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月の在処

この物語のフェイト視点はこちら>君の軌跡

903 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/01/03(木) 00:17:49 ID:tw85d+M1
>>884
うん、俺も素敵変態妄想コメディ書けるようになりたい(ほめてますよ?)

流れを読まず、シリアス?なのフェイ投下します。

なのは→フェイト ちょっとビター風味です。
苦手な方はスルーお願いします。
7スレ使用予定です。

904 名前:月の在処[sage] 投稿日:2008/01/03(木) 00:19:18 ID:tw85d+M1
一人きりの夜
暗い夜空を孤独に浮かぶ玲瓏たる月
私の心の陰を照らす静かな冷たい光

幼い頃に一人見上げたその金色の月は
手を伸ばせば届きそうで
月を掴むことが出来たなら
この心は満たされるかもしれないと思った
何度願った事だろう
月をこの手に掴むため
空を翔けることができるならと

そして、少しだけ大人になった私は
たとえ空を飛ぶことが出来たとしても
月を手にすることは叶わないことをいつしか知った

905 名前:月の在処[sage] 投稿日:2008/01/03(木) 00:21:05 ID:tw85d+M1
厚い雲に覆われた二月の夜空はいつにもまして寒々しく、
夜の闇を照らすはずの月も星も今は雲に隠され、私の所には届かない。。
市街地から離れた海は鈍色にたゆたい、海上の空は暗く静かで、
フライヤーフィンの魔法光の軌跡だけが辺りをぼんやりと照らし出す。

この風景は、まるで今の私の心の中のよう。
海の上に一人浮かぶ私は、そう独りごちると軽く溜息をついた。

フェイトちゃん。
心の中で名前を呼ぶ。

いつものように夜間の魔法訓練をしていたけれど、今日はどうも集中できない。
理由は分かっている。あの人にもう三日も会っていないから。

気を取り直し高速機動の訓練を再開する。
加速をつけて上昇、そしてバレルロール。

「フェイトちゃん・・・」

声に出して呟くと、私はまた溜息をつく。

別にフェイトちゃんに暫く会えないのは最近では珍しい事じゃない。
フェイトちゃんは執務官の道を選び、私は教導官の道を歩き始めた。
そして春には中学を卒業し、私達はここから歩き出す。
空と海は、重なっていても交わることはなく、私達の道は分かれ始める。

急下降から旋回しながら急上昇。
いつもは心躍る風圧も今は何だか息苦しい。

906 名前:月の在処[sage] 投稿日:2008/01/03(木) 00:22:32 ID:tw85d+M1
小さい頃は無邪気だった。
素直に好きだよと言うことが出来た。
世界がまだ狭かった頃は、私達はずっとずっと一緒にいられると思っていた。
二人手をつないで何処までも、例え空の彼方までも飛んでいけると思っていた。

私達が大人になって行くにつれ、一つに重なっていたお互いの心が少し離れ始めた。
それはきっと友情と愛情の境界線。
それはきっと世界の広さを認識したことによって生まれた理性の壁。
重なり合っているはずなのに、その曖昧な境により、いつしかお互いの心が隠され始めていた。

単純な上昇をしながら空を見る
先ほどと変わらない厚い雲の壁が目の前に迫る。

貴方の深く綺麗な紅い瞳が私を見つめる度に心が躍り、
貴方の甘く優しい声が私の名を囁く度に胸が締め付けられる。
そんな私の心を隠すために生まれた二人の間の境界線。
何度壊してしまえと思ったか。
フェイトちゃんはとてもとても優しいからきっと私を拒絶するなんて事はしない。
だけど、告白してどうするの?私はきっとフェイトちゃんを守れるほど強くなんか無い。
きっとフェイトちゃんを傷つけてしまう。
私はフェイトちゃんの泣き顔は見たくないんだ。

907 名前:月の在処[sage] 投稿日:2008/01/03(木) 00:24:32 ID:tw85d+M1
上昇を続け私は雲の上まで飛び抜ける。
見上げれば星の海。
だけどそこに月はなかった。

昼の青い空は大好きだけど、暗い夜空は少しだけ苦手。
だって、金色の月はフェイトちゃんを思い出して切なくなるから。
だって、月が出てないと暗い空が私を追いつめるから。

いたたまれなくなって、私は急降下を始め、雲の上を後にする。
逃げるように、全速で、急降下。

空と星の海との境界は曖昧なのに、その見えない境界が私を阻む。
私にははその境界を越えて、星の海を翔けて月に辿り着くことは出来ない。
月を手にすることは今の私には叶わない。

ふと気がつくと、目の前に海が迫る。穏やかだがまるで私を飲み込もうかとしているような暗い海。
ああ、旋回しようにも減速が間にあわないかもしれないなあ。

海につっこむ覚悟を半ばきめていたとき、上方から見慣れた金色の光が降ってきた。
私の目を惹きつけてやまない、優しく綺麗な金の閃光。。
その光は瞬く間に私に追いつき私を横あいから抱きしめると急旋回と上昇を始める。

908 名前:月の在処[sage] 投稿日:2008/01/03(木) 00:27:03 ID:tw85d+M1
「フェイトちゃん?」

私のつぶやきに、フェイトちゃんそうだよと優しく笑いかけてくれた。
その優しい声と抱きしめてくれる暖かい腕が嬉しくて、ありがとうと囁くと私はぎゅっとフェイトちゃんの腕にすがりついた。

