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魔法少女リリカルなのはStrikerS―Enchantment―

75 名前:アルキメデス[sage] 投稿日:2008/03/16(日) 17:13:28 ID:WbD3e36r
78 名前:アルキメデス[sage] 投稿日:2008/03/16(日) 17:23:43 ID:WbD3e36r
79 名前:アルキメデス[sage] 投稿日:2008/03/16(日) 17:24:31 ID:WbD3e36r
80 名前:アルキメデス[sage] 投稿日:2008/03/16(日) 17:25:17 ID:WbD3e36r
81 名前:アルキメデス[sage] 投稿日:2008/03/16(日) 17:26:00 ID:WbD3e36r
82 名前:アルキメデス[sage] 投稿日:2008/03/16(日) 17:26:47 ID:WbD3e36r
83 名前:アルキメデス[sage] 投稿日:2008/03/16(日) 17:27:36 ID:WbD3e36r



日曜がお休みになったので一気に書き上げました。
遅れてしまいましたが、ホワイトデーというか、フェイトさん男装ネタ。17時半くらいに
こっそり投下します。


 山。山。山。部屋の主の几帳面さがうかがえる程に整理整頓が行き届いているはずのここ執務官室を今、山
が占領し埋め尽くしている。
 その中で平然と、だが眉を寄せ些か険しい表情で部屋の主が一人、この軍勢に果敢に挑んでいた。

「これは……駄目、ちょっと遠すぎる。こっちは……うん、とりあえず保留と」

 ブツブツと呟く部屋の主、フェイトが戦うは大量に積み重ねられた雑誌の山。そのどれもがミッドチルダのデ
ートスポットを写真入りで記したもの。
 何をやっているかなど最早愚問。つまりは彼女、現在恋人のために目下デートプランを作成中な訳である。

「いつもお疲れ様ですフェイトさん。お手伝いに参りました」
「シャーリー待ってたよー! ティアナもありがとう」

 そしてこの山に挑むものが新たに二人。シャーリーとティアナだ。いつもの事ですからとシャーリーが。そ
してティアナは呆然と雑誌の山とフェイトを交互に見比べ、目を丸くしていた。

「こ、これ……全部なんですか……?」
「うん。ミッドのデートコースを網羅してあるんだ。もうすぐホワイトデーだから。だから、早く決めてあげ
なくちゃ」

 平然と言ってのけた彼女はふざけている訳じゃない。寧ろ真剣だ。これはなのはへのバレンタインのお返
し。妥協なんて出来るはずが無い。
 なのはは彼女がすることなら何だって喜ぶだろう。それがたとえ些細なことであっても。
 けれどやっぱり想いを込めたいから。想いを込めた贈り物にしたいから。これは、その為にフェイトが始め
たことだから。
 三月十四日。つまりはホワイトデー。その日はフェイトが一日、なのはの事を『愛しつくす日』。特別な
事をやるわけじゃない。ただフェイトが決めたデートコースを二人で楽しむだけのささやかなもの。

「でも、なのはの思い出にしてあげたいから」

 そうして、フェイトは黙々と雑誌の山に目を通し始めた。シャーリーがそれに続き、ティアナも思い描く者
の為、ため息を吐きながらも雑誌の山を自分に寄せる。
 それからどれくらい経った後だろう。ティアナが立ち上がり、フェイトにそれを見せやや不安げに。

「あ、あのフェイトさん……これなんてどうでしょうか?」

 それは。
 この世界でただ一人、彼女を虜にして止まない者からの贈り物。更に虜にさせて離れられなくしてしまう、
魅惑の魔法。


                     魔法少女リリカルなのはStrikerS
                         ―Enchantment―



 星が照らすミッドチルダの夜。なのはは冬の寒さの和らいだ三月に、それでも若干冷えた手を吐息で温めな
がら期待に胸を弾ませていた。
 普段サイドテールにしている髪を下ろされ、薄く化粧を施した姿はすれ違うものを一度立ち止まらせてしま
うには十分だ。時折何も知らない愚者が彼女に声をかけ、返ってくる冷ややかな言葉に青ざめ撃沈するのにも
構わず、ただ約束の時間になっても一向に現れない恋人に笑みを深くする。

「もぅ、フェイトちゃんは可愛いなぁ」

 きっと、ギリギリまで渡さなかったバレンタインデーの仕返しなのだろう。こんな悪戯をするからこっちも
仕返しを止めないと言うのに、フェイトはそんな事にすら気付く様子はない。
 だが言わずもなが、そんな所が可愛くて素敵なのである。
 自重できないにやけ面に、立ち止まらせていた通行人を若干引かせつつ彼女は考える。無論、約束の時間に
遅れたことの仕返しだ。
 とりあえず、何故遅れたかを問いただそう。フェイトの事だ。少し真剣な顔で怒ればきっと顔を真っ赤にし
て慌てるに違いない。冷や汗を浮かばせつつ慌て、何かその場しのぎに適当な事を言うのだろう。これはもう、
デートの後のお仕置きは決定的だ。
 幸いヴィヴィオは既にぐっすりと夢の中。朝までに帰ってベッドに入ればあの子が寂しがることは無い。だ
から心置きなくフェイトに触れることが出来るのだ。それも一晩中。

