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黒なのはさん、襲います

344 名前:黒なのはさん、襲います[sage] 投稿日:2007/12/24(月) 22:02:02 ID:14lhmwDS
ありがとう…それでは投下させてもらいます。
内容が微妙なので、以下の注意書きを読んで大丈夫そうなら読んでみて下さい。

・男キャラが出てきます。ただし完全な噛ませ犬で、直接的な出番は無し。
・フェイトさんが微妙にヘテロっぽい振りしてます。…でも、そんなことある訳ねえ。
・なのはさんが黒いです。

以上、どれか一つでも許せなそうな方は、名前んとこのタイトルかIDでNG指定して下さい。

347 名前:黒なのはさん、襲います[sage] 投稿日:2007/12/24(月) 22:12:50 ID:14lhmwDS
すみません、中断。大切な注意書きを忘れてた!

以下、黒なのはさんがフェイトさんを襲います。
強姦っぽい話と、あと百合エロで道具使うのが許せない方は、
お手数ですがNG指定をお願いしたく。

345 名前:黒なのはさん、襲います[sage] 投稿日:2007/12/24(月) 22:03:40 ID:14lhmwDS
それはいつもの学校からの帰り道、二人で並んで歩いている時だった。
突然、フェイトちゃんが爆弾発言をした。

「私、今度、あの人と付き合うことにしたんだ」

え…何?
今、何て言ったのフェイトちゃん?
頭の中が真っ白になる。
フェイトちゃんの言葉の意味が、全然理解できない。
付き合うって、どういうこと?
あの人って、誰?

「ほら、この前の管理局の先輩…なのはも一緒に、3人で食事したの覚えてる?
告白されて、最初は断ったんだけどね。
でも、『いきなり恋人とか身構えなくてもいい、ただ一緒に映画見たりするだけで嬉しいから』って。
好きとかそう言うのは、まだ分からないけど…
凄くいい人だから、もう少し親しくなるのは悪いことじゃないと思うんだ」
そう言って、フェイトちゃんは照れたように笑った。
「…そうなんだ、良かったね。上手く行くといいね」
私も笑顔を返してみた。

346 名前:黒なのはさん、襲います[sage] 投稿日:2007/12/24(月) 22:05:14 ID:14lhmwDS
フェイトちゃんが告白されるのは、別に珍しいことじゃない。
もちろん異性にもモテるんだけど、同性のファンも多い。
バレンタインに大量のチョコを貰った時は、酷く困ってたなあ。

「女の子が女の子にチョコを贈るって、どういうことなのかな…普通じゃない、よね?」

あの時、困惑するフェイトちゃんがちょっと可笑しかったと同時に、私の胸に鈍い痛みが走った。
女同士なんて普通じゃない…そっか、それがフェイトちゃんの考えなんだ。
「そうだよね、女の子が女の子を好きになるなんて変だよね」
痛みを押し隠して笑いながら言うと、フェイトちゃんも目を細めて「そうだね」と頷いた。
…私は、まだ告白もしないうちに思い切り失恋した気分になった。

でも、それでも、今までは耐えられたの。
誰からの告白も全部断って、フェイトちゃんは誰とも付き合わなかったから。
恋人さえいなければ、フェイトちゃんにとっての「一番」は親友の私なんだって自信があったから。
それなのに…。

別れ際、明後日の日曜が初デートなんだと笑うフェイトちゃんに手を振りながら、
私は自分の心にドス黒い想いが湧き上がるのを感じていた。
フェイトちゃんが他の誰かのものになるなんて、絶対に嫌だ。
フェイトちゃんの「一番」が私じゃなくなるなんて、そんなの耐えられないよ。
いっそ奪われるくらいなら、「あの人」より先に私が…。

決断は一瞬だった。
これから自分がやることが間違った行為だってことくらい、ちゃんと分かってる。
…大切なフェイトちゃんを傷つけることになるのも、もちろん知ってる。
それでも私は…フェイトちゃんが、欲しかったの。

