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束の間の夢

912 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2007/11/28(水) 05:06:54 ID:wuZ1ri+I
最近の流れに三期派の俺涙目

そんな流れも需要も無視してティアなの投下してみます
むしろティア→なのか?ティアナややブラコンっぽいかも

913 名前:束の間の夢[sage] 投稿日:2007/11/28(水) 05:08:49 ID:wuZ1ri+I
膝まで茂る草の他には木の一つも出来ない草原と、そこに見える二人の男女、
一人は長身に柔和な表情を携えた聡明そうな男性、私の自慢の兄、ティーダ・ランスター、
もう一人はその男性の腹部までの背丈に、オレンジ色の髪を二つに結んだ少女、――子供の頃の私。
おもちゃの銃を振りかざしてはしゃぎ回る私を兄は優しく抱き上げると、私は嬉しそうに満面の笑顔を振り撒いた、
その様子に満足したかの様に兄も微笑むと、そっと私を地面に降ろし、少し寂しげな表情を浮かべる
不思議そうに兄の顔を見上げる私の前にしゃがみ込んで頭をくしゃくしゃと撫でて、小さく言葉を呟く
それを聞いて少し悲しげな顔をして、すぐに無理矢理笑顔で大きく頷く私
最後に二人は何かの約束事を決めたのか、小指を結んで笑い合う、
軽い抱擁の後に兄は立ち上がると私と拙い敬礼を交し合って、草原の彼方へと歩き出す
その姿が見えなくなるまで手を振り続けていた私が、急に表情を崩して大声で泣き始めた、
誰も居ない草原にただ一人、座り込んでひたすら泣き続ける私が。


「―――――ッ!!」
勢い良く身体を起こして辺りの様子を確認する
小ざっぱりとした部屋の風景が二段ベッドの枠に切り取られて、宛ら一つの絵画の様に静止していた。
周囲を見回してみても、この暗い部屋は機動六課の隊舎、見慣れた空き部屋に間違い無いと確信して、呼吸を落ち着ける。
外から耳に届く音は無く、すぐ隣の人の寝息が微かに響いているだけの空間
私は静かにベッドを離れて部屋の真ん中に立ち、静謐な空気を全身で受け止め始める。
胸が痛い、外側から強く圧迫されている様な締め付けられる感覚に思わず力を込めて両手で抑え付ける。
あの夢を見た後はいつもこう、時と共に薄れた喪失感が思考を満たして行く、
もう思い返しても涙も流れないのに、心に残る孤独感だけが今尚拭い切れない。

「私、弱くなったのかな……」
誰にも聞かせるつもりの無い事を呟く
夢一つに惑わされてて何が超一流か、と捻じ伏せて来た記憶も大分前が最後だった、
今はもう、流れ出る感情を隠せないほどに弱くなっていると言える。
せめてこの激しく活動する心臓を落ち着かせようと、耳鳴りがする程の静寂に意識を傾ける、
十分に静かな部屋ではスッ、と小さな物音もはっきりと耳に届いた……物音?
振り向いてみれば、ベッドから微かな布の擦れる音が聞こえてくる、もしかして起こしてしまったのか、
寝直せる内に謝ろうと思ったけど、寝起きの感覚と夢に身体は命令を無視して音のする方をじっと見つめ続ける、
やがて、一人の女性の頭が少しだけ見えてきた。

914 名前:束の間の夢[sage] 投稿日:2007/11/28(水) 05:09:28 ID:wuZ1ri+I
「……ティアナ?」
声の主は眠たげな声で私の名前を呼ぶ
栗色の長いストレートの髪をベッドに散らして軽く目を擦る仕草に思わず胸が高鳴ってしまう。
幼い頃から人より少ししか貰えなくて、独りになってから少しずつ投げ出していた、
包み込む様な優しさをくれた、大切な人。

「なのはさん……」
ベッドから身を起こすなのはさんのそばにふらふらと歩いて行く、
未だ惚けてる頭を言い訳にベッドに乗り上げて、子供の様に倒れ込む。
枕に顔を押し付けて横に伸びる口元を隠す、この人の近くに居ると、どうしても気が緩んでしまうから。
「……また目、覚めちゃった?」
軽く身体を撫でられるくすぐったい感触に、心地良い嬉しさが湧き上がる。

なのはさんは私が夜目が覚める理由を知っている、
数週間前、深夜に偶然見付かってしまって、泣き顔を見られた時には一緒に居てくれて
殆ど錯乱しながら、私の中で膨れ上がった寂しさ、弱さを吐き出した事、
「少し、頭冷やそっか」
と私の頭を両の腕で優しく包み込んでくれて、落ち着くまでそのままで居てくれた事。
兄と同じ優しさを感じた気がして、随分長い間泣いていたと思う。
そして、泣けるだけ泣いた私は、また一緒に居てくださいと頼んでしまった、あの優しさにまた触れたいからと。
その時はただ言ってみただけだけど、今本当にこうして同じ時が過ごせている現実に勝手に優越感に浸って居たりもする。


915 名前:束の間の夢[sage] 投稿日:2007/11/28(水) 05:11:50 ID:wuZ1ri+I
「落ち着いた?」
大分経ってから、少しも動かない私になのはさんが声をかけてくる、
横に向けば目の前になのはさんの顔が有るけど、今の私の顔を見たらきっと笑われるから見るわけにはいかない
ならばとこの短い時間を精一杯楽しむ為に、わざと狸寝入りをしてみる、
やがてなのはさんは呆れた様に横になり、すぐに寝息を立て始めた。
「…なのはさん?」
声をかけてみるけど反応は無い、起き上がって見てみれば、もう深く眠っている様だった、
可愛らしいと言うより、綺麗な寝顔に暫く見蕩れた後、滑らかな頬に起こさない様軽く唇を押し付ける、
後でバレないよう跡が残っていないのを確認して、ちょっとしたいたずらをしたような達成感を得た。

私はいつか悲しい夢を見なくなる、それは私が強くなる為にも避けては通れない道だから、
だけど、その時私の隣になのはさんは居てくれるだろうか。
きっといつも通り、隊長と隊員に戻って今までの様な日常に戻るだろう。
でも、私の心は変わらない、またなのはさんを、なのはさんの優しさを求めてしまうと思う、
だからこそ、その時自分自身に押し潰されない為に、今はこのまま束の間の幸せを感じて居たい。
力に出来るくらいに。

「なのはさん、大好きです」
想いを言葉にする心地良い開放感に顔を綻ばせて、短い眠りを楽しもうと目を閉じた。

916 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2007/11/28(水) 05:13:07 ID:wuZ1ri+I
後半思い切り分割ミス…orz
とりあえず大分前からティアなのが脳内でやたら場所を取ってくるので垂れ流してみました
お目汚しすいませんでした
2007年11月30日(金) 02:04:14 Modified by nanohayuri




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