「今夜は寝かせないんだから」

 でもまずは、フェイトの決めてくれたデートを楽しもう。そしてその後はお待ちかねのデザートだ。
 真っ赤になるフェイトを押し倒し、耳元で甘い声で囁きキスをする。徹底的に、手加減なんてしてあげな
い。激しく愛して、でも優しく彼女の事を抱きしめよう。
 そう、当人の了承も無く決定した事にだらしないにやけ面を更に濃くしながら、それでもなのはは止まらない。
 目を閉じれば自然と浮かんでしまうのは愛しい恋人。その幻想の中なのははフェイトの服を一枚ずつ丁寧に
剥ぎ取り、羞恥に涙を浮かべるフェイトの身体を抱きしめ、願う。
 早く現実の事にしたい。早く彼女の涙を舐め取りたい。誰も聞けない、自分だけが聞くことを許された甘い
声を聞かせて欲しい。
 はぁはぁと荒い息のまま、かなり危険な所にまで飛んでしまっている計画、否妄想を膨らませ、じっとりと
浮いた汗に髪を張り付かせ、太ももをすり合わせる姿は酷く官能的なもの。
 完全に自分だけの妄想に浸るなのはは周りの目を気にせず、ピンク妄想で破裂しそうな頭の中、第二ラウン
ドに突入した裸体の彼女の身体に舌を這わせ続けていた。
 別に躊躇することなんてありはしない。フェイトだって喜んでくれている。妄想の中の虚ろな笑みが何よりの
証拠だろう。

「はぁ、はぁ、フェイトちゃん可愛いよっ……わ、私もう――――」

 そんなこんなで三十分後。常備している代えの下着に替えたなのはは一人、艶の増した笑みを湛えフェイト
を待つ。
 その表情に些か険しいものが混ざっているのは、念話にすら出てくれない彼女の事を考えているからか。
 これはちょっと遅すぎるのではないのでしょうか、と伺いたい。クラウディアに連絡を入れれば、彼女は
とっくになのはの元へ向かったとの事。
 その時のシャーリーの笑みが気になるが、そんな事よりもフェイトの事が気になってしょうがない。
 何かあるとは思わない。彼女は絶対に来るといったら来るのだ。自分は彼女を信じ、妄想を膨らませていれ
ばいい。

「でも、フェイトちゃん遅いなぁ……」

 そう無意識に呟いてしまったのと同じ頃、やっとの事でフェイトは姿を現した。もちろんここ最近ご無沙汰に
なってしまった二人乗りのスポーツカーの乗ってだ。
 その、今だローンを払い終えていない車がなのはの前で停車する。なのはは一目散に、だが心の中で落ち着
けと繰り返し、車のウインドウをノックした。

「ご、ごめんね待てせちゃった」
「いいよ、それより早く行こう」


 車の中、何故か上ずった声のフェイトが車のウインドウを開け放ち、なのはの前のその姿を露にする。なの
はは慣れた手つきでドアを開け、フェイトの姿を見たまま固まっていた。
 似合うかな、というやや不安げなフェイトの声にも反応しない。ただ目を見開き、フェイトの姿を見つめる
だけだ。
 それに、クスリと笑みが一つ。フェイトからだ。硬直したままの彼女の耳にそっと息を吹きかけ、一言。

「なのは、今日は綺麗だね。いつも綺麗だけど、今日はとっても」
「……っ」

 そう、肩を震わせた彼女に最初に言おうと決めていたことを甘く、囁いていた。

「ふぇ、フェイトちゃんもっ、か、かか……格好いい、よっ……!」

 まるで、夢の中にいるようだった。
 目の前のフェイトに、何も考えられなくなる。言葉が見つからなくなってしまう。呼吸を忘れてしまったか
のように、胸が締め付けられていた。
 輝く金の髪が、桜色のリボンで結ばれている。それは嬉しいことのはずなのに、そんな事すらまともに喜ぶ
事が出来なくなっている。
 いつもの服じゃない。たったそれだけの事なのに、それだけじゃない自分がいた。
 どうしたの、と見つめる紅い瞳。その中に自分がいる事が好きだったはずなのに、今は落ち着かない。けど
苦しい訳ではなく、寧ろその感覚が心地よい。

