Wiki内検索
メニューバーA
タグ
11-471 28-206 28-342 28-519 304 428 458 47 532 6-502 913 aa gbhs4w75 mspuqpiv pluto ピチピチ ◆1gx5q3ma8y ◆34ietljps6 ◆6gzt0d6rrc ◆8giervnano ◆9oq0gi8lfs ◆gtd5kcksn. ◆jhf0qdqssc ◆k1m2.fa0dm ◆nna2fui0zk ◆okpddn8iwc すいもう すずか すずか×アリサ なのは なのは×ティアナ なのは×フェイト なのはフェイトの娘 はやて はやて×すずか はやて×カリム アギト アクエリアス アリサ アリサ×すずか アリシア アルキメデス アルフ ウーノ ウェンディ エイミィ エリオ エロ オットー カリム キャロ キャロ×フェイト ギンガ ギンガ×フェイト クアットロ シグナム シグナム×ティアナ シャーリー シャッハ シャマル シャマル×キャロ スバル スピノザ セイン セッテ チンク ティアナ ティアナ×なのは ディード ディエチ デバイス トーレ トーレ×セッテ ドゥーエ ドクター ナカジマ家 ナンバーズ ノーヴェ バルディッシュ フェイト フェイト×なのは フェイト×ギンガ プレシア ヤンデレ ユーノ ユーノ×ロッサ ヨン◆h7y.esozi リインツヴァイ リイン初代 リンディ ルーテシア レイジングハート レティ ロッサ ヴィータ ヴィヴィオ ヴィヴィオ×なのは 或る捜査官 恭也 空気ブレイカー 高町家 鮫島 士郎 紫水 自作絵 修学旅行 宵月 八神家 非エロ 美由希 落ちはまだ未定 薔薇
最新コメント
最近更新したページ
フリーエリア

16-809

809 名前: ◆6Gzt0D6RRc [sage] 投稿日: 2008/04/19(土) 18:52:27 ID:9uPnohg9

ok、前述の通りギンフェイで、3レス使用。



810 名前: 1/3 ◆6Gzt0D6RRc [sage] 投稿日: 2008/04/19(土) 18:53:02 ID:9uPnohg9

4月とは移り変わりの季節である。
私も例外ではなく、この4月から、半年過ごした六課の宿舎を出てクラナガンの住宅区域で暮らしている。
当面の職場である海上隔離施設に近いこの地区に、丁度良くフェイトさんが部屋を持っていたので、居候させてもらっているのだ。
なんで、そんなに都合良くフェイトさんが、部屋を持っていたのか、少し気になって聞いてみたけど、”六課の時のお礼ってことで”とややずれた答えが返って来るのみ。
”お礼”というのは多分、六課で二人っきりになれる場所として、私の部屋を使っていたことに対してなのだろう。
最終的には自室同然に私の部屋を使っていたから、立場は今と丁度真逆。
最初のうちはちゃんと元々の自室で寝ていたのだけれど、そのうちに寝泊まりも私の部屋でするようになり、フェイトさんの私物も増えてきて、実質的には共用部屋。
そして気付けば、部屋のプレートに”フェイト・T・ハラオウン”が加わっていて、名実共に。
このプレートを付け加えた犯人は未だよく分かってないけど、まあ今更である。

今問題なのは、私に背を向けて、大量のモニタと睨めっこしているフェイトさんに、声を掛けるべきか否かと言うこと。
無視するのは不味いと思うのだけれど、鬼気迫る勢いでキーを叩く姿は、なかなか声が掛けづらい。
それに、あのフェイトさんが仕事を持ち帰るのだから、かなり切羽詰まっているのだろう。邪魔をしては悪いかもしれない。
だけど……と、延々と思考をループさせること既に数分。結論は出ない。

このまま、フェイトさんのタイピングを鑑賞するのも悪くないかな、と言う気もしてくる。いわゆる現実逃避というもの。
戦闘スタイルがスピード型のせいなのか、早くて正確で、思わず見とれてしまう。
キーボードの上を、フェイトさんの白くて細い指が走り、それと同時にモニタの表示が刻々と変わる。
微かに覗く横顔は、仕事モードの真剣な顔。初めて会ったときの、私が好きになったフェイトさんと、同じ表情。
見ているだけなのに、胸がドキドキする。ほのかに体が熱くなる。頭がぼーっとする。
これでもし、その瞳に見つめられたら……と、思うのだけれど、多分その機会は当分ない気がする。

「……あれ、ギンガ、帰ってたんだ。おかえり!」
「た、ただいまです、フェイトさん」

私の視線に気付いたのか、フェイトさんが振り返る。
その表情は、私と目があった瞬間に、すっかりとろけてしまい、先ほどの面影はカケラもない。
そして、嬉しそうに私に抱きついて、胸に頬ずりをする。

あのフェイトさんが、こんな表情をするなんて、ほとんどの人は知らないんだろう。
私も付き合い始めてから知って……しばらくショックで立ち直れなかった。
フェイトさんの特別になれたと考えれば、嬉しいことなのだけれど、格好いいフェイトさんも見たいのです。

そんなことを考えていると、いつの間にかフェイトさんの顔が胸元から首筋に移動している。
目立つところにキスマークを残されるとちょっと困るので、引きはがしにかかる。
あからさまに不満げな表情になるけど、フェイトさんは無理強いはしないタイプなので、おとなしく引きはがされる。

「フェイトさん、仕事の方は良いんですか?」
「いざとなれば徹夜するから……だから、ね?」
「徹夜は体に良くないですよ? ほら、手伝いますから」
「でも、そんなの悪いよ」

