Wiki内検索
メニューバーA
タグ
11-471 28-206 28-342 28-519 304 428 458 47 532 6-502 913 aa gbhs4w75 mspuqpiv pluto ピチピチ ◆1gx5q3ma8y ◆34ietljps6 ◆6gzt0d6rrc ◆8giervnano ◆9oq0gi8lfs ◆gtd5kcksn. ◆jhf0qdqssc ◆k1m2.fa0dm ◆nna2fui0zk ◆okpddn8iwc すいもう すずか すずか×アリサ なのは なのは×ティアナ なのは×フェイト なのはフェイトの娘 はやて はやて×すずか はやて×カリム アギト アクエリアス アリサ アリサ×すずか アリシア アルキメデス アルフ ウーノ ウェンディ エイミィ エリオ エロ オットー カリム キャロ キャロ×フェイト ギンガ ギンガ×フェイト クアットロ シグナム シグナム×ティアナ シャーリー シャッハ シャマル シャマル×キャロ スバル スピノザ セイン セッテ チンク ティアナ ティアナ×なのは ディード ディエチ デバイス トーレ トーレ×セッテ ドゥーエ ドクター ナカジマ家 ナンバーズ ノーヴェ バルディッシュ フェイト フェイト×なのは フェイト×ギンガ プレシア ヤンデレ ユーノ ユーノ×ロッサ ヨン◆h7y.esozi リインツヴァイ リイン初代 リンディ ルーテシア レイジングハート レティ ロッサ ヴィータ ヴィヴィオ ヴィヴィオ×なのは 或る捜査官 恭也 空気ブレイカー 高町家 鮫島 士郎 紫水 自作絵 修学旅行 宵月 八神家 非エロ 美由希 落ちはまだ未定 薔薇
最新コメント
最近更新したページ
フリーエリア

君の軌跡

この物語のなのは視点はこちら>月の在処

967 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/01/04(金) 00:50:46 ID:HEWQHvTC
すまん、空気を読まず、なのフェイ投下です。
月の在処のフェイトverです。
ネガティブばりばりだから、苦手な人はスルーしてください。
8スレですむかな?

969 名前:君の軌跡[sage] 投稿日:2008/01/04(金) 00:52:18 ID:HEWQHvTC
激しく私を叩く雨は、少しずつ小降りとなり、
重く立ち込めた灰色の雲は、風の動きに流れ始める
生じた雲の切れ間から白い光が降り注ぐ
荒れ狂う海とは対照的な、何処までも高い穏やかな青い空
そのまぶしさに私は空を見上げた

静かな陽光と共に、優しい桜色の光をひいてきらめく
白い天使が舞い降りる

青い空に桜色の軌跡
私はその輝きに心奪われた
だけど逆巻く海面に佇む私には
その軌跡に触れることは叶わない

970 名前:君の軌跡[sage] 投稿日:2008/01/04(金) 00:56:31 ID:HEWQHvTC
金色の輝きを放つ魔法陣と共に、私は海鳴市の自宅のマンションの屋上に降り立つ
時刻は夜の9時を過ぎた頃、白々とした街の灯りが屋上から見る夜の景色を飾り上げる。
バリアジャケットを解除してポケットから携帯電話を取り出した。
私は手の中のそれをじっと見つめながら考える。
今日はもう遅いし、メールだけにしておこう。
私は携帯電話を開くと、なのはに任務が長引き明日も学校へ行けない旨をメールにしたためて送信した。
溜息をつきながら携帯電話を折りたたみ、ポケットにしまうと屋上を後にした。

二月の夜はまだ寒く、口から漏れる息は、すぐに冷やされ白く彩られる。
少し、寒いかな。
転送してからすぐに部屋に戻るつもりだった私はあまり厚着はしておらず、
体をぶるっと震えさせると白い息をはきかけながら両手を擦り合わせる。
メールをすませた後すぐに部屋へ戻ろうと思ったけれど、心に暗く淀む何かがそれを止まらせた。
沈んだ気分を晴らすために私は一人夜の街を歩き始めた。

