10-802
802 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/01/01(火) 00:32:48 ID:RxICP12p
もう、少ししたら年が明けてしまう。今は懐かしい管理外世界で聞いた鐘の音が聞こえることは無かった。
「こんなにゆっくりしちゃっていいのかしら?」
肩を竦めながら言い、注がれたお酒をを嚥下していく彼女――レティ・ロウラウンに私は苦笑する。
そうだ彼女は昔から仕事熱心だった。
「この年になって思うけど人生ってほんと……なんていうかあっという間ね」
彼女がよく手入された髪をかきあげる。
「クロノ君もフェイトちゃんも、もう一人前の局員だし。
私の息子も部隊長補佐……」
自嘲気味な溜息を吐き更に酒をあをる。
管理外世界のお酒には弱かったけれどレティはこっちのお酒には本当に強い。
同じピッチで飲んだらいい歳をした局員でさえ潰されていたくらいだ。
けれど今日はそれ以上に早い、どこかハイになっているという印象を受けた。
「レティ、今日は飲みすぎじゃない?」
彼女は微笑むと徐々に私との距離を縮めて来る。
その笑みは妖艶と呼べるものになっていて、私の返事にも答えない。距離を縮めることもやめなかった。
遂にその距離は0になる。
葡萄酒に濡れた唇は僅かに震えていた。
「ねぇ、リンディ……あの時の約束覚えてる?」
随分昔、あの人が居なくなって……。
一緒に居なくなってしまいそうな私を繋ぎとめてくれた約束、思い出さないようにしていた約束。
803 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/01/01(火) 00:33:47 ID:RxICP12p
彼女の、レティの言葉に封を切られ次第に記憶が鮮明になっていく。
『ふざけないで!
今!あなたまで居なくなったら一体何人の人間が迷惑すると思う?
……一体、何人の人間が悲しむと思っているの?
私のッ………・・・はどうなるの?』
そうだおもいっきり引っぱたかれたんだった。大切なところが思い出せない。
自分の頬に触れる、じんと痛んだ気がした。記憶が更に蘇ってくる。
『せめて、あなたのっ……あなたとクライドの子が一人前になるまではココに居なさい!』
瞳はどこまでも真剣で、真っ直ぐに私を射抜いていた。
バンと胸を叩く。その姿までが記憶に上ってきた。
『今、こんなことを言うのは間違っているわ。けれど言いたい、私はあなたのことを……
そんなに悲しそうな顔をしないで……何処で間違ったかなんてわからないの。
……ねぇ、約束をしましょう。ずっと、ずっと先の約束を』
「……うん、思い出した。
私のクロノと、レティのグリフィス君が一人前になって。
親として、局員として、務めを果たした時にそれでも私が……」
ふと傍らの彼女をみるといつからだろう、すぅすぅと安らかな寝息を立てていた。
私が羽織っていたものを彼女にかける。厚手の素材だから風邪はひかないだろう。
「もう…だから、言ったでしょ飲み過ぎじゃない?って……
レティ……私も新しい自分を始めてもいいのかも……ね
クライド新しい年が始まったわ」
804 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/01/01(火) 00:43:32 ID:RxICP12p
年末年始なのにネタと駄文で5レス使っちまった\(^o^)/
794さん、796さんGJ!
だが>>797お前って奴は!!
>>794さんと似てる部分があるのは仕様ですサーセン同じ時間軸として書いています。
あ、あけましておめでとうございます。
もう、少ししたら年が明けてしまう。今は懐かしい管理外世界で聞いた鐘の音が聞こえることは無かった。
「こんなにゆっくりしちゃっていいのかしら?」
肩を竦めながら言い、注がれたお酒をを嚥下していく彼女――レティ・ロウラウンに私は苦笑する。
そうだ彼女は昔から仕事熱心だった。
「この年になって思うけど人生ってほんと……なんていうかあっという間ね」
彼女がよく手入された髪をかきあげる。
「クロノ君もフェイトちゃんも、もう一人前の局員だし。
私の息子も部隊長補佐……」
自嘲気味な溜息を吐き更に酒をあをる。
管理外世界のお酒には弱かったけれどレティはこっちのお酒には本当に強い。
同じピッチで飲んだらいい歳をした局員でさえ潰されていたくらいだ。
けれど今日はそれ以上に早い、どこかハイになっているという印象を受けた。
「レティ、今日は飲みすぎじゃない?」
彼女は微笑むと徐々に私との距離を縮めて来る。
その笑みは妖艶と呼べるものになっていて、私の返事にも答えない。距離を縮めることもやめなかった。
遂にその距離は0になる。
葡萄酒に濡れた唇は僅かに震えていた。
「ねぇ、リンディ……あの時の約束覚えてる?」
随分昔、あの人が居なくなって……。
一緒に居なくなってしまいそうな私を繋ぎとめてくれた約束、思い出さないようにしていた約束。
803 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/01/01(火) 00:33:47 ID:RxICP12p
彼女の、レティの言葉に封を切られ次第に記憶が鮮明になっていく。
『ふざけないで!
今!あなたまで居なくなったら一体何人の人間が迷惑すると思う?
……一体、何人の人間が悲しむと思っているの?
私のッ………・・・はどうなるの?』
そうだおもいっきり引っぱたかれたんだった。大切なところが思い出せない。
自分の頬に触れる、じんと痛んだ気がした。記憶が更に蘇ってくる。
『せめて、あなたのっ……あなたとクライドの子が一人前になるまではココに居なさい!』
瞳はどこまでも真剣で、真っ直ぐに私を射抜いていた。
バンと胸を叩く。その姿までが記憶に上ってきた。
『今、こんなことを言うのは間違っているわ。けれど言いたい、私はあなたのことを……
そんなに悲しそうな顔をしないで……何処で間違ったかなんてわからないの。
……ねぇ、約束をしましょう。ずっと、ずっと先の約束を』
「……うん、思い出した。
私のクロノと、レティのグリフィス君が一人前になって。
親として、局員として、務めを果たした時にそれでも私が……」
ふと傍らの彼女をみるといつからだろう、すぅすぅと安らかな寝息を立てていた。
私が羽織っていたものを彼女にかける。厚手の素材だから風邪はひかないだろう。
「もう…だから、言ったでしょ飲み過ぎじゃない?って……
レティ……私も新しい自分を始めてもいいのかも……ね
クライド新しい年が始まったわ」
804 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/01/01(火) 00:43:32 ID:RxICP12p
年末年始なのにネタと駄文で5レス使っちまった\(^o^)/
794さん、796さんGJ!
だが>>797お前って奴は!!
あ、あけましておめでとうございます。
2008年01月20日(日) 21:42:32 Modified by nanohayuri