頬っぺたをフェイトちゃんが引っ張ってくれなかったら、誰に引っ張って貰えばいいの?

違う、記憶の中のアリサちゃんが、こんな状況で私を思い出すなこの馬鹿ップルと叫んでいる。
駄目だ、頭が混乱して何を考えているのか、自分でもよくわからない。

フェイトちゃんの手が伸びる、頬っぺたを期待する、何で?
いやそうじゃなくて、肩を寄せて、抱き寄せられる。

「雨が止んだら、買い物にでも行こうか」

耳元で囁かれた楽しそうな声に、柔らかく抱きとめてくれた身体の、甘い匂いに、
思考に致命的なエラーが生じて止まり、何か暖かいものが胸で満たされて、呼吸も止まる。

「……うん」

いろいろと胸に詰まっているせいか、ようやくに出た声は、
自分でも信じられないほどに弱々しくて、

引っ付いているのがそんなに嫌なのかと聞かれますとそんなはずはないわけでして
それなのにこんなに弱気な反応では何か誤解されてしまうのではないかと危惧しま
した私としましてはもう全力全開で頭をぶんぶん振るし抱きつくしでもこれだと外
にお出かけが嬉しいのかと思われそうだけどそれも違うのとかどうすればいいのか。

暫く、気が付いた時にはヴィヴィオの頬っぺたが、すごい事になっていた。





40 名前: てるてるぼうず [sage] 投稿日: 2008/04/24(木) 01:14:19 ID:waLy6Sc0


(余談)



雨上がりにお買い物。

目に映る世界の水分が陽光を反射して、思いがけず綺麗。
隣を歩く執務官さんも、どことなく陽気な風情が見て取れる。

石畳の歩道の水溜りに、おろしたての長靴で、ヴィヴィオが遊ぶ。

走ると危ないよと声が聞こえ、転びそうになるところを、通りすがりの青い狼が咥えてセーフ。
おーかみさんだぁと嬉しそうによじ登り、長靴の泥で毛皮が汚れても、眉一つ動かさない。

いや待て、そこの眉毛犬。

どんなに紳士な対応を見せたところで、唐突な理不尽さは誤魔化しきれないの。

「何で居るんですか、ザフィーラさん」
「あ、呼んだの私」

そそくさとスタンプカードに足跡を捺してもらいながら、フェイトちゃんが答える。
なんだろう、あの「ザフィーラをモフモフする会」とか書かれているカード。

いや、お願いだから遠い目をしながら「あと2P」とか言わないで。

遥かな世界に一瞬、だけど閃光のように輝きながら突貫しそうな金色の人に、
何か根源的な不安に抱いてしまい、思わず手を伸ばして押し留めようとした。

差し出した手に、差し伸べられたのは、からっぽの手。

「ザフィーラとられちゃって、手持ち無沙汰なんだ」

視線を移すとモブ担当の青い毛皮には、元気にヴィヴィオがしがみつき。

しかし犬型毛玉の首周りのあたりには、さりげなくフェイトちゃんの手が置かれ、
今まさにモフモフ感を楽しんでいる最中で、どこが手持ち無沙汰なのかと。

そもそもに先ほどから、差し出された側の手はずっと空いていて、と、ようやくに嘘に気付く。
意地悪な、差し出されたままの手の平に、私の手の平を重ねて嘘に乗る。

「愛が薄いよ、フェイトちゃん」

優しく添えられた温もりが、声に出されなかった言葉を埋めていった。

そういえば、手を繋いで歩くのなんて、いつ以来だろうか。
少しだけ気恥ずかしい思いで、それでも寄り添って歩き出す。

子供みたいだねと、彼女が笑った。

(終)




41 名前: てるてるぼうず [sage] 投稿日: 2008/04/24(木) 01:16:19 ID:waLy6Sc0

あとがきー

KOKIAのTellTell坊主を聴いていたら、
なんとなく思いついたというだけの小話でした、とか
2009年05月05日(火) 17:49:06 Modified by coyote2000




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