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534 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2007/06/19(火) 21:04:01 ID:n4FA+RSQ
「またぁ。フェイトちゃんて本当に心配性なんだから。」
「でも、なのは最近無理してるし…」
「大丈夫だよ。わたしが丈夫なの知ってるでしょ?」
そういってにこやかに微笑むなのは。
後輩たちの教導と、自身のハードな訓練が連日続いているのに『大丈夫』な訳がない。
「それでもやっぱり心配なんだ…」
自分でも呆れるほどの心配性に、もしかしたらなのはも辟易しているのかもしれない。
言ってしまった後で、少しの後悔。いらぬおせっかいでなのはに嫌われやしまいかと。
「それなら…ねぇ、フェイトちゃん?」
足を止めたかと思うと、なのはが私を見ていた。
「疲れを取るにはどうしたらいいのかなぁ?」
なのはの問いかけにしばし頭を悩ませたが、出てきた答えはごく平凡なものだった。
「やっぱりおいしいものを食べてゆっくり眠るのが一番かも。」
「そうなんだ。でも、ごはんはさっき食堂で食べたばかりだから、あとは睡眠をとるだけ、かな?」
「うん。それがいいね。」
「もちろんフェイトちゃんも一緒に眠ってくれるんだよね?」
「どっ、どどどど、どうして私も一緒なの?」
「だってフェイトちゃんだって疲れてそうだもん。激務に追われて全然休んでないし。」
「わ、私は大丈夫だよ。本当に。」
「あれー?さっきわたしが『大丈夫』って言っても心配してくれたのはフェイトちゃんだよ?それならわたしだってフェイトちゃんのこと心配なんだからね?」
「あ…ぅぅぅ。」
「ほら、隊舎に帰って一緒に寝よ?二人で一つのベッドに寝転んで。」
「ふっ、二人…で?」
「うんっ、勿論!あ、そうだ。なんかね、眠る時に心臓の音聞きながら眠るとよく眠れるんだって。心音が海の小波の音に似ていてね、それは海から生まれた太古の生物としての記憶が人にはあるからなんだって。」
「そうなんだ。」
「だからね、今日はフェイトちゃんの鼓動を聞きながら眠りたいなって。」
「…!!!」
「フェイトちゃんの胸に埋まって眠ってもいい?もちろん、フェイトちゃんもわたしの胸に耳をあててくれていいよ。」
赤面しながらも小さく頷いた私に、なのはは嬉しげに腕を絡ませて急ぎ足に歩き出した。
2007年09月29日(土) 21:46:42 Modified by ID:BcHEca2AAg




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