348 名前:黒なのはさん、襲います[sage] 投稿日:2007/12/24(月) 22:14:01 ID:14lhmwDS
「なのは…どうして…何で?」
私の下で、フェイトちゃんが信じられないという表情で私を見上げている。
その瞳の奥にハッキリと怯えが見て取れて、思わず苦笑してしまう。
フェイトちゃん、そんなに私が怖い?
私にこういうことされるの、そんなに嫌なのかな?
…でもごめんね、容赦してあげるつもりはないから。

例の爆弾発言があった日の翌日。
私はベッドの上で、バインド魔法で拘束したフェイトちゃんを組み敷いていた。
何せ相手が相手だから、全力全開、100%本気のバインド魔法。
いくらフェイトちゃんだって、これを破るには相当の力を要するはず。
何より目の前のフェイトちゃんは茫然自失状態で、そんな余裕は無さそうだった。

「何でって…さあね、どうしてだろうね?」
こんなことする理由なんて、どう考えても一つだと思うんだけど。
本当にフェイトちゃんってば、鈍感なんだから。
妙に冷めた頭で考えながら、私はフェイトちゃんのブラウスのボタンを外していく。
「やだっ…なのは!」
フェイトちゃんの抗議の声を聞き流し、キャミソールを捲り上げる。
ホックを外さないまま乱暴にブラジャーを押し上げると、形の良い胸が現れた。
「きれいだね…フェイトちゃん」
それに、やっぱり私より成長が速いな…ちょっと悔しい。
フェイトちゃんは真っ赤になって顔を背け、全身を強ばらせる。
私はフェイトちゃんの胸に手を伸ばすと、ゆっくりと揉み始めた。
「や…イヤだよ、なのはっ」
「でも、はやてちゃんにはいつも揉まれてるでしょ? 私に揉まれるのはイヤなんだ?」
「…うっ…」
我ながらとんでもない屁理屈だと思ったけど、フェイトちゃんは黙ってしまい、されるがままになっている。
フェイトちゃんのキツく閉じた目の端から涙が零れ落ちて、それを見た私の心を罪悪感がよぎった。

349 名前:黒なのはさん、襲います[sage] 投稿日:2007/12/24(月) 22:15:45 ID:14lhmwDS
でも、もう止められない。
揉まれて固くなってきた乳首に唇を寄せ、そっと甘噛みする。
「あ…ん…はぅっ…や、だ、ダメだよ、むね、舐めないでっ、ああああああああん」
乳首の根元に軽く歯を立て、先端を舌で強めに嬲ってあげると、フェイトちゃんの嬌声が一段と高まった。
だんだんとフェイトちゃんの息が荒くなっていくのが分かる。
私は胸への愛撫を続けながら、右手でフェイトちゃんのスカートを捲り上げ、下着の上からそっと割れ目をなぞった。
「ひゃああああん、や…やだっ、そんなとこ…」
「えへへ、嬉しいな…感じてくれてるんだ?」
下着の上からでもよく分かった。フェイトちゃん、濡れてる。
反応が無かったらどうしようと思ってちょっと不安だったんだけど、良かった。
自信がついた私は、そのまま下着を引きずり下ろして直接フェイトちゃんの奥目掛けて指を差し入れた。
「ひっ…や、やめっ…ふっ…う、掻き回さないでっ」
「凄いね、ぐしょぐしょだよ…ねえフェイトちゃん、やっぱりフェイトちゃんも自分でしたりするの?」
「え…な、何言ってるの、なのは…?くっ…はぁ」
「だって、初めてにしてはこんなにしちゃって…随分、触られ慣れてる感じがするよ?」
ぐちゅっ、くちゅっ…フェイトちゃんの羞恥心を煽るように、私は指を乱暴に動かして水音を立てさせた。
「な、そんな…はうっ、そんなことな…いっ」
「ね、フェイトちゃん…一人でする時、誰のこと考えながらするの…? ひょっとして、明日のデートの相手?」
「ち…違うよっ」
それまでずっと目を閉じてたフェイトちゃんが、そこでいきなり目を開いた。
真正面から視線がぶつかる。
お互いにビックリして、思わず動きを止めてしばらく見つめ合う。
フェイトちゃんの透き通るような紅い瞳…このきれいな瞳を持った子と友達になりたくって、私はあの時頑張ったんだ。
それなのに、私は…
友達でいるだけじゃ、足りなかった。ごめんね、フェイトちゃん。