「な、なのは?」
顔を真っ赤にしておろおろするフェイトちゃん、そんな彼女の様子がとても可愛くて私は思わずくすくすと笑いをもらす。

そんな私の様子に、フェイトちゃんが今度は一転して真面目な顔になる。
うん、フェイトちゃんの真剣な顔は格好良くて素敵。
「なのは、あんな無茶な機動は危ないよ。いくら下が海だからって、落ち方によっては怪我しかねないし、
 今は真冬なんだから。」
なのはが風邪引くのは私嫌だよ、なんて言いながらフェイトちゃんは顔をのぞき込んでくる。
「自分だってあんな過激なスピードと機動してたくせに。」
「私はいいの、それしか取り柄無いんだし。」
理屈になってないフェイトちゃんの反論にまた笑いながら、私はどうしてここにフェイトちゃんが来たのか聞いてみた。

909 名前:月の在処[sage] 投稿日:2008/01/03(木) 00:29:15 ID:tw85d+M1
フェイトちゃんはちょっと困った顔になって考えていたが暫くしてぽつりと話し出す。
「仕事帰りにちょっと海が見たくて公園まで来てたんだ。
 そしたら、空を見上げたらなのはの魔力光が見えたから・・・。」
気がついたら、私はその光を追いかけて飛んでいたんだよ、と嬉しいことを言ってくれた。
「でも、うれしいな。フェイトちゃんと二人で空を飛ぶのは久しぶりだから。
 だけど、もうそんな機会もほとんどなくなっちゃうよね・・・」
フェイトちゃんの言葉に、思わず少しだけ隠していた本音が混じった言葉が出てしまった。
「そうだね・・・、すこし、寂しくなるね・・・。
 私達いままで、6年間ずっと一緒にいたからね・・・。」
今まで一番フェイトちゃんの近くにいたのは私だった。
だけど私達の心は少しずつ離れ始める。
温厚で誠実で誰からも好かれるフェイトちゃん。
いつかその隣に私じゃない誰かがいるようになる日は遠くはないかもしれない。

いまにも泣き出しそうな顔を見られたくなくて俯いていると、私はそっと優しく抱きしめられた。
フェイトちゃんの甘い香りと優しい温もりが、そっと私を包み込む。
「だけどね、なのはと離れても私はずっと、なのはの事をみているから。
 なのはの事を想っているから。」
フェイトちゃんはいつだって真っ直ぐで、本当に優しい。
きっとそれはいつまでたっても、何があろうとも変わる事のない、フェイトちゃんの本質。
そう、いつまでたっても、何処にあろうとも、変わらないものだって、きっとある。

落ち込んでいた自分が少しだけ可笑しくなって、くすりと笑いをもらす。
「もう、なのはったら笑ったりして酷いよ。私真剣だったのに・・・」
眉をひそめ困ったような顔をして、抗議してくるフェイトちゃん。
「そうじゃないんだよ、フェイトちゃん。フェイトちゃんの言葉はとても嬉しかったよ。ありがとう。」
フェイトちゃんは、まあ、なのはが元気になってくれたならそれでいいけど、とちょっと納得の行かなそうな顔をして呟いていた。

910 名前:月の在処[sage] 投稿日:2008/01/03(木) 00:33:46 ID:tw85d+M1
「ねえ、フェイトちゃん。せっかくだから、ちょっとだけ私の訓練に付き合ってくれないかな。」
「・・・なのはと模擬戦はしないよ?」
「違うよ、ただの鬼ごっこ。」
そう言いながら私はフェイトちゃんから少し距離を取る。
「全力全開の鬼ごっこ、フェイトちゃんが私に捕まるか被弾させられたら私の勝ち、10分間逃げ切ったらフェイトちゃんの勝ちね。」
「なっ、なのは?」
ちなみにフェイトちゃんは反撃もソニックフォームも禁止だからね、とちょっと酷いことを言いながら、
私はアクセルシューターを展開、その場に待機させる。
「ちょ、ちょっと待ってよ、なのは!」
「じゃあいくよ、Ready go!]

なのは酷いよぉ、なんて泣き言を言いながらも、アクセルシューターを華麗に回避しつつバルディッシュで次々と打ち落としていくフェイトちゃん。
暗い夜空にきらめくバルディッシュの魔力刃の金色の輝き。魔法光を浴びてきらきら輝くフェイトちゃんの金色の髪。
その姿は夜空に浮かぶ金色の月のよう

さっさと飛んで逃げてしまえばいいのに、決して私から一定以上の距離は離れようとしないフェイトちゃん。
ほんと、フェイトちゃんたら甘いんだから。
でも、ほんとは逃げて欲しくないと思っている私としてはその優しさが嬉しくて。
私はフェイトちゃんを捕まえるべく飛翔を始めた。



フェイトちゃんの心に触れることが出来なくてもそれでもいい。
私達の心が完全に離れてしまうことはないのだから。
私達のあの日に結んだ絆は、とぎれることはきっとない。

貴方に会いたくなったなら
貴方を想って名前を呼ぼう
例え夜空が曇っていても
夜空に月が出ていなくても
貴方を想って夜空を見れば
きっと金色の光が優しく私を照らしてくれるから

911 名前:月の在処[sage] 投稿日:2008/01/03(木) 00:34:43 ID:tw85d+M1
以上です。実は、なのは→←フェイトです。
始めはなのはさんとフェイトさんが夜空でキャッキャウフフいちゃついている話を書こうと思っていたのに、
あ、あれ・・・orz

このなのはさんは最後あんなこといってるけど、いずれ六課で一緒の配置になって同室になったら
フェイトさんのことを襲ってしまうに違いないと妄想中です。



この物語のフェイト視点はこちら>君の軌跡
2008年01月05日(土) 10:40:45 Modified by nanohayuri




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