971 名前:君の軌跡[sage] 投稿日:2008/01/04(金) 00:57:30 ID:HEWQHvTC
なのは・・・
心の中で名前を呼ぶ。

なのはに暫く会えないだけで気分が落ち込むのは、私としては珍しい事では無いのだけれど、
最近はどうも落ち込み度合いが酷いみたいだ。いままでだってもっと長い期間会えないときも会ったはずなのに。

心にわだかまっているものの正体は分かっている。
それは不安と諦観
この冬が終われば、私達は中学を卒業する。
この土地を離れ、私達は本格的に自分たちの道を歩み出す。
そして、
空と海は、重なっていても交わることはなく、私達の道は分かれ始める。

色とりどりに輝く街中のネオンを避けるように私の足は人気のない方へと向かう。
空を見上げると厚く雲のたれ込めた暗澹たる空
二月の曇りの夜空はどこまでも寒々しい。

「なのは・・・」
無意識に声に出して呟いて、そんな自分に呆れて首を振る。

972 名前:君の軌跡[sage] 投稿日:2008/01/04(金) 00:59:46 ID:HEWQHvTC
幼い頃は何も知らなかった。
だだひたすらになのはを慕い続けていた。
ずっとずっとなのはと二人の世界でいたいと願っていた。
君さえ隣にいてくれれば、私は、何も怖くはなかった。

私達が大人になって行くにつれ、一つに重なっていたお互いの心が少し離れ始めた。
私は自分の感情の正体を知ってしまった。
私は世界が二人きりでは立ち行かない事を理解してしまった。
私の途惑いと焦りは、私の心に陰を落とし始めた。

気がつくと私は臨海公園にいた。
なのはと戦い、そして友達になった思い出の場所。
真冬の夜であるためか、人気は全く見られない。
辺りを照らすのは、所々に設置された外灯の光のみであり、
その薄く白い光は辺りを一層寒々しく浮かび立たせる。
海から吹きつける冷たい風が私の長い髪を靡かせ、
首筋をさらうその風の冷たさに私は身を竦める。

君の輝く優しい青灰色の瞳が見えないと胸が締め付けられ
君の明るく澄んだ声が私の名前を呼んでくれないと心は深く沈む
そんな黒い心を君から隠すために、君との心に境界を敷く。
暗く醜く荒れ狂う感情の高波は、空を侵そうと理性の壁に激しく打ちつける。
私はただひたすら心の壁を支えようとする。
この感情が溢れだし、君を侵さないように。
見境のない私の感情の波が、君を浚って飲み込まないように。

なのはは青い空にあるべきだ。
暗い海は似合わない。
黒に沈むのは私一人でいい。

973 名前:君の軌跡[sage] 投稿日:2008/01/04(金) 01:01:20 ID:HEWQHvTC
君の大好きな青い空が少しだけ妬ましい。
君は青い空に魅せられる。
青い空は君を奪う。

自然と私の足が向かう場所は、なのはの名前を初めて呼んだ橋の上。
私は手摺りに手をかけて、暗い海を見つめる。
波のさざめきが聞こえるが、辺りは暗く、黒々とした海面がぼんやりと見えるだけ。

まるで私の心のようだ。
一見穏やかそうに見える、黒で隠した私の心。

溜息をついて空を見上げる。雲で厚く覆われた空は海と同じく暗い色

海は空の隣にあり、昼間はどちらも同じ青だけど決して交わることはない。
夜には闇に溶けて同化して見えるけれど、それは黒の見せる偽りの光景。
海にいる私は君のいる空を見上げるだけ。
高い高い空を舞う君に、私は追いつくことは出来ない。

