4-888
888 名前:単発ネタ ◆34IETlJpS6 [sage] 投稿日:2007/09/23(日) 01:22:36 ID:pE3AiQdC
海からは穏やかな風が吹き、草木は芽吹き花は鮮やかな彩りを与える。
その公園を、二人の女性が訪れていた。一人は車椅子、そしてもう一人には片腕がなかった
「ここに来るのも、随分とひさしぶりですね」
「そうだな、ここ最近はお前の体調が優れなかったし、潮風もあまり身体に良くない
本当なら、来ること自体も多少は自重して欲しいくらいだ」「そうですね、でもこれはわたしの我が儘です
きっと・・・最後の時が来るまで、毎日続けられたら
そう思います」
「そうか・・・
だが、自重して欲しいというのがわたしの我が儘だ
だから、わたしも毎日言わせ続けてもらう」
「相変わらず、そう言うところは頑固なんですね」
「もう長い付き合いだ、わかっているだろう?」
そう言って、二人は笑い合った。
片腕の女性は車椅子を押し、海に面した広場から桜の木の元へと向かう。
近づくにつれ、道に落ちている花びらが多くなってゆく。
その中風に乗り、そのうちの一枚が車椅子の女性の手に落ちた。車椅子の女性は感慨深げに花びらを見つめる。
「もう、桜も終わりですね
花は、いつか散る。わたしも、そう
でも、あなたはいつまでも変わらないですね
シグナム」
「そんな事は無いさ
お前は、今も美しいままだよ
テスタロッサ」
車椅子の女性から、返答はなかった
片腕の女性は桜の木を見上げる
枝には、もう
花は、残っていなかった
海からは穏やかな風が吹き、草木は芽吹き花は鮮やかな彩りを与える。
その公園を、二人の女性が訪れていた。一人は車椅子、そしてもう一人には片腕がなかった
「ここに来るのも、随分とひさしぶりですね」
「そうだな、ここ最近はお前の体調が優れなかったし、潮風もあまり身体に良くない
本当なら、来ること自体も多少は自重して欲しいくらいだ」「そうですね、でもこれはわたしの我が儘です
きっと・・・最後の時が来るまで、毎日続けられたら
そう思います」
「そうか・・・
だが、自重して欲しいというのがわたしの我が儘だ
だから、わたしも毎日言わせ続けてもらう」
「相変わらず、そう言うところは頑固なんですね」
「もう長い付き合いだ、わかっているだろう?」
そう言って、二人は笑い合った。
片腕の女性は車椅子を押し、海に面した広場から桜の木の元へと向かう。
近づくにつれ、道に落ちている花びらが多くなってゆく。
その中風に乗り、そのうちの一枚が車椅子の女性の手に落ちた。車椅子の女性は感慨深げに花びらを見つめる。
「もう、桜も終わりですね
花は、いつか散る。わたしも、そう
でも、あなたはいつまでも変わらないですね
シグナム」
「そんな事は無いさ
お前は、今も美しいままだよ
テスタロッサ」
車椅子の女性から、返答はなかった
片腕の女性は桜の木を見上げる
枝には、もう
花は、残っていなかった
2007年09月26日(水) 22:15:15 Modified by nanohayuri