だけど、なおも諦めていないようで、食い下がってくる。
こういった時の諦めの悪さは、いつも手を焼いている。
頑固という評価を良く耳にするけど、まさしくその通り。

だけど、私も負けていられない。
フェイトさんに倒れられでもしたら、仕事にならないだろうし、それに格好いいフェイトさんを見るチャンス。これを逃す手はない。
宥めながら、私に手伝わせるように誘導していく。



811 名前: 2/3 ◆6Gzt0D6RRc [sage] 投稿日: 2008/04/19(土) 18:54:06 ID:9uPnohg9

「無茶されるよりは、ずっとマシです。少しは心配する方の身もなってください」
「うぅ……分かったよ……じゃあ、これと、ここからここまでと……」

少しキツイことを言ってしまったけど、ミッションコンプリート。
フェイトさんは、渋々といった表情で分担を指示する。

「……えっと、これ、いつまでにやるんですか?」
「明日の昼までだけど」
「えっ……こ、この量をですか!?」
「うん。三人がかりなら、何とかなると思ったんだけど、二人とも急に仕事が入っちゃって」

割り振られた分量を見て、見間違いかと思い。
締め切りを聞いて、愕然とし。
フェイトさんの分担を知って、頭が真っ白になった。

今日中にはとてもじゃないけど終わりそうにない分量が割り当てられたと思ったのに、フェイトさんが自分でやる分はその倍以上。
これを、徹夜すれば何とかなる、と言い切れるフェイトさんは、一体何者だろうか。
ちょっと、フェイトさんのことが遠く感じてしまった。

自分で言い出した手前、泣き言を言うわけにはいかないけれど、終わりが全然見えないのが、とても辛い。
仕事モードのフェイトさんを燃料に頑張ろうと思ったけど、逆に手が止まってしまう。
その真剣な横顔には、何か魔力的なものが宿っているに違いない。
ひとたび見てしまえば、即座に私の体を見えないバインドが縛り、視線をフェイトさんに釘付けにしてしまう。
終わりの見えない仕事の山よりも、よっぽど強敵だった。

そうやって、勝ち目の薄い戦いを繰り広げていると、不意にフェイトさんが口を開く。

「こうしてると、ギンガが補佐官みたいだね」
「そ、そうですか?」
「ちょっと考えたこと有るんだ、ギンガを補佐官に誘ってみようかって。でも、シャーリーとの付き合いも長いし、ティアナのこともあったし」
「……」

羨ましくないと言えば、嘘になる。
妬ましくないと言えば、嘘になる。

フェイトさんと一緒に働ける二人が、羨ましくて妬ましい。
プライベートを共に過ごせる今の私が、二人よりもフェイトさんに近くにいるとは分かっている。
だけど、頭で分かっていても、どうにもならないことはある。

こんな些細なことに嫉妬する私を、フェイトさんはどう思うのだろうか。
可愛いと言ってくれるかもしれないけど、だけど……と、考えると、選択肢は胸の内に仕舞い込む以外には無い。
一つ屋根の下で暮らしていて、愛されている実感もある。十分じゃないか、と。



812 名前: 3/3 ◆6Gzt0D6RRc [sage] 投稿日: 2008/04/19(土) 18:55:03 ID:9uPnohg9

「ギンガも他にやりたいことが有るんじゃないかって思って」
「フェイトさん……」

いつだってフェイトさんは私のことを考えてくれる。
だけど、今回はそれが胸に突き刺さる。

他にやりたいことなんて何もない。
ただ、フェイトさんのそばに居られるなら、それで良い。

他にやりたいことが無かった訳じゃない。
捜査官を志したのは、フェイトさんに近づくためと、母さんを奪った戦闘機人事件を追うため。
だけど、戦闘機人事件はフェイトさん達機動六課が解決してしまった。
……私の知らないところで。
だから、もう、フェイトさんのそばに居られたら、それで良い。
それ以外に望むことなんて何もない。

きっと、たった一言で良いのだろう。
たった一言、”フェイトさんの副官になりたかったんです”と言ってしまえば。
そうすれば、きっとフェイトさんは、三人目だろうがお構いなしに、私を補佐官にしてしまうんだろう。

フェイトさんの優しさに付け込めば。
フェイトさんの期待を裏切れば。

「それに、ギンガを補佐官にしたら、私執務官クビになっちゃう気がするんだよ」
「えっ、どうしてです……へ?」

そう言いながら、フェイトさんは私の後ろに回り、胸を鷲づかみする。
あまりに突然のことで、一瞬思考が止まる。

「フェ、フェイトさ……ひあっ」

抗議の声を上げようとしたけど、耳たぶを軽く噛まれて力が抜けてしまう。

「だって、職場にギンガがいたら、仕事にならないよ。今だって、もう限界で」
「限界って、んんっ、まだ30分も経って……ふあっ」

真剣な話と思いきや、恋人を補佐官にしたらセクハラに忙しくて仕事まで手が回らない、と来ましたかこの色ボケ執務官さんは。
色々悩んだ私がバカみたいですね、もう知りませんよ?

「仕事の方は、私が徹夜すれば良いだけのことだから、今はイイことしよ?」
「間に合わなくても、あんっ、知りませんよっ」



813 名前: ◆6Gzt0D6RRc [sage] 投稿日: 2008/04/19(土) 18:56:01 ID:9uPnohg9

甘いギンフェイって感じのリク受けて書いたけど、思ったより甘くならなくて没に。
勿体ないので再利用。
2009年04月04日(土) 23:45:48 Modified by coyote2000




スマートフォン版で見る