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帰路の途中で

関連作品(part1):こたつ

373 名前:11-471 [sage] 投稿日:2008/01/26(土) 04:15:20 ID:K0nHHLgT
>>359
いつも乙です。
スレの分割は難しい問題ですな。
らきすたの百合スレは分割化して、過疎っちゃったしね。

>>355
なのはさんファンタジーが出来るなwww。ゲーム化するときはシナリオ書いてくれw。

ちなみに個人的に・・・。
なのフェイ=FF
ヴォルケンズ=サガor聖剣シリーズ
スバティア=ドラクエ
なイメージ。

そんで、ロマサガマンセーな自分は、
ヴォルケンズネタ&スレを充実させるために、
流れを読まず、はやシグ片思いネタpart2を投下するさ。

374 名前:帰路の途中で[sage] 投稿日:2008/01/26(土) 04:16:43 ID:K0nHHLgT
結婚式の帰りに寄り道をした夜更けの公園は静寂に包まれていた。
大した灯りも無く人気も無く、空には丸い月が浮かんでいるだけ。
昼間と違って、何とも寂しくて気味の悪い雰囲気。
普通だったら私みたいな美少女が一人で居るのには不向きな場所やと思う。
だけど私は全然怖くない。
だって、私を守ってくれる立派な騎士が一緒に居ってくれてるから。
まぁ、その騎士さんはベロンベロンになって私に介抱されとるんやけど・・・。

冷えたベンチに座って買ったばかりのコーヒーを飲んでいると、目の前のトイレから人影が出てきた。
ヨロヨロとした危なっかしい足取りに、前のめりに折れ曲がった背筋。
さっきまでに比べると多少マシになったとはいえ、顔色は白く青ざめたまま。
何だか見ている私まで気持ちが悪くなりそう。
「大丈夫か、シグナム? 少しは楽なったか?」
「すいません、主はやて・・・」
「あははは。流石の烈火の将もお酒には勝てへんな」
「申し開きの仕様もありません・・・」
「ええってええって。そこで水買うてきたから、ちょっと休んでこーか?」
落ち込むシグナムにペットボトルを渡して、隣の席を勧める。
透き通ったミネラルウォーターに少しだけ口をつけると、シグナムは座り込んで静かに俯いた。
まだ酔いが回って気持ち悪いんやろか?
それとも、やっぱり・・・。
「・・・フェイトちゃんがなのはちゃんのお嫁さんになって、ショックやったんか?」
本当の気持ちが知りたくて、小さく寂しげな背中越しに言葉を投げ掛けてみる。
微かに肩を震わせたが、シグナムは黙ったまま煉瓦の敷かれた地面を見つめている。
重い雰囲気の中、冷たい夜風が私達の間を通り過ぎて行った・・・。

375 名前:帰路の途中で[sage] 投稿日:2008/01/26(土) 04:20:00 ID:K0nHHLgT
「許せないんです・・・」
しばらくしてシグナムがゆっくりと口を開いた。
凛とした口調やけど、微かに声が震えている。
「テスタロッサが子供の頃からずっと、なのはに想いを寄せている事は知っていました。
 あいつはなのはと一緒にいる時が一番楽しそうな顔をしていましたから・・・」
「確かにフェイトちゃんにとってなのはちゃん特別な存在やからね。私でも二人の間には入れんから・・・」
初めて知り合った時から二人はいつも一緒にいた。
不幸な環境で育てられて、酷い仕打ちを受けてきたフェイトちゃんにとって、
初めて友達になってくれたなのはちゃんの存在は何物にも変えられない大切なモノやと思う。
私にとって、ヴォルケンリッターのみんながとても大切な存在のように。
「だけど、いつの間にテスタロッサの事が好きになってしまって・・・。
 私ではあいつを幸せにすることが出来ないと分かっていても、諦める事が・・・出来なくて・・・」
嗚咽が混じって、声が途切れ途切れになっていく。
きらりと月明かりが反射する雫が地面に落ちて、黒く濡れた染みを作った。
「今日だって・・・二人の幸せそうな姿を見て、改めて自分では敵わないと分かったのに・・・。
 だから、テスタロッサとなのはを祝福しようと思ったのに・・・」
ぽつ、ぽつ、と、降り始めの雨のように小さな滴が零れ落ちていく。
「それなのに。負けを認めたくなくて・・・私だけ、目を反らせて・・・お酒を飲んで逃避して・・・」
今まで見たことのないシグナムの姿。
何か声を掛けたいけど咄嗟には言葉が出てこない。
「こうして主にまで迷惑を掛けてしまって・・・私は・・・私は・・・」
ごしごしと顔を拭うと、シグナムは吐き捨てるように呟いた。
「騎士なのに情けなくて、卑怯で、臆病な自分が・・・一番許せませんっ!」