「あれ・・・」
空を見上げていた私の視界の隅に、ちらりと桜色の光が映った様な気がした。
「バルディシュ!」
それが何かと私の理性が認識する前に、私の体は感情に突き動かされるまま、
バリアジャケットを纏い空に舞い上がっていた。
それが私の求める光だとは限らないのに、私は急く心を静めながら光が見えた場所に向かう。
「確かこの辺だったはずだけど・・・」
辺りを見渡してもなのはの姿は何処にもない。やはりなのはのことを求めた私の心が見せた幻だったのだろうか。
「私、何をやっているんだろう。」
溜息をついて、もう戻ろうと陸の方に目を向けたとき。
雲を突き抜けてきた桜色の光が、私の目の前を高速で駆け抜けた。綺麗な桜色の軌跡が夜空を翔る。
なのは?
なんか様子がおかしい、そう思った瞬間、私はソニックムーブを発動させ空を駈け抜けた。

974 名前:君の軌跡[sage] 投稿日:2008/01/04(金) 01:03:07 ID:HEWQHvTC
なのはに追いつき横抱きにすると、かかる重力に軋む体を無視して海面すれすれで急旋回。
よかった、何とか間に合った・・・
ほう、と一息つくと、改めてなのはを抱きしめていた事を思いだし、慌てて放そうとしたけれど、
「フェイトちゃん?」
呟くような声で名前を呼ばれ、嬉しくなった私はなのはを放したくなくなった。
駄目だと思いつつも、私の胸は高鳴り始める。今は、その愛しい温もりを放したくはなかった。

ありがとう、フェイトちゃん。
なのはは私の耳元でそっと囁くと、ぎゅっと私の腕にすがりついてきた。
「な、なのは?」
思いがけないなのはの行動に私の鼓動はさらに高まり、その腕に感じる胸の柔らかい感触に、私の顔は否が応でも紅く染まる。

駄目だ。

必死にこみ上げてくる感情を理性で抑えつける。
そんな私の表情の変化を見て、くすくすと笑いを漏らすなのは。
まったく、もう、人の気持ちを知らないで・・・

だけど、なのはの様子はいつもとちょっと違うみたいで、すこし上の空のような感じがした。
「なのは、あんな無茶な機動は危ないよ。いくら下が海だからって、落ち方によっては怪我しかねないし、
 今は真冬なんだから。」
なのはが風邪引くのは私嫌だよ、となのはに無茶をさせないように私は釘を刺した。
それなのになのはは
「自分だってあんな過激なスピードと機動してたくせに。」
なんて口をとがらせ抗議してくる。本当になのは分かっていない。

975 名前:君の軌跡[sage] 投稿日:2008/01/04(金) 01:04:51 ID:HEWQHvTC
「フェイトちゃん、どうしてここに来たの?」
まあ、久しぶりにフェイトちゃんに会えて嬉しいんだけど、と少しはにかみながら顔を紅くして尋ねてくるなのはに、
私は少し落ち着かない気分に鳴りながらも考える。

ーなのはのことを想っていたんだよ。ー

本当のことは告げるわけにはいかず、言葉を選んでなのはに答える臆病な私。
そんな私の答えになのはは
「でも、うれしいな。フェイトちゃんと二人で空を飛ぶのは久しぶりだから。
 だけど、もうそんな機会もほとんどなくなっちゃうよね・・・」
ぽつりと言葉をもらした。
そうか、なのはは私と空を飛びたいと思ってくれているんだ。
「そうだね・・・、すこし、寂しくなるね・・・。
 私達いままで、6年間ずっと一緒にいたからね・・・。」
君も、二人離れていくことは寂しいと思ってくれるんだね。

俯きふるえるなのはを見て、私はおもわずなのはを抱きしめる。
力の入りそうな腕を必死に押さえ、その甘い香りと柔らかい体にたまらない愛しさを感じながら、
私はなのはに想いを告げる。
「だけどね、なのはと離れても私はずっと、なのはの事をみているから。
 なのはの事を想っているから。」
私の想いと、なのはの想いは多分違うのだろう。だけどお互いがお互いを大切に想う気持ちには違いはない。
君が望むなら、私は、君の側にいるよ。
君の側にいられなくても、君を見守っている。
離れていても、君を想うよ。
偽りだらけの私だけど、これだけは変わることのない私の真実。

