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5-651

651 名前:単発ネタ ◆34IETlJpS6 [sage] 投稿日:2007/10/03(水) 09:08:04 ID:xFxGOTtU
なのはの愛情表現



昔、お母さんにどうしてもこれだけは覚えておきなさいって言われて
料理を教えられた事がある。


「ねえ、なのは
気になってたんだけど、この料理いつも朝食に出てくるよね」
久し振りの三人揃っての朝食で、フェイトちゃんの口から出た話題は
そんな何気ない言葉だった。
「あれ、もしかしてフェイトちゃん
それ嫌いだった?」
「あ、ううん
なのはの料理は凄く美味しいよ
これを食べると、帰ってきたんだ・・・って気がするし
それで、ちょっと気になっちゃったんだ」
そう言って料理の器を手に取ると、わたしに笑顔を向けてくれた。
六課解散後、わたし達は本局から少し離れたマンションで三人で暮らしている。
と言ってもフェイトちゃんは次元航行部隊勤務のため
短い時は一週間くらい、長い時は1ヶ月近く家を離れてしまうんだけど・・・
今日も、その任務明けの貴重な休日だった。
「これはね、お母さんがわたしに最初に教えてくれた料理なの
お母さんも、おばあちゃんから教わったって言ってたかな」
「そうなんだ、なのはの思い出の料理なんだね」


652 名前:単発ネタ ◆34IETlJpS6 [sage] 投稿日:2007/10/03(水) 09:39:12 ID:xFxGOTtU
フェイトちゃんは納得したように頷く。
本当はそれだけじゃないんだけど、それはフェイトちゃんには秘密。

「でも、ミッドチルダで良く材料が集まるね」
「海鳴に帰った時に買い置きしたりもしてるし
グレアムさんが教えてくれたお店でも一応買えるから、大丈夫」
「そうなんだ」
はやてちゃんの後見人のグレアムさんは、闇の書事件で退役後
何を思ったのか、突然郊外の土地に地球産の作物を作る小規模な農園を建ててしまった。
土の相性から日本の作物が合うらしく、今では毎日畑を耕しては野菜や穀物を収穫し
お店などに卸しているらしい。
わたしも、その恩恵に預かっている一人だった。
「フェイトちゃん、おかわり要る?」
空になった器を見て聞くと
「うん、ありがとう
なのは」
そう言って、嬉しそうな顔で食器を渡してくれる
それが何だかとても嬉しくて、胸がポカポカして
ついつい大盛りにしてしまう。
「何だかこうしてると、新婚さんみたいだよね」
「そ、そう・・・だね(//////」
わたしがそう告げると、フェイトちゃんの顔は付け合わせのトマトみたいに真っ赤に染まる。

相変わらず、こういう言葉には耐性無いなぁ
それが可愛いんだけど


653 名前:単発ネタ ◆34IETlJpS6 [sage] 投稿日:2007/10/03(水) 10:22:00 ID:xFxGOTtU
「そ、そう言えば
はやてが遊びに来た時には
出さなかったよね、この料理」
大勢が危うくなったのを悟ったのか、フェイトちゃんは慌てて話を逸らそうとする。
「うん、はやてちゃんには作ってあげたこと無いよ」
きっとはやてちゃんも、わたしには作ってくれないと思う。
「どうして?」
不思議そうに聞いてくるフェイトちゃんに、わたしはただニコニコと笑顔だけを返した。

この料理を教えてくれた時の
お母さんの言葉を思い出す。
『なのは、このお料理はね
いつかあなたに、一番大好きな人が出来たら
その人のために作ってあげるのよ』

わたしは特別な『好き』を表現するのが下手だから、こんな事しか出来ないけれど。

「フェイトちゃん」大好きな人の名前を口にして。
わたしは今日も、明日も、お鍋を握る。

だから

「これからも、ずっと食べて欲しいな
わたしのお味噌汁」

654 名前: ◆34IETlJpS6 [sage] 投稿日:2007/10/03(水) 10:33:36 ID:xFxGOTtU
おしまい。

まぁ、良くある古典告白ネタの逆ver。
朝味噌汁の出汁取ってたら思いついただけの話です。
2007年10月09日(火) 04:14:08 Modified by nanohayuri




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