376 名前:帰路の途中で[sage] 投稿日:2008/01/26(土) 04:21:51 ID:K0nHHLgT
「シグナム・・・」
居た堪れなくなって、私はシグナムを力一杯抱き寄せた。
震える肌からシグナムの体温が伝わってくる・・・。
「・・・シグナムは優しいなぁ。ちゃんと二人のこと考えてくれてたんやね」
「そんな、事、ありません・・・」
「ううん。こうやって、私にちゃんと話してくれたやん。ありがとな・・・フェイトちゃんとなのはちゃんの親友としてお礼言うわ」
子供を慰める様にシグナムの頭をゆっくりと撫でる。
そういえば小学生の頃、リインの事を思い出して私が泣くと、シグナムがこうやってくれてたっけ。
「せやけどなシグナム・・・」
一つ息を吐いて、頭の中で言葉を選ぶ。
主として、家族として・・・そして、シグナムの事が好きな一人の人間として。
少しでも支えになって挙げれるように。
「辛い時は自分の気持ちに正直になって泣いたらええんよ?」
自分の想いが伝えられない辛さや苦しさは私にもよう分かる。
だから、辛い時は逃げればええと思う。泣きたい時は泣けばええと思う。
情けないとか、卑怯だとか、そんなのは関係ない。
だって・・・。
「シグナムは女の子なんやから・・・騎士だからとかそんな風に肩肘張って、無理せんでええんよ」
「主・・・」
「ずっと辛かったなぁ・・・でも、自分の気持ちを抑えてよう頑張ったわ。ほんま、シグナムは強い子や」
「・・・ふぇ・・・うぅ・・・えっ、ぐ・・・」
私に縋りつく様にシグナムは大声を上げてまた泣き出した。
そこには子供の頃からずっと見てきた、真っ直ぐで、力強くて、凛々しい騎士の姿はなくて・・・。
まるで子供の様に小さくてか弱い一人の女の子が、私の腕の中で泣いているだけだった。


377 名前:帰路の途中で[sage] 投稿日:2008/01/26(土) 04:22:36 ID:K0nHHLgT
住宅街の道に入ると、煌々とした街灯が続いていた。
暗闇に慣れていたせいか、目がしぱしぱとする。
「ったく・・・主におんぶされるなんて、騎士として失格だよな」
「まぁまぁ。それにしても珍しいですね。シグナムがはやてちゃんの前で寝ちゃうなんて」
怒るヴィータを宥めると、リインは私の周りをくるくると飛び回った。
多分、珍しいシグナムの寝顔を覗き込んでいるんだろう。
「よう眠っとるから起こさんであげてーな?」
「はいです!」
「なぁ、はやて。やっぱり、シャマル達も呼ぼうか? シグナムのヤツ、結構重いだろ?」
ヴィータが鞄の中から買ったばかりのケータイを取り出して、慣れない手つきで弄りはじめる。
「ええよ。私は大丈夫やから」
電話帳の出し方が分からず、悪戦苦闘する姿に思わず笑ってしまう。
「だけど明日、朝早いんだろ? なのは達が謝ってたぞ。忙しいのにわざわざ出席してくれて悪かったって」
「だからこそ、シャマルとザフィーラには私の分まで楽しんでもらわなアカンしな」
親友達の気遣いの言葉に私の方が申し訳ない気持ちになる。
シャマル達ならきっと、シグナムみたいに酔い潰れたみんなの面倒をしっかりと看てくれるはず。
とりあえずはそれで堪忍してもらうしかないかな?
「それよりごめんな。二次会で盛り上がってるのに呼び出してもーて」
「あたしはいいよ。丁度、スバルに無理矢理飲まされそうになってたとこだったし。あいつ、今度の模擬戦でとっちめてやる」
「リインも沢山食べて、お腹一杯です」
「そうかぁ。ご馳走が食べれて良かったなぁ」
あははと、気を抜いて笑い合っているとズルリとシグナムがずり落ちそうになった。
私は慌てて、よいしょっと姿勢を整える。
「しかし、こいつも罪なヤツだよな。はやてみたいな美少女が傍にいるのにさ」
「シグナムは鈍感ですぅ」
「はやても告白しちゃえばいいんだよ。多分こいつ、凄いビックリするぞ」
「そうです、そうです」
シグナムが聞いて無いのをいい事に二人は口を揃えて、私を囃し立ててくる。
「ええの。私には私の"ペース"ってもんがあるんやから。今はこれでええの」
苦笑いをして、自分に言い聞かせるように言葉を返す。
そう・・・今はこうやって、シグナムの涙を拭いてあげれるくらいの距離でええ。
私だって、情けなくて臆病な女の子なんやから・・・。

378 名前:11-471 [sage] 投稿日:2008/01/26(土) 04:23:37 ID:K0nHHLgT
おしまい。
長いんで誤字脱字あって読みにくかったらスマン。

ドリカムの『サンキュ』は名曲だよな。



関連作品(part1):こたつ
2008年01月26日(土) 04:36:30 Modified by nanohayuri




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