976 名前:君の軌跡[sage] 投稿日:2008/01/04(金) 01:06:05 ID:HEWQHvTC
くすりと腕の中のなのはが笑いを漏らした。
「もう、なのはったら笑ったりして酷いよ。私真剣だったのに・・・」
真面目な言葉を笑われて、少しだけ私の心が落ち込んだ。
「そうじゃないんだよ、フェイトちゃん。フェイトちゃんの言葉はとても嬉しかったよ。ありがとう。」
どこか、吹っ切れたような表情を浮かべて、なのはが私に微笑んだ。
まあ、なのはが元気になってくれたなら良いかな。
そんなことを思ってしまう私はやはりなのはには一生敵わないのだろう。
ちょっと困った表情になった私になのははそっと囁いた。
「いつも見守ってくれてありがとうね、フェイトちゃん。」
今の私は、その言葉で十分だ。

「ねえ、フェイトちゃん。せっかくだから、ちょっとだけ私の訓練に付き合ってくれないかな。」
「・・・なのはと模擬戦はしないよ?」
私はなのはが堕ちたあの日以来、なのはが傷つくのがすごく怖かった。
だから、あれ以来模擬戦はしていない。
「違うよ、ただの鬼ごっこ。」
いたずらを思いついた子供のような表情を浮かべながら、なのはは私から離れて距離を取った。
「全力全開の鬼ごっこ、フェイトちゃんが私に捕まるか被弾させられたら私の勝ち、10分間逃げ切ったらフェイトちゃんの勝ちね。」
「なっ、なのは?」
ちなみにフェイトちゃんは反撃もソニックフォームも禁止だからね、とちょっと酷いことを言いながら、
なのははアクセルシューターを展開、その場に待機させる。
まあ、どちらにしても、なのはを攻撃する気は起きないけど。
無数の桜色に輝く軌跡がなのはを取り巻く。
状況を忘れ、私はその輝きに見入っていた。
急にアクセルシューターの軌跡が変わり、私に向かう。そ、それはフライングというのでは・・・
「ちょ、ちょっと待ってよ、なのは!」
「じゃあいくよ、Ready go!]

977 名前:君の軌跡[sage] 投稿日:2008/01/04(金) 01:06:51 ID:HEWQHvTC
「なのは酷いよぉ」
迫り来るアクセルシューターをスピードを上げてつき離し、急旋回するとバレルロールをしながら回避、
すれ違いながら次々とバルディッシュの魔力刃で切り裂きながら打ち落とす。

アクセルシューターの操作範囲外まで逃げれば楽なんだけど。
でも、
今はなのはから離れたくないから。
今だけは自分の心に素直でいよう。
なのはは怒るだろうけど。

アクセルシューターを全て打ち落とし、バルディッシュをアサルトモードに戻した私の元になのはが向かってくる。
私は微笑みながら、ながらなのはに捕まるべくその場で待ち続けた。



なのはの心に触れることが出来なくてもそれでもいい。
私達の心が完全に離れてしまうことはないのだから。
私達のあの日に結んだ絆は、とぎれることはきっとない。

君が私を望むなら
私は君の隣を飛ぼう
例え私が力尽き海へ堕ちても
君が私をおいて青空へ飛んでいっても
私はそこから君を見守りつつける
青い空を見上げれば
きっと私には桜色の軌跡が見えるから

978 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/01/04(金) 01:14:13 ID:HEWQHvTC
以上、「気をつけよう、一人歩きと、暗い道」でした。

・・・すまん、改行計算みすった。

このフェイトさんは最後あんなこといってるけど、いずれ六課で一緒の配置になって同室になったら
なのはさんに襲われてしまうに違いないとry

俺、11スレがたったら、なのフェイ+ヴィヴィで素敵変態妄想コメディ書くんだ・・・
意味無く死亡グラフをたててみるテスト。



この物語のなのは視点はこちら>月の在処
2008年01月05日(土) 10:40:10 Modified by nanohayuri




スマートフォン版で見る