350 名前:黒なのはさん、襲います[sage] 投稿日:2007/12/24(月) 22:16:47 ID:14lhmwDS
視線をそらし、一瞬湧き上がった後悔の念を振り払うと、私はまたフェイトちゃんへの愛撫を再開する。
「や…ふぅ…くっ、なのは、おね…がいだから、もう…あっ、やめて…」
喘ぎながら焦点の定まらない瞳で虚空を見つめるフェイトちゃんを見て、私は決意を固める。
そろそろ、いいかな…。
短くコマンドを呟くと、私の右手にピンクに光り輝く棒状の物体が現れた。
私の魔法光を凝縮させたもの。もちろん、本来はこんな使い方するものじゃないんだけど…。
フェイトちゃんが、怪訝そうに私の方に視線を向ける。
私は唇の端を歪めて微笑みかけた。
ねえ…この棒、どうやって使うつもりか分かる?
「フェイトちゃん、フェイトちゃんの初めて…私が貰っても、いいかな?」
「え…な、まさか、やっ…だめえええええ、なのは、やめてええええええ!!!」
フェイトちゃんの悲鳴が、耳に痛い。
それでも私は、自分の行為を止めることが出来なかった。

私の魔法光の棒は、フェイトちゃんの中へ侵入し、存分に彼女を蹂躙した。
最後、私は魔法光を挿入したままの状態で拡散させ、フェイトちゃんの中で弾けさせた。
フェイトちゃんの身体がガクガクと震えるのを、うっとりと眺めていた。
大好きな人の身体の奥が、私の魔法光で満たされてる…そう思って、私は満足した。

全てが終わった後。
フェイトちゃんは、虚ろな瞳で力無く天井を見上げている。
これでもう私のものだよね、フェイトちゃん?
呆然としたままのフェイトちゃんに、私は愛しさを込めてそっと口づけた。

359 名前:黒なのはさん、襲います[sage] 投稿日:2007/12/24(月) 22:43:22 ID:14lhmwDS
月曜日になり、私はいつも通りフェイトちゃんと一緒に通学すべく、ハラオウン家へ向かっていた。
結局、フェイトちゃんは昨日は外出しなかったみたいだ。
つまり、「あの人」とのデートには出かけなかったってこと。良かった。
昨日は一日中、これからどんな風にフェイトちゃんと接すればいいのかを考えてた。
結論としては、やっぱりまずは謝罪しよう。
そして…きちんと想いを伝えよう。
どうせ断られるだろうし、許してはくれないだろうけど、真正面から向き合うのが本来の私のやり方だから。
フェイトちゃんがデートの約束を破棄してくれたことで、私の頭はだいぶ冷静になり、落ち着きを取り戻していた。
あんなことした以上、どうせもう友達には戻れないし、戻る気もない。
たとえ絶交を言い渡されても、それが当然だよね…。覚悟、しなきゃ。
心を決めると、私はフェイトちゃんちの呼び鈴を鳴らす。
しばらくするとドアが開いて、フェイトちゃんが姿を見せた。
う…やっぱり、緊張しちゃうな…。

フェイトちゃん、一昨日はごめんなさい。
許してくれなんて言わないから、お願い、謝るだけ謝らせて下さい。
フェイトちゃんが…好きです。
ただの友達でいるの、もう耐えられないの。

道すがら心の中で反芻してきた言葉を、いざ口にしようとした時。

「なのは、おはよう。今朝も早いんだね」

フェイトちゃんがこちらを振り向いて、いつもと変わらない優しい笑顔を見せた。
え…?
思わず、言いかけた言葉が喉の奥へ引っ込む。
「なのは、どうしたの?」
フェイトちゃんが不思議そうに私を見つめる。
「う…うん、何でもない、よ…」
何とかそれだけを呟くのが精一杯だった。
「そっか。じゃあ、行こうか?」
そう言ってまた微笑むフェイトちゃんを、私は信じられない気持ちで見ていた。