「さ、早く行こう。今夜はなのはのためだけにあるんだから」

 うん、と小さく頷き俯いてしまった恋人に、普段に無い微笑を湛えたまま、ダークスーツに身を包んだフェ
イトはそっと、真っ赤になっているなのはの手の甲に口付けした。


                     *   *   *



 なのはを乗せ、首都であるクラナガンを走り都市部から少しはなれた所だろう、その店はあった。フェイト
が前もって予約していた、クラナガンの夜景を身ながらディナーが楽しめる店だ。
 店に入り案内されたのは予約していた通り、この場で最も夜景が映える場所。それだけあってそこを指定する
客も多いのだが、彼女は時空管理局執務官。なのはの為なら多少の悪さは許される。
 ふとフェイトが隣を見ればなのはは目を輝かせ、自分が護るその場所の違った一面を見つめていた。それこそ
食い入りように。
 高くそびえるビル郡の光り。遠くには遊園地の観覧車だ。住人の為の高速道路の明かりですら、この夜景の
一部となっている。そしてそれを照らすのは、彼女のように輝く星。

「気に入ってもらえたかな?」
「うん! すごい綺麗……ヴィヴィオにも見せてあげたいなぁ……」

 視界に映るその全てが美しく、なのはは目を離すことが出来ない。だからなのだろう。先ほどのようにフェ
イトの姿に赤面することも無い。いたっているも通りのなのはだった。
 だがその逆。フェイトは笑みの下、どうにかなのはの気を引けたことに安堵の息を一つ。
 とりあえず最初の関門は突破した。なのはが自分の顔をまともに見ようとしないことが何よりの証拠だ。
 失敗は許されない。一度握った主導権はなのはには渡せない。今日は自分がなのはをエスコートしなければ
ならない。もし失敗すれば一気に主導権はなのはへと渡ってしまうだろう。そうなれば終わりだ。それはそれ
で魅力的では在るが、とにかく今日はそんな事はさせられない。フェイトにとって身にまとう服は、その為の
勝負服なのだ。
 だがそれは、今までのどんな任務よりも緊張してしまうもの。命を懸けているのは両方同じはずなのに、
恐怖すら湧いてきてしまう。
 フェイトはその緊張を笑みの下に隠し、今だ夜景を眺めているなのはの髪にそっと指を通した。

「ひ、ひあぅ――――!?」
「ご、ごめん。なのはの髪が綺麗だったから」

 それまで笑みを浮かばせていたなのはの顔が沸騰した。真っ赤になり体を震わせ、フェイトに髪を触れられ
たことに驚いて。
 フェイトがどうしたのと首を傾げても何も言わない。ただ熱くなるばかりの頬を押さえ俯くだけ。
 普段にない反応だ。この服のためなのだろう。なのはは自分の前で酷く緊張しているよう。

「ごめんね、でもなのはの髪が綺麗なのがいけないんだ」

 それに、少し悪戯心が沸いてしまう。なのはが逃げぬようゆっくりと顔を近づかせ、最初のように甘く、
なのはの心に染み入らせるような声で囁き、瞬間ピクンと震えたなのはの髪を弄んだ。

「い、いけない……?」
「そう。なのはの髪が綺麗だから、触りたくなっちゃうんだ……なのはは私に触れられるの、嫌?」
「い、嫌じゃない! 触って、触っていいから……!」
「うん。じゃあそうする」

 髪を撫でるフェイトになのはは顔を逸らしたまま。フェイトが覗き込もうとすればそっぽを向き、決して
彼女と視線を合わせることはしない。
 それが返ってフェイトの嗜虐心を煽っていく。更に顔を近づかせ、なのはが涙目で目を瞑るのにも構わず、
なのはの様子を観察した。
 フェイトの白く長い指が栗色の髪を絡めとり、梳いていく。その度なのはは体を捩り何かに耐えるように唇を
引き結ぶ。
 その一挙一動。全てを見逃すことが出来ない。もっともっと、そう、フェイトの目が細まるのは致し方ない
ことだろう。
 そして、なのははフェイトの普段にない色をした瞳に完全に身を縮こまらせていた。

「あ、あんまり見ないで……恥ずかしいよ……」
「私に見られるのは嫌かな?」
「そ、そうじゃなくてっ……フェイトちゃんだって、分かってるくせに……」
「どうかな? ちゃんと言ってくれないと、分からないかもしれないね」


 なのはが慌てているのが見て分かる。それが今は何よりも面白かった。そっと髪を撫でていた指を動かしな
のはの頬に触れれば彼女は悲鳴をあげ、目をきつく閉じてしまう。
 だが、そんな事は許さない。

