14-553
553 :名無しさん@秘密の花園 [sage] :2008/03/07(金) 07:49:10 ID:R+m22aWs
554 :名無しさん@秘密の花園 [sage] :2008/03/07(金) 07:49:42 ID:R+m22aWs
>>14-405
こんな感じすか?
「はやてちゃん……」
この体勢のままでは電話に出る事が出来ないと、なのはは戸惑いの滲んだ声で呟いた。
なのはのポケットの中に入っている携帯電話を、彼女の自由を奪う腕はそのままに、はやてはスカートの上からそっと押さえつける。
着信音が鳴り始めてから既に数十秒は経っているのに、それは一向に静まる気配をみせない。
――なのはは約束の十五分前には必ず待ち合わせ場所に来てくれるんだ。
以前フェイトが、嬉しそうに頬を緩ませ話していた事がある。
さらりと惚気る彼女に、アリサは呆れ半分でからかっていたが、当時のはやては苦い思いを覚えたものだ。
恐らく、今日も約束の時間よりも早めに来るであろうと思っていたなのはが、中々姿を見せないので少し心配になって連絡を取ろうとしたのだろう。
着信音が鳴り響く時間の長さが、フェイトのなのはを想う気持ちの重さと比例しているように思えて――。
「ちょっ、はやてちゃん!」
乱暴にポケットの中へと手を差し入れ、はやてはそれを強制的に断ち切った。
その動作が原因で力が緩み、なのはは非難めいた声を上げてはやての腕の中から脱出する。
「……約束の時間まで、うちに遊びに来てるって知っとるんやろ、フェイトちゃんは」
「そうだけど、でも」
「だったら何も心配する事ないやんか。多分、あと何分もしない内に来るやろ」
「でも、もしかしたら何かあったのかもしれないし……」
向き合ったなのはの表情が歪む。
ほんの少しの罪悪感と、それを覆い隠す程の苛立ちが、沸々と湧き上がってくるのが分かった。
フェイトは。
フェイトは、はやてがなのはに好意を寄せている事を知っている。
――なのはは約束の十五分前には必ず待ち合わせ場所に来てくれるんだ。
あの時、はやての反応を窺うようにちらりと揺らいだ瞳。
無意識な行為だとは分かっている。
決して悪気があった訳ではなく、フェイトははやての想いを敏感に察知して、本能で牽制したのだ。
そんなはやての傍に一秒でも長くなのはを置いておきたくないという彼女の気持ちは、十分に理解出来る。
けれど、もう後戻りは出来ない。はやては既にスタートを切ってしまっていたのだから。
「話はまだ終わってないんよ。なのはちゃんの答え、まだ聞いてない」
正面からなのはを見据える。透き通った蒼い瞳とぶつかっても、はやては一歩も退かなかった。
先に視線を逸らしたなのはは、表情に宿した困惑の色をそのままに、俯き目を伏せた。
「……フェイトちゃんよりも先に、はやてちゃんと出会っていたら?そんな風に考えた事、今まで一度もなかったから……」
「私が聞きたかったのは、そんな事やない。ほんまは分かってる筈や」
「……」
何故自分はこんなにも強気でいられるのだろうと、はやては内心苦笑した。
勝負の行方は分かりきっているのに、これではまるで勝ちを確信している人間のする事ではないか。
「なのはちゃんが好きなんよ」
言葉にして、はやてはふと気が付く。なのはが親友の告白を無碍にする筈がないと、心の底で打算している自身に。
ましてや本人を目の前にしてなら尚更。
「はやてちゃん……」
はやての予想通り、言葉を受けたなのはは、それきり黙りこんだ。
両手を胸の前で握り締め、何かに耐えるように唇を引き結ぶその様は、決してはやての告白を喜んでいるようには見えなかったけれど。
無理でした><
554 :名無しさん@秘密の花園 [sage] :2008/03/07(金) 07:49:42 ID:R+m22aWs
こんな感じすか?
「はやてちゃん……」
この体勢のままでは電話に出る事が出来ないと、なのはは戸惑いの滲んだ声で呟いた。
なのはのポケットの中に入っている携帯電話を、彼女の自由を奪う腕はそのままに、はやてはスカートの上からそっと押さえつける。
着信音が鳴り始めてから既に数十秒は経っているのに、それは一向に静まる気配をみせない。
――なのはは約束の十五分前には必ず待ち合わせ場所に来てくれるんだ。
以前フェイトが、嬉しそうに頬を緩ませ話していた事がある。
さらりと惚気る彼女に、アリサは呆れ半分でからかっていたが、当時のはやては苦い思いを覚えたものだ。
恐らく、今日も約束の時間よりも早めに来るであろうと思っていたなのはが、中々姿を見せないので少し心配になって連絡を取ろうとしたのだろう。
着信音が鳴り響く時間の長さが、フェイトのなのはを想う気持ちの重さと比例しているように思えて――。
「ちょっ、はやてちゃん!」
乱暴にポケットの中へと手を差し入れ、はやてはそれを強制的に断ち切った。
その動作が原因で力が緩み、なのはは非難めいた声を上げてはやての腕の中から脱出する。
「……約束の時間まで、うちに遊びに来てるって知っとるんやろ、フェイトちゃんは」
「そうだけど、でも」
「だったら何も心配する事ないやんか。多分、あと何分もしない内に来るやろ」
「でも、もしかしたら何かあったのかもしれないし……」
向き合ったなのはの表情が歪む。
ほんの少しの罪悪感と、それを覆い隠す程の苛立ちが、沸々と湧き上がってくるのが分かった。
フェイトは。
フェイトは、はやてがなのはに好意を寄せている事を知っている。
――なのはは約束の十五分前には必ず待ち合わせ場所に来てくれるんだ。
あの時、はやての反応を窺うようにちらりと揺らいだ瞳。
無意識な行為だとは分かっている。
決して悪気があった訳ではなく、フェイトははやての想いを敏感に察知して、本能で牽制したのだ。
そんなはやての傍に一秒でも長くなのはを置いておきたくないという彼女の気持ちは、十分に理解出来る。
けれど、もう後戻りは出来ない。はやては既にスタートを切ってしまっていたのだから。
「話はまだ終わってないんよ。なのはちゃんの答え、まだ聞いてない」
正面からなのはを見据える。透き通った蒼い瞳とぶつかっても、はやては一歩も退かなかった。
先に視線を逸らしたなのはは、表情に宿した困惑の色をそのままに、俯き目を伏せた。
「……フェイトちゃんよりも先に、はやてちゃんと出会っていたら?そんな風に考えた事、今まで一度もなかったから……」
「私が聞きたかったのは、そんな事やない。ほんまは分かってる筈や」
「……」
何故自分はこんなにも強気でいられるのだろうと、はやては内心苦笑した。
勝負の行方は分かりきっているのに、これではまるで勝ちを確信している人間のする事ではないか。
「なのはちゃんが好きなんよ」
言葉にして、はやてはふと気が付く。なのはが親友の告白を無碍にする筈がないと、心の底で打算している自身に。
ましてや本人を目の前にしてなら尚更。
「はやてちゃん……」
はやての予想通り、言葉を受けたなのはは、それきり黙りこんだ。
両手を胸の前で握り締め、何かに耐えるように唇を引き結ぶその様は、決してはやての告白を喜んでいるようには見えなかったけれど。
無理でした><
2008年06月03日(火) 17:52:26 Modified by sienn1