360 名前:黒なのはさん、襲います[sage] 投稿日:2007/12/24(月) 22:45:15 ID:14lhmwDS
学校へと向かう道を歩きながら、フェイトちゃんは完全にいつも通りだった。
優しい微笑み、穏やかな物腰、会話の内容だって普段と変わりがない。
私がフェイトちゃんにした酷いことの影響なんて、全く見受けられなかった。
もうすぐで、はやてちゃん達との合流地点に着く。
私は焦り始めていた。二人きりでいるうちに、ちゃんと謝らないと…。
意を決して、口を開く。
「あ、あのねフェイトちゃん、一昨日のことなんだけど…」
「一昨日?」
フェイトちゃんがきょとんとした表情で尋ねるのを聞いて、私の背筋に冷たいものが走った。
「一昨日、何かあったの?」
ひょっとして、覚えてないの…? ショックによる記憶喪失か、それとも…。
「あ…はやて達、もう来てるね」
そう言ってフェイトちゃんが通りの向こうへ手を振ると、そこで私たちの会話は途切れてしまった。

それから数日経って、だんだん状況が飲み込めてきた。
フェイトちゃんは、別に私に襲われたことを忘れてるわけじゃない。
ただ、忘れてる振りをしてるだけなんだ。
今までと変わらない笑顔を見せながらも、フェイトちゃんが私に決して触れようとしないことに、私はちゃんと気づいていた。
二人きりになるのを、極力避けていることも。
「最近、あんまフェイトちゃんとなのはちゃん、イチャイチャしてないなあ」
「そうかな? そんなこと、ないと思うけど。なのはは私の大切な友達だからね」
勘の良いはやてちゃんの突っ込みをフェイトちゃんが軽く受け流すのを聞きながら、私の心が絶望に染まっていく。
そっか、それがフェイトちゃんの答えなんだ…。
私は「大切な友達」でいることに耐えられなくて、嫌われるのも覚悟して、無理に一線を超えたのに。
でも、フェイトちゃんはあれを「無かったこと」にしてまで、私と友達でいることを選ぶんだね…。

361 名前:黒なのはさん、襲います[sage] 投稿日:2007/12/24(月) 22:46:31 ID:14lhmwDS
そんな風な状態だったから、気分が落ち込んで、毎晩うまく眠れないような状態だったから…。
あんなことが起きたのも当然だったんだと思う。
私は管理局の任務中に重傷を負い、病院に運び込まれた。
みんな心配してくれて、お見舞いに来てくれた。もちろんフェイトちゃんも。
私は二人きりになったら今度こそフェイトちゃんと話そう、と機会を窺っていたのだけれど、
フェイトちゃんはいつも誰かと一緒で、絶対に一人では訪ねて来てくれなかった。
ひょっとして、これから先、ずっとこのまま中途半端な友達ごっこ状態を続けなきゃいけないのかな。
だんだん、私の心に諦めが広がっていった。
リハビリにも、熱が入らなかった。


病室のベッドの上で、私は手の中の黒いリボンをじっと見つめる。
初めて互いに名前を呼び合って友達になった日に、フェイトちゃんがくれたリボン。
もう擦り切れちゃって使いものにならなかったけど、二人の大切な友情の証として肌身離さず持っていたものだ。
「友情の証か…私には、もうこれを持ってる資格なんて無いのかな」
一人呟いて深いため息をついた拍子に、私の手からふわり、とリボンが逃げ落ちていった。
慌てて掴まえようと手を伸ばした途端、バランスを崩してしまう。
「きゃっ!」
ドスン、と派手な音を立てて、私はベッドから落下した。
くっ…息が詰まりそうなくらいの痛みを何とか堪えて、私は床に這いつくばったまま、落ちたリボンの方へと手を伸ばす。
あとちょっと、もうちょっと…なのに、どうしても届かない。
元気に歩ける時なら、何でもない距離なのに。
目の前にあるのに私の手には届かない場所にあるリボンを見ていたら、目の奥が熱くなってきて涙が零れ落ちそうになる。
思わず声を上げて泣きそうになった、その時だった。

