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21-922

921 名前: 名無しさん@秘密の花園 [sage] 投稿日: 2008/08/24(日) 06:00:55 ID:RqeYFTS/

>>908です
迷惑をかけてしまったご本人様の居ない中で謝罪というのもおかしな話ですが
このスレの方を不快にさせてしまったお詫びで、SS投下した後書き込み自粛します

短めのスバティア、時期はSSX後でネタバレは極力回避してます



922 名前: 名無しさん@秘密の花園 [sage] 投稿日: 2008/08/24(日) 06:01:26 ID:RqeYFTS/

「ふぅ〜……お疲れ様、ティア!」
「お疲れ、スバル。飲み物買ってあるけど、どれ飲む?」
「ああ〜!ティア、ありがとっ! それじゃあ、あたしはこれね」
「なら、あたしはこれで」
「それでは、事件の解決とティアの活躍を祝して!」
「「かんぱ〜い!」」

『マリアージュ』と『イクス』を巡る事件が全て解決した後の夜の事。
スバルが借りている部屋の一室に、大量の食べ物、飲み物が持ち込まれての、
傍目には大宴会の様であるが、たった二人だけで労い合う、そんな空間。
そこに、二人向かい合って杯を交わす女性達の姿が在った。

時空管理局執務官、ティアナ・ランスター。
湾岸警備隊特別救助隊員、スバル・ナカジマ。

若きエースである二人がこの一大事件の解決に大きく貢献した事はメディアを通して広まっており、
ここ数日は事件の事後処理とマスコミへの対策等で、互いに思うように時間が取れずに居た。
既に、こうして二人揃って休む時間を取るまでに、実に三日近くを要している。

「それにしても、大変な事件だったよね〜。
ほとんどのんびりする暇無しにあちこち飛び回って」
「そうね。けど、事件の渦中よりその後の方が忙しかったように思えるなぁ…」
「だよね〜。ティアなんて、『次世代エースオブエース登場か?』なんて言われちゃいそうだったもんね」
「もういい加減うんざりするわよ、その手の話題については。
ほんと、今更だけどなのはさんの事、尊敬しちゃうな…」

英雄的な事を為したのであれば、当然その勇姿を広めようとする団体も有るわけで、
そこらの情報誌には、仰々しいタイトルと一緒に載せられているのかもしれなかった。

「ティア、嬉しくないの?」
「ちっとも嬉しくなんかないわよ。私はまだなのはさんより実力も何もかも圧倒的に下なんだし、
それなのにそんな二つ名なんて、恥ずかしいわよ」
「なのはさん、本当に凄い人だからね。でも、ティアも十分凄いよ」
「お世辞は別にいいわよ、あんただって、私の実力くらいは分かるでしょ」
「…まだ、ちょっとだけかな。だって、一年半ぶりなんだし」
「……そっか、そうだったわね」

この事件で再会するまでは、約一年半もの間、二人が面と向かって顔を合わせる事は無く、
こうしてのんびり過ごすのも、実に久しぶりの事である。

「何か、毎日通信してたようなもんだから、すっかり忘れてたわよ」
「あはは、実は私もこの前まで忘れてたからおあいこ。
お互い、本当に忙しくなっちゃったからね〜」
「そうね…でも、スバルは全然変わってないわよね。
通信はしてたけど、実際に会った時はもっと印象変わってるかと思ってた」
「そ、そうかな…自分ではもうちょっと変わってて欲しかったけど」
「変わってないわよ、そのバカな所も」
「あ〜! ティア、ひどいよ〜」
「…命を助ける事に真剣なのも、三年前からね」



923 名前: 名無しさん@秘密の花園 [sage] 投稿日: 2008/08/24(日) 06:02:49 ID:RqeYFTS/

「……そうかな?」
「そうよ、あたしが言うんだから間違い無いわよ」
「えへへ…。ありがと、ティア」
「特にあの時なんか、JS事件の時のあんたに似てたから、特にね」
「あ、あれはむしろあたしが無鉄砲だったから……」
「それで危険に突っ込むのも、あんたらしいわよ」
「う、う〜ん…褒められてるのかな?」
「スバルが今生きてここに居るなら、褒められてるって事よ」
「…ありがと」

「…だから、ちょっとだけ安心した」
「ティア…?」
「スバルもあたしも、あんまり変わらないんだなって。
…もし全然違うものになってたら、三年前の事は何だったんだろうなって、考えてた」
「……あたしもティアも、昔が有って、今が有るから。
どんなに時間が経っても、二人で居る時は、そう簡単に変わらないと思うよ」
「…うん、そうよね……」
「テ、ティアッ!?」

「……何よ」
「えっ? あの、その……何で、くっついて来てるのかな〜って…」
「悪い?」
「いや、別に悪くないし、むしろ嬉しいんだけど…。
でもティア、以前はそういうの凄く嫌がってたじゃん」
「別に良いじゃない。誰も居ないんだし、こんな時くらい」
「で、でも……」
「……一年半も待たされて、その間もその後も何度も死に掛けたんだから。
私と、あんたが、生きて隣に居られてるんだって、実感させてくれたって良いでしょ……」
「ティア………」
「…結局、スバルもあたしも変わらないのよね、変な所では」
「……うん、そうだね」

この時、ティアナ・ランスターとスバル・ナカジマ。
互いに全ての役職を忘れ、今は懐かしい時に戻って、僅かな休息を楽しみ、過ごしていた。

「……少しの間だけでも、このまま居させてよね…スバル」
「…うん、良いよ、ティア」

――その後、二人だけの慰労会は、夜遅くまで続いたという。
2009年07月05日(日) 23:04:42 Modified by coyote2000




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