10-099
編注:
後編的位置づけの作品はこちら>帰り道
99 名前:アクエリアス[sage] 投稿日:2007/12/20(木) 20:55:37 ID:MSxV+Kmv
では、逝かせていただきます。フェイト←はやてで切ない話。
「フェイトちゃん?」
「ん、何?」
私が呼びかけると、フェイトは長い金髪を揺らめかせて振り返った。一瞬それに見惚れてしまう。
「…どうしたの?」
不思議そうな顔して近づいてくる。そう言っても、私と彼女の距離はたった一歩。でも、それがすごく長い時間に感じた。
「…え〜と、二人で帰るのって久しぶりやなぁって…」
言ってしまってから、はっと気づく。慌てて彼女を盗み見ると、深い意味には捕らえていないようで、
「そうだね」
そう笑顔で返してきた。
「いつもはなのはと、アリサとすずかと、誰かしらいたから…」
何かが胸をチクリと刺した。でもそれもいつもの事。
100 名前:アクエリアス[sage] 投稿日:2007/12/20(木) 20:56:47 ID:MSxV+Kmv
「はやて?」
私は背の高い彼女を仰いだ。
「帰ろう」
「ん……」
横に並んで二人は歩き出した
隣でいるだけで、心が安らいで、こんなにも心かき乱される。でも楽しい時間ほど過ぎてしまうのは早くて。
もう別れ道。
「それじゃ、また明日」
また明日になれば、彼女には会える。でも…
「あの!フェイトちゃん!!」
「ん、何?」
彼女はまた振り返った。黄昏に反射して深みを増したフェイトちゃんの紅い瞳が、私を真っ直ぐ見つめていた。
「え〜とな…え〜と」
言葉に詰まる。特に話したいことなんかない。ただ一緒にいたい。この時間だけで良いから、二人だけの時間が欲しい。
でもそんな事、言えなくて。
私は軽く一度俯いて、顔を上げる。言葉を出すために息を吸う。
101 名前:アクエリアス[sage] 投稿日:2007/12/20(木) 20:57:18 ID:MSxV+Kmv
「…はやて、これから暇?」
先に言の葉を紡いだのは彼女の方だった。
「あ、いや、別に…用事とかあらへんけど」
考える前に口が動く。
「そっか」
半分放心している私の手を取った。
「それじゃ、少し寄り道しない?」
「ん…」
こくりと頷く。彼女は照れくさそうに笑って、そのまま別の道へ進み出した。
「ちょっ…そんな引っ張らんといて!」
「ごめん♪」
そういいながらも、私は手を離さなかった。彼女もその手を握っていてくれたと、今は自惚れてもいいだろうか。
日が沈む。明るかった空の端に、小さく光る星が瞬いていた。
Fin
102 名前:アクエリアス[sage] 投稿日:2007/12/20(木) 20:57:54 ID:MSxV+Kmv
日本語って楽しいですね。繰り返したり、わざと違う漢字使ったり…。
そして空白を大事にしてみました。無駄にレス使ってごめんなさいorz
最近フェイはやがマイブーム。マイナーカプ結構好きらしいです。勿論フェイなの大好きですけどね!!!
格好いいフェイトが書きたいのに何故か照れたりするんだよなぁ。しかも始めはこんな話じゃなかったはずなのに…。いや、同じように切ないんですが…それはまた今度です。
ちなみに、オレはいつからフェイトのパンツが黒くなったか気になります。
ではノシ
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99 名前:アクエリアス[sage] 投稿日:2007/12/20(木) 20:55:37 ID:MSxV+Kmv
では、逝かせていただきます。フェイト←はやてで切ない話。
「フェイトちゃん?」
「ん、何?」
私が呼びかけると、フェイトは長い金髪を揺らめかせて振り返った。一瞬それに見惚れてしまう。
「…どうしたの?」
不思議そうな顔して近づいてくる。そう言っても、私と彼女の距離はたった一歩。でも、それがすごく長い時間に感じた。
「…え〜と、二人で帰るのって久しぶりやなぁって…」
言ってしまってから、はっと気づく。慌てて彼女を盗み見ると、深い意味には捕らえていないようで、
「そうだね」
そう笑顔で返してきた。
「いつもはなのはと、アリサとすずかと、誰かしらいたから…」
何かが胸をチクリと刺した。でもそれもいつもの事。
100 名前:アクエリアス[sage] 投稿日:2007/12/20(木) 20:56:47 ID:MSxV+Kmv
「はやて?」
私は背の高い彼女を仰いだ。
「帰ろう」
「ん……」
横に並んで二人は歩き出した
隣でいるだけで、心が安らいで、こんなにも心かき乱される。でも楽しい時間ほど過ぎてしまうのは早くて。
もう別れ道。
「それじゃ、また明日」
また明日になれば、彼女には会える。でも…
「あの!フェイトちゃん!!」
「ん、何?」
彼女はまた振り返った。黄昏に反射して深みを増したフェイトちゃんの紅い瞳が、私を真っ直ぐ見つめていた。
「え〜とな…え〜と」
言葉に詰まる。特に話したいことなんかない。ただ一緒にいたい。この時間だけで良いから、二人だけの時間が欲しい。
でもそんな事、言えなくて。
私は軽く一度俯いて、顔を上げる。言葉を出すために息を吸う。
101 名前:アクエリアス[sage] 投稿日:2007/12/20(木) 20:57:18 ID:MSxV+Kmv
「…はやて、これから暇?」
先に言の葉を紡いだのは彼女の方だった。
「あ、いや、別に…用事とかあらへんけど」
考える前に口が動く。
「そっか」
半分放心している私の手を取った。
「それじゃ、少し寄り道しない?」
「ん…」
こくりと頷く。彼女は照れくさそうに笑って、そのまま別の道へ進み出した。
「ちょっ…そんな引っ張らんといて!」
「ごめん♪」
そういいながらも、私は手を離さなかった。彼女もその手を握っていてくれたと、今は自惚れてもいいだろうか。
日が沈む。明るかった空の端に、小さく光る星が瞬いていた。
Fin
102 名前:アクエリアス[sage] 投稿日:2007/12/20(木) 20:57:54 ID:MSxV+Kmv
日本語って楽しいですね。繰り返したり、わざと違う漢字使ったり…。
そして空白を大事にしてみました。無駄にレス使ってごめんなさいorz
最近フェイはやがマイブーム。マイナーカプ結構好きらしいです。勿論フェイなの大好きですけどね!!!
格好いいフェイトが書きたいのに何故か照れたりするんだよなぁ。しかも始めはこんな話じゃなかったはずなのに…。いや、同じように切ないんですが…それはまた今度です。
ちなみに、オレはいつからフェイトのパンツが黒くなったか気になります。
ではノシ
編注:
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2007年12月21日(金) 17:32:55 Modified by nanohayuri