「なのは!」

病室のドアが勢い良く開いて、フェイトちゃんが入ってきた。

362 名前:黒なのはさん、襲います[sage] 投稿日:2007/12/24(月) 22:48:50 ID:14lhmwDS
フェイトちゃんは、怪我が痛まぬよう細心の注意を払いつつ私を抱き上げると、ベッドまで運んでくれた。
フェイトちゃんに触るの久しぶり…王子様抱っこされるのなんて、何年ぶりだろう。
胸のドキドキが、伝わらないといいんだけど。
「大丈夫、なのは? ビックリしたよ、病室の前ではやて達を待ってたら、いきなり中から凄い音がして…。
ノックしても全然反応がないし、思い切ってドアを開けたらこんなことになってて」
「にゃはは…ごめんね、驚かせちゃったみたいで。落とし物を拾おうとしたら、バランスを崩しちゃったの」
「落とし物? それって、ひょっとして…あれのこと?」
フェイトちゃんは床に落ちたリボンを拾い上げ、私に手渡してくれる。
「懐かしいな…まだ持っててくれてたんだね、なのは」
「うん…フェイトちゃん、今日は珍しいね。一人で来てくれるなんて」
ビクッ…と、フェイトちゃんの笑顔が強ばる。
「う、うん。はやて達と待ち合わせてたんだけどね、なかなか来なくって…」
「そんなに警戒しなくてもいいよフェイトちゃん、今の私には何も出来ないから」
自嘲混じりに呟きながら、私はフェイトちゃんの手を握ってみた。
私が触ると、フェイトちゃんの手が一瞬怯えたように震える。
当たり前かもしれないけど、よっぽど嫌われちゃったんだなあ…。
悲しくなって俯いた私の顔に、突然フェイトちゃんの左手がかかった。
「なのは…なのはが悪いんだよ、私をその気にさせたんだから」
フェイトちゃんは低い声でそう囁き…私にキスをした。

え…?

頭がパニくる。
ななななな何だろう、この状況。
だめだ、落ち着いて少し頭冷やさなきゃ…って、わわ、舌まで入れてくるなんて反則だよフェイトちゃん。
うくっ…ふうっ、う…う、悔しいけど上手だなあ…。

363 名前:黒なのはさん、襲います[sage] 投稿日:2007/12/24(月) 22:50:28 ID:14lhmwDS
長いキスから解放された私は、うっとりとしたままフェイトちゃんを見つめた。
フェイトちゃんは、ちょっと思い詰めたような、もの凄く真剣な表情をしている。
「なのは…好きだよ。同じ女の子なのに、なのはを好きになっちゃってごめんね…」
…何だかすっごく嬉しいことを言われてるような気がするんだけど、何か誤解されてる気もする。
フェイトちゃん、何を言っているの?
「なのは、前にバレンタインの時に言ってたよね、女の子同士なんておかしいって」
「え…でも、あれ、先にそう言ったのフェイトちゃんだよ?!」
「あ、あれは、なのはがど、同性愛とかどう思ってるのかなって私、知りたかったから…」
「…私の考えを知るために、引っ掛けたんだ?」
「ひ、引っ掛けたっていうか…。なのは、女の子同士でも大丈夫なの?」
「だって私はフェイトちゃんが好きなんだよ!」
「嘘! だって、なのははあの管理局の先輩のことが好きなんじゃないの?
だから、私にその、あんなことして…私をあの人から引き離そうとしたんだよね?」
「だから、どうしてそうなるのー?! フェイトちゃんこそ、あの人と付き合うって言ってたくせに!」
「あれは違うよ、なのはが女の子同士は変だって言うから、私、諦めなきゃって…。
無理矢理にでも男の人と付き合えば、なのはへの想いも忘れられるかなって思ったから」