「はいなのは。あーん」
「えっ、えぇっ……!?」

 相変わらずフェイトの瞳は喜色に溢れ、嗜虐を湛えている。その目が訴えるのは羞恥に俯くなのはがもっと
見たいというただ一点。
 フェイトにとっては最高の、なのはにとっては逃げられないことを悟ってしまう最悪の二択だ。見上げれば
スーツに身を包み怪しい笑みを浮かべているフェイトが。そしてそれから逃げることを選ぶならば、フェイト
の差し出したフォークを口に含む他ならない。
 あーん、と大きく口を開ければいいものを、今の彼女の前でそんなはしたない事が出来るはずも無く、その
板ばさみがなのはの胸を締め上げていた。

「ほら、ここの美味しいんだよ? なのはにも食べてほしいなぁ」

 どうしよう。
 考えた末なのはが選んだのは目を瞑り、潔くフェイトの差し出した料理を口に運ぶこと。食べやすく切り分
けられたそれを何度も咀嚼し、何故か自由に動いてくれない喉を強引に動かし、すぐさま水を飲み込んだ。
 味など分かるはずも無く、そもそも見つめるフェイトに何を考えていいのか分からない。完全に、なのはの
頭の中はスーツ姿のフェイトに埋め尽くされてしまっているからだ。
 それが分かるからだろう。フェイトが満足そうに頷き、次をなのはの前に差し出した。

「次、食べて」
「は、はい……食べる、よ……」

 フェイトの言葉に逆らうことが出来ず、なのはは成すがままだ。差し出されたものを次々に素直に食べ、美
味しいか尋ねられれば小さく頷いて。口元についたソースを舐めとれば、悲鳴を上げて慌てて。
 そんな事を繰り返してどれくらいたった後だろう。一度、なのはがお手洗いと席を立った。我慢していたの
か駆け足で。
 ――――多分それからだ。
 なのはの様子が変わっていた。


                     *   *   *



 フェイトの格好にも大分なれてきたのだろう。なのははフェイトに見つめられるのを視線を交わらせない事
でどうにか耐え、俯きがちに、だがしっかりと自分の手で料理を口に運んでいた。
 それにからかえなくなった事への寂しさを覚える中、変わらずフェイトはなのはを見つめ言葉を交わしながら
料理を純粋に楽しんでいた。
 だが時折見上げてくるなのはの視線。それが、妙にねちっこい。息は乱れ、その暑さがこちらまで伝わって
くるようで、知らずフェイトは首元で絞めていたネクタイを緩めていた。
 会計を済ませ、店を出てもなのはの様子は変わらない。車に乗り、ヴィヴィオの待つ我が家へ帰る途中でも。

「なのは、どうしたの?」
「な、なんでも……ないよ」

 フェイトの言葉に何か言いづらそうに首を横に振り、言葉を紡ぎ、太ももを擦り合わせるだけ。そうやって
彼女は、沸き起こる自身の欲求に耐えていたのだ。
 フェイトに見つめられ、自然と息が荒くなってしまう。何も考えられなくなり、目の前が真っ白になってし
まう。
 見つめられ、触れられてしまうだけで達しそうになってしまう。もうそれくらい、なのはの身体は昂ってい
た。ヴィヴィオが待っているからと我慢しようにも、秒刻みでなのはの精神は磨り減り、身体が熱を帯びてし
まう。
 もうそれは、気が狂いそうなほど苦しくて、けれどそれに何故か快感を感じてしまっている自分がいて、愛
しい人の隣、自分を慰めるように身体を揺すっていた。
 けれど、もうそれも限界だ。今すぐフェイトを感じたい。フェイトの体温に包まれたい。

「ね、ねぇフェイトちゃん……」

 だから彼女はハンドルを握るフェイトの隣、座席を倒し潤んだ瞳でフェイトを見上げ、言葉を紡いでいた。

「ふぇ、フェイトちゃん……あの、だ、抱きしめて……欲しいな……」

 それでフェイトもようやく納得する。なのはの真っ赤な表情と、艶を帯びていた声の正体に。
 車を停め、座席を倒したなのはに覆いかぶさり顔を近づけて、なのはは待ち焦がれたそれに貪るように唇を
重ね、愛しい人の舌を絡めとり、唾液で喉を潤していた。
 瞬間ドクンと高鳴った鼓動が、更にもっとと求めてしまっている。

「ねぇ、フェイトちゃん早くして……お願いだからぁ……」

 そんな、いつも言わせてるような言葉を口にして、涙が伝う。羞恥がまるで身を焦がしてしまっているようで、
苦しくなる。
 そしてそれを見ながらフェイトは、笑みを湛えたままなのはの耳を甘噛みし、そっと息を吹きかけた。

「ひゃんっ! フェイトちゃん嫌だよぉ……」
「なのはが誘ったんだ。嫌だって言ったって止めないよ? なのはだっていつもそうでしょ?」

 なのはの流れた涙を舐めとり、服を一枚ずつ剥ぎ取って、いつも自分が囁かれる時のように――――。

「今夜はもう寝かせない」


                         ―END―
2008年03月24日(月) 01:39:19 Modified by nanohayuri




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