ああ、もうわけが分からないよ。

「フェイトちゃん。私たち、一度きちんとお話する必要がありそうだね」
「…うん。そうみたいだね」

364 名前:黒なのはさん、襲います[sage] 投稿日:2007/12/24(月) 22:51:20 ID:14lhmwDS
誤解が解ければ、話は簡単だった。
私はフェイトちゃんが好き。フェイトちゃんは私が好き。めでたし、めでたし。
何だかバカみたいだったね、と二人で笑い合った。
「最初から私たち、真正面から向き合うべきだったのにね」
「うん、でも、私は臆病だから…告白して振られるの、怖かったんだ。
それくらいなら、たとえ卑怯でも狡くても、親友の振りをしてようって思ってた。
なのはに…抱かれた後も、どうしていいか分からなかったから、とにかく友達の振りを続けようって。
友達の振りさえしていれば、ずっとなのはの側にいられると思ったから…」
「…フェイトちゃん、あの時はごめんね。乱暴だったよね…。
まずは相手とぶつかって、お話はそれからって…私の悪い癖なのかなあ」
「そうだね、今度はもっと優しくしてほしいかな」
フェイトちゃんは笑いながら言った。
「でもね、私だって結構強いんだよ? 本気でやれば、あれくらいのバインド魔法なら破れたと思うけど」
「あれくらいって…あれ、私の全力全開だよ?! …無理だと思うなあ」
「ふふ、言うね。じゃあ今度試してみようか。でも、次は私がなのはをバインドしたいかな」
だから早く元気になってね、と耳元で囁いて、フェイトちゃんは私に優しくキスしてくれた。

365 名前:黒なのはさん、襲います[sage] 投稿日:2007/12/24(月) 22:54:12 ID:14lhmwDS
以上です。
ちょっと前半と後半のトーンが違い過ぎたかも…
もともと後半の方が地なんで前半は書いてて疲れました。

あと、どうでもいいおまけがあるので、もう1〜2レスだけ使わせて下さい。
それでは、お目汚し失礼致しました。

368 名前:黒なのはさん、襲います[sage] 投稿日:2007/12/24(月) 22:55:56 ID:14lhmwDS
〜おまけ〜

フェイトちゃんがキスしてくれた、その瞬間。
病室のドアが、ノックもなしにバタンと開いた。

「なのはちゃん、来たでー。ちょっとは怪我の調子…」

はやてちゃんはそこまで言うと、絶句してしまった。
背後にいるアリサちゃんとすずかちゃんも、思い切り固まっている。

「あ、あのね、違うんだ、これはちょっと事情があって…」
「今さら取り繕っても無駄だと思うな、フェイトちゃん」
「う…」

「あの…お邪魔だった?」
すずかちゃんが心配そうに聞いてくる。
「そんなことないよ。ありがとう、お見舞いに来てくれたんだよね」
隣りでオロオロしてるフェイトちゃんは使いものにならなそうだったので、私が率先して話を進める。
「実は私たち、今日から付き合うことにしたの」
「な…なのは!」
フェイトちゃん、こうなったら隠すよりきちんと言っておいた方がいいよ。
何より、さっき真正面から向き合う方がいいって話をしたばっかりだよ。

「え…あんたたち、まだ付き合ってなかったの?」

アリサちゃんの発言に、今度は私とフェイトちゃんが固まってしまった。

369 名前:黒なのはさん、襲います[sage] 投稿日:2007/12/24(月) 22:56:22 ID:14lhmwDS
「まさか、あれだけイチャイチャしといて…全く、天然二人だと進むもんも進まんなあ」
「本当、見ててイライラするわ。私が思うに、フェイトがヘタレすぎるのがマズいと思うのよね。
こういうことに関しては、二人とも超が付くほど鈍感だし」
「この分だと、ひょっとして…」
すずかちゃんが、おそるおそる尋ねてくる。
「あの、ひょっとして、私とアリサちゃんが付き合ってるのも知らない?」

「ええっ?」

私とフェイトちゃんは再び固まる。

「やっぱり…」
「ちょ、ちょっと! すずか、いきなり何言い出すのよ!/////」
「だって…まさか知らないとは思わなかったから」

…本当に、今日はビックリすることばかりある日だ。
何とか驚きによるバインド状態から立ち直ると、私は隣りのフェイトちゃんを見た。
数分前まで完璧な王子様していたフェイトちゃんは、度重なるビックリに耐えかねたらしく、
呆然としたままヘナヘナとその場に崩れ落ちてしまった。
2007年12月24日(月) 23:41:35 Modified by nanohayuri




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